膝と後遺障害認定|曲がらない・痛み・違和感などの等級と慰謝料

交通事故に遭った際、脚部に無理な力がかかった場合、また膝の周辺を強打した場合には、膝の後遺症が残ってしまうことがあります。

交通事故のケガが原因で膝が曲がりにくくなったり、痛みや違和感が残ったりしたら、後遺障害等級の認定を申請しましょう。認定される後遺障害等級に応じて、「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」を加害者に対して請求できます。

今回は、交通事故による膝の後遺症について、認定される後遺障害等級・後遺障害慰謝料・逸失利益などを解説します。

交通事故で膝に後遺症が残った場合に、認定される後遺障害等級

交通事故による膝の後遺症は、主に以下の2つに分類されます。

  • (1)機能障害
  • 膝が曲がらなくなる、または曲がりにくくなる
  • (2)神経障害
  • 膝に痛みや違和感が残る

各障害について、認定され得る後遺障害等級は以下のとおりです。

機能障害|膝が曲がらない・曲がりにくい場合の後遺障害等級

膝が曲がらなくなる、または曲がりにくくなる「機能障害」については、以下の3つの観点から後遺障害等級が認定されます。

  • 両脚か片脚か
  • 他の関節にも障害があるか
  • 全く曲がらないのか、少しは曲がるのか

<膝の機能障害に関する後遺障害等級>

1級 両下肢の用を全廃したもの

※両下肢とも、三大関節すべてが強直したもの

5級 一下肢の用を全廃したもの

※一下肢について、三大関節すべてが強直したもの

6級 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
8級 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
10級 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
12級 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの

表の用語について

上記の表において用いられる各用語の定義を、以下5つ簡単に解説します。

(1)三大関節

股関節・膝関節・足関節の3つです。

(2)「強直した」

以下の(a)または(b)に該当することをいいます。

  • (a)関節が完全に動かない場合
  • (b)障害のある関節の可動域角度が、健側の10%以下に制限されている場合

(3)「用を廃した」

以下の(a)~(c)いずれかに該当することをいいます。

  • (a)関節が強直した場合
  • (b)関節が完全弛緩性麻痺、またはそれに近い状態になった場合
  • (c)人工関節・人工骨頭が挿入置換された関節の可動域角度が、健側の50%以下に制限されている場合

(4)「著しい障害」

以下の(a)または(b)に該当することをいいます。

  • (a)障害のある関節の可動域角度が、健側の50%以下に制限されている場合
  • ※人口関節・人工骨頭が挿入置換されている場合は「用を廃した」に該当
  • (b)人工関節・人工骨頭が挿入置換された関節の可動域角度が、健側に比べて制限されているが、50%以下には制限されていない場合

(5)「障害」

障害のある関節の可動域角度が、健側の75%以下に制限されていることをいいます。

※人口関節・人工骨頭が挿入置換されている場合は「著しい障害」に該当

神経障害|膝に痛み・違和感がある場合の後遺障害等級

交通事故のケガを治療しても、膝の痛みや違和感が消えずに「神経障害」が残った場合は、以下の後遺障害等級が認定されます。

<膝の神経障害に関する後遺障害等級>

12級 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級 局部に神経症状を残すもの

機能障害の認定要件に該当しない痛みや違和感についても、神経障害が認定される可能性があります。たとえば、膝は曲がるけれど痛くて正座ができない、ずっとしびれが残っている感覚があるなどの場合には、神経障害について主治医に相談してみましょう。

なお、神経障害について後遺障害12級の認定を受けるには、原則として、その症状についての画像所見が必要となります。すなわちレントゲン・MRI・CTなどの画像検査の結果、神経障害の原因が画像上に表れていることが必要です。

このような画像所見が得られない場合は、後遺障害14級の認定可否が問題となります。

自覚症状のみであっても、膝の神経障害が交通事故によって生じたことを医学的に説明できる場合は、後遺障害14級の認定対象です。

医師の指示に従って通院を行い、継続して診察してもらった医師に後遺障害診断書を書いてもらうことで、後遺障害14級が認定される可能性が高まります。

等級別|後遺障害慰謝料の金額目安

交通事故のケガが完治せずに後遺症が残った場合、被害者は後遺症に伴う精神的苦痛について、加害者に後遺障害慰謝料を請求できます。

後遺障害慰謝料の金額については、認定される後遺障害等級に応じて、以下のとおり目安が決まっています。

後遺障害等級 後遺障害慰謝料
1級 2,800万円
2級 2,370万円
3級 1,990万円
4級 1,670万円
5級 1,400万円
6級 1,180万円
7級 1,000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

1つでも後遺障害等級が変わると、請求できる後遺障害慰謝料の額が大きく変動します。そのため、後遺症の部位や症状などに応じて、適正な後遺障害等級の認定を受けることが非常に重要となります。

後遺障害等級は逸失利益にも影響|逸失利益の計算方法

交通事故で膝の後遺症が残った場合、被害者は加害者に対して「逸失利益」を請求できます。逸失利益とは、後遺症によって労働能力を失ったことにより、将来得られなくなった収入です。

膝の後遺症について認定される後遺障害等級は、加害者に請求できる「逸失利益」の金額にも大きく影響します。

逸失利益の計算式は、以下のとおりです。

  • 逸失利益=1年当たりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

参考:就労可能年数とライプニッツ係数表|国土交通省|https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/syuro.pdf

「労働能力喪失率」は、認定される後遺障害等級に応じて、おおむね以下の割合となります。

後遺障害等級 労働能力喪失率
1級 100%
2級 100%
3級 100%
4級 92%
5級 79%
6級 67%
7級 56%
8級 45%
9級 33%
10級 27%
11級 20%
12級 14%
13級 9%
14級 5%

たとえば、片脚の膝関節の機能に「障害」が残った場合、後遺障害12級が認定されます。この場合の労働能力喪失率は、14%が目安です。

これに対して、片脚の膝関節の機能に「著しい障害」が残った場合は、後遺障害10級が認定されます。この場合の労働能力喪失率は27%で、12級と比べると、逸失利益の金額は2倍近くになります。

後遺障害慰謝料と同じく、逸失利益についても、後遺障害等級が変われば金額が大きく異なる点にご留意ください。

まとめ

交通事故で膝周辺にケガを負い、完治せずに後遺症が残った場合には、症状に応じて後遺障害等級が認定されます。後遺障害等級の認定を受ければ、加害者に対して後遺障害慰謝料と逸失利益の損害賠償を請求可能です。

認定される後遺障害等級が1つでも違えば、請求できる後遺障害慰謝料・逸失利益の金額が大きく変わります。そのため、適正な後遺障害等級の認定を受けることが非常に重要です。

弁護士にご相談いただければ、後遺障害等級の認定基準などを踏まえて、加害者側に請求できる損害賠償の項目・金額などをアドバイスいたします。実際の損害賠償請求(示談交渉など)の手続きについても、弁護士にご依頼いただければ全面的に代行いたします。

交通事故の損害賠償請求や、後遺障害等級認定についてのお悩み・疑問点は、お早めに弁護士までご相談ください。

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本記事は交通事故弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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