自転車の飲酒運転|罰金・罰則は?押して歩くはOK?

「お酒を飲むから、自転車できた。」これは犯罪行為なのでしょうか?自転車なら飲酒運転はOKなのでしょうか?罰金・罰則があって、捕まった人がいるのか、もしくは捕まらないのか、知りたい人もいるでしょう。

もちろん、車やバイクに乗るとき、飲酒運転はやってはいけない行為であることは誰もが知っています。

しかし、『自転車は特別扱い』と思っている人が多いのです。今から説明する事実を知れば、それは大きな間違いであることが嫌でも分るでしょう。

ここでは、自転車の飲酒運転、罰則・罰金、点数はどうなるか、捕まらないのか、また押して歩く場合はどうなるのかなどについて詳しく解説します。

自転車でも飲酒運転はNGです!

≪問≫ 近所で飲み会があり、お酒を飲むつもりの時、正しいのはどちらでしょうか?

(1) 近いから原付で行く
(2) 原付は飲酒運転禁止だから「自転車」で行く

上記の答えは、どちらも×です。

自転車の飲酒運転は、自動車の飲酒運転と何ら変わりのない「犯罪行為」なのです。

数多くある自転車の交通違反の中で、最も罪が重いのが飲酒運転です。飲酒または酒気帯び運転で事故を起こしてしまうと、自転車であろうと刑事責任が問われます。相手に怪我を負わせた場合は、さらに民事責任(損害賠償責任)も発生します。

「毎日自転車を使っているけれど、何年も無事故だから大丈夫」という方も、他人事ではありません。

あまり知られていない事実ですが、実は、平成19年に「酒気帯び運転」に関する道路交通法が大幅に改定され、自転車運転の交通違反に対する罰則が大幅に厳しくなりました。

自転車の飲酒では点数の減点(正しくは加点)はなし!

自転車は免許がありません。

そのため、点数や反則金のような制度はなくて、点数が減点(正しくは加点)はされませんし、反則金も支払う必要はありません。

ただし、下記に記載のとおり、刑事罰としての罰則はあります。。

飲酒運転の罰金・罰則いくら?法律改正で大幅アップ

酒酔い運転|酒酔い運転の下命・容認

3年以下の懲役または50万円以下の罰金
↓改正
5年以下の懲役または100万円以下の罰金

酒気帯び運転|酒気帯び運転の下命・容認

1年以下の懲役または30万円以下の罰金
↓改正
3年以下の懲役または50万円以下の罰金

また、飲酒運転を容認・助長することになる以下の行為にも、法律で罰則が定められました。

車両の提供

酒気を帯びていて飲酒運転をするおそれのある者に車両を提供した場合です。

「おそれのある者」ですので、成人したお子さんに「今日、歓送迎会があるから車貸して」と言われて「いいけど運転するならお前は飲んじゃいけないぞ」と車を貸すと、貸した親も責任を問われます。

酒類の提供

飲酒運転をするおそれのある者に酒類を提供した場合です。飲酒運転を助長することになるからです。

同乗

運転者が酒気帯びまたは酒酔いであることを知りながら、その車両に同乗した場合です。犯罪行為だと知りつつ容認したことになるので、責任を問われます。

自転車を車にぶつけると、高額賠償あり

たとえば、自転車事故で相手の車や所有物に損害を与えた場合、修理費だけでなく、修理期間中の代車費用や、物品の市場価値が下がる分も賠償しなければならないことがあります。

物損事故であっても、単純に修理費を支払うだけでは済まない場合が多いです。

複数の要素が絡み合うことで、最終的な賠償額が予想以上に高くなることがあります。こうしたリスクを回避するためには、自転車保険への加入や、事故を防ぐための十分な注意が欠かせないと言えるでしょう。

関連記事
乱暴な自転車運転が原因で車と事故!車の修理代の全額請求する方法
自転車と自動車の事故で、乱暴な自転車運転により、自動車に損害が発生することもあります。ぶつけた自転車が請求される車の…[続きを読む]

自転車の飲酒運転に関する法律は?

ここで、自転車の飲酒運転に関する法律の抜粋をまとめておきます。

運よく事故を起こさなくても、違反しただけでどれだけ重い刑罰・罰金が科せられるのかを知っておいてください。

道路交通法65条【何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない】
この「車両等」が指すのは「自動車」「バイク」だけでなく「自転車」も含まれています。
自転車は、「歩行者」と一緒という甘え考えでいると大きな罰則をうけることになります。自転車は、「車両」であり自動車と同じ扱いになっているのです。

道路交通法117条【5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する】
酔った状態で自転車を運転すると、懲役刑または罰金刑が科せられます。

酒酔い・酒気帯びに該当する行為の具体例は?

≪問≫ 酒酔い運転・酒気帯び運転に該当しないのはどれでしょうか?

(1) お酒を飲んで自転車を運転したけど、お酒に強いので普段通りに運転できた
(2) アルコール度数の低いチューハイを飲んて自転車をヨロヨロ運転した
(3) ウイスキー・ボンボンを食べて自転車をフラフラ運転した
(4) 奈良漬けを食べて酔っ払い状態で自転車を運転した

答えは、全て酒酔い運転または酒気帯び運転に該当します。

しらふの状態と全く変わらず会話ができ、真っ直ぐ立って歩けるほどお酒に強くても、呼気1リットル中0.15ミリグラム以上のアルコールを保有していれば「酒気帯び運転」に該当します。

また、お菓子だろうと漬物だろうと、「言語態度・歩行能力・直立能力」の3つが正常でない状態で運転したのであれば「酒酔い運転」に該当します。アルコール度数の高低は関係ありません。

関連記事
飲酒運転・酒気帯び運転で捕まったら|罰金と点数と全体の流れ【2024年版】
飲酒運転がばれると、教員だと懲戒処分、一般企業でも解雇処分、クビなど、厳罰が下されます。飲酒運転の全体的な法律の知識…[続きを読む]

飲酒して自転車を手押し・押して歩く場合は捕まらない?

よくある質問ですが、飲酒して自転車を手押し・押して歩く場合は罰則があるのかというのがあります。

しかし、手押し・押して歩くのは、もちろん歩行者扱いになります。

そのため、罰則があったりしませんし、捕まりもしませんのでご安心ください。

まとめ

道路交通法が改正されて飲酒運転が厳罰化されてきた背景には、飲酒運転事故の多さが挙げられます。しかしながら、自転車での飲酒運転についてはあまり深刻に考えられていないのが現状です。

「自転車なら大丈夫だろう」という安易な気持ちが一生を台無しにする重大事故につながります。

自転車での交通事故を起こさないように、自転車ユーザーの方はくれぐれも気をつけましょう。

この記事が役に立ったらシェアしてください!