交通事故の加害者のその後の人生はどうなる?|被害者が知らない真実

加害者のその後
  • 交通事故の加害者は、事故後どんな人生を歩んでいるのだろう?
  • きちんと反省しているのだろうか?
  • 大きく人生が変わる高齢者の加害者もいるのか?
  • 事故を起こしてもまったく影響のない加害者もいる?

交通事故に遭ったら「その後加害者がどうなったのか?」気になりますよね?
相手に反省がなさそうな場合、きちんとペナルティを受けてほしいと思いますし、最近の高齢者事故など、大事故を起こした相手の人生がその後どうなったのか関心を持つ方もおられるでしょう。

今回は交通事故の被害者にはあまり知られていない「加害者のその後の人生」についての真実をお伝えします。

加害者の人生が大きく変わるケースと影響のないケースがある

ひと言で「交通事故」と言ってもさまざまです。事故を起こしたことで加害者の人生が大きく変わることもあれば、ほとんど何も変わらないケースもあります。
パターンごとにみていきましょう。

加害者の人生が、あまり変わらないケース

交通事故を起こしても、以下のような場合にはあまり人生に影響がありません。

物損事故で特におとがめなしだった場合

物損事故では加害者にほとんどペナルティがありません。きちんと事故の報告をすれば免許の点数加算もされませんし刑事罰も受けません。保険を使って賠償問題さえ解決できれば、人生には何の影響も及びません。

小さな人身事故

人身事故でも相手が軽傷なら、ほとんど人生に影響しないケースが多数です。刑事事件も不起訴処分や罰金で済み、その後は何ら変わらず生活を送れます。

ただし免許は点数が加算されたり、免停・免許取り消し等になったりしてしまう場合があり、運転を生業にしているトラック運転手等は大きな影響があります。

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被害者は軽傷で恨まれもしなかった

被害者が軽傷で済みきちんと保険で賠償もできたら、通常は恨まれることもないでしょう。

加害者は罪悪感も持つことなく、普通に生活を続けられます。

加害者の人生が、大きく変わるケースについて

一方、以下のようなケースでは加害者の人生が大きく変わってしまいます。

高齢者が大事故を起こして逮捕された場合

最近、高齢者が事故を起こすケースが増えています。

重大な事故を起こして被害者を死なせたり重症の後遺障害を負わせたりすると、加害者が逮捕されて懲役刑を適用される可能性が高くなります。

今までまじめに生きてきても実刑判決となって刑務所暮らしを余儀なくされれば、高齢者であってもその後の人生が大きく変わってしまうでしょう。

配偶者と離婚した

交通事故をきっかけに配偶者と離婚する方もいます。子どもの親権もとれず、家族と離散してたった一人の生活になってしまったら、加害者の失ったものは計り知れないものとなります。

職を失った

交通事故をきっかけに職を失う方がいます。運転手が重大事故を起こすと免許停止や取消となって仕事を続けられなくなりますし、重大事故を起こしたら会社で噂になって居づらくなるケースもあるでしょう。

長年続けてきた仕事を失ったら人生に少なからぬ影響が及びます。

死亡事故や、重大な後遺障害が残り被害者側から恨まれた

死亡事故を起こすと、加害者は被害者の遺族から強く恨まれます。

相手に重大な後遺障害を残して未来を奪ってしまった場合にも被害者は加害者を恨むでしょう。

たとえ過失とは言え人を死なせてしまったり将来を奪ってしまったりすることは加害者にとっても心苦しいものです。一生罪悪感を抱えて生きていかねばなりません。加害者も被害者側も立ち直ることが大変なケースです。

周囲で噂になって引っ越しを余儀なくされた

死亡事故を起こすと、周囲からは「殺人」と同じような目で見られることがあるものです。

今住んでいる場所に住み続けられなくなり引っ越しを余儀なくされることもありますし、引っ越し先で嫌がらせを受けるケースもあります。

特に危険運転で人を死なせてニュースになってしまった場合などには、一生息を潜めて生活しなければならなくなる可能性があります。

自分がけがをする可能性もある

被害者の方にとっては自業自得と思われるかも知れませんが、加害者が自ら大けがをするケースもあります。

脊髄損傷などの重大な後遺症が残ったら、加害者の人生も大きく狂ってしまいます。

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加害者と「クビ・離婚・破産」

被害者の立場からすると「加害者は交通事故でクビになるのか?」「破産することはあるのか?」「離婚する人は多い?」など気になりますよね?以下で加害者の仕事や家族関係、経済状況がどうなるのかみてみましょう。

退職するケース

交通事故を起こしたことがきっかけで退職を余儀なくされる方はいます。

特に大変なのがタクシーやバス、運送会社などの運転手です。重大事故を起こして免許取消となり欠格期間が数年発生したら、もはや退職せざるを得ないでしょう。

これらの仕事の方が人身事故を起こしたときには、被害者に必死で「届出を出さないでほしい」と頼み込んでくるケースもよくあります。

離婚するケース

交通事故が原因で離婚する方もおられます。たとえば事故が周囲に知られて嫌がらせを受けるようになり、家族を巻き込まないために離婚する方がおられます。

配偶者が人を死なせてしまったことを受け入れられず、夫婦関係にヒビが入って離婚するパターンもあります。

事故を起こしてしまったことが原因で本人が自暴自棄となり、家族が壊れてしまうパターンもあります。離婚だけではなく親子関係や兄弟関係が断絶するケースも少なくありません。

破産するケース

交通事故の加害者は破産するケースもあります。任意保険に入っていなかった場合です。

任意保険の対人・対物賠償責任保険に入っていれば、被害者に発生した損害は保険会社が負担してくれます。しかしこれらの保険に入っていなければ、自賠責保険を超える分は加害者の自己負担となります。払えなかったら被害者から裁判を起こされて資産を差し押さえられる可能性もあり、どうしても支払えなかったら破産するしかないのです。

しかも、悪質な交通事故では破産しても「免責」されない可能性があるため、一生損害賠償債務を抱えて生きていかねばならない加害者もいます。

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普通の生活になるケース

一方、交通事故を起こしても上記のような大変な状況にはならず、そのまま普通に暮らしている加害者も多数います。

たとえば運転手ではない会社員や自営業などの場合、事故を起こしても仕事には支障がありません。運転手であっても小さな事故で免許の点数が少し加算される程度であれば、免許停止にもならないか数か月の免許停止で復職できます。

家族関係についても、配偶者が事故へ理解を示してくれて家族でやり直せるケースも少なくありません。きちんと保険に入っていたら破産する必要はありません。

加害者ってどんな償いをするの?

交通事故を起こした加害者がどのような「償い」をしているのか、みてみましょう。

損害賠償

交通事故を起こしたら、加害者は被害者へ「損害賠償」をしなければなりません。

たとえば治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害への補償などのお金を支払う必要があります。

ただしこれらについては任意保険に入っていれば保険会社が全額負担するので、加害者本人が自腹で払う必要はありません。

刑事責任

交通事故の加害者には「刑事責任」も発生します。

つまり交通事故が「犯罪」となり、罰金や懲役などの刑事罰を受ける可能性があります。

軽度の交通事故なら「不起訴処分」となって実際には刑罰が適用されないケースもありますが、死亡事故や重傷の交通事故、飲酒運転やひき逃げなどの場合には刑事裁判となります。

悪質なケースでは1回目の交通事故でも実刑判決となって刑務所に行かねばならない可能性があります。

免許停止、取消

交通事故の加害者には、事故の程度に応じて「運転免許の点数が加算」されます。

免許制度では、点数が一定以上になると「免許停止」や「免許取消」となり、免許取消になったら一定期間免許を再取得できない「欠格期間」も発生します。

たとえば死亡事故を起こすと、一発で「免許取消」となり最低でも1年の欠格期間が発生します。職業運転手にとっては死活問題ですし、そうでない人も「運転できない」不便な生活を強いられます。

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自転車事故での巨額の損害賠償のニュースについて

最後に「自転車事故」で加害者に多額の損害賠償が発生したケースをいくつか紹介します。

自動車を運転する方は任意保険に入っているケースが多いので事故を発生させても自腹で賠償金を支払うケースは少数です。

しかし自転車の場合、まだまだ自転車保険への加入件数が少ないため、事故を起こしたときに保険が適用されず、加害者自身に支払い義務が発生するケースが多くなっています。

そんなとき、加害者が支払えなければ被害者は救済されず泣き寝入りとなり加害者は破産などを検討しなければならず、双方が不幸になります。自転車を運転するときには必ず自転車保険に加入しておくべきです。

下記は、実際にあった例です。

意識不明の後遺障害で9,500万円の損害賠償

平成25年7月4日 神戸地方裁判所
小学生が自転車に乗っていて当時62歳の歩行中の女性に衝突した事例です。女性は頭蓋骨骨折して意識が戻りませんでした。この事件で加害者側には9,521万円の支払い命令が出ました。

言語機能を喪失させて9,200万円の損害賠償

平成20年6月5日 東京地方裁判所
高校生が自転車で車道を横断して会社員(当時24歳)と衝突し、言語機能喪失などの重大な後遺障害を負わせた事案です。加害者には9,266万円の損害賠償命令が下されました。

死亡事故で6,700万円の損害賠償

平成15年9月30日 東京地方裁判所
ペットボトルを持ち自転車を片手運転していた男性が女性(当時38歳)と衝突し、脳挫傷等で死亡させたケースです。男性には6,779万円の支払い命令が下されました。

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まとめ:加害者の立ち直りに向けて

交通事故を起こした加害者は、立ち直りが不可能になるケースも少なくありません。一方で何事もなかったかのように生活している人がいるのも事実です。

「どの程度の事故だったか」「加害者の職業(運転手かどうか)」「家族の理解」によって結果が変わってきます。

あなたのケースで加害者がどのような運命をたどっているのか、この記事を参考に推測してみてください。

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