自損事故・単独事故は警察に届出るべき?|保険の適用方法

自損事故・単独事故は警察に届出るべき?|保険の適用方法
自損事故を起こしたAさん:
運転をしていたら、ガードレールにぶつけて自損事故を起こしました。その時は警察を呼びませんでした。
後日、届出を出そうと思ったのですが、「点数」は引かれるのでしょうか? ガードレールの修理代金は弁償しないといけないのでしょうか? 弁償する場合、保険でまかなえるのでしょうか?

自損事故(単独事故)とは、前方不注意でガードレールや電柱にぶつけてしまうような事故を言います。

一般的な交通事故は相手がいますが、自損事故は相手がいないため、ドライバーが怪我をしたり亡くなったりしも、自賠責保険を利用することはできません。

自損事故・単独事故では「点数」は引かれません。つまり、違反点数が減点されないわけですから、ゴールド免許の人はゴールド免許のままです。

しかし、例え小さな単独事故でも、高価なガードレールや電柱が壊れてしまいます。器物を破壊した場合は、すぐに警察に届出をしましょう。

今回は、自損事故が発生した場合の点数や弁償、その注意点について説明します。

1.破壊した器物の弁償義務

自損事故を起こして電話で警察に連絡した場合、あなたの責任においてガードレールや電柱・標識などの破壊した器物を弁償しなければなりません。

そこで、弁償の際に保険金がおりるのはどうかが気になるところでしょう。

まず、自賠責保険は人身のみの補償ですから、物損については保険金はおりません。となると、あとは任意保険に頼るしかありません。

電柱やガードレールの修理値段は、破損の度合いが少なければ数万円程度、停電や断線など大きな損害を及ぼしている場合は100万円を超える可能性も出てきます。対物補償に加入されていない方は、くれぐれもご注意下さい。

ちなみに、任意保険の「対物賠償」の保険金を請求する際には、交通事故証明書が必要となります。交通事故証明書とは、「自動車安全運転センター」が発行する交通事故の存在を証明する書類です。

2.自損事故での治療

自損事故を起こして怪我をした場合、自分が加入している「自賠責保険」を使って治療をすることはできません。

続いては、自損事故で負った怪我の治療方法について解説します。

(1) 自損事故での怪我に自賠責・対人賠償保険は使えない

自賠責保険は、人身事故の被害者救済を目的としているため、加害者が自分自身で起こした事故の怪我には、自賠責保険は適用することはできません。
よって、自損事故による怪我では、自賠責保険を使えないということになります。

同じく、任意保険にある「対人賠償保険」も同様の理由で使えません。これも、人身事故の被害者の怪我に対する賠償に使われるもので、加害者の怪我には保険の適用は行えないのです。

(2) 自損事故での怪我に使える保険は?

自損事故の運転手が怪我や後遺障害を負ったときの損害を補償する保険は、「自損事故保険」「人身傷害補償保険」「搭乗者傷害保険」です。

人身傷害補償保険

自動車保険には、「人身傷害補償保険」があります。これは、保険の加入者やその同乗者が怪我をした場合に補償を受けられる保険のことです。

自賠責保険や対人賠償責任保険では、ドライバーの側の人身損害についての補償を受ける事はできないので、人身傷害補償保険に加入して備えをしておく必要があります。

人身傷害補償保険では、ドライバーだけではなく同乗者の怪我も補償してもらえます。次に紹介する搭乗者傷害保険と補償範囲が重なることが多いので、どちらか一方に加入していれば足りるとする保険会社が多いです。

ただ、搭乗者傷害保険とは保険金の計算方法が異なるので、両方に加入している場合にはそれぞれから支払いを受けることができるケースもあります。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険も、人身傷害補償保険と同様、契約者(ドライバー)の側に発生した損害について補償を受けることができる保険です。

人身傷害補償保険と補償範囲が被るので、どちらか一方にしか加入できない保険会社や、2つをまとめたタイプの保険が用意されている保険会社もあります。

自損事故保険

自損事故保険は、ドライバーが自分の過失で事故を起こしてしまった場合に補償を受けられる保険のことです。

例えば、停車中に後ろから追突してしまった場合などには、加害者がケガをしたり死亡したりしても、自分の過失が100%となって相手の車の自賠責保険や任意の対人保険から支払いを受ける事すらできません。

このような場合には、自損事故保険に加入しておくことにより、加害者も自分の保険会社から最低限の補償を受けることができます。

多くの保険会社では、対人責任賠償保険に加入すると、自動的に自損事故保険が付加されるようになっています。

自損事故保険は加害者のための保険であり、被害者とは直接関係のないものです。

(3) 健康保険は使える?

結論から言えば、自損事故の場合でも健康保険の利用は可能です。病院側から自由診療を勧めてくることがありますが、保険診療を利用して通院するようにしましょう。

ただし、通勤中の自損事故の場合、労災を利用した方が良いケースもありますので、どちらがよいかよく検討する必要があります。

労災が認定されると、病院の治療費の支払いの際に労災保険を使うことができます。健康保険では治療費が3割負担になりますが、労災保険の場合には患者に一切負担がないので助かります。

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3.警察は捜査する?

2009年、岡山県で工事中のガードレールに車が突っ込み2人が亡くなった事故が、大きくマスコミで取り上げられたことがありました。
また、2012年には高速道路の防音壁に突っ込み大型バスが大破した「関越自動車道高速バス居眠り運転事故」も起こりました。

このように大きな自損事故の場合、警察は捜査するのは当然ですが、ガードレールや電柱にぶつけただけといった小さな自損事故の場合、警察は捜査するのでしょうか?

(1) 捜査義務はないが、事故の報告義務はあり

単刀直入に言いますと、警察に捜査義務はありません。

しかし、事故を起こした本人には報告義務があります。これは道路交通法第72条1項後段に定められており(警察への報告義務)、怠ることによる罰則も設けられています。

(2) 自損事故では点数は引かれない

単純な物損事故のみの場合、点数は引かれません。

もし、運転手が飲酒運転などの法律違反を犯して運転し自損事故を起こしたとしても、警察官が飲酒運転している現場を直接抑えたような場合でなければ、飲酒による点数の減点は原則ないでしょう。道路交通法違反は、その行為が行なわれている現行犯での取締が基本だからです。

しかし、破壊したものが道路上の器物ではなく、ビルや家屋などの建造物だった場合、点数はカウントされますのでご注意ください。また、自損事故でもよほどの重大事故を起こし、警察の入念な捜査が行なわれる場合も、大きく減点される可能性があります。

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