指と後遺障害等級認定|曲がりにくくなった場合の慰謝料・逸失利益

交通事故で手や足の指を負傷した場合、治療やリハビリを続けても、事故前に比べて指が曲がりにくくなってしまうケースがあります。

交通事故のケガが原因で指が曲がりにくくなった場合、後遺障害等級の認定を申請しましょう。認定される等級に応じて、加害者に後遺障害慰謝料と逸失利益の損害賠償を請求できます。

今回は、交通事故による指の後遺症について、認定される後遺障害等級・後遺障害慰謝料・逸失利益などを解説します。

交通事故で指が曲がりにくくなった場合に、認定される後遺障害等級

交通事故によって、手や足の指に負ったケガが完治せず「用廃」などの状態に至った場合、後遺障害等級の認定を受けられます。

1-1. 手指の「用廃」とは

後遺障害等級認定の対象となる手や指の「用廃」とは、以下のいずれかに該当する状態を意味します。

  • (1)手指の末節骨の半分以上を失ったもの

指先の爪部分の骨を半分以上失った場合は、「用廃」に該当します。

なお、親指の場合は「指節間関節」、その他の手指の場合は「近位指節間関節」以上を失った場合は「手指を失った」ものとみなされ、後遺障害等級が繰り上がります。

  • (2)「中手指節関節」または「近位指節間関節」(親指の場合は「指節間関節」)に著しい運動障害を残すもの

「著しい運動障害」とは、可動域が正常な側の2分の1以下に制限されている状態をいいます。

  • ※末節骨:指先の爪部分の骨。
  • ※親指の指節間関節:中腹にある関節。
  • ※近位指節間関節:親指以外の4本の指にある関節のうち、指の先端から2番目にあるもの。第二関節、IP関節ともいう。
  • ※中手指節関節:親指以外の4本の指の付け根にある関節。MP関節ともいう。

1-2. 足指の「用廃」とは

  • (1)遠位指節間関節※以上(親指の場合は末節骨※の半分以上)を失ったもの

親指の場合は爪部分の骨、その他の指の場合は第1関節以上を失った場合、「用廃」に該当します。

なお、足指を根元から全部失った場合は「足指を失った」ものとみなされ、後遺障害等級が繰り上がります。

  • (2)中足指節関節または近位指節間関節(親指の場合は指節間関節)に著しい運動障害を残すもの

「著しい運動障害」とは、可動域が正常な側の2分の1以下に制限されている状態をいいます。

  • ※遠位指節間関節:親指以外の4本の指にある関節のうち、指の先端から1番目にあるもの。第一関節、DIP関節ともいう。
  • ※末節骨:指先の爪部分の骨。
  • ※中足指節関節:親指以外の4本の指の付け根にある関節。MP関節ともいう。
  • ※近位指節間関節:親指以外の4本の指にある関節のうち、指の先端から2番目にあるもの。第二関節、IP関節ともいう。
  • ※親指の指節間関節:中腹にある関節。

なお手指については、「用廃」のほか、片手の親指以外の4本につき、遠位指節間関節を屈伸することができなくなったものについても後遺障害等級認定の対象です。

指の用廃等について認定される後遺障害等級の一覧

手指・足指の用廃等について認定される後遺障害等級は、以下のとおりです。

<手指の用廃等の後遺障害等級>

4級 ・両手の指全部の用廃
7級 ・片手の指全部、または親指を含む4本の用廃
8級 ・片手の指のうち親指を含む3本、または親指以外の4本の用廃
9級 ・片手の指のうち親指を含む2本、または親指以外の3本の用廃
10級 ・片手の親指1本、または親指以外の2本の用廃
12級 ・片手の人差し指、中指、くすり指のうち1本の用廃
13級 ・片手の小指1本の用廃
14級 ・片手の親指以外の4本につき、遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

<足指の用廃の後遺障害等級>

7級 ・両足の指全部の用廃
9級 ・片足の指全部の用廃
11級 ・片足の親指を含む2本以上の用廃
12級 ・片足の親指1本、または親指以外の4本の用廃
13級 ・片足の人差し指1本、人差し指を含む2本以上、または中指、くすり指、小指の3本の用廃
14級 ・片足の中指、くすり指、小指のうち1本または2本の用廃

指を失った場合に認定される後遺障害等級の一覧

一方、手指・足指を失った場合には、以下の後遺障害等級が認定されます。

<手指を失った場合の後遺障害等級>

3級 ・両手の指全部を失ったもの
6級 ・片手の指全部、または親指を含む4本を失ったもの
7級 ・片手の指のうち親指を含む3本、または親指以外の4本を失ったもの
8級 ・片手の指のうち親指を含む2本、または親指以外の3本を失ったもの
9級 ・片手の親指1本、または親指以外の2本を失ったもの
11級 ・片手の人差し指、中指、くすり指のうち1本を失ったもの
12級 ・片手の小指1本を失ったもの
13級 ・片手の親指の指骨の一部を失ったもの
14級 ・片手の人差し指、中指、くすり指、小指の指骨の一部を失ったもの

<足指を失った場合の後遺障害等級>

5級 ・両足の指全部を失ったもの
8級 ・片足の指全部を失ったもの
9級 ・片足の親指を含む2本以上を失ったもの
10級 ・片足の親指1本、または親指以外の4本を失ったもの
12級 ・片足の人差し指1本、人差し指を含む2本以上、または中指、くすり指、小指の3本を失ったもの
13級 ・片足の中指、くすり指、小指のうち1本または2本を失ったもの

等級別|後遺障害慰謝料の金額目安

交通事故の後遺症が残った場合、被害者はその精神的苦痛について、加害者に後遺障害慰謝料を請求できます。

後遺障害慰謝料の金額目安は、認定される後遺障害等級に応じて以下のとおりです。

後遺障害等級 後遺障害慰謝料
1級 2,800万円
2級 2,370万円
3級 1,990万円
4級 1,670万円
5級 1,400万円
6級 1,180万円
7級 1,000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

後遺障害等級によって、請求できる後遺障害慰謝料の額が大きく変わります。そのため、適正な後遺障害等級の認定を受けることが非常に重要です。

後遺障害等級は、逸失利益の金額にも影響する

後遺障害等級は、後遺症について加害者に請求できる「逸失利益」の金額にも大きく影響します。

逸失利益とは、後遺症によって労働能力を失った結果、将来得られなくなった収入です。逸失利益の金額は、以下の式によって計算します。

  • 逸失利益=1年当たりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

参考:就労可能年数とライプニッツ係数表|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/syuro.pdf

上記の式のうち「労働能力喪失率」は、認定される後遺障害等級に応じて、以下のとおり目安が決まっています。

後遺障害等級 労働能力喪失率
1級 100%
2級 100%
3級 100%
4級 92%
5級 79%
6級 67%
7級 56%
8級 45%
9級 33%
10級 27%
11級 20%
12級 14%
13級 9%
14級 5%

たとえば後遺障害9級(33%)の場合と比べると、後遺障害8級(45%)の場合に認められる逸失利益の金額は、30~40%程度増額となることが見込まれます。

後遺障害慰謝料と同じく、逸失利益についても、後遺障害等級が1つ違うだけで金額が大きく異なることを知っておきましょう。

まとめ

手指・足指が曲がりにくくなった場合や、その一部を失った場合には、後遺障害等級の認定を受けられます。

加害者に対して、十分な後遺障害慰謝料・逸失利益を請求するには、適正な後遺障害等級の認定を受けることが大切です。

後遺障害等級の認定について、わからないことや不安な点がある場合には、早い段階で弁護士へご相談ください。

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監修・執筆
阿部由羅(あべ ゆら) 弁護士
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。一般民事から企業法務まで、各種の法律相談を幅広く取り扱う。webメディアにおける法律関連記事の執筆・監修も多数手がけている。
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