後遺症の異議申し立てで12級になった例|後遺障害14級9号から12級へ

例えば、交通事故によってむちうちやヘルニアなどの後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定を受ける際、その等級が異議申し立てによって12級に低下したケースがあります。

これは、元々14級9号などに認定される可能性があった後遺障害が、異議申し立てによって等級が引き下げられた状況を指します。

後遺障害の等級によって請求できる慰謝料や逸失利益の金額には大きな違いがあり、より高い等級が認定された場合、より多くの補償を受けることができるためです。

この記事では、後遺障害14級に認定される可能性があった方が、後遺症の異議申し立てで12級になった事例について詳しく説明します。

後遺症の異議申し立てで12級になった例|頸椎椎間板ヘルニア

後遺症が残った後に、後遺障害認定をして失敗。しかし失敗しても終わりではありません。「異議申し立て」があるからです。

後遺障害に強い弁護士に依頼して、訴訟等を行うことで、14級から12級に等級をアップさせることは実際可能です。

以下は、後遺障害等級14級から後遺障害12級になった事例を下記に紹介します。

後遺障害14級 → 後遺障害12級
横浜地方裁判所平成26年7月17日判決

被害者は、事故から2か月後のMRI検査で、第5・6頸椎椎間板のヘルニアと診断されました。自覚症状は、頸部痛、上肢のしびれなどです。

自賠責では、頸部痛について、14級9号と認められただけでした。

裁判では、交通事故の前には、頸部痛や上肢のしびれによって業務に支障が生じたという形跡がなく、事故後に頸椎椎間板ヘルニアの症状が顕著に表れているという点などから、交通事故とヘルニアの発症の因果関係が認められました。

そして、第5・6の頸椎に頸椎椎間板ヘルニアがあり、第6神経根の支配領域である左手の親指から前腕にかけて、知覚異常が認められているということから、被害者の症状は、他覚的に証明されていると判断して、被害者の後遺障害は、12級13号に相当するとされました。

上記のケースのように、後遺症の異議申し立てで12級になった例はあります。

上記の場合はヘルニアの症状が「他覚的に証明されている」と判断され、14級から12級に変更されました。

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後遺症の異議申し立てで14級9号から12級になるためには

後遺症が残った場合で、認定に失敗した後の異議申し立てが成功するためには、上記の通り、ある条件が必要です。

例えば、後遺障害等級12級・14級、特に12級13号、14級9号の「神経症状」について考えてみましょう。

  • 12級13号は「局部に頑固な神経症状を残す」ケース、つまり身体の一部分に「他覚的所見」が認められる神経症状(痛みやしびれ、めまいなど)のこと

上記において「他覚的な所見」が認められるとは、つまり、本人の自覚症状以外にも、他の人が見ても観察可能な身体の変化や症状のこと、例えば「神経根が圧迫されている画像所見」などのことを指します。

自覚する痛みに対してどこまで医学的な他覚的所見と認められるかは難しいところですが、他覚的な所見が見られない場合、後遺障害14級から12級になることは難しく、14級9号に認定されることが多いのが現実です。

つまり、多角的な所見が認められるということを認定してもらえないと、異議申し立ては失敗してしまうということでもあります。

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後遺症の異議申し立てで12級になるためにも弁護士に相談

後遺症の異議申し立てで12級に認定されるためには、後遺障害に精通した弁護士に相談することが不可欠です。

異議申し立ては成功が難しく、個人で対処するのは非常に難しい場合があります。

弁護士は、医療証拠の解析と適切な法的戦略の策定において貴重なサポートを提供します。

保険会社との交渉や法廷闘争を代行し、経験と専門知識を活かして成功への道を案内してくれます。弁護士の存在は、後遺症の異議申し立てにおける鍵と言えるでしょう。

後遺症の異議申し立ては、適切な法的サポートなしには非常に困難です。

弁護士はあなたの権利を守り、公正な補償を受けるための不可欠なパートナーです。そのため、後遺症の異議申し立てを検討している場合、経験豊富で後遺障害に精通した弁護士との相談が極めて重要です。

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まとめ

今回は、ヘルニアの後遺症の異議申し立てで12級になった例や、後遺障害14級から12級になった具体的な事例について解説しました。

訴訟を上手に進めたり、適切な手続きを行うことで、後遺障害等級を適正なものに変更することが可能です。

手続きを進める前に、なぜ後遺障害が認定されなかったのかを推測しておくことが重要です。

また、後遺症の異議申し立てで12級になった事例だけでなく、「むちうち非該当から14級になった事例」なども存在します。

まずは、後遺障害に詳しい弁護士に相談してみることをお勧めします。

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