交通事故でむち打ち!慰謝料相場と治療リハビリ通院期間が長いと増額
交通事故でむち打ちの被害に遭った時の注意点をご存知ですか?本記事では、むちうちの慰謝料の相場、増額方法、注意点を解説…[続きを読む]
交通事故によるむちうちや骨折などの怪我で、半年以上も通院することが少なくありません。
7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月と治療が続く場合、どれほどの慰謝料が期待できるのでしょうか?
後遺障害の有無により、慰謝料の額は異なります。
ここでは、Yahoo!知恵袋やTwitterで話題になる交通事故において6ヶ月以上治療が必要となり、特に7ヶ月から10ヶ月の期間にわたって治療を受けた場合の慰謝料の目安や、その金額を増やす方法について説明します。
目次
交通事故の慰謝料には主に以下の2種類があります。
入通院慰謝料は、交通事故でけがをしたことによって発生する慰謝料です。
後遺障害慰謝料は、後遺症が残って後遺障害認定されたときに認められる慰謝料です。
以下で通院7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月の場合にそれぞれの慰謝料がどのくらいになるのか、みてゆきましょう。
まずは「入通院慰謝料」のケースを確認してみましょう。
治療期間が長くなるほど高額になります。下記、金額は裁判所や弁護士が使う「弁護士基準」に従ったものであり、任意保険会社や自賠責保険が計算するときにはさらに低い金額となるためご注意ください。
治療期間 | 入通院慰謝料 |
---|---|
通院7ヶ月 | 124万円 |
通院8ヶ月 | 132万円 |
通院9ヶ月 | 139万円 |
入院1ヶ月、通院半年 | 149万円 |
入院1ヶ月、通院7ヶ月 | 157万円 |
入院2ヶ月、通院7ヶ月 | 188万円 |
治療期間が7~9ヶ月の場合、だいたい120~200万円程度の入通院慰謝料が認められるイメージです。
また上表では省略しておりますが、もしも治療期間のうちの入院期間が7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月と多くを占める場合は、300万円に近い金額となります。
ただし、むちうちなどでMRIやレントゲンに何の異常も写らないケースでは、慰謝料は上記の70%~80%程度に減額されます。
次に後遺障害が残った場合の「後遺障害慰謝料」の相場をみていきましょう。
後遺障害慰謝料の場合は、入通院慰謝料と異なり、通院日数によって算出されるわけではありません。
後遺障害には1級から14級までの等級があり「何級になるか」で慰謝料の金額が異なります。等級が上がるほど症状が重いので慰謝料が増額されます。
通院期間が7~9ヶ月程度に及んでいる方の場合、それなりに重症なケースでしょうからさまざまな後遺障害が認定される可能性があります。
脳障害、目、鼻、口の障害、内臓機能障害、神経系統の障害などさまざまな後遺障害があり、程度によって認定される等級が異なります。
等級 | 弁護士基準 |
---|---|
第1級 | 2800万円 |
第2級 | 2370万円 |
第3級 | 1990万円 |
第4級 | 1670万円 |
第5級 | 1400万円 |
第6級 | 1180万円 |
第7級 | 1000万円 |
第8級 | 830万円 |
第9級 | 690万円 |
第10級 | 550万円 |
第11級 | 420万円 |
第12級 | 290万円 |
第13級 | 180万円 |
第14級 | 110万円 |
上記の金額も弁護士基準に従った数値です。
もっとも重い1級の場合には2,800万円の後遺障害慰謝料が支払われることが分かります。1級になるのは植物状態になったケースや両手または両足がなくなったケース、両眼が失明したケースなどです。
また、重度な高次脳機能障害のケースなどでも1級になる可能性があります。
なお、追突事故で多いむちうちの場合には12級または14級に認定されるケースが多数です。
被害者が自分で保険会社と示談交渉をすると、残念ながら上記で紹介したほどの慰謝料は支払われません。任意保険会社は自社独自の低額な計算基準(任意保険基準)を採用するからです。
ためしに標準的な保険会社基準の一例による入通院7~9ヶ月の慰謝料額を、上記の弁護士基準の金額と比べてみましょう。
治療期間 | 入通院慰謝料 (弁護士基準) |
入通院慰謝料(任意保険基準) | 差額 |
---|---|---|---|
通院7ヶ月 | 124万円 | 70.6万円 | -53.4万円 |
通院8ヶ月 | 132万円 | 76.9万円 | -55.1万円 |
通院9ヶ月 | 139万円 | 81.9万円 | -57.1万円 |
入院1ヶ月、通院半年 | 149万円 | 89.5万円 | -59.5万円 |
入院1ヶ月、通院7ヶ月 | 157万円 | 95.8万円 | -61.2万円 |
入院2ヶ月、通院7ヶ月 | 188万円 | 121万円 | -67万円 |
上記でご紹介した弁護士基準と比べると、任意保険基準だと大幅に減額されることがわかります。
また後遺障害慰謝料については任意保険基準の場合、弁護士基準の2分の1~3分の1程度に減額される場合もあります。
被害者が自分で示談交渉をすると低額な任意保険会社の基準が適用されて慰謝料が下がりますが、弁護士に依頼すると弁護士基準が適用されるので慰謝料が大幅に増額されます。
治療期間が6ヶ月以上の場合、入通院慰謝料は50~60万円程度上がりますし後遺障害慰謝料は認定された等級により、2~3倍程度にまでアップするケースもあります。たとえば骨折して後遺障害5級となった場合、自分で交渉すると700万円程度の後遺障害慰謝料しか支払われない場合もありますが、弁護士に依頼すると1,400万円程度の後遺障害慰謝料が支払われる可能性が高くなります。
後遺障害慰謝料は入通院慰謝料以上に増額幅が大きいので、後遺障害が残った事案では弁護士に依頼しないと大きく損をしてしまう可能性が高いのです。
通院7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月の交通事故では「後遺障害認定」が非常に重要です。
後遺障害が認められると後遺障害慰謝料と逸失利益という賠償金が支払われるので、全体的な賠償金額が大幅にアップするからです。
後遺障害慰謝料の金額は、最低等級である14級でも110万円、最高等級である1級なら2,800万円にもなります。もちろん後遺障害慰謝料は入通院慰謝料とは別に支払われます。
ただし後遺障害慰謝料を受け取るには、自賠責保険に等級認定を申請して、後遺障害認定を受けなければなりません。
申請は、加害者側の任意保険会社にお任せしてしまう「事前認定」でもすることができ、これによると被害者には自分で申請手続をする負担がかかりません。
しかし、相手側に任せてしまうと、書類審査である認定手続に、どのような書類が提出されたのか事前に知ることができませんし、中には、任意保険会社側が被害者に不利な内容の意見書を密かに提出するケースもあるなど、被害者に有利な認定結果を獲得するという観点からは、必ずしも、お勧めできません。
そのため、被害者が自ら自賠責保険に申請する「被害者請求」手続を利用するべきと言えるでしょう。
書類の収集・作成という手間はかかりますが、事前に申請書類の内容を把握でき、足りない書類や検査を準備して申請できますから、被害者に有利な結果も期待できます。
通院7~9ヶ月程度の方がなるべく高額な慰謝料を獲得するには、以下の3つの対応がポイントとなります。
まずは弁護士に示談交渉を依頼することが重要です。
被害者が自分で示談交渉をすると低額な保険会社基準を適用されて入通院慰謝料も後遺障害慰謝料も大きく減額されてしまいます。弁護士に依頼するだけで入通院慰謝料は1.5~1.8倍程度、後遺障害慰謝料は2~3倍程度にアップすることが期待できます。
交通事故後、けがが完治しなかった方はなるべく高い等級の後遺障害認定を目指しましょう。後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の金額は認定等級が高くなるほど高額になるからです。
そのためには後遺障害診断書や各種の検査資料等、症状の内容・重さ、生活上の支障などを裏付ける、十分な証拠資料を用意して手続きを進める必要があります。自信がない方は弁護士に相談してみてください。
交通事故の慰謝料を増額させたい場合、過失割合も重要な要素です。被害者の過失割合が大きくなると過失相殺によって慰謝料を含む賠償金を割合的に減額されてしまうからです。
過失割合についての適切な知識がない方の場合、最低限交通事故に詳しい弁護士にアドバイスをもらうべきですし、できれば示談交渉を依頼するのが得策です。
交通事故で通院 6ヶ月以上になった場合には、弁護士に依頼して費用を支払っても、それを上回るリターンを得られる可能性が高いです。
自分で示談交渉をするより満足できる結果を獲得できるケースが多いので、対処方法に迷われているなら一度、弁護士に相談してみて下さい。