交通事故で警察を呼ばなかった!その場で示談・和解で大丈夫か?
交通事故の被害者が、加害者にいわれるがままに警察を呼ばずにその場で示談をしてしまうことがありますが、1.損害賠償金を…[続きを読む]
近年、レンタカーはとても気軽に、そして安価に借りられるようになりました。
特に、マイカーを購入する余裕のない若者は、レンタカー会社で「わナンバー」「れナンバー」の車を予約、レンタルするケースが多いかと思います。
しかし、レンタカーで突然、事件や事故に巻き込まれてしまう可能性もあります。
このような状況では、ペーパードライバーで免許取得1年未満の方や、レンタカー初心者は非常に戸惑います。
レンタカーでのトラブルでは、普通の交通事故と異なり、保険会社や加害者、警察を呼ばないなどの対応以外にも「レンタカー会社」との損害賠償についても頭を悩ませる必要が出てきます。
では、どのように対応・対処することが正しいのでしょうか。
ここでは、ブログやYahoo!知恵袋でも話題になりやすいレンタカーを擦った場合の対応、当て逃げに気づかなかった場合、NOC必要か、許容範囲内っぽいかすり傷などがついた場合の対応や、見逃してくれるのか、保険は自己負担なのか、また損害賠償などについてを解説します。
目次
レンタカーの運転中に交通事故を起こしてしまったり、擦ったり、また逆に他の車からぶつけられる場合があります。
この場合、直ちに次の2カ所に連絡をしなければなりません。
レンタカーでもマイカーでも同じですが、まずは警察に連絡をします。気づかなかった場合は無理ですが、気づいた場合は確実に連絡をしましょう。
バレたくなかろうが、相手がたちが悪かろうが、ここで警察に呼ばずに事故を隠蔽しようとすると、後ほど非常に困った状況になります。後日警察から連絡が来る可能性もあるでしょう。
ペーパードライバーや初心者の方は失念しがちですが、レンタカーでも、保険を適用させるには必ず事故証明書が必要で、事故証明書の発行には警察への連絡が必須となります。
レンタカー事故と普通の事故との違いは、とても単純なことですが「レンタカー会社に連絡すること」と言えます。
レンタカーは車の貸し出しをする際に、万が一交通事故が発生した場合の「電話番号」を必ず教えてくれます。
そして、貸し出し店舗側は、交通事故発生の一報を受けた段階ですぐに保険会社に連絡をします。
もしもこれを怠ると、レンタカー会社の保険が適用できず、車の修理費などを実費請求される場合もあります。
また、レンタカー会社によっては、直接「レンタカー会社が加入している自動車保険会社に連絡してください」と言われる場合もあります。
デート前・旅行前にレンタカーの貸し出しを受ける際に、緊急の連絡先は必ず確認しておきましょう。
しかし、ここでいくつかの疑問が浮かぶかと思います。
「レンタカー会社の保険が使えるなら、事故を起こしたとしても自分の保険を使わずに済み、保険料も上がらないのでは?」と考えられそうです。
本当にそうなのでしょうか。
ドライバーは、本当に何一つとしてとして賠償する必要はないのでしょうか。
レンタカー会社は予め保険料を支払って自動車保険に加入しているため、レンタカーを借りる際に、自動車保険の保険料を利用者が別途自己負担する必要はないのです。
そもそもレンタカーとは、正式には「自家用自動車有償貸渡業」といって、営業するためには予め国土交通管轄の運輸支局から事業許可を受けなければなりません。
その際の基準として顧客の保護のため、一定基準以上の自動車保険への加入を条件・責任として義務化しているのです。
しかし、レンタカーを借りた側はまったく何もお金を払わなくてもいいかと聞かれると、単純にそういう話では終わりません。
それでは、レンタカーを借りる時に、貸し出し店舗の担当者から「保険に加入しますか?」と聞かれるのはなぜでしょうか。
実は、それは保険ではなく「免責補償制度」のことです。
先程も申し上げたとおり、レンタカーには予め任意保険がついているので、万が一交通事故を起こしても、その保険から保険金がおります。
しかし、レンタカーの保険には対物補償と車両補償に免責額(概ね5万円)が条件として設定されており、たとえ保険が適用できたとしても、最低限その免責額については自己負担で支払わなければならないのです。
この免責金額が怖い、という人は、借りる際に聞かれる「免責補償制度」に加入したほうが良いでしょう。これに加入すれば、デート・旅行時に初めてレンタカーを借りて万が一交通事故が発生した時に、免責額も免除されるというわけです。
※ただし、「21歳未満」「免許取得後1年未満の人」は、免責補償制度に加入できないというデメリットがあるので、レンタカー初心者の人は注意してください。
「レンタカーで交通事故を起こし車ぶつけた!」となると、大抵の場合、その車はしばらくレンタカーとして貸し出す事ができなくなります。
つまり、その間にレンタカー会社としては、車1台分の営業損害を被ることになります。
そのため、レンタカーを借りる際には必ずノンオペレーションチャージ(NOC)の説明があります。
ノンオペレーションチャージとは、簡単に言うとレンタカー会社に対する車1台分の営業補償の事です。
その金額は、車の破損状況によって異なりますが、概ねどこのレンタカー会社も次のような運用となっています。
ノンオペレーションチャージは、保険や免責補償によって免除される事はないため、交通事故を起こすと、いずれかの金額を負担しなければならなくなります。
また、ノンオペレーションチャージは、運転者に過失が無い次のようなケースであっても請求されますので、注意が必要です。
このような場合、ノンオペレーションチャージと車両補償の免責金額がすべて「自己負担」、つまり自腹となります。
レンタカーの傷の見逃してくれる許容範囲は各社で異なります。
細かい傷を気にしない会社もあれば、微細な傷でも修理費を請求する厳しい会社もあります。そのため、車を借りる際にレンタカー会社と傷の許容範囲を明確にすることが重要です。
具体的には、出発前点検時に会社が説明しなかった細かい傷を探します。
これらの傷を指摘すると、多くの場合見逃してくれて「この程度は問題ない」と言われ、それが許容範囲の目安となります。
面倒でも、レンタカーの借車時には丁寧に傷のチェックを行うことが大切です。
レンタカーは新車ではない場合がほとんどです。つまり、すでに何かしらの傷がついている車を貸し出されるのが通常です。
そのため、自分でつけた傷・身に覚えがない傷ではないにも関わらず、レンタカー会社が自分のせいにしてくることがあります。実は、これは結構多い案件のようです。
もちろん許容範囲で見逃してくれる場合もありますが、実際、本当はぶつけているのに誤魔化す客が多いため、レンタカー会社も厳しく見ているようで、これが思わぬ誤解や勘違いを生んでいるのです。
では、このような場合、あなたはどのように擦り傷についてチェック・対処すれば良いのでしょうか。
レンタカー会社によっては、車に傷を見つけると、本人を問いつめてその傷をつけた事を認めさせようとする場合があります。
実際問題、小さな傷やかすり傷程度だと、「自分の自覚がないところでついてしまったのかな?」と不安に感じてしまい、言われるがまま書類にサインをしてしまうケースがあります。
もしも、擦ったと傷を付けたと認める書類にサインをしてしまうと、たとえそれが間違いだとしても覆す事が難しくなります。
ですから、身に覚えがない場合は、絶対にこのような書面にサインしないでください。
レンタカー会社によっては、その場で修理費を概算で計算し、およその金額を預かり金として置いていくよう指示する場合があります。
この時、身に覚えがないのに親切心でお金を預けてしまうと、後から取り返せなくなる可能性があります。予め決められた料金以外は絶対に支払わないようにして下さい。
通常、レンタカーは貸し出す際に、車についている傷・擦り傷について予めチェックをして記録を残していますので、このような場合はまずそれを確認してみましょう。
ただ、万が一、出発時の傷のチェック自体が漏れていると、本当にこちらが劣勢になってしまう場合もあります。
そのため、「ばれない、ばれる」とか「ごまかす」といった小さな争いを避けたい場合、できれば車を借りる前に、そのときの車の状態を、スマホのカメラなどでしっかりと写真をとって記録しておきましょう。
また、万が一言いがかりをつけられた場合は、その場を取り繕うためにサインをしたりお金を預けたりせず、後日改めて連絡してくるように告げて、連絡先を渡しておきましょう。
ブログや知恵袋でも話題になりやすいレンタカー事故や見逃してくれそうな許容範囲内の覚えがない傷の対応、擦った場合どうするのか、NOC必要かについて解説しました。
もしもレンタカーで事故を起こしてしまったら、誤魔化すことなく、また自分自身で示談に応じるのではなく、一度交通事故に強い弁護士に相談をしてから行動しましょう。
免許とりたて・初心者マークでも、慌てずに対応すれば大丈夫です。
なお、今回の記事の見解は、レンタカー会社によって運用・条件が異なる場合もあります。レンタカーを利用する際には、予めそれぞれの会社に必ず確認しましょう。