交通事故の慰謝料相場と増額方法

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交通事故の慰謝料相場と、慰謝料を確実に増額させる方法

交通事故に遭ったら、加害者に対して慰謝料請求ができます。

交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類があります。

それぞれの慰謝料について、3つの計算基準があり、どの基準を採用するかによって請求できる慰謝料の金額が大きく変わってきます。

そこで、交通事故の慰謝料請求をする場合には、請求額を大きくすることができる「弁護士基準」を採用する必要があります。

交通事故の慰謝料計算の3つの基準はどのようなものなのでしょうか?

今回は、交通事故慰謝料の相場と3つの計算基準、増額する方法を解説します。

交通事故(人身事故・追突事故)の慰謝料相場

交通事故、特に、人身事故、追突事故の慰謝料相場を解説いたします。

最初に通院を3ヶ月した場合と6ヶ月した場合の入通院慰謝料、後遺障害認定が12級になった場合と14級となった場合の後遺障害慰謝料の具体的な慰謝料相場を解説します。

例えば、追突事故で他覚所見のないむちうち症になり後遺障害認定を受けた場合、それぞれの慰謝料をまとめると、以下のような金額になります。

入通院慰謝料

通院期間
(通院のみ)
3ヶ月
実通院日数:25日
6ヶ月
実通院日数:50日
自賠責基準21万円42万円
弁護士基準53万円89万円

後遺障害慰謝料

等級14級12級
自賠責基準32万円93万円
弁護士基準110万円290万円

上記の表から「入通院慰謝料」では「自賠責基準」と「弁護士基準」では2倍以上、「後遺障害慰謝料」では3倍以上の差が生じているのがお分かりいただけるでしょう。

参考までに、平成24年度の自賠責保険の支払実績は、死亡事故の場合、平均額は19,511,000円となっています。これは、慰謝料だけではなく逸失利益を含む金額です。

死亡せず傷害にとどまったケースの場合には、平均額が598,000円となっています。これも慰謝料以外の治療費などを含む金額です。

また、これはあくまで自賠責保険の平均額に過ぎず、実際には個別の事案によって全く異なります。

弁護士基準を利用した場合には、逸失利益を含まない慰謝料だけでもこれより多額の賠償金を受け取っている可能性が高いです。

このことは後に詳しく説明しますが、たとえば弁護士基準で死亡慰謝料を計算すると、3,000万円程度になるので、自賠責基準より大きく金額が上がります。

では、「入通院慰謝料」、「後遺障害慰謝料」、「死亡慰謝料」とはどのようなものなのでしょうか?

交通事故慰謝料の3つの種類

自動車事故でも特に人身事故の慰謝料は「交通事故によって受けた精神的・肉体的苦痛」に対して支払われるもので、損害賠償金いわゆる示談金の一部です。

慰謝料には以下の3種類があります。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

交通事故によって傷害を負ったことにより、病院に入通院したことに対して支払われる慰謝料です。
入院や通院の期間に応じて算出されます。

後遺障害慰謝料

交通事故による傷害が完治せず、後遺障害が残った場合に、その後遺障害の内容や程度に応じて支払われる慰謝料のことです。
後遺障害認定を受けた等級に応じて算出されます。

死亡慰謝料

交通事故で被害者が死亡したことに対して支払われる慰謝料です。

自動車事故が起こったら、ケースに応じてこれらの慰謝料を請求します。

いずれの慰謝料にもそれぞれ次に解説する3つの算出基準が存在します。

交通事故慰謝料の3つの基準

慰謝料の算出基準には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つがあります。

交通事故慰謝料に関する3つの基準【自賠責基準_任意保険基準_弁護士(裁判)基準】

自賠責基準

交通事故の慰謝料計算方法の1つ目として、自賠責基準があります。これは、自賠責保険で慰謝料を計算する際に利用する基準です。

自賠責保険は自動車を運転する人なら必ず加入しなければならない強制加入の保険です。交通事故被害者を救済するための最低限の保障をする目的を持っています。

そこで、自賠責保険で利用される自賠責基準の金額は最も低額になります。

任意保険基準

慰謝料計算方法の2つ目が任意保険基準です。これは、任意保険会社が示談交渉をする場合に利用する基準です。

被害者が弁護士をつけずに自分で任意保険会社と示談交渉する場合には任意保険基準で慰謝料が計算されます。

任意保険基準は、3つの基準の中でも中間の値になります。

弁護士基準

交通事故の慰謝料計算方法で最も高額になるのが、弁護士基準です。この基準は、弁護士が交通事故の示談交渉をしたり、裁判になった場合に裁判所が採用する計算基準です。

3つの基準の中でも最も高額になります。

つぎに、交通事故慰謝料の計算方法に関して、解説いたします。

交通事故慰謝料の計算方法

入通院慰謝料の計算方法

それでは、実際に「いくらもらえるか」を実際の慰謝料の計算式を使って確認しましょう。
まずは入通院慰謝料からです。

自賠責基準の場合

自賠責基準では、入通院の「治療期間」と「実際の通院日数×2の期間」を比較して、少ない方を入通院日数とし、入通院日数×4,200円で算出します。

冒頭の事例の場合、「通院開始から完治まで3ヶ月かかった」「その間に通院した日は25日だった」ということで、治療期間は90日、実通院日数×2は50日となり、少ないほうの「50日」が入通院日数となります。

自賠責基準での入通院慰謝料の計算方法

・実通院日数 × 2
・治療期間
上記いずれか少ない方の日数 × 4,200円 = 入通院慰謝料
たとえば2ヶ月の間に15日間通院した場合には、4,200円×30日=126,000円の入通院慰謝料が支払われます。

任意保険基準の場合

次に、任意保険基準を見てみましょう。任意保険基準でも、入通院日数に応じて入通院慰謝料が支払われます。この場合、実通院日数ではなく月ごとの入通院期間で計算します。
通院期間よりも入院期間の方が慰謝料が高くなります。
たとえば1ヶ月の通院の場合には12.6万円程度、通院2ヶ月の場合には25.2万円程度になりますが、入院1ヶ月、通院1ヶ月の場合には37.8万円程度になります

弁護士基準の場合

一方、弁護士基準における入通院慰謝料は、入院と通院の期間に応じて別表Ⅰか別表Ⅱという基準表から算出します。

通常は別表Ⅰで算定し、冒頭の事例のような他覚所見のない、むちうち症のような場合は、別表Ⅱにより算定することになっています。

入通院慰謝料別表Ⅰ抜粋】(単位:万円)

入通院慰謝料別表Ⅰ抜粋

上記表からお分かりいただけるとおり、通院のみ3ヶ月の場合で73万円、通院のみ6ヶ月の場合で116万円となります。

また、入院・通院とも3ヶ月の場合は、188万円となります。

入通院慰謝料別表Ⅱ抜粋】(単位:万円)

入通院慰謝料別表Ⅱ抜粋

むちうち症で他覚所見がない場合などは、別表Ⅱを使用して算定するので、通院のみ3ヶ月の場合で53万円、通院のみ6ヶ月の場合で89万円となります。

また、入院・通院とも3ヶ月の場合は、128万円となります。

※ 「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称:赤い本)」(平成30年版) より抜粋

このように、同じ怪我でも入通院慰謝料は弁護士基準を使うと最も高額になることがわかります。

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後遺障害慰謝料の相場

「慰謝料の種類」でも触れた通り、交通事故で後遺障害が残った場合のみ支払われる慰謝料です。

一般化は難しいですが、14級の認定を受ける場合でも治療期間が6ヶ月超えることが必要と考えておくべきです。

後遺障害慰謝料の相場】(単位:万円)

等級自賠責基準任意基準(推定)裁判基準
第1級1100万円1600万円2800万円
第2級958万円1300万円2370万円
第3級829万円1100万円1990万円
第4級712万円900万円1670万円
第5級599万円750万円1400万円
第6級498万円600万円1180万円
第7級409万円500万円1000万円
第8級324万円400万円830万円
第9級245万円300万円690万円
第10級187万円200万円550万円
第11級135万円150万円420万円
第12級93万円100万円290万円
第13級57万円60万円180万円
第14級32万円40万円110万円

上の表は、各基準における後遺障害慰謝料の相場です。

後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害の等級に応じて算出されます。

相場を調べるにあたっては、『自分の症状の場合、どの後遺障害等級が認定されそうか(されたか)』を確認し、等級ごとの相場を見る必要があります。

表を見ると、慰謝料額が「自賠責基準→弁護士基準」で約3倍と、大きな開きがあります。

ここでも、やはり弁護士基準だと劇的に慰謝料が高額になることがわかります。

死亡慰謝料

死亡慰謝料を見てみましょう。

自賠責基準

自賠責基準の場合には、死亡慰謝料の金額が一律3,500,000円になります。

近親者(遺族)にも慰謝料が認められます。

近親者(遺族)被害者に被扶養者がいる場合被扶養者がいない場合
請求者が1人750万円550万円
請求者が2人850万円650万円
請求者が3人以上950万円750万円

任意保険基準

任意保険基準は公開されていませんが、だいたいのケースで自賠責基準よりは高く、弁護士基準よりは低い金額となります。

弁護士基準

弁護士基準で死亡慰謝料を計算する場合、死亡者がどのような立場であったかによって金額が異なります。

被害者の立場死亡慰謝料
一家の支柱2,800万円~3,600万円程度
母親や配偶者2,000万円~3,200万円程度
独身2,000万円~3,000万円程度
子ども1,800万円~2,600万円程度
高齢者1,800万円~2,400万円程度

このように、弁護士基準を使うと、死亡慰謝料の金額も大きく上がることがわかります。

弁護士基準を使おう!慰謝料を増額する5つの方法

では、慰謝料はどのような場合に増額されるのでしょうか?

(1)弁護士基準を使う

交通事故で多額の慰謝料を請求するには、弁護士基準を使うことが非常に重要です。

上記で説明した様に、入通院慰謝料も後遺障害慰謝料も死亡慰謝料も、すべての慰謝料において弁護士基準を利用すると劇的に金額が上がるからです。

弁護士基準を使って慰謝料を請求するには、弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。

交通事故で高額な弁護士基準で慰謝料請求をするには、良い弁護士を探して、示談交渉を依頼する方法が最も効果的です。

(2)自分の過失割合を下げる

厳密に言えば、慰謝料を「増額する」ことができるのは前述した2つの方法ですが、慰謝料を「減額させない」ことも重要です。

受け取る慰謝料を「減額させない」ためには、できるだけ自分の過失割合を下げる交渉をすることです。

追突事故などは例外として、交通事故では基本的に被害者にも一定の過失が認められます。示談金は被害者の過失割合によって減額(過失相殺)されてしまいます。

そこで重要なのが示談でできるだけ自分の過失割合を下げるように交渉することです。過失相殺で、実際に支払われる示談金が大きく変動してしまうことを忘れないでください。

(3)保険会社の「治療費打ち切り」に屈しない

基本的には、入院・通院が長引けば長引くほど入通院慰謝料は増額されます。そこで、保険会社が治療費の打ち切りを打診してくることがあります。

しかし、怪我が治っていなければ、言われた通りに治療の終了をしてはいけません。保険会社に言われた通り治療を終了し、その後治療の必要が生じたら、入通院慰謝料が減額されるだけでなく、治療費まで自己負担することになってしまいます。

保険会社に治療費を打ち切られたとしても、自分の健康保険を利用して治療を継続し、示談で交渉ですることは可能です。この場合も、弁護士に相談するのがよいでしょう。

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(4)後遺障害等級認定を受ける

当たり前の話ですが、後遺障害慰謝料を受け取るためには、後遺障害認定を受けなければなりません。それには、準備が必要です。

以下のようなことをしっかりと守り、申請するようにしましょう。弁護士に相談するのも一つの方法です。

  • 病院で診察を受ける(後遺障害診断を書いてもらうには病院での診察が必要)
  • 症状固定まで、しっかり通院する(通院頻度が問題となる場合がある)
  • 医学的資料を収集しておく(他覚所見が必要な場合がある)
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(5)交通事故に強い弁護士に示談交渉依頼する

過失割合や慰謝料など保険会社の言うことに納得できなければ、安易に示談はしないことです。

示談交渉がこじれてしまったら、交通事故に強い弁護士に相談してみましょう。

弁護士に依頼すれば、「弁護士基準」での慰謝料増額以外にも「過失割合が妥当になる」「示談交渉がスムーズになる」「治療に専念できる」「後遺障害認定を受けやすくなる」など、様々なメリットがあります。

「依頼」と聞くと「費用」が気になりますが、ご自身や家族が加入する保険に「弁護士費用特約」があれば、自己負担0円で弁護士に依頼できます。

弁護士が介入すれば、交渉のプロである保険会社と対等に示談を行えます。

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通院期間や後遺障害等級を入れるだけで、自分の慰謝料相場を弁護士基準で計算することができます。

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交通事故の慰謝料増額は弁護士相談!

今回は、交通事故の慰謝料の種類と相場、計算方法をご説明しました。

交通事故で高額な慰謝料を請求するには、後遺障害認定を受けることや自分の過失割合を減らすこと、弁護士基準を利用して慰謝料計算することが重要です。

弁護士に相談することで、交通事故の慰謝料が増額する可能性が高まります。

良い弁護士を探して弁護士基準で慰謝料計算をして、賢く高額な慰謝料支払いを受けられるようにしましょう。

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  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
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弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
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