異議申し立て|後遺障害等級非該当や低い等級でもあきらめない

後遺障害の異議申し立てについて、下記のような悩み・疑問を持つ方が数多くいらっしゃいます。

  • 後遺症が残ったので、後遺障害認定の申請をしたが、希望の等級で認定されなかった
  • 通知書の非該当の理由に納得がいかない
  • 異議申し立ての結果はいつ出るの?日数や期間は?
  • 医療照会したり異議申立て書を作ると異議申し立ての成功率はアップするの?
  • 異議申し立てで12級になった例はないの?

後遺障害の異議申し立てをすることで、非該当から14級、14級から12級と、認定結果を覆すことができる場合があります。

異議申し立てが通る確率は、正式な数値は出ていませんが、非常に低いことが推定されます。

しかし、いくら等級を覆すことが厳しくとも、正しいポイントを抑えて申請すれば異議申し立てが成功する確率は上がります。

ここでは、正しい異議申し立ての方法とポイントについて解説します。

後遺障害の異議申し立ての流れ

最初に異議申し立ての流れについてご紹介しておきます。異議申し立ての流れは、以下の「6ステップ」になります。

  1. 通知書をもらう
  2. 必要書類(新たな医学的資料・証拠)を集める
  3. 被害者請求へ切り替える
  4. 書類の提出
  5. 審査
  6. 再度の通知

通知書をもらう

異議申し立てを行うにあたっては、非該当になった理由、もしくはその等級になった理由を理解することが大切です。そのためには、「後遺障害等級認定票(後遺障害認定通知書)」「事前認定結果のご連絡」を入手することが必要です。

被害者請求をした方は、手元に原本が送られてきていると思います。事前認定だった方で、通知書が手元にない場合は、保険会社からコピーをもらいましょう。

医学的な資料・証拠など必要書類を集める

次に、新たな必要書類を集める必要があります。具体的には、以下のようなものです。

  • 新たな後遺障害診断書
  • 検査結果(むちうちの場合は神経学検査結果)
  • 医師の意見書
  • 陳述書
  • 異議申立書

陳述書とは、事故の当事者の記憶に基づいて作成する書類のことで、主に自分の現在の状況(どのような症状があり、どのように生活や仕事に影響しているかなど)を記載します。作成は弁護士に依頼することができます。

また、事故の状況と症状との整合性を説明するために、実況見分調書を取り寄せて、事故の状況を説明するような陳述書を作成することも有効です。

「新たな診断書や医師の意見書が必要なのに、医師に協力を断られた」という場合にも、あきらめずに弁護士に相談してみましょう。

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被害者請求への切り替え

後遺障害等級認定手続きには、被害者請求と事前認定があります。

理由は後述しますが、後遺障害等級認定手続きが事前認定だった人は、異議申し立てをする際に被害者請求に切り替えましょう。

方法としては、任意保険会社と加害者の加入する自賠責保険会社に「被害者請求で異議申し立てをする」ということを伝えます。そうすると、任意保険会社が所持していた後遺障害認定のための資料は自賠責保険会社に引き渡されますので、その後は自賠責保険会社に直接請求をすることになります。

加害者が加入している自賠責保険は、交通事故証明書に記載されています。

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書類を提出する

被害者請求に切り替えると、自分が直接、加害者の自賠責保険に必要書類を送ることになります。

審査

異議申し立てがあると、一般的には、最初に後遺障害の判定をした損害保険料率算出機構の調査事務所の属する地区本部または本部で審査がされます。
また、本部の審査に対する異議申し立ては、専門医の参加する自賠責保険後遺障害審査会で審査されます。

通知

被害者請求をした場合、異議申し立ての審査結果は、自賠責保険を通じて被害者のところに送られてきます。

再度の異議申し立て・訴訟

後遺障害認定の異議申し立ては、何回でも行うことができます。

また、異議申し立てが却下されたら、訴訟により争うことや、紛争処理申請を行うことも考えられます。

異議申し立てで12級になった例

訴訟を行うことで、むちうち非該当から14級になった事例、14級から後遺障害12級になった事例があります。

特にむちうち非該当でお悩みの方は、下記記事も併せてご参照下さい。

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後遺障害が思うように認定されない4つの理由

異議申し立てをする前に、なぜ自分の希望に沿うような認定結果が出なかったのかを充分に分析する必要があります。

そこで、思うように認定されない主な理由について説明しましょう。

後遺障害診断書の記載が不十分

まず考えられるのが、後遺障害診断書の記載が不十分だったというケースです。
具体的には、症状の記載が抜けている、ということがあります。

この場合、「後遺障害を裏付ける医学的所見がない(少ない)」とか、「自覚症状(患者が主張する症状)を裏付ける客観的な所見がない(少ない)」、「画像上において、外傷性の異常所見が認められない」という判断がされることがあります。
特に、他覚所見が認められにくい「むちうち」や「ヘルニア」は、上記のような理由で非該当になる可能性が高いと言われています。

しかし、CTやMRIなどの画像所見がない場合でも、神経症状があり、それがしっかりと後遺障害診断書に記載されている場合、後遺障害が認定される可能性もあります。

検査が未実施、検査方法が不適切

認定を得るために必要な検査がされていない、検査結果の画像がない、画像があっても不十分といった場合にも、認定は得られません。

医師が後遺障害認定に慣れていない場合は、検査を実施していないことが特に多いです。

交通事故と症状との間の相当因果関係が弱い

交通事故からある程度の日数が経過してから病院を受診した場合や、持病が悪化しただけだと考えられるような症状の場合、診断書の記載が不十分な場合などには、交通事故と受傷の因果関係が証明できないことがあります。

また、加害者が「軽微な事故だったので、怪我などするはずがない」と主張していることも考えられます。

将来回復の見込みがある|むちうち症状等

これは、むちうちの症状などに多い理由です。
後遺障害認定は、治療が完了した後にも残存する機能障害や神経症状を保証するために受けるものなので、将来的に症状の回復の見込みがないことが認定の要件となります。

その他、個々の事案によって異なりますが、何かその特別な事情で認定条件を達成できていない可能性もあります。

条件をクリアできるかどうかは、医師や弁護士とよく相談する必要があるでしょう。

異議申立で等級を覆す確率を上げるポイント

次に、後遺障害認定の異議申し立てで大切なのは、上記のような不十分な点を「解決」して再申請することです。

前回と同じ資料を送り直すだけでは、成功率は高まりません。

新たな医学的証拠を用意する

異議申し立てをするには、足りなかった部分をどのように補完するかを考えることが必要です。

そこで、新たな「後遺障害診断書」や「検査」を充実させることが重要です。

新たな後遺障害診断書

新たな後遺障害診断書には、まず、現在の症状(障害が残っていること)をわかりやすく記載してもらいましょう。

また、医師が、「事故と後遺障害との間には、因果関係がある」「後遺障害が回復困難である」と診断している場合には、その診断内容が伝わるように、後遺障害診断書の書き方を工夫してもらいましょう。

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もっとも、医師も、考えや立場がありますから、断言することを避けたがったり、患者が要望するような形では書けないということもあります。
そのような場合でも、一方的に自分の要望を押し付けるのではなく、医師ときちんとコミュニケーションを取り、どのような表現ならば書いてもらえるのかなどを柔軟に話し合う姿勢も大切です。

担当医師による意見書

さらに、医学的証拠を充実させる手段として、新たな検査を実施することも有効です。
併せて、医師に意見書(※)を書いてもらうのも良いでしょう。

※意見書とは、診断書の内容を補完するため、認定されるべき後遺障害等級が何級かについて根拠や意見を記載したものです。事故と後遺症の因果関係や、症状が回復困難であることを詳細に示します。高次脳機能障害など重度・複雑な後遺障害の場合に作成することが比較的多いですが、むちうちなど軽度の後遺障害でも添付する場合があります。

弁護士による医療照会

むち打ち症などで後遺障害等級の異議申立てをする場合、CTやMRIの画像で他覚症状を証明するのが困難なことがあります。そんな時に弁護士が利用するのが医療照会です。

弁護士が用意した質問事項を記した書面について担当医に回答してもらい、異議申立書の添付書類とするのです。

異議申立書に添付することで、等級を覆す確率がアップする可能性があります。

異議申立書(認定理由についての反論文)を書く

新たな後遺障害診断書や医師の意見書の他に、それらの資料を元にして、「現在の認定は適切ではない」ことを主張する反論文を書く必要があります。
後遺障害の内容と程度だけではなく、「事故の状況との整合性」、「事故直後の状況から症状固定に至るまでの症状の整合性」などをしっかり説明する必要があるでしょう。

また、事故と後遺障害との間に因果関係が認められないという理由だったのであれば、事故の状況を特に説得的に説明する必要があります。

このような説明は、「異議申立書」により主張することになります。

異議申立書は、加害者が加入している自賠責保険に頼めば送ってもらえます。しかし、申立書の理由を記載する欄は非常にせまいので、別紙をつけるなど詳細に書く必要があります。

異議申立書の記載事項・例文

異議申立書には、決まった書式はありませんが、以下の事項を記載する必要があります。

  • 申請先の会社名
    事前認定の場合、任意保険会社を記載
    被害者請求の場合、自賠責保険会社を記載
  • 申立書作成の年月日
  • 申立人の情報
    申立人の氏名、住所、連絡先
    申立人が未成年者の場合は、法定代理人の情報
    代理人による請求であれば代理人の連絡先
  • 事故の年月日
    交通事故証明書を見て記載
  • 証明書番号
    交通事故証明書を見て記載
  • 異議申立の趣旨
  • 添付書類

異議申立書の例文を次に挙げておきますが、記述内容については個別の事案によって大きく異なります。

詳しくは、弁護士に相談すると良いでしょう。

被害者請求による異議申し立て

事前認定は、事故の相手方である任意保険会社に手続きを任せてしまうので、手続きの透明性が保たれているとはいえません。保険会社の顧問医が、「通院は不要だった。2週間程度で十分だった」など、被害者が不利になりやすい意見書を添付している可能性もあります。

被害者請求では、自分自身で提出書類を準備します。つまり、提出する書類の記載を自分でしっかりと確かめ、書類をきちんと揃えた上で提出することができるのです。

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後遺障害認定に対する異議申立の期限と期間

それでは、後遺障害等級について、いつまでに異議申し立てをすればいいのでしょうか?

異議申し立ての審査結果はいつ頃出るのでしょうか?

異議申立の期限

異議申し立て自体についていつまでにしなければならないといった期限の設定はありません。

しかし、損害賠償請求にはタイムリミットである時効があり、その間に異議申し立てをしなければなりません。

民法には、交通事故の加害者などに損害賠償を請求する上で根拠となる不法行為が定められていますが、時効について以下の条文があります。

民法724条
(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。
不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
原則として、交通事故のケースでは、事故から3年で時効(ひき逃げなどで加害者が不明な場合は加害者が判明した時から3年)となります。
また、被害者に後遺障害が残る時は、症状固定から3年で時効になることになります(ただし、事前認定の場合は、賠償金が支払われた時から3年)。
また、異議申し立ては、時効の中断事由ではありません。時効を中断したいときは、時効中断申請書を自賠責保険に提出することで3年間延長することができます。

自賠責への異議申立の審査期間|結果はいつ出るか

異議申し立ての審査結果が出るまでの期間は、事案によって異なりますが、2~6か月くらいです。

後遺障害等級の認定以上に専門的で客観的な審査を行うため、最初の申請時より日数がかかることが多いのはやむを得ないでしょう。

等級認定されなかったら弁護士に相談を

異議申し立ては、手続き自体はシンプルなので、被害者が自分で進めることも出来ないわけではありません。

しかし、異議申し立てが認められるためには、どのような追加資料が必要かを的確に判断しなければなりません。必要書類自体を集めることにも手間がかかります。

また、異議申立書を適切に作成したり、医師に新たな診断書などを作成をしてもらうための依頼も、素人では難しい場合が多々あります。

このような場合には、弁護士に相談しましょう。

異議申し立てを弁護士に依頼すれば、以下のようなメリットがあります。

  • どのような書類を準備するべきか、どのような異議申立書を作成するべきかを判断してくれる
  • 医師に新たな診断書の作成や必要な検査の実施を要請してくれる
  • 裁判基準の請求により、後遺障害慰謝料・逸失利益だけでなく、入通院慰謝料、休業損害など他の金額も増額することができる

異議申し立ての際は、交通事故に詳しい弁護士に一度ご相談することをおすすめします。

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  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
  3. 適正な後遺障害等級認定を受けたい

弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

 

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