後遺障害3級の慰謝料相場と増額方法をわかりやすく解説

片目失明

後遺障害3級は、労働能力喪失率が1級、2級と同じく100%と、重大な後遺障害が残るケースであり、事故後の社会生活には相当な困難がともなうことになります。

それだけに、後遺障害認定のポイントや、慰謝料増額の相場や増額方法など適切な補償を受けるために知っておくべきことがあります。

そこで今回は、後遺障害3級が認定されるためのポイントや、認定された場合の損害賠償金額の相場、慰謝料の増額のためにすべきことについてご説明します。

後遺障害3級の代表的な症状

後遺障害3級の主な症状と慰謝料の相場は以下の通りです。

等級症状
3級1号1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
3級2号咀嚼又は言語の機能を廃したもの
3級3号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
例:就学できない場合や家事労働ができない場合など
3級4号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
例:自宅周辺の歩行は可能でも、生涯にわたって労務に服することができない場合など
3級5号両手の手指の全部を失ったもの
※母指は指節間関節(IP)以上、その他の指では近位指節間関節(PIP)以上の部分を失った場合

後遺障害3級の慰謝料相場

3級の後遺障害慰謝料の相場
自賠責基準任意保険基準(※)弁護士・裁判基準
829万円程度950万円程度1990万円程度

後遺障害慰謝料の計算方法には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士・裁判基準の3つがあり、自賠責基準から順に大きくなります。

上記の表からお分かりいただけるように、3級の自賠責基準と弁護士・裁判基準の後遺障害慰謝料とでは金額で1000万円以上、2倍以上の開きが出てしまいます。

自賠責基準は、人身事故に対する最低限の補償額を公的に定めただけのものであり、任意保険基準は、任意保険会社が独自に定めた賠償額提示の際の基準を言います。

弁護士・裁判基準は、実際に裁判に用いられる基準であり、賠償金額を最終的に決定する権限を持つ裁判所が使用する基準です。

どの基準を用いるべきかは、解説するまでもないでしょう。弁護士・裁判基準で交渉できなければ、本来受け取るべき賠償額を諦めているといっても過言ではありません。

※任意保険基準については、一般に公開されていないので、旧任意保険の統一支払基準を参考に記載しています。

後遺障害3級の逸失利益の計算例

次に、後遺障害が残った場合に請求することができる逸失利益について考えてみましょう。

後遺障害逸失利益は、後遺障害がなければ得られたであろう将来の収入です。後遺障害によって働く力が失われたと考え、その失われた割合が後遺障害の程度に応じて基準化されています(労働能力喪失率)。

逸失利益は、以下の計算式で求めることができます。

逸失利益=年収額×労働能力喪失率×被害者の年齢に応じたライプニッツ係数

「被害者の年齢に応じたライプニッツ係数」は、国土交通省の以下のサイトで調べることができます。

参考外部サイト:国土交通省「就労可能年数とライプニッツ係数表

では、実際に次のケースの逸失利益を計算してみましょう。

後遺障害3級の労働能力喪失率は、100%です。

事例

被害者の年齢・性別:25歳女性
被害者の年収:350万円
被害者の後遺障害等級:3級2号

350万円(年収)×100%(労働能力喪失率)×17.423(年齢25歳のライプニッツ係数)=60,980,500円

計算式に従うと、この事例での逸失利益は約6000万円となります。

後遺障害3級認定のためにすべきこと

後遺障害等級認定を被害者請求

社会生活が困難となる後遺障害3級の認定をより確実にするには、後遺障害等級認定の請求手続きを被害者請求で行うことです。保険会社に手続きをお任せする事前認定と異なり、提出書類が多いため手続きは煩雑になりますが、その分資料の内容を自身で把握することができます。

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後遺障害診断書は医師のチェック

また、提出書類の中でも後遺障害診断書が重要です。後遺障害認定の審査は書面審査だからです。

3級相当の後遺障害が残った場合、認定される等級を問わなければ後遺障害認定を受けられるでしょう。

多くの弁護士事務所で後遺障害診断書のチェックなどを含めた後遺障害等級認定のサポートをしています。

チェックを受けた後に、後遺障害診断書に納得がいかない場合、医師に書き直しを要求することができます。

確実に後遺障害認定を受けるためにも、弁護士との連携は重要になります。

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適正な等級の認定を受けるためにもこの2点について交通事故に詳しい弁護士に依頼することをお勧めします。

交通事故に強い弁護士は、被害者請求についての相談や、後遺障害診断書についての作成前のアドバイス、作成後のチェックまで、適正な等級認定のために力になってくれます。

後遺障害3級の慰謝料増額の裁判例

後遺障害3級で慰謝料が等級の相場を超えて増額された裁判例を2つ取り上げてみましょう。後遺障害慰謝料は、相場を超えて認められることはあるのです。

裁判例1

東京地裁平成18年3月29日判決

被害者は主婦(症状固定時32歳)。夫が運転するバイクの後部座席に同乗中、夫が赤信号を見落として交差点に進入して四輪車と衝突した事故です。加害者は、事故時の夫と四輪車運転手となります。

被害者は、頭部外傷、脳挫傷、顔面骨折、右尺骨骨折、左脛骨骨折などの多岐にわたる重度の傷害を受けました。

高次脳機能障害、複視、右眼視野欠損、咀嚼障害、骨盤骨変形、外貌醜状などの後遺障害となり、自賠責保険から併合3級に認定されました。

  • 高次脳機能障害による記憶障害、注意力低下、意欲低下、社会適応能力の低下、性格の変化が著しい
  • 平衡機能障害のため長時間歩行は困難
  • 抑うつ状態で自宅にこもっており、ずっと横になっている
  • 咀嚼障害(食物は細かく刻み柔らかく煮ないと食べられない、奥歯しか使えない)と眼の障害(複視、視野欠損)は日常生活に大きな支障
  • 若い女性でありながら、著しい外貌醜状も残ってしまった

以上の諸事情を考慮して、入通院慰謝料250万円に加え、後遺障害慰謝料2200万円を認めました。

参考文献:交通事故民事裁判例集39巻2号472頁

裁判例2

名古屋地平成29年2月21日判決

被害者は年金生活者の男性(事故時64歳)。
高齢男性(事故時85歳)の運転する加害者車両が、センターラインを超えて走行し、被害者車両と書面衝突した事故です。

右下肢欠損、右股関節機能障害、左下肢関節機能障害で、自賠責保険により併合3級に認定されました。

  • 事故により、右下腿開放骨折、右股関節中心性脱臼などの傷害を負いましたが、その後、右下腿の傷に細菌感染が生じ、右下腿(膝から足首まで)を切断し、さらにすすんで右大腿まで切断を余儀なくされた
  • 庭師となるために剪定などの技術習得に努めてきたもので、技術を活用して庭や畑の管理を行ってきたが、身体活動が大幅に制約され不可能となってしまった

などの諸事情を考慮して、入通院慰謝料350万円に加え、後遺障害慰謝料2100万円を認めました。

参考文献:自保ジャーナル1998号1頁

弁護士・裁判基準における後遺障害慰謝料の相場は、1990万円で、2つの裁判例ともこれを超えています。

もともと実際に支払われる後遺障害慰謝料は、事故態様などによって個別に判断されるので、事故ごとに異なります。

中でも裁判では、被害者の後遺障害や性別、年齢、年収、職業、生活状況など様々な要素を念頭において判断されるので、相場よりも高い慰謝料が認められることがあるのです。

慰謝料増額のための3つのポイント

弁護士に相談、依頼することをお勧めするには、他にも理由があります。慰謝料増額が期待できるからです。

以下3つのポイントがカギを握ります。

後遺障害認定と弁護士依頼

この3つのポイントを実現するためには、交通事故についての専門知識や経験が豊富な弁護士を選ぶことこが重要になります。

後遺障害3級の慰謝料の自動計算ツール

自分の事故のケースで、後遺障害3級の慰謝料相場を調べたい方は、慰謝料自動計算ツールをご利用ください。

通院期間や後遺障害等級を入れるだけで、より詳しく自分の慰謝料相場を弁護士基準で計算することができます。

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まとめ

今回は、後遺障害3級の慰謝料の相場や認定のためにすべきこと、慰謝料増額のためにすべきことについて解説しました。

後遺障害3級は、労働能力が完全に失われる重大な症状が残ったケースです。社会生活にもかなりの支障をきたすので、適切に等級認定を受けて、なるべく多くの賠償金の請求をすることが重要です。

交通事故事件に明るい専門性の高い弁護士に手続きを依頼して弁護士・裁判基準で慰謝料を交渉することで、賠償金アップの可能性が高くなります。

確実に後遺障害3級の認定を受けて、適切な金額の賠償金を受け取れるように手続きをすすめましょう。

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