頚椎捻挫の後遺症|症状と治療期間と14級等級を獲得するには?

頸椎捻挫

交通事故、特に人身の追突事故の負傷事故で、一番多い怪我は「むちうち症」です。「むちうち症」という言葉自体はよく聞く言葉なのではないでしょうか。

一般的によくいわれる「むちうち症」は、実は医学的に、正式な名称ではありません。

正式には頚椎捻挫(けいついねんざ)頚椎挫傷といわれています。これ以外にも、傷性頸部症候群という名称がつく場合もあります。

頚椎捻挫は、交通事故後すぐに症状が出ないなと思うことも多く、損害賠償のトラブルを招きがちです。

  • 頚椎捻挫の慰謝料請求で損しないためのポイントは何か?
  • 頚椎捻挫の後遺障害で14級を獲得するには?
  • 頚椎捻挫で実際に起きているトラブルにはどういうのがあるのか?
  • 頚椎捻挫でトラブルに巻き込まれないためにはどうすればよいか?

今回は、人身の交通事故の「頚椎捻挫」について知っておくべきこと、頚椎捻挫の治療期間やリハビリ期間や関連するトラブル事例、注意点までご説明します。

頚椎捻挫の症状とは

頚椎捻挫の症状とは、筋肉や神経の損傷度合いによって大きく異なります。多くは、首、肩、背中などに痛みを感じることが多いのですが、日によって痛む場所が変わったり軽い症状だったり重くなったりもします。

交通事故による負傷で、一番多い症状・怪我は、頚椎損傷です。「頚椎捻挫」が負傷部位の80パーセント以上を占めています。

  • 以前より集中力がなくなった
  • 同じ作業の繰り返しが辛くなった
  • めまいがする

上記のような症状や、怪我があるのかはっきりしない症状が出る場合もあります。

また、頭痛や吐き気・耳鳴り・めまい・手の痺れなどが挙げられます。

このように、「頚椎捻挫」と一言で言っても、症状の軽重や現れた方はさまざまです。ちょっと「痛む程度だから大丈夫」と思い、そのまま放置していると「後遺症」が残ったり大変なことになりかねません。

頚椎捻挫の原因と治療方法とは?

頚椎捻挫の原因と治療方法について見ていきます。

原因

頚椎捻挫は、交通事故などの強い衝撃により、首が前後に大きくしなってしまい、骨や筋肉・神経が損傷することが原因で起こります。

また、首は胴体に比べて細く、突然の強い衝撃に相当弱いということも原因に挙げられます。

そもそも、むちうち症の名前の由来は、外部からの衝撃をうけたことにより首がムチのようにしなってしまい、首の神経や筋肉などを損傷してしまうことからきています。

首には、頭からの指令を各部位へ伝達する重要な神経が首の中にはたくさんあります。そして、交通事故などで大きな衝撃を受けてしまうと、神経などが損傷をうけ、多くの症状を引き起こしてしまうのです。軽度であっても後遺症も残りやすく、完治しないこともあります。

治療方法・リハビリ

では、頚椎捻挫の治療はどのように行うのでしょうか。

初期治療

最初は病院でレントゲンなどで状態を確認後、病院で冷湿布と痛み止め処方してもらいます。

そして、患部を冷やして症状の回復を図ります。

基本的には自然治癒を目指すので、首に負担をかけないようにコルセットをつける場合もあります。

リハビリ

炎症がひいたら、次はリハビリです。

整形外科などで、首の牽引(けんいん)や温熱療法(首を温める)をおこないます。

鍼灸院(はりきゅういん)での治療も有効と言われています。

軽い頚椎捻挫であれば、症状が出始めてから3ヶ月程度で治癒しますが、リハビリなどでも症状が改善しない場合があるため、その場合は後述するとおり、後遺障害認定申請を行うこととなります。

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頚椎捻挫の後遺症|等級14級・12級獲得へ

頚椎捻挫で後遺障害等級に認定されると、後遺障害14級か後遺障害12級に認定されます。

後遺障害慰謝料の相場

12級13号に認定された場合の後遺障害慰謝料相場は以下のとおりです。

自賠責基準 任意保険基準 弁護士・裁判基準
94万円 100万円 290万円

後遺障害等級14級の後遺障害慰謝料の各基準の相場は、以下の通りです。

自賠責基準 任意保険基準 弁護士・裁判基準
32万円 40万円 110万円

後遺障害認定される、されないでは、上記の後遺障害慰謝料の額に大きく影響を与えるので、医師の指示のもと適切なリハビリ後遺が重要です。

等級14級・12級獲得するために

特に、後遺障害認定を取得する際に注意すべき人は「自覚症状しかない人」です。

つまり、検査をしても客観的な画像所見がない人ですが、この場合、後遺障害等級認定で「非該当」と判断されることが多いです。

しかし、適切な手続きを進めれば、14級に認定される可能性もあります。

例えば、以下のようなポイントがあります。

  • 通院頻度を下げない
  • 後遺障害診断書の内容を適正にする
  • 後遺障害に強い弁護士に相談をする

詳細については該当の記事で詳しく説明されていますが、まず、治療段階から交通事故に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

特に、頚椎捻挫の場合、治療が約3カ月経過すると、保険会社から「治療費の打ち切り」が提案されることがあります。

この際、弁護士に交渉を依頼することが望ましいでしょう。弁護士に依頼することで、保険会社との手続きや交渉を全て任せることができ、治療に専念することができます。

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交通事故の頚椎捻挫と初期治療の5つの注意点

①事故の頚椎捻挫の治療期間

頚椎捻挫の通院期間ですが、一般的に、軽症のものであれば、1か月程度で回復します。

中度のものであれば、3ヶ月程度、重症であれば、6ヵ月程度かかると言われております。

保険会社から治療費打ち切りを言われても、痛みがあるなら病院へ継続すべきです。症状は医師のみが決定できることです。

②事故直後は、特に油断をしない

まず、頚椎捻挫でよくあるケースは、負傷後すぐに症状が出ないパターンがあります。

事故後、家に帰ってしばらくすると徐々に痛みがはじまり、腫れが出はじめます。

これは、神経の損傷が現れるのに時間がかかるためです。

交通事故後は痛くなくても病院で診てもらうこと、そして、油断せずに1,2日は様子をみることが大切です。

たまに、そのまま病院に行かない方もいらっしゃいますが、損害賠償額にも影響しますので、必ず病院へ行くようにしてください

また、病院でなんの診断が出ずとも、後日痛みが出て、その後、頚椎捻挫と診断されることもあります。

MRIなどの検査を行うことで、頚椎捻挫が確認されることもありますので、まずは病院で検査を受けるようにしましょう。

③診断書を作成する必要あり

交通事故による損害賠償を請求するためには、病院で負傷に関する診断書を作成してもらう必要があります。

診断書によって、事故と負傷との因果関係を証明することが可能となります。

④先に整骨院・接骨院に行かない

実は、軽い怪我と思われがちな「頚椎捻挫」ですが、交通事故の中でも事故後のトラブルが多い負傷です。

例えば、「整骨院に通っていたら、治療費を払ってもらえなかった。」「最初は払ってもらえていたのに、途中で支給を打ち切られた」というケースがあります。

整骨院での治療は、保険が適用される治療と適用されない治療があります。

なぜなら、先にご説明した通り、損害賠償請求には「病院の診断書」が必要です。

しかし、整骨院・接骨院では診断書は作成してもらえません。

後から病院にいき、頚椎捻挫との診断がでれば損害賠償を請求することは可能ですが、整骨院・接骨院での治療費は出してもらえない可能性があります。

このようなトラブルと避けるためには、病院で「整骨院での治療が必要」という診断書をもらうのがベストです。また、事故後に相手方の保険会社とやりとりをする際に、「整骨院・接骨院でも保証してもらえるのか」について確認しておきましょう。

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⑤整骨院の水増し治療に注意

整骨院と交通事故被害者との間で問題が生じることもある一方で、整骨院の中には頚椎捻挫などの治療を受けたことないにもかかわらず、医療費を不正に請求する悪質な医院が存在し、これが問題となる場合もあります。

結果的に、保険会社はそのような整骨院を信頼せず、治療費を支払わないことがあります。

つまり、被害者としては、治療費の一部を失うことになる可能性があります。

ただし、こうした悪質な整骨院は一部に過ぎず、ほとんどの整骨院は誠実に治療を提供しています。

整骨院を選ぶ際には、信頼性のある医院を選ぶことが重要です。

頚椎捻挫は弁護士に相談を

交通事故の頚椎捻挫について、また14級等級認定が可能かなどについて解説しました。

また、「後遺症が残ったにもかかわらず、慰謝料の価格が低すぎる。」そう思われる方も少なくありません。

保険会社の担当者から告げられた慰謝料額に納得できず、憤慨される方もいらっしゃいます。

保険会社の提示した損害賠償額・慰謝料額に納得できない場合は、弁護士に相談すると賠償額がアップする可能性があります。

納得できない場合は、お近くの交通事故に強い弁護士事務所にご相談ください。

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  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
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弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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弁護士相談Cafe編集部
本記事は交通事故弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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