追突事故の過失割合とは|急ブレーキの場合、止まってる車にぶつけられた場合を解説

  • 停車していたら、追突事故の被害にあった。過失割合の考え方はどうなっているの?どっちが悪いの?

この記事では、信号待ちで止まってる車への追突事故、また前の車が急ブレーキして後ろの車が追突したタイプの人身事故の過失割合について詳しく解説します。

後ろからの追突事故の場合、被害者の過失は、基本的に0になります。

しかし、相手の保険会社から「相手も走行中だった、動いていた」「バイクが急ブレーキした」「法令違反していた」などと主張されると、被害者であっても過失が認められることになります。過失割合などを確認しつつ、どっちが悪いか見てまいりましょう。

後ろからの追突事故とは

後ろからの追突事故は、被害者に過失がない「もらい事故」の一種です。

2017年時点でも、全交通事故類型で「追突事故」が最も多く、35.5%を占めています。

交通事故の3件に1件以上は「追突事故」なのです。事故類型別交通事故件数

【出典サイト】第2節 平成29年中の道路交通事故の状況「第1-9図」|内閣府

*なお、今回は追突事故の過失割合について解説致しますが、少し特殊な車線変更時の追突、横からの追突事故などは別途ページをご参考下さい。

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止まってる車にぶつけた場合|追突事故の過失割合

まず、交差点の赤信号で停車中の車に、後方から追突した事故について考えてみましょう。
追突されたら過失割合は10対0

信号待ちなど停車中の追突事故の過失割合は10対0

信号待ちの車への追突事故、止まってる車にぶつけた場合などの基本の過失割合は、10対0です

また、走行中であっても、後続車両には、「車間距離の保持義務」が道路交通法上規定されており、万が一前方の車が急ブレーキで停車したことで追突したとしても、合理的理由があれば、急ブレーキをした車への過失は認められません。

例えば、横断歩道から飛び出してきた歩行者に気づいたドライバーが急ブレーキをかけたところに、後ろから追突した場合は、前方車の急ブレーキの相当性、合理性があると言え、後続車に過失が認められる可能性が高いでしょう。

路上の違法駐車への追突事故の過失割合は?

止まってる車にぶつけてしまう事故は、交差点での事故だけではありません。

例えば、駐車禁止場所や駐停車禁止場所などに車を停めていた交通違反*が原因で、追突事故を誘発したと認められるような場合もあります。

*道路交通法44条1項違反

この場合は、被害を受けた車側であっても、過失を主張される可能性があります。

このようなケースでは、停車中の車にも「10から20%程度の過失」が認められるケースがあります。

なお、止まってる車にぶつけてしまう事故として、駐車場で後ろからぶつけてしまうケースがあります。下記ページで詳しく解説致します。

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前の車が急ブレーキ!走行中の後ろからの追突事故の過失割合

急ブレーキに合理的、相当の必要性

止まってる車への過失割合は基本は10:0です。

しかし追突事故といってもすべてが停車中の事故というわけではなく「走行中に前の車が急ブレーキをして、後ろの車が追突する場合」、つまり動いていた場合もあります。

例えば、下記のようなケースです。

  • 走行中スピードを減速しようとしたら、急ブレーキをしてしまい後ろの車が軽く追突してしまった
  • 交差点でUターンや左折時や右折待ちで、後ろの車がうっかり減速せず追突してしまった
  • 割り込み・車線変更時、後方をよく確認せず、軽く後ろから追突された

この際に、被害者がかけた急ブレーキに「相当の必要性、合理性が認められない場合」には、被害者にも過失が認められます。

この場合の過失割合は、加害者:被害者=「7:3」となります。

動いていた場合の追突事故の過失割合の修正要素

追突事故で動いていた場合は、他にも下記のようなパターンを考える必要があります。

  • ランプ点灯なし
  • 法令違反
  • 高速道路

自動車には、夜間の灯火義務もあります。夜間など視界が悪い時間帯に、ハザードランプやライトを点灯させず、信号待ちで止まってる車の場合には「10~20%程度の過失」が問われる可能性があります。

他にも、被害者が飲酒運転や居眠り運転、無免許運転といった法令違反だった場合には、さらに「10~20%程度の過失」が加算される可能性があります。

これらのケースに当てはまるのであれば、たとえ走行中であっても信号待ちの追突事故であったとしても、被害者側にも過失が認められる可能性は十分にあります

なお、高速道路の追突事故については、下記記事をご参考ください。

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追突事故で過失割合を10:0にする際のポイント

追突事故で身に覚えのない過失を加害者側から主張されている場合に、過失割合を10:0にするにはどうすればよいのでしょうか?以下で解説します。

①過失を認めず、慎重に対応する

通常、止まってる車に軽くぶつけたような追突事故では、過失割合でもめることは少なく、被害者の過失は0になります。

しかし、たまに「被害者にも過失がある」と加害者が主張してくることがあります。

ここですぐに過失を認めてしまい、示談が成立すれば示談金の額が大きく減額してしまいます。

そのため、まず以下のような対応を慎重に行う必要があります。

②弁護士に過失割合について交渉できるか確認する

被害者が自分で相手側と交渉しようとしても、保険会社に「他の事案での過失割合はこの通りでした」、「これが過失割合の考え方です」などと言われると、法的な知識を持たない被害者は、特に疑問を持つこともなく、応じてしまいます。

また、疑問を持ってもそれを言い出すことができなかったり、反論しても聞いてもらえなかったりと、泣き寝入りすることになる可能性もあります。

しかし、弁護士に対応を依頼すれば、保険会社の主張に左右されることなく適切な過失割合の基準を主張することができます。加害者側の保険会社も、弁護士が相手の場合には、妥当な過失割合に従わざるを得なくなり、加害者がごねているからといって自分たちに都合のいい過失割合を押しつけることはできなくなります。

③証拠を収集し適切な立証を行う

過失割合が争いになるときには、事故状況が問題になることが多々あります。

追突事故のケースでも、適切に車間距離がとられていたか、信号機の有無や色、急ブレーキの有無や双方の車のスピード等が問題になります。

そのため、事故状況について互いの主張が食い違い、なかなか示談がまとまらないことがあります。

被害者の代理人として実況見分調書を弁護士に取り寄せてもらい、その内容を検討して、適切な主張を組み立てる必要があります。

④人身事故なら、裁判までを見通して交渉する必要がある

一般的に、被害者には法的な知識や人身事故の実務の知識がないため、事故類型による基本の過失割合やどのような修正要素があるのか知らないことが多いのが現実です。

他方、事故類型による基本の過失割合や修正要素について熟知している法律の専門家なら、被害者にとって有利な証拠を抽出して、示談交渉を進めることができます。

特に相手が怪我した人身事故の場合などは、裁判までを見通して、示談交渉では何を主張し、どこまで妥協すべきかなどについての判断も適切に行う必要があるでしょう。

このように、被害者に有利に示談交渉を進めるために、過失割合100%を勝ち取りやするために、弁護士に一度相談するのが良いでしょう。

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追突事故は弁護士特約で過失割合を10:0に

弁護士依頼に依頼すると高額な費用がかかるのでは?

追突事故の被害者が利用すべき任意保険の特約が、「弁護士費用特約」です。弁護士特約を利用すれば、高額な弁護士費用を心配する必要がありません。

弁護士費用特約のメリットとは?

加入する任意保険に弁護士費用特約が付帯していれば、300万円を上限に、等級を下げることなく、弁護士に依頼することができるので、ほとんどの交通事故では、弁護士費用で足が出ることはないでしょう。

まず、ご自分が加入する保険に弁護士特約が付帯しているかを約款を見て確認してください。付帯していれば、躊躇する必要はありません。弁護士に依頼しましょう。

弁護士特約を利用する被害者の事案は、依頼主の費用倒れの心配がないため、積極的に受任する弁護士が多いのもメリットです。

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被害者自身が示談交渉をするのは、とてもストレスがかかるものです。対して、弁護士に依頼すれば、示談の心労から解放され治療に専念できる上に、示談金が増額される可能性も高くなり、被害者にとってのメリットは計り知れません。

まとめ

冒頭でご説明した通り、止まってる車にぶつけたり、後ろから追突される事故、走行中の追突などは、信号待ちの場合など、事故類型で最も多い事故です。

前の車が急ブレーキして後ろの車が追突した事故や、駐車場での後方不注意による逆追突や、バイクが横からの追突事故を経験した方もいらっしゃるでしょう。

追突事故の過失割合でお悩みの方は、適正な示談金を獲得するために、是非、一度交通事故に強い弁護士にご相談ください。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事は交通事故弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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