交通事故で外傷性てんかんになった場合の症状と後遺障害は?

交通事故に遭って頭を強く打ったケースなどでは、外傷性てんかんが起こることがあります。ふだんの生活では耳慣れない言葉ですが、外傷性てんかんとはどのような症状で、どのような後遺障害が認められるのでしょうか?
今回は、交通事故で脳が損傷を受けたと機に発症することのある外傷性てんかんについて解説します。

1.外傷性てんかんとは

まずは、外傷性てんかんとはどのような症状なのか、確認しましょう。

外傷邸てんかんとは、脳が外傷を受けたことをきっかけに、てんかん発作を発症することです。交通事故で頭を打って脳挫傷や頭蓋骨骨折を負った場合、その後に発症することが多いです。
てんかん発作とは、大脳の神経細胞の活動が以上に活発化して、興奮状態になることによって運動障害や自律神経、精神症状などが起こることです。
外傷性てんかんは、以下のように分類されます。

(1)直後てんかん

受傷してから24時間以内に発生するけいれんで、外傷性てんかんに移行することは少ないです。子どもによく起こります。

(2)早発てんかん

受傷してから1週間以内に発生するけいれんで、外傷性てんかんに移行することが多いです。子どもによく起こります。

(3)晩発てんかん

受傷してから8日以降に発生するけいれんです。一般的に「外傷性てんかん」という場合、この晩発てんかんを指すことも多いです。

2.外傷性てんかんの症状

外傷性てんかんになると、どのような症状が起こるのでしょうか?

この場合、名前のとおり、てんかん(けいれん)が起こります。そこで、身体が弓なりに反って硬直したり、皮膚が青紫色に変色したり、失禁したり泡をふいたり意識を失ったり記憶が飛んだりすることがあります。
外傷性てんかんにかかると、このようなてんかん発作を何度も繰り返すことが多いです。

ただ、一度もてんかん発作がなくても、脳波の検査でてんかん性の棘波が見られたら、外傷性てんかんとしての後遺障害等級が認定されることはあります。
てんかん発作が繰り返されることによって脳神経細胞が傷ついてしまい、性格変化や知能低下などが起こったり、痴呆や人格障害が起こったりして高次脳機能障害を併発することもあります。

3.外傷性てんかんの診断基準

外傷性てんかんの診断基準としては、walkerの基準という6つの基準が使われています。

  • 実際にてんかん発作が起こっている
  • 外傷を受ける以前には発作が起こったことがない
  • 他に脳や全身にかかる疾患がない
  • 外傷の程度が、脳損傷を起こすほど強かった
  • 最初のてんかん発作が、外傷を受けてから比較的近い時期に発生した
  • てんかんの型や脳波の所見が脳損傷を受けた部位と一致する

4.外傷性てんかんの治療

外傷性てんかんに対しては、多くの場合、抗てんかん薬による薬物治療が行われます。
晩発てんかんを発症している人に対しては治療として投薬を行い、受傷8日以降発作が出ていない人に対しては予防として投薬が行われます。
予防的な投薬が行われる期間は、3ヶ月間程度(脳の状態が安定するまでの期間)を目途としますが、重症の脳損傷が認められるケースでは2年を目途にします。

5.てんかんの診断に有用な検査

交通事故によって外傷性てんかんになったかどうか診断するためには、以下のような検査が有用です。

(1)脳波検査

脳波検査によって脳波を記録し、てんかん性の放電や突発性ではない異常所見がないかを確かめます。

ただし、脳波が正常でもてんかんに該当することはあります。

(2)画像検査

MRIやCT画像などの診断によって脳の損傷が明らかに確認できるので、ここから外傷性てんかんを診断することが可能になります。
これにより、脳の損傷等が明らかになる可能性があります。

6.外傷性てんかんで認められる後遺障害

外傷性てんかんになった場合に認定を受けられる後遺障害の等級は、一般的には5級、7級、9級、12級ですが、高次脳機能障害を併発した場合には、それによって1級、2級、3級が認定されることもあります。
以下では、個別に見てみましょう。

1級1号(高次脳機能障害)

てんかん発作が原因で常に介護を必要とする状態。
この場合、後遺障害慰謝料は2800万円(弁護士・裁判基準)、自賠責保険の限度額は4000万円となります。

2級1号(高次脳機能障害)

てんかん発作で意識障害が起こる症状が、1週間に1回以上起こる。
この場合、後遺障害慰謝料は2370万円(弁護士・裁判基準)、自賠責保険の限度額は3000万円となります。

3級3号(高次脳機能障害)

てんかん発作で意識障害が起こる症状が1ヵ月に2回以上起こり、労務につくことができない状態。
この場合、後遺障害慰謝料は1990万円(弁護士・裁判基準)、自賠責保険の限度額は2219万円となります。

以下は、外傷性てんかんによって認定される等級です。

5級2号

1カ月に1回以上、転倒または意識障害を伴う発作がある。
この場合、後遺障害慰謝料は1400万円(弁護士・裁判基準)、自賠責保険の限度額は1574万円となります。

7級4号

数か月に1回以上、転倒または意識障害を伴う発作がある。
または
1ヵ月に1回以上、転倒または意識障害を伴う発作以外の発作がある。
転倒または意識障害を伴う発作以外の発作とは、両手を中心にぴくつきを起こしたり、意識障害なしに口を動かしたり変な声を出したりする発作などです。
この場合、後遺障害慰謝料は1000万円(弁護士・裁判基準)、自賠責保険の限度額は1051万円となります。

9級10号

数か月に1回以上、転倒または意識障害を伴う発作以外の発作がある。
服薬の継続によって、てんかん発作がほとんど完全に抑えられている。
(服薬を継続しても一定の頻度で発作を抑えられない場合、7級以上の認定が受けられます)
この場合、後遺障害慰謝料は690万円(弁護士・裁判基準)、自賠責保険の限度額は611万円となります。

12級13号

脳波上、明らかなてんかん性棘波が認められるけれども服薬が不要で、てんかん発作が起こっていないケース。

この場合、後遺障害慰謝料は110万円(弁護士・裁判基準)、自賠責保険の限度額は75万円となります。

7.外傷性てんかんの注意点

外傷性てんかんは、専門性の高い症状なので、医師であっても専門外の人に見てもらうと、誤診が多いと言われています。そこで、よい専門医を探して診断を受けることが大切です。
また、外傷性てんかんの診断に際しては、MRIやCTなどの画像診断が重要なので、交通事故直後から精密検査によって脳の状態を確認する必要があります。
さらに、外傷性てんかんになったとき、交通事故との因果関係が争われるケースが多いです。

特に、頭への衝撃が小さかった事故では問題になることが多く、判例でも、脳波検査や脳の画像所見において異常が認められないことを理由に因果関係を否定されたケースがあります。
これに対し、事故前にてんかん発作が起こったことがなく、専門医による外傷性てんかんの診断があり、治療を継続している場合に因果関係が肯定された事案もあります。
このように、因果関係が争いになると訴訟をしなければ決着がつかないことも多くなります。

外傷性てんかんになって、今後どのように手続きを進めて良いかわからなかったり、相手の対応に納得ができなかったりして困っている場合には、交通事故問題に強い弁護士に相談してみると良いでしょう。

まとめ

今回は、交通事故で頭を打ったときなどにかかることのある外傷性てんかんについて解説しました。

外傷性てんかんになると、頻繁にてんかん発作が起こるようになることも多く、高次脳機能障害を併発することもあるので、日常生活への影響が大きいです。

主に脳波検査や画像検査によって明らかになることが多く、投薬によって治療を行います。

外傷性てんかんになった場合、その症状の程度に応じて後遺障害の等級認定を受けることができます。

ただ、専門医以外の医師にかかると誤信されることも多いと言われており、後遺障害の等級認定申請の場面では因果関係が問題になることもよくあります。
外傷性てんかんになった場合、交通事故問題に強い弁護士の力を借りることが役に立つので、今事故に遭っててんかん発作が現れていたり、外傷性てんかんと診断されて対応に困っていたりする場合には、まずは一度、弁護士に相談してみましょう。

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