高齢者ドライバーの事故率は高い?車種、原因、対策法を解説
【2020/6/3更新】75歳以上の一定のドライバーに対して技能検査を義務化した道路交通法改正について記載しました。…[続きを読む]
「できることなら交通事故に巻き込まれたくない」
きっと、誰しもがそう考えていることと思います。
実は、交通事故では「事故を起こしやすい人」そして「事故に遭遇しやすい人・ケース」が統計的に分かっています。
今回は、その具体的な内容について見ていきましょう。
普段は大人しい性格なのに、運転する時にだけ気性が荒くなる人がいます。
例えば、横断歩道をゆっくり渡っている老人に対して「早く渡れよ」と言ったり、信号待ちが続くと舌打ちするなど、運転しているときだけイライラし易い人は、その精神的な不安定さから交通事故につながる恐れがあるため注意が必要です。
この状態を心理学的に分析した人の話によると、車内は一つの囲われた空間であり、プライベートでありながら公共の場とも繋がっている特殊な場所で、車の運転中については、歩行中の時と違い「匿名性」というものが無意識のうちに生じるそうです。
つまり、運転しているのは自分自身なのに、相手に対して責任を負わなければならないという感覚が、車に乗っていることで薄れてしまうのです。これを心理学的には「没個性化」というそうです。
これは、「赤信号みんなで渡ればこわくない」のように、集団の中の一員となることで責任意識が薄れるのと似ています。
運転中は車という空間の中にいるため、いつもよりも責任感が薄まりやすいそうなので、心当たりのある人は運転中意識して直すようにしましょう。
また、交通死亡事故に結びついたケースの法令違反を年齢層別に見ていくと、一つの傾向があることが分かります。
この年齢層が起こした交通死亡事故の原因を見ていくと、次の3つの要因が全体の50%近くを占めています。
漫然運転とは、運転以外のことを考えていたり、ぼんやりと運転していたことにより前方への注意力が欠けてしまい、その結果危険を見落としたり、発見が遅れて事故につながるケースを言います。
例えば、考え事をしながら運転していて事故を起こしてしまうような場合などがこれに該当します。
若年層に多い違反はやはり速度超過です。
最高速度以上の速さで走行中に、他の車と接触して交通事故が発生するのです。
外の景色を見ていたり、車内で落としたものを拾おうとしたりして脇見運転をして、前方への注意が欠けて事故に至るケースがあります。
また、同乗者との会話に夢中になることで事故に至るケースもあるようです。
高齢者の法令違反で圧倒的に多いのが「運転操作不適」です。
これは、ブレーキとアクセルを間違えて踏んだ、とか、ハンドル操作を誤った、などが当てはまります。
実は、ペダルの踏み間違いによる事故の死亡率は3.44%で、他の人身事故の17倍も高いのです。
高齢者の方が運転をする際には、ハンドル操作とペダル操作には細心の注意を払いましょう。
次に、交通事故に遭いやすい人についてです。
日本の高齢化に伴い、交通事故の多くは「高齢者」が関係しています。
交通事故の死者数を年齢層別に分析をすると、平成27年のデータでは54.6%を高齢者が占めています。交通事故によって死亡する人のおよそ2人に1人は高齢者ということになります。
では、高齢者はどのような状況で交通事故に遭いやすいのでしょうか。
高齢者の交通事故を状態別に調べてみると、以下のような結果でした。
このように、高齢者は歩行中に車にはねられて死亡するケースが非常に多いことが分かります。
その理由の一つに「致死率」が関係しています。
高齢者の場合は、自転車事故などでも死にいたるケースがあるほど、他の年齢層に比べ死亡しやすい傾向にあるのです。特に歩行中の無防備な状態ではねられると、かなりの確率で死亡事故となります。
ちなみに、交通事故全体の致死率は0.61%であるのに対し、75歳以上の高齢者は3.83%と非常に高くなっています。
また、子供が交通事故の被害にあうケースというのは、総じて一定の傾向があります。
次の点に注意をすれば、ある程度交通事故に遭遇する確率を減らせるでしょう。
子供が交通事故の被害にあう場所は、登下校に利用している自宅から1km圏内がとても多いようです。
そのため、普段の登下校に利用する道路は、子供と一緒に安全確認をするポイントなどを確認すると良いでしょう。
子供の交通事故のおよそ53%は、子供の急な「飛び出し」が原因と言われています。
つまり、車から突っ込んでくるよりも、子供の不注意によるものの方が多いわけです。
したがって、普段から道路に飛び出さないよう子供にしっかりと教育しておけば、子供の交通事故はかなり防げるでしょう。