追突事故で慰謝料はいくらもらえるか|計算方法と金額相場

追突事故では、むち打ちをはじめ怪我をする被害者がとても多く、そんな時に支払われる賠償金の一部が慰謝料です。

慰謝料とは、追突事故の被害者の精神的苦痛に対して加害者が支払う損害賠償で、たとえ、追突事故の被害者が主婦や子供、老人であってももらうことができます。

今回は軽い追突事故に遭った際に、怪我がある場合・怪我がない場合で慰謝料がいくらもらえるのか、いつもらえるのか、またその際の注意点等について、解説していきます。

また、追突された車両の助手席などに乗っていた同乗者も慰謝料請求は可能です。詳しくは、以下の記事をお読みください。

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追突事故の自賠責基準での入通院慰謝料の計算

追突事故の慰謝料は相場はいくらくらいか?また、どのように計算するのでしょうか?

追突事故の慰謝料には入通院慰謝料と後遺障害慰謝料があります。

最初に、入通院慰謝料について説明します。入通院慰謝料は怪我をして入通院治療を受けたときに支払われる慰謝料です。

後述する自賠責基準での入通院慰謝料の相場は、次の計算式で求めることができます。

入通院慰謝料の計算式

  1. 実治療日数 × 2
  2. 治療期間

1.2.いずれか小さい方の日数 × 4,300円

では、実例を挙げて、計算してみましょう。

むち打ちで3ヶ月通院した場合の入通院慰謝料の相場

まず、むち打ちで3ヶ月(週4回)通院した場合の入通院慰謝料の相場を求めてみます。

通院期間3ヶ月
通院回数週4回

1.実治療日数 ×2

3ヶ月(通院期間) × 4週 × 4回 = 48日

実通院日数48日 ×2=96日

2.治療期間

3ヶ月(通院期間)×  30日 = 90日

96日> 90日ですから、入通院慰謝料の額は、次の通りです。

入通院慰謝料の額

90日 × 4,300円(※)=387,000円

※ 2020年3月31日以前に発生した事故については、4,200円で計算。

骨折と打撲で2ヶ月入院・4ヶ月通院した場合(計6ヶ月)の入通院慰謝料の相場

次に、交通事故で全身打撲と骨折を負い、2ヶ月入院し、4ヶ月(週4回)通院した場合(合計6ヶ月)の入通院慰謝料の相場は、以下の計算で求めることができます。

入院期間2ヶ月
通院期間4ヶ月
通院回数週4回

1.実治療日数 ×2

60日(2ヶ月入院)+ 4ヶ月(通院期間) × 4週 × 4回 = 124日

実通院日数124日 ×2=248日

2.治療期間

(2ヶ月(入院)+4ヶ月(通院)) × 30日 = 180日

248日 > 180日なので、入通院慰謝料は、以下の額となります。

入通院慰謝料の額

180日×4,300円=774,000円

整骨院など病院以外の治療機関に通った場合

追突事故後、病院ではなく整骨院に通われる方も多数おられます。きちんと手続きをとれば整骨院の治療費や日数分の慰謝料も払ってもらえます。

ただし整骨院は病院とは異なるので、必ず全額の支払いを受けられるとは限りません。整骨院通院の治療費や慰謝料が認められるのは「医学的に整骨院治療が必要なケースのみ」です。そもそも「医師の同意」がなければ整骨院の費用がまったく支払われない可能性もあります。

また医師の同意があっても、不必要に長く通い続けた場合などには相場よりも慰謝料がカットされるケースもあります。

整骨院に通う場合には、必ず事前に医師の承諾を取り、通院開始後併行してときおり病院に通って医師の意見を聞きながら通院しましょう。

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後遺障害認定されれば慰謝料がさらに増額

軽い追突事故でむちうちになると、治療を受けても痛みが取れず後遺障害が残るケースがよくあります。その場合、慰謝料が増額される可能性が高くなります。
その理由は、追突事故で後遺障害に認定されると、等級に応じた後遺障害慰謝料が支払われるからです。

後遺障害慰謝料は、事故で後遺障害が残ったときに支払われる慰謝料です。上記で紹介した入通院慰謝料とは「別途」支払われるので、後遺障害に認定されれば、それだけで慰謝料が大幅にアップします。

追突事故の被害者にとって後遺障害認定を受けられるかどうか、また何級に認定されるかはとても重要です。自分一人で手続きを進めると適切に認定されない可能性が高くなるので、確実を期するためには弁護士に依頼しましょう。

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追突でむち打ちになった場合の後遺障害慰謝料

むち打ち症が認定される可能性のある後遺障害等級の慰謝料額は、次の通りです。

後遺障害等級後遺障害慰謝料の額(自賠責基準)
12級94万円(※)
14級32万円

※ 2020年3月31日以前に発生した事故については、93万円

追突事故の慰謝料請求に適用すべき基準

ここまで実例を挙げて計算してきた慰謝料の金額は、「最も低い補償額である自賠責基準」で算出しています。これは、最低保障である自賠責保険から支払われる金額です。

そこで、ここからは、自賠責基準と最も高額となる弁護士基準について比較・検討してみたいと思います。

自賠責基準と弁護士基準の違い

入通院慰謝料

弁護士基準をあてはめると入通院慰謝料だけでも1.5~1.8倍くらいまで増額されます。

治療期間
(通院のみ)
自賠責基準弁護士基準
軽傷の場合MRIやレントゲンなどにも異常がある場合
3ヶ月38万7,000円53万円7万円
6ヶ月77万4,000円89万円116万円

※ 慰謝料額は、個別の事案によって異なります。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は2~3倍にもなります。

後遺障害等級自賠責険基準弁護士基準
12級94万円程度290万円
14級32万円程度110万円

なお、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料を含め、あなたの賠償額が弁護士基準でいくらもらえるか計算できる「交通事故慰謝料の自動計算機」を是非、お試しください。

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追突事故慰謝料は弁護士基準で請求しよう

弁護士基準は、交通事故の裁判例等の研究を基に策定された裁判でも用いられる基準です。慰謝料の請求は、この基準でなされるべきなのです。

ただし、一般の方が示談交渉し、この基準で保険会社に請求できるのかと言えば、難しいでしょう。やはり、交通事故に強い弁護士に相談すべきです。

なお、弁護士基準での慰謝料の計算方法、いくらもらえるかは、詳しくは、以下の関連記事をお読みください。

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追突事故の慰謝料を増額させるためのポイント

入通院慰謝料を増額させるには治療の継続

追突事故で慰謝料を増額させるには、必要な期間しっかりと治療を続けることが重要です。入通院慰謝料は治療期間に応じて計算されるので、途中で打ち切ると慰謝料が低額になるからです。

後遺障害慰謝料を増額させるには後遺障害認定が必須

また後遺障害が残ったらきちんと後遺障害等級認定を受けることが必須です。後遺障害が認められたらそれだけで最低100~300万円程度、弁護士基準による慰謝料が増額されます(14級の場合)。

過失割合についてもしっかり対抗する

さらに過失割合も重要です。追突事故の過失割合は、通常、10対0。もちろん、被害者の過失が0です。

しかし、追突事故でもこの過失割合が0にならないことがあります。典型的には、被害車両が不必要な急ブレーキを踏んだ場合です。運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き急ブレーキをかけることは禁止されていますから(道路交通法24条)この場合、追突された車両にも、3割の過失が認められます。

どんなに高額な賠償金が認められても過失割合が高くなったら大幅に過失相殺されて、慰謝料が減額されてしまうからです。たとえば500万円の慰謝料が発生しても、過失割合が3割になったら請求できる金額は350万円に減額されます。

事故の相手が「被害者が急ブレーキをかけたから追突した」、「ウインカーも出さずに、急に前方に割り込んできたので避けられなかった」などと嘘をついてくるケースも少なくないので、しっかり対抗しましょう。

なお、弁護士基準を適用するためには、弁護士に示談交渉を依頼することが事実上必須です。追突事故に遭ったとき、一人では不安があるものです。お困りの際には交通事故に熱心に取り組んでいる弁護士に相談してみて下さい。

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追突事故での慰謝料請求で知っておくべきこと

最後に、追突事故で慰謝料を請求するときに、知っておくべきことを解説しておきます。

軽い追突事故で怪我がなければ慰謝料もなし

軽い追突事故の場合、被害者が怪我をしないケースが多々あります。追突事故が「物損事故」になるケースです。物損事故では加害者に慰謝料請求できないのでしょうか?

確かに物損事故でもお気に入りの車が故障したり傷つけられたりしたら、被害者は大きな精神的苦痛を受けるかもしれません。高級外車が傷つけられたらショックで寝込んでしまう方もおられるでしょう。

しかし裁判所は「車の故障のケースでは慰謝料を認めない」扱いを徹底しています。どんなにお気に入りの車でも、身体や生命を損傷したケースとはレベルが違うと解されているのです。愛車や特別な車であっても、軽い追突事故で車が壊れただけなら慰謝料請求できません

ただし物損事故であっても、大切なペットが深く傷ついて後遺症が残った場合や死亡した場合、家に車が突っ込んできて大きな危険が発生した場合、お墓などの特別な場所が破壊された場合などには慰謝料が認められる可能性があります。

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追突事故の慰謝料は被害者に、いつ支払われる?

交通事故被害者は、追突事故で慰謝料が発生する場合、いつ支払ってもらえるのでしょうか?

実は追突事故の慰謝料が支払われる時期は非常に遅く、最短でも保険会社と示談が成立するまでは払ってもらえません。示談が不成立になった場合には調停や訴訟、ADRなどで賠償問題が解決するまで支払いを受けられません。

ただし治療費や休業損害については、仮渡金制度を利用すれば、追突事故直後の通院中から随時支払ってもらうことができます。

また、被害者自身が加入している自動車保険からの「人身傷害補償保険」や「搭乗者傷害補償保険」などから保険金を支払ってもらえるケースもあるので、事故に遭ったらすぐに保険契約内容を確認してみましょう。

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