後遺障害等級とは誰が決める?対策はどのように?解説

後遺障害の等級認定について誰が決めるかと疑問を抱いている方もいるでしょう。

特に、医師が「症状固定」を宣言した際に、医師が等級を直接決定すると誤解している方もいるかもしれませんが、実際には医師だけが等級を決めるわけではありません。

あくまでも専門機関が、医師の診断書を参考にしながら、公平・公正に等級判定を下すのです。

この記事で、後遺障害の等級が誰が決めるか、どのように決定され、どういった対応をとるべきかを詳しくお話しします。

後遺障害等級は誰が決めるか

後遺障害等級は誰が決めるかというと、主治医(医師)が決めると考えている方もいることでしょう。

しかし、医師に等級は何級になりますかと聞いても正確に答えてはくれません。

結論から申し上げると、「損害保険料率算出機構」が調査業務を行い、認定結果を決めています。

事故の怪我が治らず、治療期間が長くなった場合、損害保険会社の担当者から手続きの案内が届くか、連絡が来るかと思います。

また手続きは誰がしてくれるかというと、相手の保険会社がしてくれます(事前認定)が、これにはデメリットがあります。

  • 1. 決定機関:
    後遺障害等級の最終的な認定は、「損害保険料率算出機構」が行います。この機構が調査業務を実施し、認定結果を決定します。
  • 2. 手続きの開始は相手の保険会社:
    事故による怪我の回復が遅れ、治療期間が長期化した場合、通常、損害保険会社の担当者から後遺障害認定の手続きについて案内や連絡があります。
  • 3. 医師の役割:
    主治医は後遺障害の状態を詳細に診断し、診断書を作成します。この診断書は認定プロセスにおいて重要な資料となりますが、等級の決定権は医師にはありません。

このように、後遺障害等級の決定が行われます。被害者の方々は、正しく理解し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることで、より公正な評価と適切な補償を受けられる可能性が高まります。

等級を決めるときには、症状固定・後遺障害診断書が重要

前述した通り、後遺障害等級が誰が決めるかというと「損害保険料率算出機構」によって行われます。

しかし、この際に提出される「後遺障害診断書」が非常に重要であり、等級の認定は基本的に書面審査によって行われます。

もし診断書の内容が適正でない場合、結果として等級が認定されないことになります。

つまり、医師とのコミュニケーションによって等級が大きく影響を受ける可能性があるため、誰が決める以前に重要なこととして、自身の主治医(医師)に対して症状の「伝え方」や行われる「検査の選択」が非常に重要であることを理解しておく必要があります。

関連記事
後遺障害診断書の書き方と自覚症状の伝え方・もらい方のポイントを解説
後遺障害診断書は、後遺障害等級認定において、判断の中心となる重要な資料です。本記事では後遺障害診断書の書き方、作成の…[続きを読む]

等級を決めるときに、事前認定は危険

特に弁護士に相談していない場合、後遺障害認定は誰がするかというと、相手の保険会社が申請してくれることが一般的です。

これを「事前認定」と呼びます。

事前認定の手続き方法は非常に簡単です。通常は、担当医師に決められた書式で後遺障害診断書を作成してもらい、それを相手の任意保険会社に提出するだけで終了します。

しかし、ここで認定結果が「非該当」となったり、低い等級が認定されることがあります。

また、「等級を決めるときに、事前認定は危険」という点について、さらに以下詳しく説明します。

  • 1. 事前認定の定義:
    事前認定とは、被害者が直接申請を行う前に、加害者側の保険会社が後遺障害の認定手続きを行うことを指します。
  • 2. 手続きの簡便さ:
    事前認定の手続きは非常に簡単です。通常、担当医師が所定の書式で後遺障害診断書を作成し、それを相手方の任意保険会社に提出するだけで完了です。
  • 3. 簡便さのリスク:
    この簡便さが、実は被害者にとって不利に働く可能性があります。詳細な症状や日常生活への影響などが十分に反映されないことがあります。
  • 4. 不利な結果の可能性:
    事前認定の結果、「非該当」や予想よりも低い等級が認定されることがあります。これは被害者の実際の状況を正確に反映していない可能性があります。
  • 5. 説明不足の問題:
    多くの場合、認定結果に対する詳細な説明が不足しています。なぜその結果になったのか、誰が決定したのかといった情報が被害者に十分に提供されないことがあります。
  • 6. 被害者の不満:
    結果に対する説明不足や、期待と現実のギャップにより、被害者に不満が蓄積することがあります。

このように、事前認定には多くの潜在的な問題があります。被害者の方々は、これらのリスクを理解し、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、自身の権利を守るための適切な対応を取ることが重要です。

関連記事
事前認定・加害者請求
自賠責の事前認定とは| 被害者請求との違い・切り替え・流れを詳しく解説
後遺障害の等級認定を受ける方法には事前認定と被害者請求という手続きがあります。事前認定とはどのような手続きで、どのよ…[続きを読む]

後遺障害で等級認定を決めるときは「被害者請求」で

後遺障害の等級認定は、被害者にとって最適な方法は、自身で後遺障害の等級認定請求を行うことです。

つまり、交通事故による後遺症が残った場合、保険会社に頼るのではなく、被害者自身が積極的に行動することが非常に重要です。

ただし、被害者が自身で請求を行う場合、手続きが事前認定に比べて複雑で手間がかかるデメリットがあります。

そのため、誰に依頼すべきかと言うと、専門的な知識を持つ「後遺障害に強い弁護士」に依頼することがおすすめです。

弁護士に相談し、アドバイスを受けることで、被害者請求のプロセスを円滑に進めることができます。ぜひ、専門家のサポートを受けてみることを検討してください。

関連記事
被害者請求でするメリット・デメリット
後遺障害の被害者請求|申請・認定の流れ・期間・必要書類を解説
交通事故の後遺障害等級認定は、事前認定より被害者請求がなぜよいのかご存知ですか? 今回は後遺障害等級認定申請の「被害…[続きを読む]
交通事故の無料相談ができる事務所
【東京都・港区・六本木】
ベリーベスト法律事務所
  • 初回無料相談
  • 土日対応可能
  • 慰謝料無料診断
全国対応の「交通事故専門チーム」によるサポートが特徴の法律事務所です。まずは、交通事故専門チームによる「慰謝料無料診断」をご利用下さい。
交通事故でお悩みなら今すぐ弁護士相談
050-5267-6329
[電話受付]平日 9:30~21:00 土日祝 9:30~18:00

まとめ

今回は、後遺障害等級は誰が決めるか、そしてどのような対策を取れば良いのかについて解説致しました。

後遺障害等級認定は、「損害保険料率算出機構」によって行われます。

また、事前認定手続きではなく、被害者自身が請求手続きを行うことが重要ですが、手続きが煩雑なため、弁護士に相談することが推奨されます。

当サイトには後遺障害に強い弁護士の情報も掲載されているので、ぜひそちらを参考に相談してください。

交通事故に強い弁護士に無料相談できます

  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
  3. 適正な後遺障害等級認定を受けたい

弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

交通事故の無料相談ができる事務所
【東京都・港区・六本木】
ベリーベスト法律事務所
  • 初回無料相談
  • 土日対応可能
  • 慰謝料無料診断
全国対応の「交通事故専門チーム」によるサポートが特徴の法律事務所です。まずは、交通事故専門チームによる「慰謝料無料診断」をご利用下さい。
交通事故でお悩みなら今すぐ弁護士相談
050-5267-6329
[電話受付]平日 9:30~21:00 土日祝 9:30~18:00
都道府県から交通事故に強い弁護士を探す
監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事は交通事故弁護士カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
この監修者の記事一覧
この記事が役に立ったらシェアしてください!