物損事故の損害賠償の範囲!慰謝料は支払われるのか?

★ お気に入りに追加
物損事故損害賠償

物損事故に巻き込まれたとき、相手に対してどのような損害賠償請求をできるかご存知でしょうか?

「車の修理費くらいじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はそれ以外にもいろいろな費用を請求できます。

今回は、物損事故で請求できる損害賠償の範囲について、解説していきます。

1.物損事故で請求できる損害賠償金一覧

 

  •  修理費用
  •  買換費用
  •  買換諸費用
  •  代車費用
  •  評価損
  •  積荷の損害
  •  営業損害
  •  建物や施設の破損
  •  慰謝料(ほとんどのケースで請求できないが、まれに請求できるケースがある)

以下でそれぞれの費用を請求できる場合とその内容、注意点をみていきましょう。

2.保険会社からの修理費用

修理費用は、言葉の通り車を修理するための費用です。物損事故では車が破損するので、それを元の状態に戻さねばなりません。

事故がなかったら修理の必要はなかったので、修理費用は全額損害内容として認められます。

修理費用の金額を算定する際には、まずは車を修理工場に持ち込んで修理工場に見積もりを出してもらいます。

そして保険会社の「アジャスター」と呼ばれる専門家と協議した上で最終的な金額が決まります。

修理工場が当初に出した見積額よりも多少安い金額となるケースが多くなっています。

被害者が保険会社から修理費用を受け取っても、実際に修理に出すかどうかは被害者の自由です。お金だけもらって修理せずそのまま乗っていてもかまいません。

3.買換費用

激しい交通事故の場合には、車が大破して修理が不可能になるケースがあります。

また古い車の場合などには車の価値が低くなっており、修理すると車の時価より高くつくケースもあるでしょう。

それらの場合には車を「全損」扱いとして、修理費用ではなく「買換費用」を払ってもらいます。

買換費用の限度額は「車の時価」です。

買換費用を算定するときには、中古車の専門書である「レッドブック」を参照して事故車と同車種、同グレード、同走行距離の車を探し、その価額を基準に決定します。
レッドブックに記載のないような古い車の場合、新車価格の10分の1程度として評価されるケースが多数です。

買換費用をもらった後、実際に車を買い換えるかどうかは受け取った被害者の自由です。車が要らないなら、お金だけもらっておいてもかまいません。

一方、買換費用より高額な車を購入したい場合、差額は被害者の自腹となります。

4.買換諸費用

車を買い換えるときには、車両の代金だけではなく車庫証明の費用や登録費用などさまざまな諸費用がかかります。これらの買換諸費用についても物損事故によって発生した損害の内容として、相手に請求可能です。

買換諸費用には、損害に含まれるものと含まれないものがあるので、確認しておきましょう。

4-1.諸費用に含まれるもの

  •  登録費用
  •  車庫証明費用
  •  登録代行費用(ただし、ディーラーの報酬として相当な額に制限されます)
  •  車庫証明の代行費用(ただし、ディーラーの報酬として相当な額に制限されます)
  •  納車費用(ただし、ディーラーの報酬として相当な額に制限されます)
  •  廃車費用
  •  リサイクル料金
  •  自動車取得税(ただし、事故車と同程度の中古車を購入する限度の金額となります)
  •  自動車重量税(未経過の期間分が支払われます)

4-2.諸費用に含まれないもの

  •  買換後の車両の自賠責保険料(自賠責保険料は、事故が発生しなくても必要だったものなので損害になりません)
  •  自動車税(自動車税についても、事故が発生しなくても必要だったものなので、損害になりません)
  •  自動車重量税(経過した分は返ってきません)

相場を超えて高額なディーラー手数料を払った場合、相場を超える部分は支払ってもらえません。

5.代車費用

物損事故で車を修理に出している間や買い換える車を探している間、代車が必要になることもあります。

その場合には「レンタカー代」を基準として代車費用を請求できます。代車については、実際に代車を利用したことが前提であり「使う予定がある」という理由での請求は不可能です。

基準となるレンタカー代は、一般の小型車のグレードを基準とされることが多く、それより大きく高額なレンタカーを借りた場合の差額は自己負担となります。

また代車費用を払ってもらえる「期間」にも注意が必要です。
修理や中古車への買換えの場合には、だいたい2週間程度となります。新車に買い換える際には車の整備などに時間がかかるので、1か月くらいみてもらえます。

ただし修理のケースでも、保険会社の都合で示談がまとまりにくくなって日にちが延びている場合などには2週間以上の期間をみてもらえることがあります。中古車への買換えのケースでも「どうしても車が必要な事情」を丁寧に説明すれば、2週間を超えて代車費用を認めてくれるケースもあるので、車が必要なら丁寧に交渉してみましょう。

さらに公共交通機関を利用した場合、その費用を払ってもらえるケースもありますし、必要に応じてタクシー利用料金が認められることもあります。
交通事故後、車がなくてさまざまな乗り物を利用した場合、すべて領収証をとっておきましょう。

6.評価損

交通事故で破損すると、車の価値が低下してしまいます。

その場合、車の価値低下分は「損害」となるので相手に賠償請求可能です。

この車の価値低下分の損害を「評価損」「格落ち損」と言います。

車の評価損は、修理費などと違って必ず認められるとは限りません。

比較的新しい車で走行距離が短い場合、外車や高級車の場合に認められやすくなっています。特に外車の場合には、事故車となることでブランド価値が低下することが重視されており、国産車と比べて評価損が認められやすいです。

裁判例をみても、登録後3年以内の車であれば評価損が認められやすい傾向がありますが、それを超えると認められにくくなります。

また評価損が認められる場合でも「全額」が損害内容となるわけではありません。一般的に「修理費用の30%程度」が損害として認定される傾向にあります。

実際にどのくらい価値が低下したのか、専門の評価機関を利用して立証することも可能ですが、費用と手間をかけて立証してもその額の支払いを受けられるとは限らないので注意が必要です。

また保険会社との示談交渉の段階では、多くのケースで評価損の支払いを拒絶されます。請求したい場合には裁判が必要になるでしょう。

7.積荷の損害

高額な積荷を載せているトラックなどが交通事故に遭うと、積荷が損傷して大きな被害が出ることがあります。その場合には積荷の損害も相手に賠償請求できます。

ただしあまりに積荷が高額だった場合には、全額を請求できるとは限りません。

たとえば、通常一般の軽トラックなどに希少価値の高い物質や貴金属などが積み込まれていて、予想外に高額な損害が発生した場合などには、加害者がそのことを知ることができず予想外であることから因果関係が否定されます。賠償金が減額されたり、ときには0円になったりする可能性もあります。

8.営業損害

タクシー会社やバス会社、運送会社などが交通事故に遭ったときには、その車を使って営業できなくなるので営業損害(休車損害)が発生します。

そこで相手に対し、休車期間分の営業損害を請求できます。損害額は、その車によるこれまでの平均売上額から平均経費額を引いて算出します。

ただし事故車以外に遊休車があり、それを使って営業できたため損失が発生しなかった場合には、営業損害は請求できません。

9.建物や施設の破損

物損事故で被害を受けるのは、事故の当事者とは限りません。建物や施設が壊れることもありますし、第三者の所有物が車両同士の衝突に巻き込まれるケースもあります。

たとえば建物や施設、ガードレールなどが壊れた場合、そういった損害についても加害者に賠償請求できます。

建物などの場合、車の修理費用とは異なり相当高額な賠償金額となるケースも多いので注意が必要です。

事故に備えて対物賠償責任保険に必ず入り、限度額についても十分な金額に設定しておくべきです。

10.物損事故の慰謝料

物損事故では、基本的に慰謝料が発生しません。

物が壊れただけでは、被害者は金銭による慰謝を必要とするほどの強い精神的苦痛を受けないと考えられているからです。

ただし以下のような特殊なケースでは慰謝料が認められることがあります。

  •  建物に突っ込まれて命の危険にさらされたケース
    車が建物の玄関に突っ込んできて居宅にいた被害者が命の危険にさらされ、その後も家の修繕の間不便を余儀なくされた場合などです。
  •  墓石を壊されて骨壺が露出したケース
    車が墓石に激突して墓石が倒れ、下にあった骨壺が露出した場合などには、裁判でも慰謝料が認められています。
  •  大切なペットが死亡、重度の後遺障害が残ったケース
    事故でペットが怪我をしても基本的には慰謝料が発生しませんが、重度な後遺障害が残った事案や死亡した事案では慰謝料が認められている裁判例があります。

物損事故でも、上記のようにさまざまな賠償金が発生する可能性があります。自分では適正な算定ができないことも多いでしょうから、損をしないためには弁護士に相談してみると良いでしょう。

交通事故に強い弁護士に無料相談できます

  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
  3. 適正な後遺障害等級認定を受けたい

弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

都道府県から交通事故に強い弁護士を探す
【全国対応】
弁護士法人ALG&Associates

土日の電話受付対応。交通事故の初回相談料・着手金 無料!弁護士報酬は後払いです。

土日の電話受付対応。交通事故の初回相談料・着手金 無料!弁護士報酬は後払いです。

保険会社の対応に疑問を感じた方、今後の流れに不安のある方は全国対応の弁護士法人ALGへ。積極的な知識の研鑽とサポート体制の充実を図っています。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-5267-6353
[電話受付]平日 9:30~20:00 土日祝 9:30~18:30
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら

あなたへおすすめの記事

この記事が役に立ったらシェアしてください!