交通事故用語集

あ行

慰謝料

慰謝料とは、交通事故で被害者が負った精神的・肉体的な苦痛に対する補償等のことです。

ADR

ADRとは、Alternative Dispute Resolution の略称で、裁判によらない紛争解決処理のことです。行政機関、民間機関による和解、あっ旋、仲裁及び民事調停・家事調停、訴訟上の和解などをいいます。紛争解決手続の利用の促進に関する法律」では「裁判外紛争解決手続」と規定されています。

オカマする

車の衝突事故のことを「オカマする」と表現することがあります。例えば、「赤信号で止まっていて、おかまされました。慰謝料はどうなりますか?」といった質問するときに表現したります。

か行

加害者請求

加害者から被害者へ損害賠償金を支払い、その支払った分を加害者側の保険会社へ請求することを加害者請求といいます。

過失相殺

過失相殺とは、交通事故の加害者だけでなく被害者にも過失がある場合、その割合だけ損害額から減額(被害者の自己負担になる)されることです。

救護義務

交通事故の当時者は、負傷者を安全な場所に移動し、可能な限り迅速に治療を受けさせること等が義務付けられています。これが救護義務です。対象は、自動車以外にも原付や自転車、トロリーバスや路面電車の運転者または乗務員ですが、歩行者は対象外です。

休業損害

休業損害とは、自動車事故により、休業による収入の減少があった場合又は有給休暇を使用した場合に発生する損害です。

共同不法行為

共同不法行為とは、2台以上の車両が関与する事故により第三者に損害を与えた場合、各車両運転者は、第三者に生じた損害の全部を連帯して賠償する責任があります。これが、共同不法行為です。責任根拠は、民法719条1項前段にあります。

後遺障害診断書

怪我が治っても後遺症が残った場合、保険金を受け取るためには、保険会社に後遺障害の等級を認定してもらう必要があります。後遺障害診断書は、障害等級を認定してもらうために保険会社に提出するの書類です。

後遺症と後遺障害

医師による治療を受けても完全には治癒せず、身体に一定の機能的障害が残る場合があります。
これがいわゆる「後遺障害」で、一般に「後遺症」といわれているものです。交通事故で後遺障害が残った場合に損害賠償を受け取るには、「後遺障害等級」に認定されなければなりません。
単なる「後遺症」ではなく「後遺障害」でなければ保険金が受け取れないのです。

後遺障害の等級認定

後遺障害については、医師から「これ以上治療を続けても症状にかわりがない」という状態、つまり症状固定に至ったと判断されたときに「後遺障害診断書」を作成してもらいます。
この診断書に基づいて後遺障害の等級認定を受けることになります。後遺障害等級は障害の程度に応じて1級~14級までに分かれていて、保険料と慰謝料は等級に応じて定められています。

後遺障害の異議申し立て

後遺障害の認定内容が不服であれば、異議申立てをすることになります。

好意(無償)同乗

バスやタクシーなど運賃を支払って乗せる場合を除いて、好意で人を乗せた自動車が交通事故を起こて同乗者が怪我をした場合、同乗者に過失があれば、損害賠償額が減額されることがあります。同乗者に過失がなく、単に同乗していただけならば、減額はありません。

交通事故証明書

交通事故証明書は、事故発生を証明する書類のことです。証明書は、自動車安全運転センターの各都道府県事務所に申し込むのですが、「交通事故証明書申込用紙」が各保険会社、警察署、派出所、駐在所、交番、自動車安全運転センターの各都道府県事務所にあります。

交通事故紛争処理センター

交通事故紛争処理センターは、自動車事故に伴う損害賠償の紛争を解決するために、事故の当事者との面接相談を通して、相談、和解のあっ旋および審査を行っている公益法人です。

交通事故弁護士費用特約

弁護士、司法書士、行政書士への報酬や訴訟(仲裁・和解)に要する費用を300万円を限度に保険会社が支払ってくれる特約です。被害者に過失がない場合、被害者は相手方の保険会社や弁護士を相手に不利な示談交渉を迫られることが多いのですが、弁護士費用特約があれば多くの場合は被害者は負担なしで示談交渉を有利に運ぶことができるメリットがあります。

交通事故の示談と弁護士

示談は基本的に被害者と加害者側の保険会社担当者との間で行われますが、保険会社が弁護士を立ててくることがあります。だからといって痛みが残っているけれど症状固定にしたり、納得いかないけど示談してしまおうと考えるのは間違いです。相手が弁護士だろうと、証拠を集めて堂々と交渉している方もいます。困ったら交通事故に強い弁護士にご相談ください。

交通事故と弁護士報酬

人身か物損か、後遺障害が残った場合は等級によって損害賠償額は代わります。弁護士報酬は一般に経済的利益の数%という形で計算されますが、経済的利益の考え方は画一的な基準がありませんので、弁護士に正式依頼をする前に確認をしておきましょう。

交通事故慰謝料と弁護士

被害者が保険会社と賠償問題で揉めたとき、通院6ヶ月以上または後遺障害14級以上を一つの基準として弁護士への相談を検討いただきたいと思います。弁護士費用よりも、獲得できる慰謝料が上回る可能性があります。

さ行

時効

自賠責保険は3年で時効となり、保険金(損害賠償額)を請求する権利が消滅します
(平成22年4月1日以降の事故の場合です。それより前の事故は消滅時効2年です)。

事前認定

通常事故で怪我をすると、加害者側の保険会社が一括して保険金に関する請求を被害者に代理して行ってくれます。症状固定(治療打ち切り)となっても後遺障害が残った場合も、保険会社が自賠責保険に対して後遺障害等級の認定を要求してくれます。一見、保険会社任せで便利に思えますが、被害者側が自分で請求する場合と比べると、後遺障害に非該当、または実際より低い等級でしか認定してもらえないことがあります。
なぜなら、保険会社としてはなるべく支払いをしたくないので、被害者に有利な意見書や証拠書類を集めてくれることが期待できないからです。

示談

当事者の双方が歩み寄って、裁判によらずに解決する契約を示談といいます。示談は法律的な効果がありますので、成立の証として示談書を作成する必要があります。つまり、示談書は双方の責任範囲と賠償方法を明確にし、示談書に記載のない事由については一切争わないことを約束するものです。ですから、いったん示談書にサインをするとあとから示談金に不満を言っても覆せません。

ただし、後遺症や再手術が生じたなど、示談当時には予想ができなかった損害が発生したと裁判所が認定した場合は例外的に認められることがあります。

人身事故でも物損事故でも、治療や修理が完了して元通りになったことが明確になってから示談交渉をするべきです。

自賠責保険

自賠責保険とは、本来加害者側が被害者に損害賠償金を支払った後に、加害者からの請求に応じて支払われるものです。しかし、自賠責保険では、加害者が被害者に賠償を行わない場合もあります。そこで被害者保護のため、被害者から自賠責保険会社に対して直接賠償金の支払を請求できるようになっています。

積極損害・消極損害

交通事故の被害者が被った物的損害は、積極損害と消極損害の2つに分けられます。積極損害とは、交通事故のために被害者が支払わなくてはならなくなった損害です。被害者の葬儀費用、治療関係費、介護費、入院雑費、それらに伴って発生する交通費や雑費等のことです。
消極損害とは、事故にあったため将来得られるであろう利益が得られなくなったもので、休業損害、後遺障害による遺失利益、死亡による遺失利益があります。

症状固定

交通事故で負ったケガの症状が、これ以上治療を続けても改善しないと判断された状態を病状固定と言います。
症状固定を認めると、これ以上治療の必要がないと認めたことになりますので、症状固定以後に治療を受けた分は、損害賠償の対象にはなりません。ご自身の健康保険または自費負担ということになってしまいますので、保険会社が症状固定の認定を求めてきても安易に承諾するべきではありません。

逸失利益

逸免利益とは、事故の怪我等で仕事ができなくなったり、仕事ができても生産性が低下したことによる将来発生するであろう収入の減少のことです。死亡事故なら被害者が将来稼げるはずだった収入が逸免利益ですし、怪我で後遺障害が残った場合も労働能力が低下した分逸免利益の損失と考えられます。

人身事故

人の生命や身体に損害が発生した場合を「人身事故」といいます。物損事故との違いは
①人身事故の場合には、自賠責にて最低限の補償は確保されますが、物損事故には自賠責の補償はありません。
②物損事故の場合には被害者が加害者の故意過失を証明する必要がありますが、人身事故の場合には、加害者が無過失を証明しない限り、被害者に対して賠償責任を負います。
③人身事故の場合には、加害車両の運転者だけでなく運行供用者(社有車なら会社)にも損害賠償を請求できます。
このように人身事故の場合は、被害者の救済範囲が拡大されています。

た行

調書

警察が事故現場や当事者の状況等を検分して作成する書類です。
調書は、損害賠償をめぐる示談交渉や、刑事裁判での重要証拠となります。

な行

任意保険

任意保険は、自賠責保険で補償されない物損事故、また自賠責保険金額を超える損害賠償部分を補ってもらうため、個人の意思で加入する保険です。任意保険でも補いきれない部分は加害者本人の負担となります。任意保険に加入している場合は交通事故を起こしたら原則60日以内に任意保険会社に通知をしなければなりません。また、多くの任意保険には示談代行サービスが付いています。これは、加害者の代わりに任意保険会社が被害者と示談交渉をしてくれるサービスです。

は行

被害者請求

加害者が損害賠償金の支払いに応じない、加害者が逃げた場合等、加害者側の保険会社へ被害者側が直接賠償請求をすることができます。これを被害者請求といいます。

物損事故

交通事故のうち、死傷者の出ない「物」の損害を「物損」といいます。車・バイク・自転車等の破損や、建物の倒壊などの修理費用が損害賠償の対象になりますが、新車を気づ付けられたからといって精神的な補償(慰謝料)を請求することはできません。

弁護士費用

弁護士費用は大きく3つあります。

・着手金(依頼時に支払う)
・報酬金(案件終了時に支払う)
・実費

支払うタイミングが異なることを知っておきましょう。また、報酬金の計算方法は弁護士によって考え方が異なりますので依頼前に弁護士に確認をしておきましょう。

ま行

3つの慰謝料基準

交通事故の損害賠償額は3つの査定基準のいずれかで決定されます。

・自賠責基準
・任意保険基準
・裁判基準(弁護士基準)

保険会社が提示してくる金額は、支払額が低い自賠責基準または任意保険基準であることがほとんどです。
弁護士に相談すれば最も高額な裁判基準で交渉してもらうことができます。

むち打ち

むち打ちも、後遺障害として損害賠償ができます。事故当日は気付かなくても、翌日以降に「首筋・背中・肩のこりや痛み・耳鳴り・頭痛・めまい・吐き気・食欲不振」などの症状を感じたら、すぐに専門家に相談をして病院で診断書を書いてもらいましょう。