飲酒運転による死亡事故の慰謝料と損害賠償金

慰謝料計算

1.飲酒運転の被害者に。損害賠償はどのくらいになる?

危険な飲酒運転の事故に巻き込まれ、突然被害者家族になってしまった。悲惨な交通事故により、辛い経験をされている方は毎年大勢いらっしゃいます。

悲惨な交通事故を減らすためにも飲酒運転の危険性を学んでおくことは重要です。

今回は、「飲酒運転と死亡事故。事故の慰謝料と損害賠償金」について解説します。

2.飲酒運転と死亡事故

まず、飲酒運転と死亡事故の関係性や、死亡事故の推移についてみていきましょう。

2-1.飲酒運転の危険性

飲酒運転は危険です。まずは、飲酒運転の危険性について詳しく理解していきましょう。

なぜ飲酒運転が危険なのか。それは、アルコールを摂取すると、脳の働きが麻痺し身体機能も低下してしまうからです。

まず、アルコールを摂取すると中枢神経が麻痺します。

そして、脳の中枢神経が麻痺することにより、認知機能、判断能力・身体能力なども低下します。

例えば、運転には危険を察知し、素早く行動するために動体視力が必要になりますが、お酒を飲むことにより動体視力も落ちてしまいます。

また、理性や自制心も低下するため、スピード違反などをいつの間にかしてしまうなどのケースもありえます。

海外の警察などでは、飲酒運転の可能性がある場合に、運転手を外に出し、まっすぐ一直線上に歩かせます。

これはお酒によって、身体の平衡感覚が鈍くなっていないかをチェックするためです。

アルコールを保有したまま運転をすると、判断能力が鈍り重大な事故を引き起こしやすくなってしまいます。

車線変更の判断が遅れたり、ブレーキを踏むのが遅れたりします。

泥酔しているケースでは、運転中に寝てしまい事故を起こすケースもあります。運転能力自体が低下してしまうということを理解しておきましょう。

このように、アルコールは人の身体的機能を低下させてしまいます。

この状態で運転すると、重大な事故につながる可能性が高くなってしまいます。身の回りの人で飲酒運転をしようとする人がいたら、しっかり止めてあげてください。

2-2.死亡事故の推移

次に、飲酒運転による死亡事故の推移をみていきましょう。

現在、年間の飲酒運転の取締まり数は約2万7000件もあります。これは酒酔い・酒気帯びの両方を含みます。そして、飲酒運転による死亡事故は、平成13年以降大幅に減少しています。

平成13年に危険運転致死傷罪が設置され、飲酒運転の罰則が厳しくなったためです。平成13年に1191件の死亡事故がありましたが、平成27年には201件に減少しています。

もっとも、近年は死亡者数が横ばいになり、減少していません。刑罰や取り締まりを強化するだけではなく、意識改善に向けた啓蒙活動などももっと実施するべきかもしれません。

参考外部サイト:警察庁 飲酒死亡事故の推移

2-3.酒酔い運転と酒気帯び運転の違いって?

皆さん、飲酒運転には2つの種類があることはご存知だと思います。ここで、具体的にどう違うのかについても理解してみましょう。

酒酔い運転は、「アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない状態」のことです。飲酒運転が疑われると、呼気からアルコールを検出するため、アルコール濃度で酒酔い運転かどうかを判断すると思われがちですが、実際はアルコール濃度とは関係なく、正常な運転ができない程度に酔っ払っていたかどうかが判断基準となります。

そして、これとは異なり酒気帯び運転はアルコール濃度によって判断します。酒気帯び運転とは、「呼気中アルコール濃度0.15mg/l以上 0.25mg/l未満」で車を運転した場合と法令で規定されています。

酒気帯び運転の場合、呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上保有の場合は、基礎点数と免許停止期間が多くなってしまい、道路交通法上の罰則を強化しています。

このように、飲酒運転は2つに分けられ定義されています。アルコール濃度だけでなく、実際に正常な運転ができない状態なのかも判断基準になっていることも理解しておきましょう。

3.死亡事故の慰謝料

次は、死亡事故が起きてしまった場合の慰謝料について解説します。

3-1.死亡事故と慰謝料

では、死亡事故の慰謝料は一般的にはどのくらいなのでしょうか。

まず、交通事故の慰謝料とは、事故による精神的苦痛に対する償いのための賠償金のことを指します。損害賠償金というと、一般的に慰謝料と考える方が多いと思いますが、実際は異なります。

損害賠償金には、葬儀費用・死亡の逸失利益、弁護士費用も含まれ、死亡慰謝料もこの中の1つということになります。

飲酒運転の交通事故で死亡事故となってしまった場合、一般的に慰謝料は高額になってきます。というのも、飲酒事故は加害者の著しい過失があり、これが考慮されるためです。

特に、家族の経済状況を支えている方(一家支柱)が事故に巻き込まれた場合は、慰謝料も高額になってきます。これは亡くなった方自身の収入にも関係しますが、残された家族の生活の基盤が奪われてしまうため、その点を考慮しているものと考えられます。

具体的な慰謝料の金額ですが、次のような裁判基準がでています。

一家の経済的に支柱となる夫又は妻が死亡した場合2800万円、両親や配偶者の場合2500万円、その他子どもや独身の方の場合は2000-2500万円です。

もっとも、これらはあくまで基準であるため、被害者の事情や加害行為の具体的態様などを考慮した上で実際の金額が定まることになります。

3-2.実際のケースをみてみよう

では、実際のケースでどの程度の慰謝料が認められたのかみていきましょう。

平成15年の事例。5歳の女の子が被害者で死亡事故のケースでは、2800万円の慰謝料「が認められました。加害者の大量の飲酒や赤信号無視などの違反も考慮されました。

平成22年の事例。22歳の男子大学生が被害者で死亡事故のケースでは、2800万円の慰謝料が認められました。加害者の飲酒、居眠りによる追突という点が考慮されました。

平成3年64 歳男性の一家支柱の死亡事故のケースでは、2200万円の慰謝料が認められました。加害者の飲酒による一方的過失であった点が考慮されました。家族構成は妻・子の3人でした。

実際の保険会社に提示された金額に納得できず、裁判を起こしたケースでは、提示金額よりも数百万円アップすることもあるようです。

4.飲酒運転の死亡事故で気を付けること

4-1.慰謝料は死亡者分と遺族分が請求できる

慰謝料というと死亡者の分を家族が請求すると思われがちですが、実際は異なります。というのも、慰謝料はそれぞれに発生するためです。

具体的には、死亡者に対する慰謝料と遺族それぞれに対する慰謝料を請求できます。近親者に対する慰謝料は数と扶養者がいるかどうかで金額が変わってきます。

例えば、子が2人の4人家族で一家支柱である父が事故で死亡のケースを想定してみましょう。

一家支柱が死亡した場合、死亡した本人の慰謝料の相場は2800万円。近親者が3人いて扶養者がいるケースでは、950万円が遺族の慰謝料相場です。

これを合わせて、3750万円請求できることになります。また、これ以外にも飲酒運転の場合、加害者の過失の度合いが大きいため慰謝料が増額されることがほとんどです。

このように、慰謝料は本人の分と遺族の分が請求できます。この点をしっかりと理解しておきましょう。

4-2.同乗者・車両・種類提供者にも責任を追求できる

実は、道路交通法上は、運転者だけでなく、車両・種類提供者・同乗者にも罰則が科せられています(法117条の2の2第2号など)。そして、民事でも運転者以外に責任を追求することは可能です。

判例では、2008年の判決で、「同乗者は運転を制止すべき義務があった」として同乗者の責任を認定しています。こちらのケースでは、運転手と共同で5300万円の損害賠償を認めました。

飲酒しているのをわかっていながら、「止めなかった」「同乗した」という点に強い責任があると考えられるためです。

このように、運転者だけでなくそれ以外の関係者にも責任が発生するケースもあります。同乗者などがいる場合は、民事で損害賠償ができるということを覚えておきましょう。

5.保険会社との交渉で気を付けること

5-1.示談を早まらないこと

まず、大事なことは示談を早まらないことです。

相手方の保険会社は早く示談を成立させたいがために、交渉を急かしてくるかもしれません。しかし、このような態度にはあまり惑わされないようにしてください。

というのも、「実際の相場よりも安く示談を成立させたい。」という意図があるケースがあるためです。

保険会社としては、損害賠償をできるだけ安く抑えたいという気持ちがあります。

もちろん納得できる金額を提示してくれる優良な保険会社もあります。しかし、中にはコストを低く抑えようとする会社もあることを頭の片隅に置いておいてください。相手方の交渉に素直に応じてしまうと、安い示談金額しかもらえなくなってしまうことがあります。

特に後遺症が発生した場合などは、示談が成立すると後から請求しにくくなります。不可能ではありませんが、弁護士を通さなければいけなくなったりと手間が増えてしまいます。

また、安く抑えるという意図以外にも「加害者の量刑に反映させたい」という意図がある場合もあります。裁判において、示談は強力な武器です。

というのも、被害者が許しているというメッセージが示談によって伝わってしまうため、飲酒運転でも執行猶予がついたり、量刑が軽くなったりする可能性があります。

無理に示談を遅らせることは良くありませんが、早く和解金が欲しいからといって、示談を焦って成立させるようなことはしないでください。

5-2.過失割合は適切か

次に、過失割合についての判断です。
過失割合については、適切かどうかをしっかりとチェックするようにしてください。

というのも、飲酒運転の影響について過少評価し、慰謝料額に反映させるケースがあるためです。

過失割合とは、交通事故に対する当事者の落ち度(責任)の度合いを法律的に解釈したものを指します。

飲酒運転の場合、10:0のケースが想定できますが、8:2など被害者側にも過失があるケースもありえます。

実際の注意義務違反や事実内容から過失割合を計算していきます。事故後の当事者の供述や現場検証などの結果から、これまでの判例と比較し、保険会社が提示してきます。

そして、これに基づき、損害賠償額が決定します。

過失割合の提示で、飲酒運転の過失の程度につきしっかりと考慮されているかチェックしてください。

「飲酒はあったが事故自体にはほとんど影響していない」など過少評価されていると感じる場合は、納得できないことを交渉の際にしっかりと伝えましょう。

仮に、こちらにも過失がある場合でも、相手の過失の度合いと比べて適切なのか・納得できるのかをチェックしましょう。

インターネット上で自分のケースと似た過去の事故を探してみるのも良いでしょう。

このように、過失割合は損害賠償額の基礎となるため重要です。損害賠償が低くならないように、自分でもしっかりと過失割合が適切かを確認することが重要です。

6.慰謝料額に納得できないときは、弁護士に相談を

飲酒運転の死亡事故で損害賠償額に納得できないとき、弁護士に依頼すべきなのでしょうか。

弁護士に依頼を躊躇する一番の原因はコストです。

弁護士料を払わなければいけないため、「結局のところマイナスか同じくらいの額になってしまうのでは?」と考える方が多いと思います。

しかし、実際は弁護士料を支払ってもプラスになるケースもあるんです。というのも、交通事故の損害賠償額には3つの基準があり、弁護士に依頼すると弁護士基準での算定をしてもらえるためです。

これは保険会社の計算式よりも、高額に設定されています。

実際、裁判になると弁護士基準が適用されるため、保険会社は裁判を避けたがる傾向にあります。そのため、裁判にならなくとも示談交渉を有利に進めることが可能になるんです。

また、自らにも過失がある場合は、自分が加入する保険会社が交渉をしてくれます。弁護士特約がついている場合は、弁護士料も保険でまかなえるはずです。

このように、弁護士に依頼する方が有利に交渉を進められるケースもあります。

最近では無料相談を受け付けている法律事務所も多数存在するので、慰謝料や損害賠償額に納得できない場合は、一度相談してみてから判断することをおすすめします。

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