交通事故の現場検証!警察官対応で必ず知っておくべき事・注意点
交通事故被害に遭った場合、現場検証(実況見分)が行われることになります。人身事故に切り替えにも重要な現場検証に関して…[続きを読む]
当て逃げ被害に遭い、このような悩みが湧いてくる方もいらっしゃることでしょう。
ショッピングモールやスーパー・コンビニの駐車場、または自宅マンション近くの駐車場・月極駐車場・コインパーキングを利用して、その後もう一度乗車しようとしたらいつの間にか「車に傷がついていた、当て逃げされた!」「車がへこんでいた。当て逃げされた!」ということがしばしばあります。
この記事では、当て逃げの被害者は、泣き寝入りするしかないのか?逃げ得だと考える、当て逃げの加害者への対処法に関して解説致します。
目次
そもそも、なぜ加害者は当て逃げすることを選んでしまうのでしょうか。
その理由の1つとして、駐車場でおきる事故は、下記のように「被害が小さい場合」が多いからです。
そのため、加害者側に「シラを切ろう」「逃げてやろう」という発想が生じてしまうのです。
ドアパンチ・当て逃げを引き起こす背景として、日本のスーパー、月極駐車場、コインパーキングの狭い敷地内に、多くの自動車を駐車させすぎてしまうことが指摘されています。
混んでいる駐車場・満員駐車場の中、1台分の駐車スペースを見つけて止めようとするとき、普段慣れていない駐車場に止めることになると難しい場合も多いです。
バック駐車で、ハンドルを切るタイミングが遅く、なおかつ、手前の車ばかりを気にしてるとドアをぶつけたり、逆にハンドルを切るタイミング早すぎてバックすると、手前の車に、サイドのドアをぶつけることがあります。
日本の標準駐車場スペースは「幅 2.5m × 長さ 5.0m(車路幅 5.0m)」です。
下記の日本の代表車両の寸法を見てわかるとおり、駐車場の平均幅「2.5m」に対して、日本の大衆車プリウスの「全幅1.7m」しかありません。
全長 | 全幅 | 全高 | 代表車種 | |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | 3.4 | 1.48 | 1.65 | ムーブ、ワゴンR、アルト、ミラなど |
小型車 | 4.5 | 1.68 | 1.5 | マーチ、ヴィッツ、フィット、イストなど |
中型車 | 4.8 | 1.7 | 1.5 | カローラ、プリウス、スカイラインなど |
ワンボックス | 4.8 | 1.7 | 2.0 | セレナ、ステップワゴン、デリカ、エスティマなど |
大型車 | 5.2 | 1.87 | 1.5 | クラウン、レクサス、シーマ、ベンツなど |
つまり、車両間隔は、それぞれが真ん中に止めたとしても、80cmのスペースしかなく、ドアを全開にしたら、必ず隣りの車にぶつかる可能性が高いです(ちなみにプリウスのフロントドアは横幅は1m以上ありますので、直角にドアを開くと、必ずぶつかります。)
当て逃げで泣き寝入りしないためにも、もしも駐車場でぶつけた相手がいない・逃げた場合の初期対応について簡単に解説します。
万が一走り去る加害車両を見た場合は、当然のことですが出来る限り車のナンバーを記録すべきです。
メモ帳がすぐに手元に見つからなくても、携帯電話のカメラや動画で撮影することで記録が可能です。
ただ当て逃げ事故の場合はナンバーが分からないまま逃げられてしまうと、残念な事にその後加害者を捜し出す事は難しく「加害者の逃げ得」「被害者の泣き寝入り」なのが現状です。
加害車両が分からない当て逃げをされた場合、またすでに相手がいなくなっていた場合、被害者の方は泣き寝入りせず、必ず警察へ連絡しておきましょう。
軽い当て逃げの場合は警察の捜査は期待出来ませんが、後日良心の呵責に耐えかねて「加害者が自ら警察に出頭・自首してくる」事があります。
その際に被害者から警察へ届出が出されていないと、せっかく犯人が見つかっても警察があなたに連絡が出来ません。必ず事故後、警察に届け出を出しましょう。
なお、警察が現場に来た後の対応方法は、下記の記事で詳しく解説していますので、ご参考ください。
「駐車場の当て逃げは、どうせ物損事故で、警察も扱ってくれない!」と泣き寝入りしがちです。そこでポイントになるのが「ドライブレコーダー・防犯カメラ・監視カメラ映像」の証拠能力です。
車両のナンバーを目撃できていなくても、最近はドライブレコーダーを搭載している車が増えてきていることもあって、当て逃げ現場の近くに駐車中の車で、ドライブレコーダーで当て逃げの様子を撮影していた車がいないか探してみるのも一つの手です。
また、駐車場には防犯カメラが設置されている所も増えております。スーパーなどであれば、事情を説明して、防犯カメラの録画データを見せてもらうようにしましょう。
防犯カメラ映像は、画像が荒いことも多く、車のナンバーが完全に特定できない場合もありますが、車種やナンバーの一部、運転手の風貌など加害者をある程度推測できるレベルでも十分に使えます。
ドライブレコーダーなどの証拠を元に警察に連絡して犯人を特定しましょう。
当て逃げによる損害は、ケースによって様々です。今回は、修理費が10万円前後まで高騰する可能性があるケースについて解説します。
傷跡だけではなく、物理的に凹ましてしまった場合は、パーツ自体を取り外して施工しなければならないため修理費が高額になる傾向にあります。
例えばプリウスの場合だと、ドア1枚につき、修理代が「15万~20万円程度」することがあります。
「車高の高い車」が「車高の低い車」に対して駐車場でドアパンチすると、高い位置に傷をつける可能性があります。
あまり高い位置だと修理の際に車種によってはウィンドウの取り外しも必要になり、修理費はさらに高額になることがあります。
自身が車両保険に加入していれば、それを利用して修理代を捻出することが可能です。
ただし、当て逃げをされて加害者が特定出来ていないような状況で車両保険を利用すると、自動車保険の等級が「3等級」下がるため、翌年以降の保険料が値上がりしてしまいます。
車両保険に加入していない場合や保険料の値上がりを避けたい場合についてです。
軽微な修理であれば、下手に車両保険を使って保険料が上がってしまうよりも、自己負担で直してしまう方がよい場合もあります。この辺りは保険内容をよく確認して検討すべきです。
加害者が見つかれば、加害者の加入している保険会社の「対物賠償責任保険」によって修理代を負担させる事が出来ます。
ただ万が一加害者が任意保険に加入していなければ、直接本人に修理代の実費を「損害賠償請求」する事になります。
当て逃げされた後、逃げた加害者が逃げ切れないと判断し、しばらくしてから名乗り出て来る場合があります。
ただ、自分に過失はないと一点張りの主張するケースがあります。「駐車違反に止めていたのが悪い」「駐車場の枠線からはみ出していた」等です。
こういった示談交渉や書類のやり取りは、疲れて時間がとられるため、第三者に任せたほうがスムーズに進みます。
もしも「弁護士特約」に加入していれば、相手がごねても弁護士を付けて示談交渉しましょう。
※ただし、物損事故、当て逃げは受け付けない弁護士も多いので、「弁護士費用特約で物損事故、当て逃げの示談も対応できるか?」確認してから相談するようにしましょう。
当て逃げのような物損事故の場合、弁護士費用特約に加入している場合なら、弁護士相談して解決をはかることも、一つの方法だと覚えておきましょう。
「弁護士特約に加入していない場合」、また「物損事故の損害額がさほど大きくない場合」に示談を弁護士に依頼すると、むしろ弁護士費用が高く付いて「費用倒れ」になる確率が高くなるので注意しましょう。
なお、犯人がわかっている場合の物損事故一般・駐車場事故の対応方法については、下記も併せてご参照ください。
駐車場内でのドアパンチは加害者を特定することが極めて難しい行為のため、一番重要なことはそもそもドアパンチ被害を回避・防止することです。
駐車場の当て逃げ&ドアパンチはパンチした側にもダメージが残ります。つまり、新車や高級車に乗っている人は、細心の注意を払っている可能性が極めて高いのです。つまり、当てられる可能性が低いということです。
反対に、古い中古車やかすり傷だらけの車の場合は、所有者ががさつだったり、多少の傷を気にしない可能性があるため、隣に車が駐車している場合は要注意です。
万が一のことがあった場合に、自分の車が駐車場の防犯カメラに映りこんでいないと犯人が特定できません。逃げ得させないためにも、防犯カメラの視界に入る場所に車を停めることが当て逃げの防止策の1つです。
また、当て逃げ&ドアパンチされた直後から録画を開始するドアパンチ専用の防犯カメラ(ドラレコ)もあります。これを取り付けることで、万が一ドアパンチされたとしても、加害者の特定の可能性が高まります
先程ドアパンチの物理的要因でも話しましたが、そもそも駐車場やコインパーキングでのドアパンチは発生しやすいということを前提に「防御対策」を講じてガードすることも重要です。
具体的には、「ドアディフェンダー」と呼ばれるドアパンチを防止するガードグッズがあります。1つ1万円程度でうっていますので、それを取り付けることで、相手側からのドアパンチによる傷を防ぎ、当て逃げによる泣き寝入りを防ぐことができます。