任意保険基準は自賠責基準より低い?どっちが良いのか?

交通事故の慰謝料を計算する際に、任意保険基準での計算は、自賠責基準での計算より低いのでしょうか、それとも高いのでしょうか。

また、そもそも、任意保険基準、自賠責基準の計算のどちらを使うかは被害者側が選べるのでしょうか。

特に、弁護士に依頼せずに自分で交渉したい方は、どっちが良いのか気になる方もいることでしょう。

今回は、任意保険基準、自賠責基準の定義、また任意保険基準は自賠責基準より低いのか、どっちが良いのかなどを解説します。

任意保険基準と自賠責基準の違い

任意保険基準と自賠責基準は、交通事故の賠償金を計算するための基準です。

自賠責基準のルール

以下の請求金額が、合計で「120万円」を超える場合、自賠責基準に基づいて計算されます。

  • 治療費
  • 入通院慰謝料
  • その他(入通院諸雑費・看護料・休業損害)

誤解しやすい点は、慰謝料が単独で120万円まで自賠責基準で計算されるわけではなく、慰謝料+治療費+その他の合計金額が120万円までを自賠責基準で計算されるということです。

つまり、自賠責基準で計算した場合、慰謝料は必ずしも120万円全額を請求することはありません。

任意保険基準のルール

前述の説明と同様ですが、賠償金の総額が120万円を超える場合、任意保険基準に基づいて計算されます。

ただし、自賠責基準の計算方法は公開されていますが、任意保険基準は公に公開されていません。

公開されているのは「旧・任意保険基準」のみです。

任意保険基準と自賠責基準どっちがより低いかも正確には言えない

任意保険基準と自賠責基準の金額相場の比較についてですが、任意保険基準の具体的な金額相場は公開されていません。

そのため、明確な結論を出すことはできません。

ただ、一般的には、自賠責基準は最低限の補償とされています。

そのため、任意保険基準の方が相場が高いと考えられることがあります。

被害者は計算基準を選択できない

先述の内容によると、傷害分の請求では、自賠責基準では120万円までの範囲で計算され、超える部分は任意保険基準に基づいて計算されます。

つまり、被害者は自身でどちらの基準を選択するかを決めることはできません。

「任意保険基準は自賠責基準より低い」と言われる理由

ここで留意すべき点があります。

自賠責基準では、ほとんど「過失相殺」が行われませんが、任意保険基準では過失相殺が行われる可能性があります。

過失相殺とは、事故の原因が相手方にある場合に、その過失の割合に応じて賠償金が減額されることを指します。

自賠責基準では、過失相殺はほとんど行われないため、相手方の過失があっても賠償金は減額されません。

しかし、任意保険基準では、過失相殺が行われることがあります。相手方に過失がある場合、その過失の割合に応じて賠償金が減額される可能性があります。

このため、任意保険基準で計算する場合には、過失が賠償金に影響を与えることに留意する必要があります。

このような事情から、任意保険基準が自賠責基準よりも低いという噂が広まりがちなのです。

任意保険基準と弁護士基準はどっちが良い?

もし可能であれば、「弁護士基準」で賠償金を計算する方が金額が上がることがあります。その理由は、以下のような点にあります。

  • まず、ご自身の任意保険に「弁護士特約」が付帯している場合、無料で弁護士に依頼することができます。
  • また、弁護士特約がない場合でも、通院期間が長期にわたる場合には、弁護士費用を支払ってでも弁護士基準で計算する方が結果的にプラスになることがあります。

これらの詳細な解説は別の記事で行いますが、任意保険基準と弁護士基準のどっちが良いかという問いに対しては、一般的には弁護士基準による計算が有利です。

以下のシミュレーターでは、弁護士基準に基づいて慰謝料などを計算することができますので、ぜひお試しください。

関連記事
calc_317x207
交通事故慰謝料の計算機ツール【2024年最新おすすめ】
交通事故慰謝料シミュレーター|計算ツール 交通事故の慰謝料を自動計算機であり、シミュレーターできる計算ツールをご紹介…[続きを読む]

まとめ

今回は、任意保険基準と自賠責基準の定義や、任意保険基準が自賠責基準よりも低いのか、どっちqが良いのかなどについて解説しました。

被害者自身はどちらの基準を選択することはできませんが、一定の範囲で賠償金、特に慰謝料の算定基準を知っておくことは有益です。

また、疑問や不明点がある場合は、交通事故に精通した弁護士に相談することや、必要に応じて依頼することもおすすめです。

交通事故に強い弁護士に無料相談できます

  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
  3. 適正な後遺障害等級認定を受けたい

弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

交通事故の無料相談ができる事務所
【東京都・港区・六本木】
ベリーベスト法律事務所
  • 初回無料相談
  • 土日対応可能
  • 慰謝料無料診断
全国対応の「交通事故専門チーム」によるサポートが特徴の法律事務所です。まずは、交通事故専門チームによる「慰謝料無料診断」をご利用下さい。
交通事故でお悩みなら今すぐ弁護士相談
050-5267-6329
[電話受付]平日 9:30~21:00 土日祝 9:30~18:00
都道府県から交通事故に強い弁護士を探す
監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事は交通事故弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
この監修者の記事一覧
この記事が役に立ったらシェアしてください!