赤切符と青切符との違いとは?反則金と罰金では大違い!
酒気帯び運転や飲酒運転、スピード違反などいわゆる「交通違反」をすると、警察からいわゆる「青切符(青キップ)」または「…[続きを読む]
交通違反の罰金・反則金の支払い方法に関して、上記の疑問をお持ちではないですか?
この記事では、交通違反をしたときに支払わなければいけない「罰金」と「反則金」の違い、罰金・反則金の支払い方法と未払いの場合の対処法を解説します。
目次
「罰金」と「反則金」は、ともにお金を支払う義務が発生するという点では同じですので混同している方も多いかもしれません。
しかし、実際は罰金と反則金は性質の異なるもので、支払い方法や支払いが滞ったときのペナルティも異なります。
交通違反をした車の運転者に課される処分には大きく分けて刑事処分と行政処分があります。
刑事処分とは国から科せられる処分で、懲役、禁固などと並んで罰金もこれに含まれます。道路交通法の規定を見ると、違反をしたときの処分として「50万円以下の罰金、もしくは3年以下の懲役」といった規定がありますが、ここでいう「罰金」や「懲役」が刑事処分ということになります。
一方の行政処分は公安委員会(行政)が行う処分で、違反点数が6点未満の比較的軽い交通違反をしたドライバーに課せられます。反則金は「免許停止」「免許取消し」などと同様に行政処分の一種です。行政が行う処分なので前科は付きませんが、反則金を支払わなかったり出頭命令に従わなかったりすると刑事処分が科せられますので注意が必要です。
このように罰金は刑事処分の一種、反則金は行政処分の一種で、それぞれ性質が異なるものだということをご理解ください。
では、交通違反の罰金や反則金はどこでどのように支払えばよいのでしょうか。
違反点数が6点以上の重大な交通違反は刑事処分の対象となり、裁判所に出頭して裁判を受けなければなりません。
裁判というと大げさに感じるかもしれませんが、通常、交通事故では略式裁判という簡易的な裁判で処分が下されます。
裁判で有罪が決まり罰金刑が下されると、違反者は、検察庁が指定する方法で検察庁指定の「金融機関」に納めるか、または検察庁に直接納めることになります。
セブンイレブン、ミニストップ、ファミリーマート、ローソンなどのコンビニ等で支払うことはできません。
6点未満の比較的軽微な交通違反をすると、警察官からその場で「交通反則告知書」を渡されます。
交通反則告知書は通称「青キップ」とも呼ばれます。同時に金融機関で反則金を納付するための「納付書・領収証書」を渡されます。原則、罰金と同様、コンビニ等で支払うことはできません。
指定の銀行や郵便局での支払いになりますが、県によって対応が異なる場合があります。
郵便局が不可の場合があったり、どこの銀行でもどこでもOKというわけにはいかず、納付書の内容をしっかり確認する必要があります。
上記で反則金と郵便局についての話が出ましたが、営業時間は通常下記のとおりとなります。
銀行や郵便局での支払いは原則土日は不可で、平日に支払う必要があります。
例外的に駐禁支払いこと「放置違反金」等に関する納付書はコンビニエンスストアでも納付が可能です。
Pay-easy(ペイジー)に対応しているため、Pay-easy(ペイジー)に対応しているATM(現金自動預払機)やパソコン、スマートフォンから支払うことも可能です。
ただし、パソコンやスマートフォンで支払いを行う場合には事前に取引先の金融機関にインターネットバンキング等の申込みが必要となります。
ただ「放置違反金」についても県によって対応が異なる場合もあります。例えば、下記は東京の場合です。神奈川も内容は似たような印象です。
一方、兵庫県の場合は「郵便局の取り扱いは不可」としています。
このように支払場所については、県によって対応が変わります。必ず最寄りの警察署のサイトもしくは手持ちの納付書の記載を確認してください。
交通反則金がキャシュレス決済(クレジットカードやsuicaなどの電子マネー、QRコード決済paypayなど)で支払えるようになる法律(通称:キャシュレス法)が、令和4年(2022年)4月27日に可決・成立しました。
駐車違反の放置違反金など、スマホの決済アプリで支払い可能な警察署も増えてきました。
参考:放置違反金等のキャッシュレス決済がはじまりました! 山口県警察
罰金は、判決で罰金刑が確定してから30日以内に現金で支払う必要があります。一括で支払う必要があり、分割払いは原則として認められていません。
判決が確定してから30日以内に罰金を納付しないと、強制的に労役場という刑務所や拘置所内の施設に留置されることがあります。これは労役場で軽作業を行わせることで、罰金を支払わせたことにする制度です。
多くの裁判所では労役場留置1日当たり5,000円をベースに労役場に留置する日数を決めていますので、10万円の罰金であれば20日間労役場に留置されることになります。
労役場に留置されている間は外に自由に出ることはできませんし、外部の人との面会も制限されます。労役場に留置されてしまえば仕事やプライベートに大きな影響が生じますので、必ず期限内に罰金を支払うことが重要です。
反則金の支払い期限・納付期限は告知の際に渡される納付書に記載があり、告知を受けた日の翌日から起算して7日間です。
これを「仮納付期限」といいます。
7日を過ぎると「本納付期限」に入ります。
この期限をもし過ぎた場合、払い忘れた場合、納付書での支払いはできなくなります。
しかし、各都道府県に設置してある「交通反則通告センター」で支払うか、納付書を再発行してもらうことになります。
では、罰金や反則金をどうしても支払うことができないとき、払わないとどうなるのでしょう?またその後どうすればよいのでしょうか。
すでに説明したとおり罰金は懲役などと同じ刑事罰の一種で、支払わなければ労役場に留置されます。
回収は厳しく行われます。
支払いは現金で一括で行うのが原則ですが、一括払い以外の方法がないわけではありません。
法務省刑総訓徴収事務規定の16条には次のような規定があります。
「徴収金について納付義務者から納付すべき金額の一部につき納付の申出があった場合において、徴収主任は、事情を調査し、その事由があると認めるときは、一部納付願を徴して検察官の許可を受けるとともに、検察システムによりその旨を管理する。」
つまり検察庁に申し出を行い、調査を行った結果、一部のみ納付することがやむを得ないという事情が認められる場合には、分割での支払いが認められる余地があります。
もっとも、単に「お金がない」というだけでは認められない可能性が高いでしょう。
納付をしないまま違反をした日から1か月が過ぎると、督促が行われ、納付書が改めて送付されてきます。
つまり反則金を払わないからといって、支払い期日が過ぎたからといって、延滞金が加算されることはありませんが、納付書の郵送費用は違反者の負担となります。
しかしその後も、反則金を支払わず、督促が届いても無視し続けていると、刑事手続に移行し、裁判を受けて罰金等の刑事罰が適用されます。
つまり反則金制度は比較的軽微な交通違反について刑事罰を猶予してもらう制度であり、支払いを怠れば刑事処分としての罰金刑を受けたときと同様の扱いとなるのです。
最終的には労役場に留置される可能性もありますので、長期にわたって支払いが滞らないように注意が必要です。
交通事故の罰金と反則金についてご理解いただけましたでしょうか。
まずは罰金と反則金は言葉こそ似ていますが全く別の制度であるということを理解する必要があります。
刑事処分である罰金は支払いを怠ると労役場に入れられてしまう可能性があります。反則金は罰金ほど厳しい回収は行われませんが、督促を無視し続けていると刑事手続に移行し、最終的には罰金と同じ手続がとられます。
「たかが交通違反ではないか」と軽視せず、罰金や反則金の支払い命令を受けたら納付期限までに支払うようにしましょう。