自転車でヘルメットかぶらないとどうなる?努力義務化で大人も罰則ある?【2024年】

  • 自転車ヘルメットは恥ずかしい!自転車ヘルメットかぶらないとどうなる?
  • 自転車のヘルメットは強制ですか?努力義務とは?大人も罰則あるの?

上記のように自転車のヘルメットで大人の方も高校生の方もお悩みの方も多いことでしょう。

2023年4月1日より改正道路交通法が施行され、全国の都道府県で、自転車運転時のヘルメット着用が一律努力義務化されました。

今回は、2024・令和6年版の改正道路交通法における自転車運転時のヘルメット着用の努力義務化について、かぶらないとどうなるか、自転車のヘルメットは強制ですか?、また従来からの変更点や関連する事項、罰則、事故時の過失割合について解説します。

2023年4月からの自転車のヘルメットは強制ですか?努力義務とは

まずは、自転車のヘルメット着用義務化はいつからか、自転車のヘルメットは強制ですか、かぶらないとどうなるか、罰則などを令和6年版として確認しましょう。

自転車のヘルメット着用義務化はいつから?→23年4月から

自転車のヘルメット着用義務化はいつからか確認しておくと、2023年4月1日からです。

自転車のヘルメット着用義務化は全国で一律

自転車のヘルメット着用義務化の適用範囲は、地域によって異なるものではありません。つまり、ある特定の都道府県や市町村だけが対象となるのではなく、日本国内のすべての都道府県で一律に適用されるものとなっています。

自転車運転時のヘルメット着用については、地方自治体によって違うわけではなく、国が定めた道路交通法の改正により、「全国一律で」努力義務化が図られているのが実情です。

大人も?ヘルメット着用に関する規制内容の変更点

従来の道路交通法では、児童(6歳以上13歳未満)または幼児(6歳未満)を乗車させる場合に限り、大人である保護責任者がヘルメットを着用させる努力義務を負うにとどまりました(旧道路交通法63条の11)。

今回の道路交通法改正により、13歳以上の者を含めて、全国の都道府県で自転車運転時にはヘルメットを着用するよう努めなければならないとされました(道路交通法63条の11第1項)。

従来は特に規制が設けられていなかった大人はもちろん、中学生や高校生であっても、自転車運転時にはヘルメットを着用するよう努めなければなりません。

なぜ自転車運転時のヘルメット着用が努力義務化されたのか?

自転車運転時のヘルメット着用が一律努力義務化されたのは、自転車事故における死亡率を下げるためです。

警視庁のデータによれば、自転車事故によって死亡した人の損傷主部位のうち、64.5%を頭部外傷が占めています。
また、ヘルメットを着用していない場合の致死率は、ヘルメットを着用している場合の約2.3倍となっています。

※いずれも2018年から2022年までの東京都内における自転車死亡事故に関するデータ/出典:自転車用ヘルメットの着用|警視庁

これらのデータからは、自転車事故発生時には頭部に大きな衝撃が加わるケースが多いことと、ヘルメットの着用により頭部への衝撃を緩和され、事故時の死亡率が大幅に下がることがわかります。

こうした統計上のデータなども踏まえた上で、自転車事故における死亡率を下げるため、道路交通法改正によって自転車運転時のヘルメット着用が一律努力義務化されました。

恥ずかしいんだけど、ヘルメットであれば何でもいいのか?

自転車のヘルメットが恥ずかしいという方も多いようです。そのためヘルメットであればなんでもいいのかと考える方もいるようです。

自転車の運転者が着用すべきヘルメットにつき、道路交通法や関連法令において規格に関するルールは定められていません。

ただし、ヘルメットにはさまざまな種類があるところ、自転車事故における重傷や死亡のリスクを下げるためには、自転車運転用のヘルメットを着用すべきです。

具体的には、自転車メーカーなどが製造していて、かつ以下のような安全基準の認証を受けたヘルメットを着用することが望ましいでしょう。

  • SGマーク
  • JCFマーク
  • CEマーク
  • GSマーク
  • CPSCマーク

自転車でヘルメットをかぶらないとどうなる?罰則はある?青切符?

自転車でヘルメットをかぶらないとどうなるか、罰則はあるか、と気になることでしょう。

自転車運転時のヘルメット着用は努力義務に過ぎず、着用しなくても直ちに道路交通法違反には当たりません。つまり青切符にもなりません。

  • 努力義務:対象行為をするように努める義務
  • 義務:対象行為をする義務

また、自転車運転時にヘルメットを着用しなくても、道路交通法違反による罰則の対象にはなりません

しかし、自転車事故によるリスクを軽減する観点から、道路交通法による罰則、青切符等の制裁がないとしても、自転車運転時にはヘルメットを着用することが望ましいです。そのため、自転車でヘルメットをかぶらないとどうなるのか気になると考えている方も、着用したほうが無難と言えます。

ヘルメットをかぶらないと、交通事故時の過失割合はどうなる?

過失割合とは

交通事故の際には、当事者間の過失割合に応じて損害賠償の金額が調整されます(過失相殺、民法722条2項)。

たとえば、Aが運転する自動車とBが運転する自転車が衝突し、Bだけに1,000万円相当の損害が発生したとします。
仮にAとBの過失割合が9対1だとすると、過失相殺が行われた結果、BがAに対して請求できる損害賠償額は、損害全体の9割に相当する900万円にとどまります。

それでは、事故にあったときに、自転車に乗りながらヘルメットをかぶらないとどうなるのでしょう。過失割合に影響があるのでしょうか。

ヘルメットをかぶらないとどうなる?過失割合に影響が?

自転車の運転者の過失として過失割合の算定時に考慮されるかどうかは不透明です。

ヘルメットの着用が道路交通法上の義務ではない以上、過失割合の算定に当たって考慮すべきでないという考え方もあり得ます。

その一方で、道路交通法改正によりヘルメットの着用が努力義務化され、社会的な認知が十分に広まれば、正当な理由なくヘルメットを着用しないことは過失として考慮すべきだという考え方も十分あり得るところでしょう。

交通事故時の重傷・死亡のリスクを避けることに加えて、損害賠償請求への悪影響を避けるためにも、自転車運転時にはきちんとヘルメットを着用することをおすすめします。

自転車用ヘルメットの購入時に利用できる補助金

自治体(市区町村など)の中には、道路交通法改正によって自転車運転時のヘルメット着用が努力義務化されたことに伴い、自転車用ヘルメットの購入について補助金(助成金)を支給しているところがあります。

参考:自転車ヘルメットの購入費の助成について

1人1回限り、数千円程度の補助金(助成金)を支給しているケースが多いです。

ただし、申請件数や申請期間が限定されているので、補助金の利用を検討している方は早めに手続きを調べておきましょう。

まとめ

今回は、2024年、令和6年版として自転車運転時のヘルメット着用に関する義務化の内容と現状について解説しました。

道路交通法の改正により、自転車運転者に対してヘルメット着用が努力義務化されています。具体的には、義務化はいつからか、罰則の有無、大人も子供もかなど対象者の範囲、努力義務の意味、不着用時の影響、自転車のヘルメットは強制ですかなどを取り上げました。

しかし、この新制度についての認知度や浸透度は、残念ながらまだまだ低い状況にあります。

法改正から経過した現在でも、一般市民の間では自転車ヘルメット着用の必要性への理解が広まっているとは言えません。実際に街中を見渡しても、ヘルメットを着用している自転車利用者はごく少数派にとどまっています。

こうした状況を改善するには、行政や自転車メーカー、関連団体が一丸となって、積極的な啓発活動や普及キャンペーンを展開していく必要があるでしょう。

今後は、全国的な啓発を通じて、徐々にではあれ着用者が増加し、安全で安心な自転車ライフが実現できることを期待したいものです。

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