むち打ちの後遺障害認定が非該当になると慰謝料はどうなるの?

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むちうちによる痛みや痺れの症状が改善せず、医師に「これ以上良くなる可能性は低い」と診断されたにも関わらず、後遺障害等級認定されなかった事例(いわゆる「非該当」)が数多く発生しています。

しかし、諦める必要は全くありません。「後遺障害等級が認定されなかった」「非該当に納得がいかない」という場合、再申請を適切に行うことが重要です。

今回は、むちうちによる痛みやしびれが治らず、認定申請をしたにも関わらず非該当となってしまった人のために、後遺障害認定を得るための対策、また裁判を提起することで、等級が上がった例などについて解説します。

なお、後遺障害認定の基礎を、再確認したい方は下記ページをご参照ください。

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むちうちの後遺障害等級認定は非常に難しい4つの理由

なぜ、むちうちで認定を受けることが難しいのでしょうか?以下のように非該当になる主な理由は4点あります。

非該当になる主な理由

他覚所見がない
・自覚症状の訴えに一貫性がない
・受傷から症状固定までの推移に不自然な点がある
・ある時期に症状の訴えが全くない

むちうちではほとんどの症状が自覚症状であり、レントゲン画像やMRI画像などで異常が確認できないことが多いです。

もっとも、後遺障害等級14級の認定を受ける場合は、必ずしも他覚所見を必要とはしません。

しかし、実態として認定基準を満たしていたとしても、他覚所見がないと、医療情報が足りないために、後遺障害等級の認定がされないいわゆる非該当という結果となってしまうことも多いのです。

医療情報が不足しているだけなら、医療情報を補填すれば後遺障害認定が期待できる

むちうちで14級の後遺障害認定されなかった場合の悪影響

では、むちうちで後遺障害14級に認定されない場合、慰謝料を含む示談金の相場にはどれくらい影響するのでしょうか?

非該当と後遺障害14級の示談金/慰謝料の相場比較

むちうち症で後遺障害14級が認定された場合と非該当となった場合の慰謝料を含めた示談金の相場をざっくりと比較してみましょう。

被害男性(会社員)

年齢:30歳
年収:420万円
休業日数:0日
通院履歴:通院期間180日、実通院日数50日

費目後遺障害等級14級の金額相場非該当の金額相場
自賠責基準弁護士基準自賠責基準弁護士基準
治療費など50万円50万円50万円50万円
入通院慰謝料42万円89万円42万円89万円
後遺障害慰謝料32万円110万円0万円0万円
逸失利益96万円96万円*0万円0万円
示談金合計220万円345万円92万円139万円

「弁護士基準」と「示談金合計」が交差する部分を比較してみると、14級と非該当で示談金の合計金額が、200万円以上の差が生じていることが分かります。

適切な後遺障害等級を受けることがいかに重要かお分かりいただけると思います。

*逸失利益の金額は、労働能力喪失期間は5年として、ライプニッツ係数4.580で計算

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後遺障害が非該当の通知が届いた時にすべきこと

異議申し立て・被害者請求

後遺障害等級に認定されなければ、非該当の結果を連絡する通知が届きますが、諦める必要はありません。

後遺障害認定では、異議申し立てという不服申し立ての制度があるからです。

現実的には、異議申し立てによって等級が変更されたり、非該当から等級が認められたりする確率は決して高くはありません。しかし、異議申立ては何度でもできる制度となっており、難しいですが適切な申立てで、「等級が認められた」「等級が上がった」事例がいくつもあります。

なお、異議申し立てをする際には、事前認定から被害者請求に切り替えた方が良いでしょう。

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症状に「整合性」「一貫性」があるかを再確認

ただ単に症状があることを主張するだけでは非該当の結果は覆りません。

事故と後遺症の「整合性」や「一貫性」を証明する必要があります。

特に、以下のような事項を再確認することが重要です。

  • 交通事故当時の状況
    事故は軽微ではなく、むちうちを発症しうるような衝突だったか
  • 受傷部位
    事故の状況から受傷しうる箇所の損傷だったか
  • 急性期からの症状の継続性
    症状が継続しているか
  • 治療経過
    通院頻度は少なくないか、または過剰診断ではないか

内容の再確認後、医師に新しい後遺障害診断書を作成してもらうことになります。

新たな後遺障害診断書を作成する

新しい後遺障害診断書では、自覚症状や他覚症状を余すことなく記入し、症状が回復する見込みがないことを明示してもらいましょう。

しかし、医師との関係が良好でなければ、なかなか言いにくい要望でもあります。

どうしても医師の協力を得ることが難しい場合には、弁護士から医師に、新たな診断書の作成や必要な検査の実施を要請することができます。

通院期間中は、難しいところはありますが、医師と良くコミュニケーションをとって、関係を良好に保ちましょう。

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新たな検査結果、医学的証拠を用意する

不足している医療情報を補充をするために、新しい検査の結果・医学的証拠の提出なども、等級認定の確率アップには効果的です。

むちうちで他覚所見があることを示すには、以下のような検査があります。

  • レントゲン検査
  • MRI検査
  • 神経学的検査(深部腱反射検査、徒手筋力テスト、感覚検査、スパーリングテスト・ジャクソンテストなど)(※)

このような検査を実施したくても「医師の協力が仰げない」という場合には、諦めることなく後遺障害に強い弁護士に相談をしてみましょう。

※「神経学的検査」は、被検査者の意思に結果が左右されうることから、客観性はレントゲン検査やMRI検査より低くなります。

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非該当から14級へ|後遺障害認定されなかったら、裁判を起こす

異議申し立ての結果に納得がいかなければ、裁判を起こすことで等級が上がることもあります。

以下、非該当から後遺障害14級になった事例を紹介します。

非該当 → 後遺障害等級14級
東京地方裁判所平成15年1月28日判決

被害者は、追突事故で「頸椎捻挫」「腰椎捻挫」などの傷害を負いました。自覚症状は、左上肢のしびれ、左手握力の低下などです。

画像では、レントゲンで頸椎椎間板変性、頸部MRIでC5/6に軽度の椎間板ヘルニアという所見でした(なお、被害者は事故前から変形性脊椎症や頸椎椎間板ヘルニア、黄靭帯肥厚症がありました)。

自賠責の結果は「非該当」でした。

この案件について、裁判所は、被害者の症状は、CT、MRIなどの検査によって精神、神経障害が医学的に証明しえるものとは認められないものの、受傷後から一貫して疼痛を訴えていること、後遺障害診断書の記載、受傷時の状態や治療の経過などを総合すると、被害者の訴える症状は、医学的に説明がつくものであるという判断をして「後遺障害14級」と認定しました

なお、裁判を起こす場合、弁護士に依頼する必要があります。

弁護士に依頼するときには、いくらかかるのか、費用倒れにならないかが心配な方もいるでしょう。

任意保険会社に加入している場合、弁護士費用が一定額まで補償してもらえる「弁護士特約」が付帯されてる場合があります(通常:1回300万円)。

弁護士特約を利用して、裁判を依頼できないか、今一度、契約内容を「保険証券」で正確に把握してみましょう。

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後遺障害非該当となった示談交渉で注意すべきこと

先行示談について注意

場合によっては、相手方の保険会社から「先行示談」を提案されることもあります。

どのように提案されるのか、千差万別ですが、たとえば「後遺障害認定以外の慰謝料等(傷害部分の慰謝料)を、先に精算してしまいましょう」という風に提案されるケースがあります。

事故発生から相当の時間が経過している場合、早めに示談金をもらいたい気持ちはわかりますが、ここは慎重に対応すべきところです。

なぜなら、先行示談をしたら、後からその示談内容を覆すことができないからです。

例えば、その後、裁判となったとしても、先行示談の内容については争うことはできません。

先行示談に同意する前に、弁護士に相談してみましょう。専門家の助言で、以外と簡単に結論を導くことができることがあります。

示談書の文言も注意

また「その余の請求は放棄する」や「ほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する」といった文言を示談書に記載してしまう場合があります。

こんな場合も同様に、後ほど請求することができる事情が出てきても、請求することはできなくなります。

示談書の文言に注意をするためにも、弁護士に相談して、示談書の内容をみてもらいましょう。

弁護士なら示談金・慰謝料の増額が期待できる

むちうちの後遺障害認定は弁護士に依頼することが重要です。

交通事故に詳しい弁護士からは、以下のような観点から適切なアドバイスを受けることができます。

  • 後遺障害等級認定ではどのような点に着目すべきか
  • 異議申し立てをするにはどのような資料が必要か
  • 後遺障害の等級を裁判で争うことになる場合にはどのような点を強調しなければいけないのか
  • 後遺障害診断書の作成について、弁護士から医師に協力を仰ぐ

認定等級が上がれば、結果的に後遺障害慰謝料が増額することになります。

それだけでなく、弁護士が介入すれば、入通院慰謝料や休業損害なども弁護士基準で計算されるようになりますから、通常のむちうちの示談金の相場金額よりも全体的に増額されることになります。

また、現在は交通事故問題については、初回相談を無料としている弁護士事務所が多いです。

「今の認定結果は妥当なのか」「どうすれば認定等級が上がるのか」などを聞きに行くだけでも価値があります。

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