急な車線変更!割り込み追突事故の過失割合を分かりやすく解説

割り込み追突事故の過失割合

片側二車線の道路を車で運転していたら、隣の車線の車がウィンカーを点灯させずに突然車線変更をしてきて、相手の車の後部に追突してしまった。
このような場合、こちらの過失割合はどうなるのでしょうか。
直進していた車のドライバーは、たしかに追突をした自分にも落ち度があるかもないけれど、そもそも無理な割込みをした車が悪いのではないか、と思うことでしょう。

この記事では、このような無理な車線変更の追突事故での過失割合について説明します。

過失割合の基本的な考え方

まず、過失割合の基本的な考え方を確認しておきましょう。

交通事故の態様はさまざまで、道路状況、スピード、位置関係まで全く同じ事故は二つとありません。しかし、自動車事故の過失割合は多くの裁判例から細かく類型化されており、衝突時の客観的な状況からある程度機械的に決められます。具体的には、衝突時の状況を元に導き出した「基本過失割合」に対し、個別の状況に応じた修正を加える形で過失割合が算定されます。基本過失割合や修正要素は『判例タイムズ』という本にまとめられたものが実務で多く利用されています。

停止している車への追突事故の場合

停止している車へ追突
今回のように車線変更をした車と直進していた車との追突事故ではなく、信号待ちなどで停車していた車に他の車が後ろから追突した場合はどうでしょうか。この場合は、追突した車に100%の過失が認定されます。なぜなら、信号待ちで停車している車のドライバーに後方から近づいてくる車との衝突を避ける義務はないからです。

このように、過失がどれだけあるかは、どのような義務があるかの裏返しなのです。そこで、交通事故の過失割合を考えるときにはまずドライバーに課せられている義務を考える必要があります。

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車線変更した車への追突事故

急な車線変更(ウィンカーあり)
では今回のように車線変更をした車が直進者に衝突した場合はどうでしょうか。

『判例タイムズ』によると、急な車線変更をした車と直進者が衝突した場合の基本過失割合は、

車線変更車:直進車=70:30

とされています。つまり、急な車線変更をした車の方により大きな過失が認定されます。逆にいうと、直進していただけなのにもかかわらず、こちらにも30%の過失があるとされてしまいます。これは車線変更車が正しくウィンカーを出していたときの過失割合です。

道路交通法では、車両はみだりに進路を変更してはならず、進路変更後の進路を後方から走る車両等の速度や方向を急に変更させるおそれのあるときには、進路を変更してはいけないと定められています。

車線変更をしようとする車は、ミラーや目視で周囲の状況を把握し、安全に車線変更ができるか確認しなければいけません。そして、当然のことながら、安全に車線変更ができないときに車線変更をすることは許されません。このような義務を怠って車線変更を行い衝突を招いた車に大きな過失が認定されるのはしかたのないことでしょう。

とはいえ、車線変更をした車に全ての責任が課されるのではなく、こちら側にも3割の過失が認定されるのは納得できないと思うかもしれません。これは、追い越し車線を直進している車も自身の前方に注意を払う義務があるからです。もし前方に十分に注意を払っていれば、急に車線変更をしてきた車との衝突を避けることができたかもしれません。3割分の過失は、直進者のドライバーが前方注意義務に違反したことについて認定されます。

ウィンカー無しの車線変更の追突事故の場合


さらに、今回の事故では車線変更車はウィンカーを出さずに急に車線変更をしています。これが修正要素として考慮されることになります。

車線変更をしようとする車は、進路上に他の車が存在しないことが確認できたら、進路変更をする3秒前にウィンカーなどで合図を出さなければいけません。車線変更車がこれを怠った場合には、直進者は車線変更を予測することが非常に困難になるため、車線変更をした車に10~20%分の過失が加えられ、

車線変更車:直進車=80:20 

もしくは

車線変更車:直進車=90:10

となります。

逆にいうと、相手がウィンカーを出していなかったからといってこちらの過失がゼロになるわけではありません

片側2車線以上の道路で車を運転するときには、隣の車線を走行している車がウィンカーを出さずに車線変更をしてくる可能性も頭に入れながら運転しなければいけないということになります。

車線変更車と直進車との衝突事故の修正要素

ここで、車線変更車と直進車との衝突事故の修正要素についていくつか例を挙げて説明しましょう。

ゼブラゾーン

ゼブラゾーン
まず、直進車がゼブラゾーンを走行していた場合はどうでしょうか。たとえば左車線を走行していた車が右折レーンに入るために後方をよく確認せずに変更し、後方からゼブラゾーンを走行してきた車と接触した場合です。

ゼブラゾーンとは「導流帯」「ゼブラ帯」とも呼ばれ、道路に縞模様で書かれた部分をいいます。ゼブラゾーンは、道路交通法上の「指示標識」にあたり、特定の交通方法を禁止したり指定したりするものではありません。ですので、ゼブラゾーンを車で走行することは禁止されているわけではありませんし、ゼブラゾーンを走行したことによる罰則もありません。

しかし、ゼブラゾーンはむやみに侵入するべきではないとされており、ゼブラゾーンを走行して他の車と衝突した場合には過失割合の算定の際に不利に働く場合があります。一般的にはゼブラゾーンを走行していた車に10%から20%の過失が加算され、。

車線変更車:直進車=60:40

あるいは

車線変更車:直進車=50:50

となります。

車線変更禁止道路の場合

車線変更禁止

車線変更が禁止されている道路の場合はどうでしょうか。この場合、車線変更車はそもそも違反を犯していることになりますし、直進車のドライバーはまさか禁止されている場所で車線変更をしてくるとは思いもよらないでしょう。そこで、このような場合は車線変更をした車に20%の過失が追加され、
車線変更車:直進車=90:10

となることが多いです。

直進者にスピード違反があった場合


直進者にスピード違反があった場合にも過失割合の修正がされます。今回のように隣の車線の車が急に車線変更をしてきた場合でも、直進車がスピードを出しすぎていなければ衝突を回避できていた可能性があります。そのため、過失割合が修正されて超過していたスピードに応じた過失が直進車に認定されます。

今回の事例で気になるのは、直進車が車線変更車の後方に追突していることです。このことは、隣り車線の車が車線変更を終えてから、スピードを落としきれなかった直進車が衝突したことを推認させます。このように、衝突箇所によって事故の客観的な状況が推測され、過失割合の算定に影響することがあります。

このように、隣の車線から急に車線変更をしてきた車と衝突した場合、基本的には車線変更をした車に大きな過失が認められます。しかし、直進していただけの車に一切過失が認められないわけではありません。直進車にスピード違反などの修正要素が認められれば、

車線変更車:直進車=50:50

に近い過失割合が認定されることもあります。

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高速道路の車線変更による追突事故の過失割合

割り込み事故の過失割合の基本的な考え方

高速道路における、割り込み事故の基本過失割合は次のようになります。

1:進入路からの割り込み

合流地点

車線変更と同じ過失割合が適用される事故類型として、高速道路の合流があります。高速道路に加速しながら進入を試みる車と、本線車線を走行している車のタイミングが合わず接触してしまった場合はどうなるのでしょうか?


車線変更車70:直進車30

車線変更の場合も、高速道路の合流の割り込み事故も、それぞれ直進している方に優先権があります。そして車線変更したり、合流してくる車はそこに「入らせていただく」立場です。ですから、相手よりもより一層注意を払い、車同士の接触事故が起きないようなドライビングを心がけるべきでしょう。

2:追越し車線からの割り込み

追い越し車線からの割込
車線変更車70:直進車30

3:追越し車線への割り込み

追越し車線への割り込み
車線変更車80:直進車20

このように、割り込み事故の場合は最低でも2割程度の過失割合が割り込まれた側である被害者側にもついてしまう可能性が高いのです。

車線変更で被害者過失が1割で済むケース

「でも、私の聞いた話だと、過失割合が1割で済んだケースもあると聞いたのですが」

はい、基本過失割合を切り崩すのは簡単ではありませんが、もちろん不可能な事でもありません。

例えば割り込み車両に具体的にどのような落ち度があったのかを主張立証することで、被害者側の過失割合を抑える事も可能です。例えば、割り込み車両にわき見運転や速度違反、酒気帯び運転などの過失が認められれば、この基本過失割合から一定割合を修正する事も可能です。

たかが1割と思うかもしれませんが、損害賠償総額が多額になれば、1割違うだけで、賠償金に100万円単位で差が生じることもあるため、非常に重要な問題なのです。

直進車が過失ゼロになることはすくない

相手が突然車線変更をしてきた場合でも、過失がゼロになることはほとんどありません。なぜなら、すでに説明したようにドライバーには常に前方注意義務が課せられているからで、前方注意義務を十分に果たしていれば避けられた可能性がある事故では一定の過失が認められてしまうのです。

わかりやすくいうと、ドライバーには常に「かもしれない運転」をする義務があるということになります。「すぐ隣りに自分の車がいるのだから、まさかウィンカーも点灯させずに車線変更をしてくることはないだろう」とった「だろう運転」は事故の原因になります。「急に車線変更してくるかもしれない」というように、起こりうるさまざまな状況を予測しながら、事故が起きないように十分に注意を払わなければいけないのです。

割込み事故、車線変更事故なら弁護士に相談

交通事故に巻き込まれると、たいていの場合「自分は悪い事していないのに」大怪我をしたり、大怪我に至らなくても、頭痛や腰痛、首の痛み、背中の痛み、むち打ち等に悩まされます。

今回の車線変更事故のパターンにおいても、過失割合の点や保険会社の対応の悪さに頭を悩まされている方がたくさんおられます。

示談金、保険金、慰謝料、治療打ち切りなどことについては一度、交通事故に強い弁護士まで相談をすることをおすすめします。

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