交通事故の慰謝料相場と増額方法

交通事故の慰謝料相場と、慰謝料を確実に増額させる方法

人身事故の示談交渉で保険会社から慰謝料・示談金を提示されると、『この金額は妥当なの?』『ちょっと安いのでは?』と疑問を抱く人はとても多いです。

実は、保険会社が提示する金額は、裁判で認められる金額よりは低額なのです。

では実際、交通事故の慰謝料は いくらもらえるのでしょうか?
どうしたら慰謝料を増額できるのでしょうか。

今回は、交通事故の慰謝料相場と、慰謝料を増額させる方法を、徹底解説します。

1.交通事故の慰謝料相場

最初に通院を3ヶ月した場合と6ヶ月した場合、後遺障害認定が12級になった場合と14級となった場合の具体的な慰謝料相場をそれぞれ挙げ、それをもとに解説していくことにしましょう。12級と14級を取り上げる理由は、認定数が多いからです。

例えば、追突事故で他覚所見のないむちうち症になり後遺障害認定を受けた場合、それぞれの慰謝料をまとめると、以下のような金額になります。

入通院慰謝料

通院期間
(通院のみ)
3ヶ月
実通院日数:25日
6ヶ月
実通院日数:50日
自賠責基準21万円42万円
弁護士基準53万円89万円

後遺障害慰謝料

等級14級12級
自賠責基準32万円93万円
弁護士基準110万円290万円

上記の表から「入通院慰謝料」では「自賠責基準」と「弁護士基準」では2倍以上、「後遺障害慰謝料」では3倍以上の差が生じているのがお分かりいただけるでしょう。

では、「入通院慰謝料」や「後遺障害慰謝料」とはどのようなものなのでしょうか?

慰謝料の種類を解説した後、「自賠責基準」、「弁護士基準」などの慰謝料の算出基準について解説します。

2.交通事故の慰謝料の種類

交通事故でも特に人身事故の慰謝料は「交通事故によって受けた精神的・肉体的苦痛」に対して支払われるもので、損害賠償金いわゆる示談金の一部です。

慰謝料には以下の3種類があります。

いずれの慰謝料にもそれぞれ次に解説する3つの算出基準が存在します。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)
交通事故による怪我で入院や通院をした場合に請求できる慰謝料です。
入院や通院の期間に応じて算出されます。

後遺障害慰謝料
怪我の後遺症が残った場合に、後遺障害認定を受けて請求できる慰謝料です。
認定を受けた等級に応じて算出されます。

死亡慰謝料
交通事故によって被害者が死亡した場合に遺族が請求できる慰謝料です。

3.交通事故の慰謝料3つの基準

慰謝料の算出基準には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つがあります。

交通事故慰謝料に関する3つの基準【自賠責基準_任意保険基準_弁護士(裁判)基準】

自賠責基準
自動車の運転者に加入が義務づけられている自賠責保険における基準です。
自賠責保険は最低限の保障をするものなので、3つの基準の中では最も低額な慰謝料です。

任意保険基準
任意保険会社が独自に作成する基準で、この基準を使って保険会社は示談金を提示します。
その具体的な内容は非公開ですが、一般的に弁護士基準よりは大幅に低い慰謝料相場です。

弁護士基準
弁護士の団体が作成する基準で、過去の裁判例を基礎として作成されます。
3つの基準の中で最も高い慰謝料相場の基準です。

4.交通事故の慰謝料計算方法

(1)入通院慰謝料

それでは、実際に「いくらもらえるか」を実際の慰謝料の計算式を使って確認しましょう。
まずは入通院慰謝料からです。

自賠責基準の場合

自賠責基準では、入通院の「治療期間」と「実際の通院日数×2の期間」を比較して、少ない方を入通院日数とし、入通院日数×4,200円で算出します。

冒頭の事例の場合、「通院開始から完治まで3ヶ月かかった」「その間に通院した日は25日だった」ということで、治療期間は90日、実通院日数×2は50日となり、少ないほうの「50日」が入通院日数となります。

自賠責基準での入通院慰謝料の計算方法

・実通院日数 × 2
・治療期間
上記いずれか少ない方の日数 × 4,200円 = 入通院慰謝料

弁護士基準の場合

一方、弁護士基準と任意保険基準における入通院慰謝料は、入院と通院の期間に応じて別表Ⅰか別表Ⅱという基準表から算出します。

通常は別表Ⅰで算定し、冒頭の事例のような他覚所見のない、むちうち症のような場合は、別表Ⅱにより算定することになっています。

入通院慰謝料別表Ⅰ抜粋】(単位:万円)

入通院慰謝料別表Ⅰ抜粋

上記表からお分かりいただけるとおり、通院のみ3ヶ月の場合で73万円、通院のみ6ヶ月の場合で116万円となります。

また、入院3ヶ月、通院2ヶ月の場合は、177万円、入院・通院とも3ヶ月の場合は、188万円となります。

ただし、通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度を考慮して実通院日数の3.5倍程度を慰謝料算定の通院期間の目安とすることがあります。

入通院慰謝料別表Ⅱ抜粋】(単位:万円)

入通院慰謝料別表Ⅱ抜粋

むちうち症で他覚所見がない場合などは、別表Ⅱを使用して算定するので、冒頭の事例で挙げたとおり、通院のみ3ヶ月の場合で53万円、通院のみ6ヶ月の場合で89万円となります。

また、入院2ヶ月、通院3ヶ月の場合は、109万円、入院・通院とも3ヶ月の場合は、128万円となります。

ただし、通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度を考慮して実通院日数の3倍程度を慰謝料算定の通院期間の目安とすることがあります。

※ 「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称:赤い本)」(平成30年版) より抜粋

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(2)後遺障害慰謝料

「慰謝料の種類」でも触れた通り、交通事故で後遺障害が残った場合のみ支払われる慰謝料です。一般化は難しいですが、14級の認定を受ける場合でも治療期間が6ヶ月超えることが必要と考えておいたほうがいいかもしれません。

後遺障害慰謝料の相場】(単位:万円)後遺障害慰謝料の相場上の表は、各基準における後遺障害慰謝料の相場です。

後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害の等級に応じて算出されます。
相場を調べるにあたっては、『自分の症状の場合、どの後遺障害等級が認定されそうか(されたか)』を確認し、等級ごとの相場を見る必要があります。

表を見ると、慰謝料額が「自賠責基準→弁護士基準」で約3倍と、大きな開きがあります。

高い等級(1級/2級など)では1,000万円以上の差が開くこともあります。

慰謝料は相場よりも減額される可能性あり

もっとも、慰謝料は状況に応じて減額処理されます。

たとえば、慰謝料は損害賠償金の一部なので、事故の過失割合に応じて減額されます。

また、むちうちで他覚的所見がない場合などは、基本となる基準表より減額された表(別表Ⅱ)を使います。

5.交通事故の慰謝料を増額する6つの方法

では、慰謝料はどのような場合に増額されるのでしょうか?

(1)特殊な事情がある場合に慰謝料は増額される

交通事故が原因で「離婚してしまった」、「婚約破棄された」、「流産してしまった」など、特殊な事情があれば、慰謝料増額事由として主張することが可能です。

しかし、これらの事情が事故を原因とするものであることは、被害者側が証明しなければなりません。

また、飲酒事故など加害者に重大な法令違反がある場合、慰謝料は増額される傾向があります。しかし、保険会社の免責事由に該当するので請求しても加害者に支払い能力がないことがあり注意が必要です。

(2)弁護士に依頼して慰謝料増額の可能性をアップ

慰謝料を増額させるには、弁護士基準での請求が欠かせませんが、残念ながら通常被害者本人が交渉してもまともに話を聞いてはもらえる可能性は低いです。相手は交渉のプロ(専門家)ですが、こちらは素人です。交渉相手として軽く見られることが多いのが現状です。

このような場合には、弁護士に相談してみることです。弁護士が介入すれば、弁護士基準での交渉が可能です。

(3)できるだけ自分の過失割合を下げる

厳密に言えば、慰謝料を「増額する」ことができるのは前述した2つの方法ですが、慰謝料を「減額させない」ことも重要です。

受け取る慰謝料を「減額させない」ためには、できるだけ自分の過失割合を下げる交渉をすることです。

追突事故などは例外として、交通事故では基本的に被害者にも一定の過失が認められます。示談金は被害者の過失割合によって減額(過失相殺)されてしまいます。

そこで重要なのが示談でできるだけ自分の過失割合を下げるように交渉することです。過失相殺で、実際に支払われる示談金が大きく変動してしまうことを忘れないでください。

(4)保険会社の「治療費打ち切り」に屈しない

基本的には、入院・通院が長引けば長引くほど入通院慰謝料は増額されます。そこで、保険会社が治療費の打ち切りを打診してくることがあります。

しかし、怪我が治っていなければ、言われた通りに治療の終了をしてはいけません。保険会社に言われた通り治療を終了し、その後治療の必要が生じたら、入通院慰謝料が減額されるだけでなく、治療費まで自己負担することになってしまいます。

保険会社に治療費を打ち切られたとしても、自分の健康保険を利用して治療を継続し、示談で交渉ですることは可能です。この場合も、弁護士に相談するのがよいでしょう。

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(5)後遺障害等級認定を受ける

当たり前の話ですが、後遺障害慰謝料を受け取るためには、後遺障害認定を受けなければなりません。それには、準備が必要です。

以下のようなことをしっかりと守り、申請するようにしましょう。弁護士に相談するのも一つの方法です。

  • 病院で診察を受ける(後遺障害診断を書いてもらうには病院での診察が必要)
  • 症状固定まで、しっかり通院する(通院頻度が問題となる場合がある)
  • 医学的資料を収集しておく(他覚所見が必要な場合がある)
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(6)納得できない示談はしない

過失割合や慰謝料など保険会社の言うことに納得できなければ、示談はしないことです。

もし、それで示談がこじれてしまったら、弁護士に相談してみましょう。

弁護士に相談すれば、慰謝料増額の可能性以外にも「示談交渉がスムーズになる」「治療に専念できる」「後遺障害認定を受けやすくなる」など、様々なメリットがあります。

「依頼」と聞くと「費用」が気になりますが、ご自身や家族が加入する保険に「弁護士費用特約」があれば、保険会社に弁護士費用を負担してもらえます。

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通院期間や後遺障害等級を入れるだけで、自分の慰謝料相場を計算することができます。

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弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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