駐車場内の事故の正しい対処方法と公道上の交通事故との違い

駐車場

交通事故が起こるとき、必ずしも公道上とは限りません。駐車場内で起こる事故も、意外とたくさんあります。

駐車場で交通事故が起こった場合、

  • 駐車場内では、道路交通法の適用が無い
  • 駐車場内の事故は、そもそも「交通事故」では無い
  • 駐車場内の事故は、損害賠償を請求できない

などと言われたりしますが、これはいったいどういうことなのでしょうか?

駐車場で交通事故が起こった場合、公道上の事故とどのような違いがあるのかを正しく知っておく必要があります。そして、被害者になったとき、損をしないために適切な法的な保護を受けながら、損害賠償をするために必要な知識についても押さえておきましょう。

今回は、駐車場での交通事故への正しい対処方法について解説します。

「駐車場内の事故は交通事故ではない」の意味

交通事故が起こるとき、それは公道上のものばかりとは限りません。飲食店やショッピングセンター、立体駐車場やコインパーキング、自宅があるマンションなどの駐車場内で起こる事故もたくさんあります。交通事故全体の件数のうち、これらの駐車場内での事故は3割程度もあると言われています。駐車場は、出発や到着ポイントで、公道よりも気が緩みやすく、事故が起きやすいのです。

ところで、一般に「駐車場内の事故は交通事故ではない」と言われることがあります。駐車場内で事故が起こっても、警察は対処してくれないとも言われますが、これは一体どうしてなのでしょうか?

この問題は、道路交通法による規定内容と関係があります。道路交通法では、交通事故とは道路上で起こったものとされています。

道路交通法上の道路とは、基本的には公道を言います。そこで、私有地である駐車場には、道路交通法の適用がないことがあります。そうなると、無免許運転などの道路交通法による規制が及ばなくなり、警察も対処しないことがあるので「駐車場内の事故は交通事故では無い」などと言われるのです。

駐車場でも道路交通法が適用される

ただ、私有地であっても「不特定多数のものが自由に行き交うことができる場所」である場合には、道路交通法が適用されます。よって、駐車場だからと言って一律に道路交通法の規程が適用されないということにはなりません。たとえば、飲食店やショッピングセンターなどの駐車場の場合には、不特定多数のものが通行する場所と言えるので道路交通法の適用があります

これに対して、月極駐車場や純粋な個人所有の駐車場などの事故のケースでは、道路交通法が適用されない可能性があります。

また、私有地だからという理由で道路交通法が適用されない場合であっても、刑法や自動車運転過失致死傷罪などの刑罰の適用はあるので、充分注意が必要です。

そして、私有地の駐車場内の事故であっても、民事損害賠償の対象にもなりますので、駐車場内の交通事故で被害にあったばあいには、相手に対して賠償金の支払いを請求することができます

駐車場の事故の罰則は?

次に、駐車場内の交通事故について、罰則があるかどうか、見てみましょう。

当て逃げのケース

駐車場内の交通事故では、当て逃げが多いです。

たとえば、お店の駐車場で車の当て逃げ被害にあった場合などが考えられますが、どのような罰則が適用されるのかが問題です。

この場合、駐車場であっても不特定多数のものが行き交う場所なので、道路交通法の適用があります。そこで、道路交通法によって「安全運転義務違反」の行政処分が行われ、点数が加算されます。具体的には、安全運転義務違反の2点に加え、「危険防止措置義務違反」の付加点数5点が加算されて合計7点が加点されます。
また、刑事罰もあり、具体的には1年以下の懲役または10万円以下の罰金刑が科される可能性があります。

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ひき逃げのケース

次に、駐車場内でのひき逃げ事故のケースを見てみましょう。

ひき逃げの場合、大変に重い処分が下されます。行政処分としては、点数が最低でも35点加算されるのでいきなり免許停止になりますし、欠格期間は最低3年です。飲酒や無免許などの事情があると点数はさらに高くなりますし、欠格期間についても、長い場合には10年にもなります。

ひき逃げでは刑事罰も重く、被害者が怪我をしただけの小さな事故でも、最低でも5年以下の懲役または50万円以下の罰金となりますし、被害者が死亡するなどして重大な結果が発生した事故などの場合には20年以下の懲役刑などになる可能性があります。

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駐車場の事故の過失割合の算定方法

駐車場の事故の場合、過失割合が大きな問題になります。

駐車場では、公道上とは異なり道路標識や信号などはありませんし、優先道路などもないので、過失割合を決めにくいからです。

道路交通法の適用がない場合などには警察も実況見分をしないことがあり、交通事故状況を示す証拠なども少ないことが多いです。このような問題があるので、駐車場での交通事故の過失割合を決める場合、保険会社同士の話し合いによって、50:50に近い数値にされてしまうことがよくあります。

不当に過失割合を引き上げられる可能性

このことは、自分が被害者である場合、不当に過失割合を引き上げられる可能性があるということです。たとえば、自車が止まっていたり徐行していたりしているのに、相手の車がいきなりぶつかってきたケースや、駐車場内で通行方向が指定されている場合に相手が逆走してきた場合などには、本来であれば加害者である相手の過失割合が高くなるはずです。しかし、証拠がないということで、50:50に近い数字にされてしまい、賠償金の金額が大きく減額されてしまうのです。

そこで、駐車場内の交通事故に備えるためには、証拠集めが大切です。駐車場内に監視カメラがあるなら、管理者に事情を説明してそれを見せてもらうと良いですし、自車にドライブレコーダーを搭載しておくと、その映像が事故状況の証拠になることがあって役立ちます。

駐車場の追突事故の過失割合は基本100対0!

追突事故については、原則的には「追突事故を起こした側が100%悪い」。

まずこれが基本過失割合です。なぜそうなるのか、それは道路交通法第26条を読むと分かります。

道路交通法第26条
「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その車両が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避ける事ができるため必要な距離を、これから保たなければならない。」

つまり、後続車両には前方の車両が急ブレーキ・急停車したとしても追突事故を起こさないだけの「車間距離」をとる法的義務を課しているのです。これを「車間距離の保持義務」と言います。そのため、追突するという事は、この義務を果たしていないという事になるため、追突事故の過失割合は追突した側が100%悪いとなるのです。

※ここに注意!
ちなみに、駐車場内は公共性の高い駐車場でない限り、道路交通法が適用される「道路」ではありません。但し、過失割合の算定にあたっては、一つの目安となり得ます。

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駐車場事故の損害賠償請求方法

駐車場内で交通事故被害に遭った場合の損害賠償請求の方法をご説明します。

たとえば、駐車場内で人身事故に遭うことがあります。

具体的には、駐車場内で相手の車から追突されてむち打ちになったり、駐車場内で歩いていて、ひき逃げに遭ったりすることがあります。

また、物損事故も起こります。たとえば車両に当てられた場合や当て逃げされた場合もありますし、お店を経営しているオーナーの場合には、天井にぶつけられたりシャッターを壊されたりする被害に遭うこともあります。

以下では、それぞれのケースについて、損害賠償請求の方法を確認しましょう。

人身事故でむち打ちになった場合

駐車場内で後ろから追突されてむち打ちになった場合の損害賠償請求方法は、基本的には公道上の損害賠償請求の方法と同じです。

まずは症状固定するまで通院治療を継続し、後遺障害診断書を書いてもらいます。後遺障害があれば、後遺障害等級認定手続きをして、後遺障害の認定を受けます。

そして、相手が任意保険会社に加入していたら、相手の任意保険会社に賠償金の支払い請求をします。

このとき、症状固定時までの治療費や入通院慰謝料を計算して相手に支払い請求できます。後遺障害が残った場合には、後遺障害等級認定を受けて、認定された等級に応じて相手に対して後遺障害慰謝料や逸失利益を請求することができます。

追突事故の場合

追突事故の場合、基本的には過失割合は相手が100%になるので、全額の賠償請求ができるのが基本です。ただし、駐車場内の事故の場合、その証明が難しく、被害者側の過失割合を増やされてしまうおそれがあることには注意が必要です。

示談交渉をしてもお互いに合意ができない場合には、損害賠償請求訴訟(裁判)を起こして賠償金額を決定してもらうことになります。

このとき、適切に事故状況を証明することができないと、自分の側の過失割合が多めに認定されてしまうおそれもあります。

被害者が自分一人で裁判を有利に進めていくことは難しいので、裁判で賠償金額を争う場合には、交通事故に強い弁護士を探して手続を依頼することがほとんど必須になると考えましょう。

駐車場内で歩いていて、ひき逃げにあった場合

駐車場内でひき逃げに遭った場合の損害賠償請求方法も、基本的には公道上の事故と同じです。

症状固定するまで入通院による治療を継続し、症状固定したら後遺障害の等級認定手続きをして、相手の保険会社と示談交渉をします。

このとき、怪我の内容に応じて、症状固定時までの入通院などにかかった治療費や入通院慰謝料、休業損害などを請求できますし、後遺障害が残った場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求ができます。

駐車場内の事故の場合、歩行者対自動車のケースでも、歩行者の過失が多めに認められることがあるので注意が必要です。

駐車場内を歩く場合には、急に飛び出したりせずに充分注意して行動しましょう。

政府保障事業を利用する

また、ひき逃げの場合には、事故の相手が不明であり、相手の保険会社や相手自身に請求をすることができません。この場合には、政府保障事業を利用して補償金を受け取ることができます。政府保障事業とは、ひき逃げなどで相手が不明なケースや相手が無保険(自賠責保険にも加入していない)のケースで、被害者が最低限の自賠責保険の限度内で政府から補償金を受け取ることができる制度のことです。

政府保障事業を利用したい場合には、最寄りの任意保険会社の窓口に行って申請をすれば、審査を経て補償金の支払いを受けることができます。
交通事故で相手方が不明や無保険の場合にはとても助かる制度なので、是非とも覚えておきましょう。

物損事故の場合

駐車場内での物損事故の場合の損害賠償請求方法も、基本的に公道上のケースと同じです。

駐車場内で自分の車両に傷を付けられたらその修理費用を請求することができますし、代車費用なども請求できます。

自分がお店のオーナーで、駐車場の天井やシャッターなどを壊されたら、その修理費などを請求することができます。

このとき、相手の加入している保険会社と示談交渉をすることになりますが、話し合っても合意ができない場合には、公道上の事故と同様、裁判をすることによって損害賠償請求をすることもできます。
この場合、先にも説明した通り、過失割合が争点になることが多いので、有利に手続をすすめるためには充分証拠を揃える必要があります。裁判をする場合には、弁護士に依頼することが必須になるでしょう。

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駐車場でおきた事故責任は管理人や店舗側にもあるのか?

スーパー駐車場

駐車場には「駐車場で起きた事故につきましては一切責任を負いません」と看板に書いてあるのをよく見かけることがあります。実際に、スーパーや、月極駐車場やお店で起きた駐車場事故の場合、どこまで管理人や店舗側の管理責任がとわれるのでしょうか?

これはいくつかのケースに分けて考える必要があります。

駐車場内の環境に起因する事故の場合

駐車場を貸している、あるいは、店舗が提供している場合は、安全に駐車ができる環境を構築する必要があります。

  • 照明が暗い
  • 駐車スペースが不当に狭く出し入れがしづらい環境
  • 誘導標識が分かりづらく事故がおきやすい環境
  • 誘導員の誤った指示に従った事故
  • フェンスや堀や柵がないため車上荒らしが入りやすい環境だった

など事故が起きやすい環境だった場合、駐車場のオーナーが事故が起きない環境を提供しなかったとして、何等かの責任が発生する可能性はあります。照明などの事故対策をしっかりしていたかを問われるでしょう。

駐車場内の設備に起因する事故の場合

  • 駐車場に設置していた看板が落下して車が損傷した
  • 駐車場の塀やブロックが崩れて車が損傷した

など、駐車場の設備の点検が不十分で事故が起きた場合は、管理者やオーナー責任が発生する可能性があります。

有料駐車場の場合

店舗の場合は、無料で駐車できる場合が多いですが、時間制の有料駐車場場合は、賃貸借契約が成立するため、店舗側にはより管理責任が発生します。

防犯カメラで駐車場の監視を行う、警備員を配置するといった対策を講じる必要があるでしょう。対策をせず事故が発生した場合、店舗側になんらかの責任が問われる可能性があります。

駐車場の交通事故は弁護士に相談しよう!

駐車場内で交通事故が起こった場合、警察が積極的に対応してくれないこともあり、被害者が困惑することが多いです。また、交通事故の証拠が少なかったり過失割合を決める基準が少なかったりするため、被害者側の過失割合が高めにされてしまうこともよくあります。

そこで、駐車場内で交通事故被害に遭った場合には、弁護士に手続を依頼する必要性が高いです。弁護士であれば、適切に被害者に有利な証拠や資料を集めて被害者に有利に手続をすすめてくれますし、損害賠償金の計算の際にも高額な弁護士・裁判基準で賠償金を計算してくれるので、示談金の金額が上がります。過失割合についても適切に交渉してくれて被害者の過失を低くしてくれますし、示談交渉がうまくいかなくて裁判になっても、弁護士であれば裁判のプロなので、安心です。

以上のように、駐車場内で交通事故に遭ったら、公道上とは異なる注意が必要になるので、まずは交通事故問題に強い弁護士を探して相談を受けて、示談交渉を依頼することをおすすめします。

まとめ

今回は、駐車場内での交通事故で被害者になった場合の対処方法を解説しました。

駐車場内の事故は、道路交通法が適用されない場合もありますが、お店の駐車場などの場合には不特定多数が行き来する場所なので道路交通法が適用されます。また駐車場内の事故でも罰則はありますし、被害を受けたら事故の相手に対して損害賠償請求ができます。

駐車場内で交通事故に遭った場合、事故状況が明らかになりにくいので被害者側の過失割合が増やされて、50:50に近づけられてしまうことが多いです。そこで、被害者が不利にならないよう、適切に損害賠償請求をすすめるためには、弁護士に示談交渉や裁判の手続きを任せることが大切です。

今回の記事を参考にして、駐車場内で交通事故に遭った場合には、交通事故問題に強い弁護士を探して、早めに示談交渉などの手続を依頼するようにしましょう。

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