後遺障害認定までにかかる期間とは?審査結果が遅い理由

交通事故の後遺障害の認定は、早ければ1ヶ月程度で審査が終わりますが、中には2カ月以上かかるケースもあります。
審査結果の連絡がなかなか届かずに、
- 「審査結果が出るまでが遅い!いったい何日待てばいいの?」
- 「申請方法によって期間が違うの?」
- 「人によっても期間は違うの?」
このような疑問や悩みを持っている方は多いです。
この記事では、後遺障害等級認定の申請から後遺障害認定までの期間について、詳しく解説していきます。
後遺障害認定の流れ
交通事故の後遺障害認定手続きには、大きく分けて2種類あります。「事前認定」と「被害者請求」の2つです。
(手続きの詳細については以下の記事をご確認ください)
手続きの流れがそれぞれ違いますが、特に差が出やすいのは「審査(調査依頼から調査報告まで)」の部分です。
ここでは「どのような場合に審査に時間がかかるのか」を見ていきましょう。
後遺障害認定の審査結果が遅い理由
下記は、損害保険料率算出機構が公表している、「自賠責損害調査事務所における損害調査所要日数(2016年度)」です。
日数 | 割合 |
---|---|
30日以内 | 80.3% |
31日~60日以内 | 10.7% |
61日~90日以内 | 4.9% |
90日超 | 4.0% |
この表からすると、9 割以上は、60 日(2カ月)以内に完了していることになります。(参照:2017年度自動車保険の概況)
では、後遺障害認定までに2カ月を超えてしまうような場合とは、どういう場合なのでしょうか?
医療照会などに時間がかかる場合
自賠責損害調査事務所では、申請書類に基づいて、事故発生状況、傷害と事故との因果関係、発生した損害の額などの調査を行いますが、申請段階の書類の内容だけでは判断できない場合には、事故当事者に事故状況の照会を行ったり、病院に照会を行ったりといった、さらに必要な調査を行うことになっています。
この際、病院側からの回答が遅い場合などもあります。そうなると、調査結果が出るまでの期間が長くなってしまいます。
上部機関で調査をする場合
まず調査を行う都道府県庁所在地の自賠責損害調査事務所では判断が難しい事案などについては、損害調査事務所の上部機関である地区本部(主要都市に設置されている)・本部で調査が行われます。
また、「特定事案」と呼ばれる、脳外傷による高次脳機能障害に該当する可能性がある事案、非器質性精神障害に該当する可能性がある事案、異議申立事案等の場合には、弁護士や専門医などが参加する審査会で審査を行うことになっています。
この場合は、通常よりも特に慎重に調査が行われることになるため、後遺障害認定までの期間は長くなります。
書類不備の場合
上の2つは、事案によるものということになりますが、書類の不備が、後遺障害認定の期間が長期化する原因になることもあります。
自賠責保険の損害調査は、提出された書類の点検から始まります。申請書類に不備があったような場合は、修正や書類の追完をしなければなりませんから、その分時間がかかってしまいます。
そのため、後遺障害認定の最初の段階(申請準備段階)で、きっちり書類を整えておくことも重要です。
まとめ
これまでみてきたように、申請が受け付けられてから後遺障害認定までの期間自体は、2か月以下になることが大半で、ある程度一律になっています。
逆に審査結果の報告が遅れているという場合、事実認定に争いがあったり、高度な判断が要求される事案であったりと、素人だけでは対応が難しいケースになっている可能性が否定できません。
もし、「審査結果の報告が遅い」「早く賠償金の支払いを受けたい」といった場合であれば、交通事故を得意とする弁護士に早めに相談してみることをオススメします。