「自動車」対「バイク」の交通事故の過失割合をわかりやすく解説

交通事故が起こるとき、自動車同士の事故とは限りません。相手がバイクのケースもありますが、自動車とバイクとの交通事故のケースでは、自動車同士の事故とは異なる過失割合が適用されることが多いです。また、バイクは車幅が狭いため、巻き込み事故など、自動車同士の事故とは異なる特有の形態の交通事故も起こります。

このように、バイク特有の交通事故のケースでは、どのような過失割合になっているのでしょうか?今回は、自動車とバイクの事故における過失割合の考え方について、解説します。

基本的にバイクの過失割合が小さくなる

自動車とバイクの交通事故が起こったとき、バイクの過失割合は基本的に小さくなります。(参考:交通事故の過失割合とは?決め方・下げ方の知らないと損する全知識

バイクは、四輪自動車に比べて車体も小さく衝撃を受けやすいですし、事故が起こるとライダーが直接道路や相手の車体などに接触するため、自動車のドライバーよりも事故によって重大なダメージを負う可能性があります。このように、バイクは自動車よりも弱い立場にあるので、基本的にバイクの過失割合が自動車よりも減らされることになります。

このことを「単車修正」と言います。

たとえば、同じ幅の道路が交差する交差点(信号機なし)で、どちらが優先されるわけでもない場所において、出合い頭で車両同士が衝突した交通事故の場合、本来であれば過失は50対50になるはずです。実際、このようなケースでは、自動車同士の事故の場合なら過失割合は50対50になります。

しかし、自動車対バイクの場合には、自動者側により高い注意義務を課すべきという判断があるため、基本の過失割合が自動車対バイク=60対40になります。

このように、自動車対バイクの場合、基本的にバイクの過失割合が小さく修正される、ということを、まずは押さえておきましょう。自動車を運転する際には、バイク相手に事故を起こすと自分の過失割合が高くなるということになるので、バイクがいたら接触などしないように、充分注意する必要があります。

過失割合が修正される場合

交通事故の過失割合には、修正要素があります。交通事故のケースに応じて基本の過失割合が定められていますが、修正要素があると、その基本の過失割合が加算されたり減算されたりして修正されます。

たとえば、過失割合の加算要素としては、徐行義務違反や一旦停止義務違反、右折左折合図の遅れ、著しい前方不注視などがあります。自動車が大型車の場合にも、自動車側の過失割合が加算されるケースがあります。

バイクの場合、ヘルメット装着違反があり、それによって事故の結果が重大になったケースなどではバイク側の過失が加算されることがあります。

巻き込み事故のケース(左折事故)

バイクに特有な事故としては、先行する自動車によるバイクの巻き込み事故が典型的です。

巻き込み事故とは、自動車が左折する際に、後ろから直進して来たバイクを巻き込むことによって起こる事故です。

この場合、基本の過失割合は、自動車対バイク=80対20となります。

そして、以下のような修正要素が適用されます。

自動車側の加算要素

  • 自動車が大型車 5%
  • 自動車が大回り 10%
  • 指示方向の合図遅れ 5%
  • 指示方向の合図なし 10%
  • 直近で左折 10%
  • 徐行なし 10%

バイク側の加算要素

  • 著しい前方不注視 10%
  • 時速15キロメートル以上の速度違反 10%
  • 時速30キロメートル以上の速度違反 20%
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単車が左折するケース

単車が先行していて、左折しようとしたときに後ろから来た自動車と衝突するケースがあります。これは、左折自動車による巻き込み事故の逆パターンだと考えると良いでしょう。
この場合には、基本の過失割合は、単車対自動車=60対40です。
過失割合の修正要素は、以下の通りです。

■単車側の加算要素

  • 指示方向の合図遅れ 5%
  • 指示方向の合図なし 10%

■自動車側の加算要素

  • 著しい前方不注視 10%
  • 時速15キロメートル以上の速度違反 10%
  • 時速30キロメートル以上の速度違反 20%

追い越しの際の事故のケース

自動車と単車における交通事故としては、追い越し時に起こるケースも多いです。バイクは車幅が狭いため、自動車の横をすり抜けて追い越しをすることがありますが、この場合に接触事故が起こることがあります。

追い越しの際の事故の過失割合は、その場所が追い越し禁止場所かどうかによって異なります。

追い越し禁止場所ではない場合

追い越し禁止場所ではない場合には、基本の過失割合はバイク対自動車=70対30です。
修正要素については、以下の通りとなります。

自動車側の加算要素

  • 避譲義務違反 10%
  • 法27条1項違反 20%
  • 著しい過失 10%
  • 重過失 20%

バイク側の加算要素

  • 著しい過失 10%
  • 重過失 20%
  • 追い越し危険場所 5%
  • 二重追い越し 20%

上記のうち、避譲義務違反と法27条1項違反についてご説明します。

避譲義務違反

避譲義務とは、自分よりも速度の速い車に追いつかれた場合、速度を落として進路を譲るべき義務のことです。避譲義務違反があると、10%の過失割合が加算されます。

法27条1項とは、道路交通法27条1項のことです。ここには、追いつかれた場合に速度を上げて相手を煽ってはいけないことが規定されています。そこで、そのような煽り行為をすると、法27条1項違反として、過失割合が20%加算されます。

道路上で追いつかれた場合には、自分の車両の速度を落として追い越しをさせてあげることが、正しい対処方法と言えます。

追い越し禁止場所の場合

これに対し、追い越し禁止場所での事故の場合、単車側の過失割合が上げられます。この場合、基本の過失割合は、単車が80、自動車が20です。修正要素としては、以下の通りとなります。

自動車側の加算要素

  • 避譲義務違反 10%
  • 法27条1項違反 20%
  • 著しい過失 10%
  • 重過失 20%

バイク側の加算要素

  • 著しい過失 10%
  • 重過失 20%
  • 二重追い越し 20%

ドア開放の際の事故

バイク特有の事故としては、自動車のドア解放時の事故があります。自動車がドアを開いたとき、後ろから走行してきたバイクにドアがぶつかって事故がおこるケースです。
この場合、基本の過失割合は、自動車対バイク=90対10です。
修正要素は、以下の通りとなります。

自動車側の加算要素

  • 夜間の事故 5%
  • ハザードランプなどの合図がなかった 5%
  • 直前にドアを開放した 10%

バイク側の加算要素

  • ドアの解放を予想させる事情があった 事情に応じて5%~10%
  • 時速15キロメートル以上の速度違反 10%
  • 時速30キロメートル以上の速度違反 30%
  • その他の著しい過失または重過失 過失の内容に応じて10%~20%

夜間の事故の場合、後ろのバイクからは前方の自動車におけるドアの開放を確認することが難しくなるので、自動車側の注意義務が大きくなり、自動車の過失割合が増やされます。

渋滞している場所での事故

自動車とバイクの特有事故として、渋滞中に起こる事故があります。バイクは車幅が細く、自動車の間をすり抜けることができるので、自動車が渋滞していても横をすり抜けて走行することがあります。しかしバイクの姿が他の車両の影に隠れて対向車両などから見えないケースがあり、事故につながります。

たとえば、交差点内に直進してきたバイクと同じく交差点内に入ってきた自動車が衝突した場合には、基本の過失割合はバイク対自動車=30対70になります。

修正要素は以下の通りです。

バイク側の加算要素

  • 著しい前方不注視 10%
  • その他の著しい過失 10%
  • 重過失 内容によって10%~20%

自動車側の加算要素

  • 交差点以外の場所 10%

転回車と直進車の事故

バイクと自動車が衝突する事故として、自動車が転回する際に起こるケースがあります。前方を走っていた自動車が転回しようとして、後ろから直進してきたバイクに衝突するケースです。巻き込み事故に少し似ています。

この場合、基本の過失割合は、自動車対バイク=90対10になります。修正要素は以下のとおりです。

自動車側の加算要素

  • 自動車が大型車 5%
  • 転回の合図なし 10%
  • 転回危険場所 10%
  • 転回禁止場所 20%
  • 著しい過失または重過失 10%

バイク側の加算要素

  • 時速15キロメートル以上の速度違反 10%
  • 時速30キロメートル以上の速度違反 20%
  • その他の著しい過失、重過失 10%

バイクが転回する場合の事故

反対に、先行するバイクが転回する際に、後ろから来た自動車と衝突する事故があります。この場合、基本の過失割合は、自動車対バイク=70対30となります。修正要素は、以下の通りです。

バイク側の加算要素

  • 転回の合図なし 5%
  • 転回危険場所 5%
  • 転回禁止場所 10%
  • その他の著しい過失または重過失 10%

自動車側の加算要素

  • 時速15キロメートル以上の速度違反 15%
  • 時速30キロメートル以上の速度違反 25%
  • その他の著しい過失 10%
  • その他の重過失 20%

以上のように、バイクが相手の場合、自動車同士ではない特有の事故形態があり、それぞれについても過失割合の基準は決まっています。自動車とバイクの過失割合は、基本的にはバイクが有利となっていますが、ケースによってはバイクの過失割合が高くなったりバイクに過失割合が加算されたりすることもあるので、注意が必要です。

自動車やバイクを運転する際には、くれぐれも事故を起こさないように慎重に対応しましょう。

まとめ

今回は、自動車対バイク特有の交通事故の過失割合について解説しました。
自動車とバイクの事故の場合、基本的には立場の弱いバイクの過失割合が少なく認定されます。しかし、バイクに著しい過失や重過失などがあればバイクの過失割合が上がりますし、事故の形態によっては、当初からバイクに高い過失割合が認められるケースもあります。

バイクが相手の場合、特に巻き込み時の事故、追い越し時の事故、自動車のドア解放時の事故などに注意が必要です。

過失割合については、示談交渉の際に問題になりがちなので、相手の保険会社と意見が合わずにトラブルになってしまったり、相手の言い分に疑問が生じたりすることもよくあります。このような場合、適正な過失割合を知るためには専門家である弁護士の力を借りる必要があるので、今、自動車vsバイク事故の被害に遭って、加害者側の保険会社の対応に困っている場合などには、一度交通事故問題に強い弁護士に相談してみると良いでしょう。

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