腰椎圧迫骨折で後遺障害等級認定されない!認定するには

交通事故で腰椎圧迫骨折を負い、後遺症が残った場合でも、後遺障害等級認定がされないケース、保険金が低額になるケースは存在する可能性があります。

後遺障害を認定する際には、後遺症の具体的な症状や重症度が、後遺障害等級認定の基準を満たしているかどうかを判断をします。

しかし、基準に従って、後遺症がどの等級に該当するかを判断する時に「非該当」になってしまうことがあります。

今回は、腰椎圧迫骨折で後遺障害等級認定されない場合、認定するにはどうすればいいのか、保険金が低額にならないケースを解説します。

圧迫骨折の後遺障害等級・認定基準

腰椎圧迫骨折、また胸椎圧迫骨折などをした場合の等級認定についてです。

脊柱の運動障害と変形障害等の程度に着目し、次のとおりの等級認定基準が示されています。

  • 6級5号 脊柱に「著しい変形」を残すもの
  • 6級5号 脊柱に著しい変形または運動障害を残すもの
  • 8級2号 脊柱に「中程度の変形」を残すもの
  • 8級2号 脊柱に運動障害を残すもの
  • 11級7号 脊柱に「変形」を残すもの
  • 14級9号「局部に神経症状を残すもの」に該当するもの

交通事故で腰椎圧迫骨折をして後遺症が残る場合は、上記のような等級になる可能性があります。

等級の基準や保険金の相場については詳しくは別途ページで解説します。それではなぜ、腰椎圧迫骨折で後遺障害等級認定されないケースが生じるのでしょう。

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腰椎圧迫骨折で後遺障害等級認定されない?原因の有無をめぐる争い

しばしば争われるのが「圧迫骨折の有無」です。

具体的には、画像が明白でない場合、あるいは、腰椎・胸椎の圧迫骨折であるとしても、事故によるものなのかそうでないのか(もともとあった骨折あるいは事故後の受傷によるもの)疑わしい場合に生じる争いです。

レントゲン画像では、事故前からあった古い骨折なのか、事故後に生じた新しい骨折なのかがよく分かりません。

元からあったいわゆる陳旧性骨折か、新鮮骨折かの判断は「受傷直後のMRI」で判断する必要があります。

逆に言えば、圧迫骨折の際には、新鮮骨折を証明する必要があり、そうしなければ腰椎圧迫骨折があっても、後遺障害認定されない状況に追い込まれる場合があるので注意してください。

胸椎・腰椎圧迫骨折の後遺障害認定ポイント

後遺障害等級は、第1級から第14級までの区分で定められており、該当する等級に応じて後遺障害慰謝料および逸失利益などの保険金の限度が定められています。

したがって、この認定がされてはじめて慰謝料を獲得できます。

事前認定だと認定されないことがあり

申請手続きには、以下の2つの方法があります。

  • 事前認定
  • 被害者請求

申請手続きの簡単さだけでいえば、後遺障害診断書の作成を主治医に依頼してこれを受け取り、加害者側の保険会社に送付するだけで済む「事前認定」に軍配が上がるのは明らかです。

しかし、加害者側の保険会社は、あくまで後遺障害等級認定がなされて損害賠償額が増えればその支払いを行わねばならない立場にあり、被害者の味方に立つものではありません。

上述のとおり、後遺障害等級認定が具体的にどうなるかは、カルテや意見書や不利な事情を補うための説明文書などを用意して自ら申請手続き、つまり「被害者請求」をすべきといえます。

そうすると腰椎圧迫骨折で後遺障害が認定されないという可能性が減ります。

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胸椎・腰椎圧迫骨折の後遺障害が認定されない!その原因とは

後遺障害等級認定の審査は、客観的な医学的所見によって立つ徹底的な書面審査を基本としています。

例えば、下記の3つの書類・画像は特に重要です。

  • 月ごとに作成されていた診断書
  • レントゲンやMRIなどの画像
  • 後遺障害診断書など

「腰椎圧迫骨折で後遺症が残ったのに11級に認定されず非該当になった!」という事態が起きる原因は、主に上記の書類の一部に問題のある記載があって、後遺障害が認定されないというケースをまずは考えるべきでしょう。

胸椎・腰椎圧迫骨折の後遺障害が認定されない場合の対策とは

適切な後遺障害等級認定を得るための備え、つまり、これに備えた的確な資料収集のために、下記の観点が重要になってきます。

  • 毎月の診断書に記載されている「傷病名」に一貫性があること
  • 事故日から症状が存続していること
  • 事故状況と後遺障害との間に関連性があること
  • 症状を裏づけるレントゲンなどの画像を撮り、各種検査を受けていること
  • 1か月以上の中断期間など治療状況に不自然な点がないこと

詳しくは後遺障害診断書に関するページをご確認ください。

そして、これらすべての資料収集や確認は個人では難しく、後遺障害に強い弁護士に相談したほうが無難でしょう。

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第12胸椎圧迫骨折の裁判例|後遺障害11級7号

参考になる裁判例として、国税調査官の後遺障害(11級7号)の例があります(名古屋地裁 平成22年7月2日判決)。

後遺障害が残ったことによる収入の減少が認められなくても、将来の昇給や昇格に影響が出る可能性があることを考慮して「逸失利益が認定」されたものです。

交通事故により、第12胸椎圧迫骨折の傷害を負って入通院により治療を受けましたが、残念ながら被害者には、後遺障害等級11級7号に該当する「脊柱の奇形障害」が残りました。

ここで大きな問題が起こります。被害者が比較的早期に元の職場に復帰し、従前の税務署員として稼働していることから、保険会社が「逸失利益」について強く争いはじめたのです。

しかし、裁判所は、後遺障害の具体的内容(脊柱の変形)やその派生的症状(腰痛による集中力の低下)、これによって同僚と比べてかなり長い残業時間が発生していることを認定。

現時点において、特段の減収が認められないのは、原告自身の努力によるところも大きく、将来の昇給や昇格に影響が出る可能性は否定できないとして、結論としては、67歳までの平均して「14%の逸失利益」を認定したものです。

ただし、後遺障害等級が11級であり、本来の労働能力喪失率は20%とされています。

それにもかかわらず、本件では14%とされたのは、被害者の仕事の能率の落ちる原因が障害ではなく、腰痛が理由で現時点においては減収が発生していないことが考慮されていると思われます。

このように、現時点において特段の「減収が認められない場合」にも、後遺障害の具体的内容やその派生的症状の影響を具体的に考慮し、将来の減収の可能性が認められるときには、逸失利益を認定するのが近時の裁判例の傾向となっています。

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弁護士に依頼し保険金を増額するメリット

以上が腰椎圧迫骨折・胸椎圧迫骨折などによる、後遺障害等級認定と、認定されるか認定されないかについてでした。

最近では、無料相談を行っている弁護士事務所も多いです。被害者の方の自動車保険に弁護士費用特約がついていれば、保険から弁護士費用が支給されます。

賠償金や保険金について困っていたり、後遺障害等級認定されないか、されるか不明な場合など何か困っているならまず後遺障害に強い弁護士に相談しましょう。

弁護士に依頼できれば、後遺障害に基づく逸失利益・慰謝料の請求するにあたって、保険会社との示談や裁判に向けたあらゆる手間から解放され治療に専念できるメリットがあります。

そして金額において相対的に最も高額であるいわゆる弁護士会基準で請求できるという点、妥当な後遺障害等級認定を得るために能動的な方法である被害者請求を選択した上でこれに備えて的確な資料を収集するにあたって助けとなるという点、などといった多くの大きなメリットが存在します。ぜひ一度弁護士に相談してみることをおすすめ致します。

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