むち打ちの後遺障害認定が非該当になると慰謝料はどうなるの?

MRI

後遺障害といえば、なかなか認定されず非該当になりがちだというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?

実際、むち打ち症状やヘルニアを代表とする神経症状は、客観的な証拠が得られず、非該当となる場合も多いです。ただ、非該当になったからといって諦める必要はありません。

実はむち打ち等で後遺障害が認定されなかった場合でも、慰謝料を請求、増額できるケースもあります。

その慰謝料がどの程度なのか、また非該当とされた場合どうすればよいのか、今回は解説を致します。

後遺障害が残ると、首や腰などに痛みやしびれなどの不快な症状が頻繁に感じられ、日常生活にも支障が発生します。必ず適切な後遺障害等級を獲得し、慰謝料増額を目指しましょう。

むち打ちで認定される後遺障害とは?

そもそもむち打ちとは、正式な診断名は「頚椎捻挫(けいついねんざ)」や「外傷性頸部症候群(がいしょうせい・けいぶ・しょうこうぐん)」と呼び、交通事故で頸椎(けいつい)に力がかかることにより、発症する症状です。特に追突事故などでで首に衝撃を受けた後、多く発症します。

特に以下のような症状が出ているなら、むち打ちを疑ってみた方が良いかもしれません。

  • 腕や肩、背中の痛み、しびれ
  • 肩がこる
  • めまい、耳鳴り
  • 頭痛、吐き気
  • 気だるい
  • 雨の日に特に調子が悪くなる

※むち打ち以外の神経症状の可能性もありますので、必ず、医師の診断を受けて判断してください。

むち打ちでも、後遺障害12級・14級が認定されない?される?

たまに「むち打ちは深刻な病気ではないので、後遺障害認定されない」と思っている方もいます。

しかし実際そうではありません。交通事故で受傷後、3ヶ月以上通院や治療をしても完治せず、症状が改善しなくなってしまうことがあるからです。

後遺症には後遺症につけられたレベルのような「等級」があることはよく知られていますが、むち打ちの場合、12級または14級の後遺障害が認定される可能性があります。

  • 12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 14級9号  局部に神経症状を残すもの

上記のように、神経症状が「頑固」な場合には12級、それ以外の場合には14級となります。

「神経症状」はむち打ちだけではなく骨折や靭帯損傷でも起こる

なお神経症状とは、聞き慣れない言葉かもしれませんが、神経が圧迫されることによって起こる、痛みやしびれ、だるさ、コリなどの症状のことです。

頸椎などの骨や筋肉、軟骨などにおいて、はっきりした異常を認められなくても発症することがよくあります。

たとえば、骨折したあとに「癒合不全」を起こして痛みやしびれが発生することもありますし、靱帯損傷後に神経症状が発生することもあります。むち打ちの場合にも、こういった症状のケースと同じように扱われます。

12級と14級の判断の基準

12級と14級は「医学的に証明できるかどうか」によって、決まると考えるとわかりやすいです。

12級が認定されるためには、症状が医学的に証明されることが必要です。すなわち、患者が「痛い」などと言っているだけではなく、レントゲン画像やMRI画像などにより、頸椎や筋肉などに異常がはっきり確認されないと認定されないです。

このように、他者から見て明らかに判断できる症状のことを、「他覚症状」「他覚所見」と言います。他覚所見がないと、12級は認定されないです。

ただし、自覚症状しかない場合、常に14級が認定されるというわけではなく、14級の認定すら受けられないケースが多々あり非該当が多く発生しています。

14級と非該当の境界線

むち打ちになっても、先程申しました通り、画像によって異常を証明できない場合12級の認定を受けることは難しいので、14級の認定を受けることを考えるべきです。

しかし、どのようなケースでも14級が認定されるかというと実は違って、認定されない場合があります。

もし、患者が、「痛い」「しびれる」などと言うだけで後遺障害が認められるなら、強く痛みを主張する人には後遺障害が認められて、言わない人は認められないことになりますし、嘘をついて後遺障害認定を受けようとする人が出てきます。

そこで、むち打ちで14級が認定されるためには、

  • 後遺障害の内容
  • 後遺障害が発症していること

を合理的に推認できる必要があるのです。

また非該当にならないためには、以下のようなことに注意する必要があります。

14級の認定を受けるために必要なこと

むち打ちで、最低でも14級の認定を受けるためには、以下のようなことに注意しましょう。

  • すぐに病院に行って、継続的に通院する
  • 一貫した症状の主張をする
  • 症状があったらきちんと医師に伝える
  • 神経学的検査を実施する

逆に言えば、上記の4つができていない場合、むち打ちで非該当になりやすいと言えます。

一つずつ詳しく確認していきましょう。

病院への継続的な通院とは

むち打ちに限りませんが、交通事故に遭ったら、すぐに病院に行って受診しておくことが重要です。

事故当初の受傷状況や患者の訴えを保存しておく必要があるためです。また、その後、継続して通院をしましょう。週に3~4回以上を目安にすべきです。

週1回やそれ以下などにしてしまうと、後になって後遺障害を主張しても、否定されてしまう可能性、認定されない可能性が高まります。通院頻度が少ない場合「実際には症状がないのではないか」と誤解を受け、後遺障害を認定してもらえなくなるというわけです。

また、受診する医療機関は「病院」であることも重要です。

整骨院にしか通院していない場合には、むち打ちの後遺障害が認められにくくなってしまいます。

「一貫した」症状の主張をする

むち打ちで後遺障害の認定を受けたいのであれば、一貫した主張を行うことが重要です。また、交通事故の状況と一致した内容である必要もあります。

確かにむち打ちの場合、ときによって感じる症状が違ったり、症状が強くなったり弱くなったりすることもありますが、言うことを変えると、その主張内容が、そのまま医師のカルテに残ってしまいます。すると、後に不利な証拠になりますから、注意が必要です。

たとえば、事故当初は「首が痛い」と言っていたのに、その後「右腕に痛みがある」と言って、またその後「肩が痛い」「雨の日に痛みが増す」などと言う場合は主張に一貫性がないと判断される可能性があります。

医師への主張の仕方が大事

人によっては、痛みやしびれなどの症状があっても、大げさに医師に伝えない方がいます。

その場合、医師は症状があることを、カルテに残しません。その日には、何の症状もなかったことになってしまいます。

すると、後になって「この時点で治っていたのではないか」ということになり、後遺障害が認められなくなってしまいます。

ふだんから症状を感じることがあるのなら、病院に行ったときにたまたま症状を感じにくくなっていたとしても、きちんと医師に伝えておくことが大切です。

神経学的検査をすること

むち打ちの症状を証明するためには、脳や脊髄、神経機能を把握するための、質問や刺激などによる検査手法、いわゆる「神経学的検査」が役に立ちます。

12級の場合、画像診断を補強する材料となりますし、14級の場合にも、症状の推認に役立ちます。

具体的には、以下のような検査があります。

 関節可動域の測定検査

関節の可動域を調べるテストです。

Jacksonテスト、Spurlingテスト、SLRテスト

患者を椅子に座らせて、医師が頭を持って患者の頭を曲げさせたときに、痛みが発生するかどうかを調べるテストです。

痛みが発生すると、神経症状が出ている可能性が高いとされます。

徒手筋力テスト

医師と力比べをすることにより、筋力低下が起こっているかどうかを調べるテストです。

知覚テスト

皮膚に刺激を与えることにより、触覚や痛覚などの程度を調べるテストです。

腱反射テスト

特定の部位を叩いたときに、反射の程度を確認することで、脊髄や神経の異常を調べるテストです。

特に、腱反射テストは作為が入りにくいので、後遺障害認定の際に、重視されます。

非該当なら裁判?慰謝料・示談金を請求できるのか?

むち打ちで後遺障害が非該当になってしまった場合、慰謝料や示談金の請求ができるのでしょうか?

結論から申し上げますと、この場合、入通院慰謝料は認められますが、後遺障害慰謝料については認められないと考えるべきです。

ただ、症状の内容や治療経過などを勘案して、入通院慰謝料が増額されることはありますし、裁判をすると、まれに後遺障害慰謝料に準じた慰謝料が認められることもあるようです。

そこで、むち打ちでなるべく高額な慰謝料や示談金を獲得、慰謝料増額したい場合には、弁護士に依頼して裁判を起こした方が良いケースがあります。自分のケースで裁判すべきかどうかがわからない場合には、まずは交通事故に強い弁護士に相談をして、アドバイスを求めると良いでしょう。

※また後遺障害の「異議申し立て」も必ず行うべきです。

関連記事
異議申し立て
異議申し立ての方法!後遺障害等級非該当や低い等級でもあきらめない
後遺障害が認定されなかった場合「認定を受けるためのコツはあるのか?」「一度非該当になったものを、異議申し立てが通るに…

むち打ちの後遺障害12級と14級の慰謝料はどうなっている?

むち打ちで認定される可能性のある後遺症は12級と14級ですが、この2つには違いがあります。

後遺障害慰謝料の金額

12級と14級では、後遺障害慰謝料の金額がまったく異なります。

12級の場合、弁護士基準で

  • 後遺障害慰謝料は290万円

ですが、これに対し、14級の場合は、

  • 後遺障害慰謝料は110万円

となります。

12級になると、後遺障害慰謝料の金額が一気に3倍近くになりますので、できるだけ12級の認定を目指した方が有利になります。

慰謝料の基準は、なぜ弁護士基準が良いか

なお、上記でご紹介した慰謝料の金額は、12級の分も14級の分も、弁護士基準で計算したものです。

交通事故の賠償金計算基準には、以下の3種類があります。

  • 弁護士基準
  • 自賠責基準
  • 任意保険基準

自賠責基準とは、自賠責保険が保険金の計算をするときに使う基準で、任意保険基準とは、任意保険会社が示談交渉をするために、独自に定めている基準です。

注意すべきことは、自賠責基準や任意保険基準を適用すると、同じ等級でも慰謝料や示談金の金額が大きく下がってしまいます。

12級の場合、後遺障害慰謝料は

  • 自賠責基準なら93万円
  • 任意保険基準でも100万円

です。14級の場合でも、

  • 自賠責基準なら32万円
  • 任意保険基準で40万円

にしかならないのです。

そこで、示談交渉をするときには、たとえ14級になったケースでも、弁護士に依頼して弁護士基準を適用すると、それだけで後遺障害慰謝料の金額が任意保険基準の3倍程度の110万円になることは覚えておきましょう。

もちろんあくまで基準であって必ず110万円になるわけではありませんので、弁護士と詳細に相談しながら適正な慰謝料の獲得を目指して参りましょう。

後遺症による逸失利益はいくらか?

12級と14級とで、労働能力喪失率は異なります。労働能力喪失率とは、後遺障害が残ったことによって低下した「働く力」です。

後遺症が残ると、身体が不自由になったり判断能力が低下いたりして、労働能力が低下します。すると、その分得られる収入が減ると考えられているので、労働能力を喪失すると、その分「逸失利益(いっしつりえき)」という損害賠償請求をすることができます。

また労働能力喪失率が高いほど、逸失利益の金額も上がります。

14級の労働能力喪失率は5%です。これに対し、12級の労働能力喪失率は14%です。

12級が認定されると、14級のケースの3倍程度の逸失利益が認められるということになります。

たとえば、14級の場合は

  • 逸失利益が500万円

となるサラリーマンの場合でも、

12級の場合は

  • 逸失利益1400万円程度

が認められるのです。

もしかして12級かもしれない?!認定を受けるために注意すること

むち打ちになったときに、より高い等級である12級の認定を受けるためには、先程説明しました「神経学的検査」以外には、どのような対応をしたら良いのでしょうか。

精度の高いMRIで、検査を受ける

12級が認められるには、画像診断によって異常を証明する必要があります。

代表的な画像検査機器としては、レントゲン、MRI、CTなどがありますが、この中で、むち打ちに特に有効なのはMRIです。

まずは、受傷後すぐにMRI画像を撮影して、証拠を残しておくべきです。

MRIの解像度の単位はテスラと言いますが、現在主流になっている検査機器は、0.5テスラ、1.5テスラ、3.0テスラのものなどです。テスラの数字が上がるほど、解像度が上がるので、細かい異常を捉えやすくなります。

今までに利用したMRI検査機器が0.5テスラの場合には、より解像度の高い検査機器を利用することにより、異常を把握できることがあります。医療機関によって、導入している検査機器が異なるので、確認してみることをお勧めします。

事故状況や画像と一致した症状を訴えているかどうか

また、12級の認定を受けるとき、画像で把握できる異常内容と患者が訴えている症状、事故の状況などが一致していることも必要です。

まず、患者の訴えと異常の一致についてですが、交通事故後、患者が「右肩が痛くなった」と言っていても、画像を見ると、左側に異常が見つかるケースがあります。

このような場合、画像に写っている異常と交通事故による症状は無関係のものではないかと言われて、後遺障害を否定されることがあります。

そして交通事故の状況と一致していることが必要です。たとえば、交通事故で患者が左側を強く打っているのに、患者としては「右腕が痛い」と言っていても、合理性がありません。その症状は交通事故と無関係と言われてしまいます。

単に画像による他覚所見があれば、どのようなケースでも認められる、というものでもないので、注意しましょう。

まとめ

今回は、むち打ちで認定される後遺障害の内容と慰謝料や示談金について解説しました。むち打ちになると、12級や14級の後遺障害認定を受けられる可能性がありますが、認定されない場合もあります。

後遺症が残ると、後遺障害慰謝料や逸失利益を受けとることができるので、一気に慰謝料増額されます。また、等級が上がると、その分賠償金が上がるので、できるだけ12級の認定を目指すべきです。

後遺症が残った場合、高い等級の認定を受けるには、交通事故に強い弁護士に依頼するのが一番です。事故後、むち打ちになって苦しんでおられたり、認定されないケースで困っている場合、裁判や異議申し立てについては、まずは一度、弁護士に相談してみましょう。

交通事故に強い弁護士が無料相談いたします

保険会社任せの示談で後悔しないために、今すぐ弁護士にご相談ください。治療に専念、慰謝料を増額できる可能性があります。
交通事故に関する専門知識をもつ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

  1. 保険会社から治療費の打ち切りを迫られている
  2. 過失割合に納得ができない
  3. 適正な等級認定のため後遺障害申請サポートしてほしい
  4. 保険会社との示談交渉が面倒、保険会社の態度が悪い
  5. 保険会社が提示した慰謝料が適正な金額かわからない

交通事故に強い弁護士に相談することで、これらの書類の準備や交渉の負担がほとんどなくなります!弁護士に任せて頂ければ、被害者の方は安心して治療に専念できます。
1つでも当てはまる方は1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

弁護士法人ALG&Associates
弁護士法人ALG&Associates

土日の電話受付対応。初回相談料・着手金 無料!弁護士報酬は後払いです。

土日の電話受付対応。初回相談料・着手金 無料!弁護士報酬は後払いです。

保険会社の対応に疑問を感じた方、今後の流れに不安のある方は全国対応の弁護士法人ALGへ。積極的な知識の研鑽とサポート体制の充実を図っています。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-3542-6232
[電話受付]平日 9:30~20:00 土日祝 9:30~18:30
電話する 弁護士詳細情報はこちら
都道府県から交通事故に強い弁護士を探す
この記事が役に立ったらシェアしてください!