交通事故の骨折と後遺障害等級|後遺症の種類一覧

交通事故による骨折で後遺症が残って、その後遺症に応じて多額の「後遺障害慰謝料」を請求することが考えられます。

ただし、具体的な金額は「等級」の認定によって変動し、どの等級に該当するかを事前に把握しておかないと、後遺障害慰謝料の相場を把握することができません。

従って、ご自身の骨折の後遺症がどの等級に該当するか、ある程度考えておくことが重要です。

今回は交通事故での骨折と後遺障害の等級、さらに後遺症の種類一覧について詳しく説明します。

交通事故と骨折の後遺障害等級の種類

では、骨折によって生じうる後遺症、後遺障害の種類とはどんなものがあるのでしょうか。

「自賠責保険」によって後遺障害と認められる症状の内容は決まっています。

骨折の後遺障害等級は主に6種類

骨折の事例では、様々な後遺障害の認定が考えられます。

主に、それを6つのカテゴリに分類することができます。

  • 欠損障害
  • 機能障害
  • 変形傷害
  • 短縮傷害
  • 醜状障害
  • 末梢神経障害

ご自身の状況がどの種類に該当するかを理解し、どの等級に該当するかを確認してください。

①欠損障害

腕や脚の全部や一部を失ってしまった場合です。

等級 後遺障害の内容
1級 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
両下肢をひざ関節以下で失ったもの
2級 両上肢を手関節以上で失ったもの
両下肢を足関節以下で失ったもの
4級 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
1下肢をひざ関節以上で失ったもの
両足をリスフラン関節以上で失ったもの
5級 1上肢を手関節以下で失ったもの
1下肢をひざ関節以下で失ったもの
7級 1足をリスフラン関節以上で失ったもの

上記の通り、欠損障害は1級、2級、4級、5級、7級の可能性があります。

②機能障害

腕や脚の関節の機能が失われたり、可動域に制限が生じたりした場合です。

等級 後遺障害の内容 具体例
1級 両上肢又は両下肢の用を全廃したもの 両腕の3大関節及び手指の関節が全く動かないときなど
5級 1上肢又は1下肢の用を全廃したもの 片脚の3大関節が全く動かないときなど
6級 1上肢又は1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 片腕の肩、肘関節が全く動かないときなど
8級 1上肢又は1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 片足の膝関節の可動域が健側の膝関節の10%程度以下に制限されているときなど
10級 1上肢又は1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害をのこすもの 健側の可動域の2分の1以下のときなど
12級 1上肢又は1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害をのこすもの 健側の可動域の4分の3以下のときなど

上記の通り、機能障害は、1級、5級、6級、8級、10級、12級などが考えられます。

特に下半身の可動域制限が発生するケースはよくあります。このような場合、詳細な情報を考慮することが重要です。以下の記事を参考にして、詳細な検討を行うことがおすすめです。

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③変形障害

骨折によって骨が変形してしまった症状です。腕や脚に偽関節が残った場合を含みます。

等級 後遺障害の内容 具体例
7級 1上肢又は1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 上腕骨の骨幹部に癒合不全を残し、常に硬性補装具を必要とするものなど
8級 1上肢又は1下肢に偽関節を残すもの 上腕骨の骨幹部に癒合不全を残すものなど
12級5号 鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨、骨盤骨に著しい変形を残すもの 裸体で変形や欠損が明らかであるときなど
12級8号 長管骨に変形を残すもの 上腕骨が15度以上屈曲して不正癒合したものなど

上記の通り、変形傷害は、7級、8級、12級などが考えられます。

④短縮障害

骨折により、下肢の長さが(健側の下肢に比べて)短くなってしまった症状です。

等級 後遺障害の内容
8級 1下肢を5センチ以上短縮したもの
10級 1下肢を3センチ以上短縮したもの
13級 1下肢を1センチ以上短縮したもの

上記の通り、短縮傷害は、8級、10級、13級などが考えられます。

⑤醜状障害

骨折により、身体に醜いありさまが残ってしまった症状です。

等級 後遺障害の内容 具体例
7級 外貌に著しい醜状を残すもの 頸部に手のひら大以上の瘢痕があるときなど
9級 外貌に相当程度の醜状を残すもの 頸部に長さ5センチ以上で人目につく程度以上の線条痕があるときなど
12級 外貌に醜状を残すもの 頸部に鶏卵大面以上の瘢痕があるときなど
14級 上肢又は下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの

上記の通り、醜状傷害は、7級、9級、12級、14級などが考えられます。

⑥末梢神経障害

骨折により、痛みや痺れの症状が残ったものです。

等級 後遺障害の内容 自賠責保険の運用上の認定基準
12級 局部に著しい神経症状 症状の存在を医学的に証明できる場合
14級 局部に神経症状 症状の存在を医学的に説明できる場合

上記の通り、末梢神経障害は、12級、14級などが考えられます。

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骨折の後遺障害等級で知っておくべき3つのこと

①後遺障害慰謝料の金額相場を把握する

請求可能な後遺障害慰謝料の金額相場をある程度、把握しておく必要があります。

上記で「等級」がわかれば、以下の金額相場表から計算が可能です。

自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準という3つの項目で金額が変動していることが分かると思いますが、まずは弁護士基準の項目を見て、目安をつけてみてください。

等級 自賠責基準
要介護以外)
任意保険基準 弁護士基準 労働能力喪失率
1級 1,150万円
(1100万円)
1300万円  2800万円 100%
2級 998万円
(958万円)
1120万円 2370万円 100%
4級 737万円
712万円
800万円 1670万円 92%
5級 618万円
(599万円)
700万円 1400万円 79%
6級 512万円
(498万円)
600万円 1180万円 67%
7級 419万円
(409万円)
500万円 1000万円 56%
8級 331万円
(324万円)
400万円 830万円 45%
9級 249万円
(245万円)
300万円 690万円 35%
10級 190万円
(187万円)
200万円 550万円 27%
12級 94万円
(93万円)
100万円 290万円 14%
13級 57万円
(57万円)
60万円 180万円 9%
14級 32万円
(32万円)
40万円 110万円 5%

※ 自賠責基準の()内の金額は、2020年3月31日以前に発生した事故について適用される金額です。

②保険会社の言いなりになると請求できる金額が下がる

例えば「機能障害」が残る可能性が高いと仮定すると、等級は10級になるか12級になるかと予想することができます。

この場合、上表から見て分かる通り、12級であれば弁護士基準で290万円、10級であれば550万円という大きな金額差が生じることが分かります。

したがって、実際には10級に認定されるべきだったにもかかわらず、保険会社の影響で12級とされ、適切な金額を受け取ることができないケースがよく見られます。

そのため、交通事故に精通した弁護士に相談することが強く推奨されるのです。

③弁護士基準で計算をすべき

上の表から分かるように、自賠責基準、任意保険基準、そして弁護士基準の3つの項目で金額が変動していることが明らかです。

この際、目安とすべきは「弁護士基準」です。

ただし、弁護士基準は自分で交渉する場合には適用できないため、弁護士に依頼する必要があります。

最初に、交通事故に強い弁護士に無料相談して、自身のケースで弁護士を依頼した場合に金額的に有利になるかどうかを検討してみましょう。

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まとめ

今回は、交通事故の骨折と後遺障害等級と後遺症の種類一覧を紹介致しました。

骨折と後遺障害等級には複数可能性が存在するため、判断が困難な場合もあるでしょう。

もし後遺症が残る可能性が高いと考える場合、交通事故に強い弁護士に相談することが賢明です。

 

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