後遺障害12級の逸失利益を計算!労働能力喪失期間が重要

後遺障害12級の逸失利益の計算方法に興味を持っている方もいらっしゃるかもしれません。

後遺障害12級の逸失利益は、事故によって被った労働能力の喪失による経済的損失を補填するための賠償金です。

逸失利益の計算は複雑であり、個々の事案によって異なります。一般的には被害者の年齢、職業、収入レベル、労働能力喪失期間などが考慮されます。

詳細な計算方法については専門家や弁護士の助言を受けることをお勧めします。法的知識と経験に基づいて、適切な逸失利益の評価を行うことができます。

今回は、後遺障害12級の逸失利益の計算方法や労働能力喪失期間などについて詳しく説明します。

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交通事故の逸失利益とは

事故により後遺障害が生じると、通常通りの働き方が困難になることがあります。

労働能力の低下に伴い、受け取るべき利益や報酬も得られなくなるかもしれません。

そのため、後遺障害の程度が認定されると、その等級に基づいて「逸失利益」を請求することが可能です。

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後遺障害12級の逸失利益の計算

交通事故の逸失利益の計算方法

逸失利益の金額は、少し難しいですが、労働能力喪失期間を含めた、次の計算式によって求めることができます。

逸失利益=①基礎収入 × ②労働能力喪失率 × ③労働能力喪失期間に応じた④ライプニッツ係数

①基礎収入の計算方法とは

基礎収入について簡単に解説します。これは12級5号であっても12級6号であっても同様です。

  • 給与を得る人は、事故が発生した前年の「源泉徴収票」を基にして基礎収入が算定されます。
  • 基礎収入には基本給だけでなく、各種手当も含まれます。
  • 一方、主婦など収入のない人の場合は、女性の全年齢平均賃金が基礎収入とされます。
  • 事故前に転職し、収入が平均賃金よりも低い場合などもありますが、その年収が基礎収入として扱われることで逸失利益が正確に評価されない可能性があります。そのため、「転職前の実績」なども柔軟に考慮してくれる場合もあります。

上述のように、収入に関しては、自営業者、主婦、学生などの個別の状況や実態に合わせて、逸失利益の評価方法が個別に検討されます。

②労働能力喪失率の計算方法|14パーセント

後遺障害等級が高いほど労働能力喪失率も高くなります。

労働能力喪失率が高い場合、被害者の労働能力が制限されており、それに伴い逸失利益や慰謝料の額も相応に高くなる傾向があります。

具体的に「後遺障害12級の場合」、国土交通省のウェブサイト*に掲載された労働能力喪失率表によると、労働能力喪失率は「14%」と設定されています。

https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/sousitsu.pdf

③労働能力喪失期間の計算方法|年数が10年になる場合

労働能力喪失期間は、通常は症状固定日から67歳までの期間とされています。

ただし、特定の状況によっては、労働能力喪失期間の始期が症状固定日ではなく、18歳または22歳(大学卒業を前提とする場合)となる場合もあります。これは、被害者が未就労者である場合や学生である場合などに適用されるルールです。

ただし、むち打ち症など神経症状の後遺症の場合、後遺障害等級12級の労働能力喪失期間は保険会社によって10年以下に制限されることがあります。

しかしながら、訴訟などの過程で10年以上の期間が認められる可能性もあります。そのため、個別の状況や提出される証拠によって労働能力喪失期間が延長される可能性もあることに留意する必要があります。

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④ライプニッツ係数の計算方法

上記の手続きによって労働能力喪失期間を計算した後は、国土交通省のウェブサイトで確認することで、ライプニッツ係数を算出することができます。

*ライプニッツ係数については、国土交通省のサイトで確認可能です。国土交通省「就労可能年数とライプニッツ係数表

後遺障害12級の逸失利益の計算例

事例

被害者の年齢・性別:62歳・男性
被害者の年収:400万円
被害者の後遺障害等級:12級

400万円(年収)×14%(労働能力喪失率)× 9.253(年齢62歳のライプニッツ係数※)=518万1680

※ 2020年3月31日以前に発生した事故については、8.306で計算

後遺障害12級に認定されることによって被害者は、約520万円の逸失利益を受け取ることができます。

対して、この被害者が同一条件で認定が14級だとしたら、逸失利益は185万600円です(※)。

適正な等級認定が重要な理由がお分かりいただけるでしょう。

※ 400万円(年収)×5%(14級の労働能力喪失率)× 9.253(年齢62歳のライプニッツ係数)=1,850,600円

労働能力喪失期間に注意!逸失利益は請求できない

先述の通り、後遺障害12級を目指す方々の中には、保険会社によって労働能力喪失期間を10年に制限されるケースもあります。

これにより、逸失利益の金額が大幅に低下する可能性があります。

このため、後遺障害の等級認定を受ける際には、労働能力喪失期間や後遺障害認定について専門知識を持つ弁護士に相談することが不可欠です。

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