人身事故と物損事故の「罰金と点数」を完璧に知っておく!【2018年度版】

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免許は持ち点15点で、交通事故や交通違反を犯すことで減点されていくと考えている方が多いと思います。

しかし、実際は、交通違反に関する点数制度は「減点方式」ではなく「累積方式」です。

違反をする度に違反点数が「累積(加算)」し、点数が一定の基準を超えた場合に処分を受け、最後に免停・免取になる制度です。

特に人身事故と物損事故とでは、行政処分の点数や、刑事責任(刑事罰)、罰金などの考え方が大きく違います。

ここでは、交通事故(人身事故や物損事故)を起こした場合、どのように点数が累積し罰金はいくらになるのか、分かり易く解説します。

1.人身事故の加害者が負う3つの責任

人身事故を起こすと、加害者は以下の3つの責任を負う義務が生じます。

  • 行政処分
    累積した点数に応じて、運転免許証の効力を一定期間停止させたり、取り消されたりするもの→点数
  • 刑事処分
    自動車運転死傷行為処罰法違反(死亡・傷害事故による処分)とその他の道路交通法違反の2通り→懲役刑・禁固刑又は罰金
  • 民事処分
    被害者に対して与えた損害を賠償するもので、物損に対してはもちろんの事、死亡や傷害についても責任を負うこと→損害賠償

それぞれの処分を切り分けて解説します。

2.人身事故の行政処分と違反点数一覧表

以下は、人身事故を起こした場合の付加点数の表です。

「専ら」という用語がありますが、意味は以下の通りです。
※「専ら」・・・・運転者の一方的な不注意によって発生した場合
※「専ら以外」・・被害者にも過失があった場合

安全運転義務違反基礎点数
2点
被害者の負傷程度不注意の程度付加点数 免取・免停
死亡事故専ら20点免取
専ら以外13点免停(90日~)
重症事故
3ヶ月以上
後遺障害あり
専ら13点免停(90日~)
専ら以外9点免停(60日~)
重症事故
30日以上
3ヶ月未満
専ら9点免停(60日~)
専ら以外6点免停(30日~)
軽傷事故
15日以上
30日未満
専ら6点免停(30日~)
専ら以外4点
軽傷事故
15日未満
建造物損壊事故
専ら3点
専ら以外2点
  +
ひき逃げ
(措置義務違反)
35点

以下、上記の表をもとに、その点数の考え方を詳しく確認します。

(1) 人身事故での免許違反点数の考え方

交通事故によって人が怪我をしたり死亡したりした場合は「人身事故」となります。たとえ、打撲やむち打ちなどの一見小さく見える怪我でも、被害者が適切に主張すると物損ではなく人身事故扱いとなります。

上記の表の通り、人身事故を起こした時点で、「安全運転義務違反として2点」がつき、これが基礎点数となります。

その上で、事故の個別の事情に応じて、基礎点数に表の点数がさらに加算されます。

加算される点数は、事故の程度によって「2~20点」まであります。

死亡事故

運転者の一方的な不注意によって発生した場合は20点、被害者にも過失があった場合は13点となります。

重傷事故①

一番被害を受けた負傷者の治療期間が3ヶ月以上で後遺障害がある場合で、運転者の一方的不注意の場合は13点、また被害者にも過失がある場合は9点となります。

重傷事故②

治療期間が30日以上3ヶ月未満である場合で、運転者の一方的不注意の場合は9点、また被害者にも過失がある場合は6点となります。

軽傷事故①

治療期間が15日以上30日未満である場合で、運転者の一方的不注意の場合は6点、また被害者にも過失がある場合は4点となります。

軽傷事故②と建造物損壊事故

治療期間が15日未満の場合、または、ビルや家屋などの建造物損壊の場合で、運転者の一方的不注意の場合は3点、また被害者にも過失がある場合は2点となります。
※尚、道路上に設置されているガードレールや標識、電柱などは建造物ではありません。器物損壊のみの物損では、上記の点数は加算されません。

これらに加え、ひき逃げ(措置義務違反)があった場合は、35点がプラスされます。

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(2) 点数の計算期間

結論から言えば、過去3年間に累積した点数が計算されることになります。

しかし、次の場合は点数がリセットされ、加算されません。

  • 過去1年以上の間、無事故、無違反で過ごしたとき。
  • 運転免許の取消しや停止処分を受けて、無事故、無違反で取消し期間、又は停止期間を過ごしたとき。
  • 免許を受けている者が軽微な違反行為(3点以下の交通違反)をし、過去2年間に違反行為をしたことがなく、かつ、軽微な違反行為をした後、3か月間に違反行為をしていない場合。
  • 軽微な交通違反(1点、2点又は3点)を繰り返し、累積点数が6点(1回で6点を含む)になり、違反者講習を受講したとき。

(3) 点数と免許停止、免許取消の関係

続いて、免許の「停止」と「取り消し」について詳しく説明します。

免許停止(免停)

俗に言う「免停」とは、正式には「免許停止」と呼びます。

よく知られている通り、一時的に車を運転出来なくなります。仕事で利用している方にとっては非常に苦しい処分です。

前歴がない場合は、6点以上累積すると「免停」となります。

免許取り消し(免取)

また免停よりもさらに厳しい処分が、「免取」いわゆる「免許取り消し」の処分です。

欠格期間という制限期間がついてきて、その期間中はまったく免許がとれない状況となります。

欠格期間が過ぎても、もう一度教習所にお金を払って、免許を取り戻す必要があります。

前歴がない場合は、15点以上累積した場合に「取り消し」となります。前歴がある場合は、以下の表が詳しいのでご確認ください。

(4) 免許停止期間/免許取り消し欠陥期間と違反点数相関表

免許停止期間(免停期間)免許取消(欠格期間)
前歴30日60日90日120日150日1年2年3年
0回6~8点9~11点12~14点免許取消→15~24点25~34点35点以上
1回4~5点6~7点8~9点免許取消→10~19点20~29点30点以上
2回2点3点4点5~14点15~24点25点以上
3回2点3点4~9点10~19点20点以上
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3.人身事故の刑事処分と罰金一覧表

次は、基本的な人身事故を起こした際の刑事処分の一覧です。

被害者が亡くなってしまった場合や悪質な運転でない限り、懲役刑ではなく罰金刑の処分となります。

(1) 人身事故(死亡事故)の刑事処分

刑事責任罰則
自動車運転過失致死傷罪
刑法211条2項
7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪
刑法208条の2
 死亡の場合1年以上の有期懲役
(最高20年)
傷害の場合は15年以下の懲役
(これは、悪質、危険な運転(飲酒運転等がこれに該当)によって人を死傷させた場合に適用されます。)
殺人罪
刑法199条
死刑または無期もしくは5年以上の懲役
(死亡するかもしれないと思いつつも被害者をひきずったような場合に適用されます。)
緊急措置義務違反
人身事故
5年以下の懲役または50万円以上の罰金

(2) 人身事故(傷害事故)の罰金一覧表

以下は、罰金刑が確定した場合の表です。

被害者の負傷の度合いで処分が変化することがわかります。

被害者の負傷程度不注意の程度刑事処分
重症事故
3ヶ月以上
後遺障害あり
専ら懲役刑・禁固刑又は
罰金30万円~50万円
専ら以外
重症事故
30日以上
3ヶ月未満
専ら罰金30万~50万円
専ら以外罰金20万~50万円
軽傷事故
15日以上
30日未満
専ら治療21日以下
原則不起訴
罰金15~30万円
専ら以外
軽傷事故
15日未満
建造物損壊事故
専ら原則不起訴
罰金12~20万円
専ら以外

※「専ら」・・・・運転者の一方的な不注意によって発生した場合
※「専ら以外」・・被害者にも過失があった場合

(3) 人身事故を起こした時の罰金相場

人身事故は最低でも12万円の罰金と、厳しい刑事処分を覚悟する必要があります。

ただし、上記でも説明した通り、人身事故は必ず刑事処分となるわけではありません。

人身事故の怪我の程度がそれほど重くなく、さらに被害者から加害者に対して「軽減させてほしい」との申し出があれば、刑事罰に課せられない可能性があります。

従って、被害者に怪我をさせてしまった場合、お見舞いや当日の態度が非常に重要です。誠意を常に示すこと、謝罪すること、礼を尽くすことです。

人身事故を起こした後、2~3ヶ月以内に、検察庁から事故に関する出頭要請がない場合は、刑事処分が課せられない可能性が高いです。(事故の事情聴取と求刑が妥当か判断するために、検察庁への出頭が要請されます。)

ちなみに、人身事故の90%以上は、罰金刑で処罰されており、懲役刑や禁錮刑を受けたとしても「実刑」を受けるのは、刑事裁判を受けた人の3割ほどと言われています。

4.人身事故の民事処分(慰謝料の支払い)

最後に、刑事処分と行政処分以外にも、「民事処分」があることを説明します。

自動車事故加害者には、被害者の負傷状況に応じて慰謝料、損害賠償を行う責任があります。

損害賠償額(慰謝料等)は、被害者との示談交渉により決定されます。

ほとんどの加害者は、「自賠責保険」会社、「任意保険」会社と保険の契約をしているはずなので、損害賠償金は自腹ではなく保険会社が支払ってくれます。

万が一無保険だった場合は自腹になってしまうので、保険には必ず加入しておきましょう。

5.自動車運転死傷行為処罰法による変化

昨今、飲酒運転や脱法ハーブなどを使用した状態で車を運転し、人を死傷させて刑事罰を受ける事故が頻繁にニュースなどで報道されています。

そのような影響もあり、被害者から加害者の厳重な処罰を求める声が高まった結果、平成26年5月20日に運転者の処分を厳罰化するため「自動車運転死傷行為処罰法」(自動車運転処罰法)が施行されました。

この施行により、点数や罰金を考えるうえで、実際なにが変わったのか知っておく必要があります。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

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6.物損事故では原則点数は加算されない

違反点数罰金
物損事故0点なし

物損事故とは、人が怪我をせず、器物損壊だけだった場合の事故を言います。

物損事故はそれだけをもって刑事罰(懲役刑)や行政処分はありません。これらの責任を追及されるのはあくまで「人身事故」だけです。

例えば、運転が下手で、自分の自宅の塀を壊したとしても、物損事故として警察への連絡は必要となります。しかし、赤切符や青切符を切られることもないため、反則金、減点、罰金、損害賠償(自宅だからなし)などは、何もありません。

万が一他人の器物(車両など)を壊した場合に、それに対する損害賠償が発生するのみです。

ただし、上記の説明は、あくまで交通違反を犯さずに物損事故を起こした場合であり、以下のような場合は、所定の切符が切られ点数が加算されます。

 

事例1.「駐車場で他人の車にぶつけたが(衝突したが)、怖くなってそのまま逃走した」

これは道路交通法上、「安全運転義務違反」の2点に加え、「危険防止措置義務違反(あて逃げ)」の付加点数5点が加算される事になります。

この場合、合計で6点を超えるため、即時30日の免停となります。

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事例2.「バイクを無免許で運転中に、他人の車に接触した」

事故自体は物損事故でも、無免許運転による道路交通法違反として、25点の加算(赤切符)によって免許取消(免取)という行政処分と、刑事処分が発生して罰金刑となります。

さらに、何度も繰り返している場合は懲役刑もあり得ます。

このように、たとえ物損事故でも、道路交通法違反があれば行政処分や刑事処分があるので注意しましょう。

 

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