交通事故と保険金詐欺|通院で稼ぐ整骨院の不正請求はバレる!
交通事故の治療で、どのようなケースが保険金詐欺や過剰診療となってしまうのでしょう?交通事故の治療で整骨院や接骨院に通…[続きを読む]
軽い追突事故の被害に遭い、むちうち症状が発生した際、Twitterや2ch、Yahoo!知恵袋などで上述のような問題が話題になることがあります。
もしこのような交通事故で本当にむちうち症状に苦しむ被害者がいる場合、非常につらい状況にあることでしょう。
さらに、医師への症状の伝え方が上手くいかず、結果として医師から仮病を疑われてしまう事例も考えられます。
今回は、軽度の追突事故の被害者が、加害者の保険会社からむち打ち症状や腰や首の痛み、頭痛などが「嘘ではないか」「嘘はバレるぞ」と言われる理由と、その対処法について詳しく説明します。
目次
被害者が訴えているむち打ち症状を、加害者側の保険会社が「痛くないのに通院してるのではないか」と嘘扱い、「嘘はバレるぞ」「嘘を見抜くぞ」と言うのは、次の理由からです。
むち打ち症は、あとから痛みが出ることがよくあります。事故直後には症状が出ていなくても、数時間後や遅くても1ヶ月後になってから痛みやしびれが現れることがあります。
また、事故後に仕事や家事・育児などで忙殺され、痛みを我慢して放置したり、病院に行かなかったりするケースもあります。
こういった場合「事故と初めての受診の間に空白期間」があると、事故と症状の因果関係が疑われ、慰謝料をぼったくろうとしている、儲けようとしている、追突事故によるむち打ち症なんて明らかな嘘だと、保険会社に疑われてしまうことがあります。
そのため、痛みがなくても必ず病院に行く必要があります。
症状と事故状況との不一致があると、むち打ち症が「嘘の怪我」と疑われることがあります。
たとえば、以下のようなケースです。
実例をあげると、事故直後には子供が「右腕が痛い」と言っていたのに、ある程度治療が進んだ頃には「肩にしびれが起こる」と伝え出した場合などです。
こうした伝え方がうまくない場合は、症状が一貫していないと見抜かれ、首・腰が痛いのは仮病だと、無理に長引かせている、嘘はバレるぞと言われてしまいます。
軽いむち打ち症の場合、その症状を証明できる客観的な資料がないことが多く、レントゲン画像やMRI画像などを撮っても、特に異常は見当たりません。
結局、「耳鳴り、めまい、しびれがある」、「だるさを感じ、吐き気がする」、「腰が痛い、頭痛がする」といった自己申告だけの状態になってしまうのです。
確かに、このような自己申告も重要です。自身が感じる症状のことを「自覚症状」と言いますが、自覚症状は損害賠償の場面でも一定程度評価されます。
しかし、症状を証明する資料がなければ、保険会社に「症状が認められない」「むち打ち症は嘘・通院を長引かせているではないか」「バレバレの慰謝料ぼったくりと見抜いてる」と主張される余地を与えてしまいます。
基本的に保険会社の損害賠償では、自覚症状よりも他覚症状(医師が客観的に確認できる症状)が、重視されるのです。
被害者が通っている整骨院や接骨院に対しても、保険会社は不信感を抱いていますし、意識的に嘘を見抜こうとしています。
多くの整骨院は誠実に治療を行っていらっしゃいますが、中には悪質な整骨院もあり、被害者が通院していない日の治療費を請求したり、施術内容を水増したりします。
極端な場合、被害者と整骨院がグルになって水増し請求をするケースもあります。
こうした事例が少なからずあることも、むち打ち症が嘘ではないかと疑われる理由の一つです。
見抜くぞとか嘘だろと言わせないためには、むちうち症が本物だと加害者側の保険会社に証明することが、一番の方法です。
症状を証明するためには、以下の5点を徹底することが大切です。
まずは、軽い追突事故後、すぐに病院に通院することが重要です。追突事故に遭ったら、まずは病院で受診しましょう。
たとえ軽い事故であり、痛みなどの自覚症状がなくても、必ず病院へ行くことが肝心です。
このとき整骨院や接骨院ではなく整形外科を受診して、医師による診察を受けることが大切です。
後遺障害認定で有効な画像診断や、診断書が書けるのも病院の医師だけです。医師が症状固定というまで、通院するようにしましょう。
整形外科は、「身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する外科」です*。
切創や骨折、脱臼、捻挫、ヘルニア、リューマチ、むち打ちまで、現在整形外科が扱う疾患は多岐にわたります。
対して整骨院では、柔道整復師という国家資格を持った専門家が施術を行います。治療方法は、マッサージや整体などで緊張した筋肉を解し関節のずれなどを矯正することにより、自然治癒力を高めながら症状を緩和することを中心としています。
実際、痛みの表現というものは、慣れてないと難しいものです。
ただ、だからと言って何も意識せずに、その場その場の表現をしていると、訴える症状がその都度大きく変わってしまうことになりかねません。
むちうちは症状の伝え方が大切です。
自分なりに、「以前はどのように痛みを訴えたか」「どう追突事故について言葉にしたか」のメモを残すなどして、痛みの表現を言語化し、以前伝えた症状とブレがないようにすることが重要です。
適切な検査を行うことも重要です。
レントゲンやMRI等の画像診断は必須ですが、人身事故によるむち打ち症や腰の痛みの場合、それでも証明できないケースがあります。
そうした場合、神経学的検査をすることにより、むち打ち症の自覚症状を補完し、症状を証明することができることがあります。
神経学的検査とは、筋力や反射などについて調べる検査方法です。
いくつかの種類があります。
こうした検査を適切に実施していれば、「むち打ち症は嘘、通院期間を長引かせている」だと言われにくくなります。
もし、示談交渉の段階では事故の相手が納得しなくても、裁判で勝てる可能性が高まります。
軽い追突事故のむちうち症状などで整骨院や接骨院に通う場合は、医師の指示も仰ぎましょう。
医師の具体的な指示があれば、治療の必要性があり、治療の一環として通院していることを示せます。
そのうえで保険会社に連絡をすれば、疑われることはありません。
ただし、既に痛みや症状がなくなっているのに通院を続けてはいけません。通院期間が伸びれば当然それだけ入通院慰謝料の額は増えていきます。だからといって、症状を偽って通院を続けると保険金詐欺となります。
保険会社は、保険金詐欺を常に警戒しています。保険金詐欺を疑われないためには、以下の点に注意をしましょう。
相手がむち打ち症を認めてくれない場合、弁護士に対応を任せることをおすすめします。
相手方の主張に対し、法律家・専門家としての立場から適切に反論してくれます。
また、医学知識がある弁護士であれば、むち打ち症の適切な治療機関の紹介や治療する際の注意点、さらには、検査方法についてもアドバイスをしてくれることがあります。
加えて、このように「モメている」場面では、最終的に立場の対立が解消せず、裁判となることも考えられます。
交通事故問題の場合、初回相談無料の弁護士も多いので、ぜひ「交通事故に強い弁護士」に相談してみてください。
整形外科でも交通事故のむち打ち症患者は、疎んじられることがあるようです。その理由は、いくつか考えられます。
こういった理由から、大人でも子供でもむち打ち症や腰の痛みを嘘がバレバレだとか、仮病扱いする医師はいるようです。
では、せっかく治療を始めた整形外科で適切な治療が受けられない場合はどうすればいいのでしょうか?
最近では、他の医師のセカンドオピニオンが当たり前になりつつあります。セカンドオピニオンを求めるためには、通常、担当医からの紹介状や検査資料などが必要となります。これまでどんな症状がありそれに対してどんな治療をしてきたかを知るためです。
紹介状がなければ、検査を一からやり直して最初から治療することになります。
そのため紹介状を書いてもらう必要がありますが、ただでさえ良好でない医師との関係がさらに悪化してしまう可能性もあります。ただ、医師にセカンドオピニオンを拒否する権限はありませんので、積極的に利用をしましょう。
セカンドオピニオンを聞いた別の病院の治療方針に納得がいけば、担当医に転院を申出ましょう。
ただし、転院先が今までより良い病院だという保証はどこにもありません。転院先はできるだけ慎重に選ぶ必要があります。
むち打ち症の症状が整骨院に通うことで緩和した方は、数多くいらっしゃいます。
この場合、治療費を保険会社に請求する際に揉めないためにも、「担当医の同意を得る」ことが重要です。
軽いむち打ち症で、自覚症状しかない場合でも後遺症が残るケースがありますが、その場合後遺障害等級の認定を申請する必要があります。
後遺障害に認定されると、14級の等級であっても100万円以上の後遺障害慰謝料が認められやすくなりますし、働いている人の場合には、数百万円レベルの逸失利益が認められることもあります。
個人で認定手続きをやることは難しいですが、後遺障害認定手続きを弁護士に依頼すると、認定の可能性は高くなります。
むち打ち症のケースで確実に後遺障害の等級認定を受けたい場合には、まずは弁護士の話を聞いてみましょう。
なお、追突事故でむち打ちの「傷害慰謝料」「後遺障害慰謝料」の相場を計算したい方は、当サイトの慰謝料相場自動計算機をご利用ください。
むち打ちの通院期間、治療期間や後遺障害等級を入れるだけで、自分の慰謝料相場を弁護士基準で計算することができます。
また、追突事故による慰謝料については、是非、以下の関連記事をご覧ください。
などの症状が出た場合は、むち打ち症だと疑った方が良いでしょう。
このほか、交通事故後、むちうちになった場合、発熱、耳鳴り、聴覚障害を伴うこともあります。
軽い事故であることなどを理由として症状を疑われた場合には、むち打ち症の場合と同様に、以下の5点を大切にしてください。
など、5つのポイントを大事にしましょう。
交通事故後数時間から数日、長ければ一ヶ月程度で以下の症状を感じたときは、むちうち症の可能性があります。
事故によるむちうちの治療には、少なくとも週に1〜3回の通院が必要と言えるでしょう。
これは、病気の回復を促すためであると同時に、慰謝料の算定においても通院頻度が重要な要素となるためです。
交通事故でむちうちになってしまった場合、慰謝料はどの程度請求できるのでしょうか。慰謝料の相場と増額の方法をわかりやすくお話しします。
そこで今回は、軽い追突事故でむち打ち症になった場合の被害者向けの対処方法をご説明しましたが、 実際には、むち打ち症以外にも交通事故で首や腰の神経症状を患った場合にも、慰謝料ぼったくり・嘘はバレている・仮病だろうと言われてしまったとSNSや電子掲示板、Yahoo!知恵袋で悩みが共有されています。本人だけでなくその子供についてもです。
保険会社ともめてしまい、困っている場合や、これから相手と交渉するのに不安がある被害者は、一度、弁護士事務所に相談をしてアドバイスをもらうことをおすすめします。