交通事故で軽傷を負った場合の慰謝料・示談金の相場はいくら?

足に包帯を巻く女性

交通事故の被害者となっても、怪我の程度がごく軽い場合には、損害賠償請求について深くは考えないものです。

もちろん、最終的に気にするほどの怪我ではないのであれば、それで構わないと言えます。

しかし事案によっては、当初は軽いと思っていた怪我が予想外に重い症状となるケースもあります。

さらに、たとえ怪我の程度が軽くとも、被害に遭ったことは事実であり、被害内容に見合った適正な損害賠償金を受け取るべきだといえます。

この記事では、怪我の程度が軽い交通事故の被害者の方のために注意するべき点を解説します。

交通事故の軽傷の例

この記事での軽傷とは、

  • 「軽い打撲」
  • 「軽い挫創(ざそう)転倒や打撲の際、それを受けた部分に生じる皮膚の損傷」
  • 「軽い挫傷(ざしょう)うちみ。くじき。」
  • 「むち打ち症」
  • 「痺れ」や「めまい」

などの症状を想定しています。

交通事故では、骨折、臓器破裂、脳挫傷などの重篤な受傷だけでなく、上のような軽傷も頻発します。

「軽傷」といっても、それは命に関わりかねない重大な症状と比較すればのことであって、症状によっては被害者本人にとって、とても軽いとは言えない深刻な症状である場合もあります。

したがって、軽傷であっても、重い受傷の場合と同様に、適正な損害賠償を受け取ることを念頭に置くべきです。

軽傷の損害賠償の内容とは?

軽傷であっても、怪我をしている以上は、賠償請求が可能な損害項目は、重い怪我の場合と何ら変わりはありません。違いは損害額の多寡だけです。損害がある限り、次の各項目の損害賠償を請求することが可能です。

軽傷で通常生じる損害項目(入院が不要な場合を想定)

  • 治療費
  • 通院交通費
  • 通院慰謝料
  • 休業損害
  • 文書費用(診断書費用など)

交通事故で軽傷の被害者が注意するべき点

交通事故での損害賠償請求である限り、軽傷であっても、注意しなければならないことは、その他の怪我の場合となんら変わりはありません。

しかし、幸いにも軽傷であったことに安心し、被害者がうっかり見過ごしてしまう落とし穴もあります。

以下では、軽症ゆえに陥りやすく、注意するべきポイントについて説明をします。

警察を呼ぶこと!事故証明書をとること!

どんなに軽傷でも、必ず110番で警察を呼びましょう。現場で警察に通報しなかった場合なら、後からでもかまわないので、警察に届出をしましょう。

軽傷であっても人身事故です。被害者といえども、車両を運転してたなら警察に事故を通報する法的義務があり、違反すると3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第72条1項後段、第119条1項10号)。

しかも、警察に通報しなければ、人身事故として把握されず、後に自動車安全センターから交通事故証明書の交付を受けることもできず、自賠責保険や任意保険への賠償請求の際に支障をきたします。

また警察による事故現場の実況見分が実施されなければ、事故態様を記録する実況見分調書も作成されず、後に過失割合が争いになった場合などに、被害者に過失がない事実を証明する手段がなくなる危険すらあります。

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必ず病院を受診すること!

むち打ち症などでは、事故直後は症状がなくても、数時間から数日で症状が出ることも珍しくありません。

事故日と初受診日が離れているほど、事故と症状との因果関係を疑われる危険が大きくなります。

大したことはないと思っても、必ず、しかもできるだけ早く、整形外科などで受診するべきです。

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健康保険の利用を検討しよう!

軽傷では、多くのケースで傷害事故についての自賠責保険の限度額120万円の範囲内に賠償金が収まることと思います。

それでも治療費が安くあげられれば、限度額の枠を他の損害項目の賠償に充てることができ、被害者の手元に残る金額を増やせる可能性があります。

そのためには、健康保険を利用して保険診療を受けることも検討するべきです。

交通事故でも問題なく健康保険は利用できます。保険診療の治療費は単価が安いので、治療費を抑えることができるのです。

整骨院など病院以外での治療に注意!

治療と言っても、整骨院など病院以外の施設での治療費は賠償してもらえない危険があります

治療費は必要かつ相当な範囲内で賠償請求できますが、医療機関でない整骨院などでの施術費は、これを有効と認める主治医の指示や同意がなければ、必要な治療と認めてもらえないことが原則だからです。

整骨院などでの施術を希望する場合は、必ず、主治医に相談し、その指示・同意を得てください。

有給も休業損害となることに注意!

軽傷の場合、通院治療のために仕事を休むというと大げさな気がしてしまい、わざわざ有給休暇を消費して通院する方がいます。

もちろん、それでもかまいませんが、有給なので、その日の休業損害は請求できないと誤解しないでください。

有給休暇は、それ自体に経済的価値があるので、それを通院で消費したことは立派な損害として1日分の休業損害を請求できます

通院交通費。レシートをなくさないように!

通院のための交通費は当然に損害として請求できます。電車賃、バス代、自家用車のガソリン代の領収書・レシートは大切に保管してください

ただし、タクシーでの通院は、症状から必要性が認められないと請求できませんから、軽傷での通院で認められることは難しいでしょう。あとで回収できると思って、タクシー代を奮発するのはやめましょう。

交通事故で軽傷を負った場合の慰謝料・示談金の相場

軽傷であっても、怪我をしたこと自体に対する慰謝料を請求できます。それが傷害慰謝料ですが、通院期間に応じた金額が支払われるので、通院慰謝料と呼ばれます。

自賠責保険が負担する通院慰謝料の算定は、1日につき4,200円、対象日数は、「総治療期間の範囲内で実治療日数の2倍程度」です。

つまり実際に通院した日数の2倍を4,200円に掛けますが、その日数が総治療期間(これは○月○日から×月×日までの期間を治療期間とした、その間の日数です)を超えてしまうときは、総治療期間が日数となります。

これに対し、任意保険会社との示談交渉や訴訟で用いられる弁護士基準(裁判基準)は、次の金額です。

赤い本(※1)入通院慰謝料「別表Ⅱ」から抜粋

通院期間金額
1ヶ月19万円
2ヶ月36万円
3ヶ月53万円
4ヶ月67万円
5ヶ月79万円
6ヶ月89万円
7ヶ月97万円

※1:「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部)なお、上記の「別表Ⅱ」は、他覚所見のないむち打ち、軽い打撲、軽い挫創(挫傷)に適用されます。

ただし、「通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度をふまえ、実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもある」とされています。

実通院日数とは、「期間」ではなく、実際に通院した日の数です。

どのような場合が、「通院が長期にわたる場合」なのか、赤い本では明示されていません。

この点、青本(※2)では、通院が長期化し1年以上にわたっている場合で、通院頻度が極めて低く、1ヶ月に2~3回程度の割合にも達しない場合や、通院は続けているものの治療というよりむしろ検査や治癒経過の観察的色彩が強い場合などを例外的に実通院日数の3.5倍を通院期間とする扱いとしています。

※2:「交通事故損害額算定基準」日弁連交通事故相談センター本部

軽傷で通院期間が1年以上というのは余り例のないことと思いますから、通常は、上記「別表Ⅱ」の基準で請求することができると考えて良いでしょう。

ただし、あまりに通院の頻度が少ないと、本当に症状があるのかと疑われてしまいます。

この点、青い本では、「1週間に2日の割合で通院した場合の通院率(2/7)を標準通院率とした」としています(※)。「2分の7」イコール「3.5日に1回」の通院が標準というのです(実通院日数の3.5倍というのも、ここに由来します)。

※前出「交通事故損害額算定基準」2018年版・171頁

この数値のどこに合理性があるのかわからないのですが、何らかの基準は必要ですので、週に2日程度は通院しておくことが無難と言えるでしょう。

なお、治療途中で勝手に通院をやめてしまったり、通院期間中に合理的な理由もなく、通院していない期間があるという場合も、因果関係を疑われる原因となってしまいますから、そのようなことがないように注意し、コンスタントに通院しましょう。

軽傷でも弁護士特約があるなら、弁護士に依頼しよう!!

軽症の場合、弁護士に相談したり、弁護士を代理人として依頼したりすることは大げさではないかと思ってしまうかもしれません。

しかし、法律や交通事故問題に疎い一般の方が、ご自分で保険会社を相手に交渉をするよりも、法律の専門家である弁護士に任せたほうが良い結果となる可能性が高まります。

例えば、弁護士は保険会社の提示する示談金額よりも高い弁護士基準(裁判所基準)で交渉をしますので、賠償額の増額が期待できます

また事故態様に争いがあり、過失割合が問題となる事案でも、弁護士の専門的知識が役に立ちます。

もしも、軽症の被害者の方が、ご自分の自動車保険に加入している場合は、その保険に「弁護士費用特約」が付いていないかどうかを、ご自分の保険会社に確認することをお勧めします。

弁護士費用特約は、通常、相談料10万円まで、その他代理人としての着手金や報酬金300万円まで、ご自分の保険会社が負担してくれる特約です。

被害が軽傷の場合、弁護士に依頼するのをためらう理由の一つは、弁護士費用倒れしてしまうのではないかという不安があると思います。

しかし、弁護士費用特約があるならば、保険会社の負担で弁護士に依頼することができるのです。これを利用しない手はありません。

是非、弁護士費用特約を活用してください!

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弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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