新車が廃車!?納車日に物損事故で全損したときの対処法

新車が廃車!?納車日に物損事故で全損したときの対処法

ネット上には、納車後数日以内に交通事故に遭われて、新車が廃車になった方の書き込みが多くあります。

「楽しみだった新車が、納車日に横から不良に追突され全損になりました」
「新車が納車され軽く近所を試走したら、後ろから暴力団関係者に追突され物損事故に…」
「新車がもらい事故に巻き込まれ、廃車になりました」

これらは、バイクの交通事故としても起こりえます。

「自分に過失があるわけでもなく、ただ信号待ちをしていただけなのに…」、「駐車場においていただけなのに…」、「慰謝料・示談金で再び新車に買い換えできるのか…」など、被害者の方は多く悩まれると思います。

万が一、納車日に悲惨な交通事故に遭遇した場合、その後の示談交渉・賠償金(示談金)はどうなるのでしょうか?交通事故(物損事故)で全損・廃車した新車を、そのまま任意保険・補償で買い換えできるのでしょうか?

今回は、納車日に新車が全損・廃車した場合の対処法について解説します。

1.物損事故の示談で新車を要求できるか

「納車して買ったばかりなのだから、新車で弁償・補償するのが当たり前
300万が全損なのだから、追突事故・物損事故の示談金は、新車同様のはずだ」

そう思っている方が多いようですが、残念ながら現実はそう簡単にはいきません。

新車とは、文字通り新品の車です。損害賠償上(示談交渉上)、新車と中古車の境界線は、ナンバー登録がされ、買主に引き渡された瞬間と考えられます。

よく「新車を買った・納車した」と言われますが、確かに買ったのは新車ですが、あなたが新車のキーを手にした時点で、損害賠償上は「中古車」扱いに過ぎないのです。

つまり、物損事故で人の物を壊してしまった場合の示談・損害賠償義務は、法律上「その物の時価額」が限度となるということです。
これは、全損の追突事故・交通事故に限らず、他の損害賠償でも同じことです。

新車が交通事故で全損、廃車になったことによって「新車に買い替えるために補償・賠償しろ」と主張する、いわゆる「新車賠償」は、時価ではなく「再調達価格」を請求していることになり、法律上それは物損事故の補償の範囲外となるのです。

つまり、示談金では新車要求できません。

もし、『新車賠償』が可能なら、物損事故で新車が買えることになり、これを利用して保険金詐欺・示談金詐欺が起きる可能性があります。また、納車日の新車の連発買い替えもできることになり、火災保険の「焼け太り」と同じことです。

つまり、交通事故で結果的に得した、ということにならないように、法律が制限しているのです。

2.車の損害賠償の修理費(補償金・賠償金)

(1) 過去の判例

車の時価額を算出する基準とは、過去の判例から以下のように考えられています。

「原則として、これと同一の車種・年式・型、同程度の使用状態・走行距離等の自動車を中古車市場において取得するに要する価額によつて定めるべきである」

この考え方からすると、例え新車・バイクの納品直後に全損の物損事故に遭っても、中古車扱いになってしまい、新車賠償・示談金増額はできないとなるのです。

また、裁判所は以下のような判断を示していますが、実際に新車賠償自体が認められた判例はないようですので、これを引き合いに出して保険会社と交渉しても厳しいでしょう。

「購入後3ヶ月以内・走行3,000km以内で車両の主たる構造装置に致命的な損傷を受けた場合に限って新車賠償を認める」

先程も言ったように、納車後に追突事故で新車賠償・示談金を認めるということは、法律の根本を覆すことになるため、そう簡単には認められないと考えられます。

(2) 修理費の相場

もし、廃車や全損ではなく修理可能な場合は、その車の時価を限度として修理費の賠償義務が発生します。

なお、一部の保険会社では、修理費が時価額を上回る場合にも、その差額を補償する「対物超過修理費用補償」などの特約を設けているようです。

(3) 物損事故では慰謝料は認められない

残念ながら、物損事故で慰謝料は認められていません。新車の納車日に事故に遭い大きなショックを受けたとしても、例外はありません。

基本的に慰謝料が認められる対象は、「人」に限られます。これに対し、車は「モノ」です。
そして、法律の考え方として「モノ」は修理したり買い替えたりすることで、その機能が回復すれば損害は生じないというスタンスなのです。

しかし、先述の通り、損害賠償はしてもらえます。物損事故の場合、その賠償金だけで我慢し、示談交渉をするしかないでしょう。

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