交通事故で法テラス利用は有効か?活用方法と注意点を解説

交通事故に遭ったとき、弁護士に依頼するためのお金がなかったら「法テラス」が頭をよぎることがあるでしょう。

確かに法テラスを利用すると弁護士費用の立替を受けられるので、手元にお金がなくても依頼できます。

ただ交通事故における法テラス利用には、それほどメリットがないケースもあります。

以下では交通事故において法テラスの利用が有効なのか、活用方法や注意点など必要な知識を紹介していきます。

1.法テラスとは

なぜ「お金がなかったら法テラスに相談すれば良い」と言われるのでしょうか?

法テラスは、経済的に余裕のない人に向けての法律的支援の機関だからです。

法テラスでは、主に以下の2つの活動をしています。

  • 収入の低い人に対する、弁護士や司法書士の無料法律相談
  • 収入と資産が低い人に対する、弁護士や司法書士の費用立替(民事法律扶助)

交通事故に遭ったとき、あなたの収入が一定基準より低ければ無料で弁護士や司法書士による相談を受けられます。収入も資産も一定基準より低ければ弁護士費用を立て替えてもらい、弁護士に示談交渉などに対応してもらうことが可能です。

ただし民事法律扶助は、あくまで費用の「立替」ですので後に返済が必要です。まず事件が解決するまでの間は月々1万円程度、法テラスに分割償還し続けます。

また示談や訴訟で決着がついて相手から賠償金が振り込まれたらそこから一括で弁護士費用を精算します。つまり相手から受けとった金額から法テラスへの償還金を引いた金額が、あなたの手元に戻ってくることとなります。

2.法テラスを利用する条件

法テラスを利用するには、収入や資産が一定以下でなければなりません。

具体的にはどのくらいの条件になっているのか、ご紹介します。

2-1.収入要件

収入要件は、法律相談と民事法律扶助の両方の場面で問題となります。

大都市基準とそれ以外の基準があり、大都市基準の金額の方が高くなっています。また家賃や住宅ローンの支払いがある場合、そちらを加算することも可能です。

【収入基準】

家族
の人数
手取りの月収額家賃や住宅ローン
を支払っている
場合の加算限度額
1人18万2,000円以下
(20万200円以下)
4万1,000円以下
(5万3,000円以下)
2人25万1,000円以下
(27万6,100円以下)
5万3,000円以下
(6万8,000円以下)
3人27万2,000円以下
(29万9,200円以下)
6万6,000円以下
(8万5,000円以下)
4人29万9,000円以下
(32万8,900円以下)
7万1,000円以下
(9万2,000円以下)

大都市で4人家族であれば40万円以上手取りがあっても法テラスを利用することが可能です。法テラスの収入基準は、意外とハードルが低いものとなっています。

2-2.資産の要件

法テラスで「民事法律扶助」を利用するには資産の要件を満たす必要もあります。具体的には預貯金などの資産額(居住用不動産をのぞく)が以下の基準を満たすことが要求されます。

【資産基準】

  • 家族の人数が1人 180万以下
  • 2人       250万以下
  • 3人       270万以下
  • 4人       300万以下

2-3.他の要件について

勝訴の見込みがあることや公序良俗に反しないことなども要件となりますが、交通事故でこれらが問題となることは少ないでしょう。

2-4.審査について

法テラスの無料法律相談では収入要件が必要ですが、こちらは自己申告となるので審査は不要です。一方「民事法律扶助」を利用するには審査を受けなければなりません。対象となるのは本人の収入と家計収支、財産の申告内容です。

収入要件を満たすことを証明するため、給与明細書や源泉徴収票、自営業者の場合の確定申告書などを提出しなければなりません。配偶者の収入も考慮されるので、配偶者の給与明細などの提出も求められます。本人の収入が限度を超えていなくても、配偶者と合算して資力オーバーとなってしまうケースもあります。

資力要件については、詳しい調査は行われず基本的に自己申告のみです。

法テラスで審査決定が出るまでは2週間くらいかかるので、その間は弁護士に動いてもらうことができません。

3.法テラスのメリット

法テラスを利用すると、以下のようなメリットがあります。

3-1.お金がなくても弁護士に相談・依頼できる

法テラスの一番のメリットは、手元にお金がなくても弁護士に相談したり示談交渉などを依頼したりできることです。法律相談料も払えない、着手金のお金がないというケースでは非常に助かります。

3-2.分割償還の負担が小さい

法テラスの場合、立替金の分割償還は月々1万円ずつが標準です。利息は一切かかりません。毎月の分割金額が低いので、楽に支払える方が多くなるでしょう。

3-3.一般の弁護士事務所より料金が安くなる可能性がある

法テラスを利用すると、弁護士費用が「法テラス基準」で計算されます。すると一般の弁護士事務所に直接依頼するよりも費用が安くなる可能性があります。たとえば示談交渉を依頼したとき、法テラスなら着手金と実費が合計で6~10万円程度、報酬金は10%程度となります。これより高い一般の法律事務所もたくさんあるので、そういった事務所よりは法テラスのメリットが大きくなります。

ただし以下の項目でも説明しますが、必ずしも一般の事務所より法テラスの方が安くなるわけではないので注意が必要です。

4.法テラスの注意点

4-1.交通事故に強い弁護士に当たるとは限らない

法テラスを利用するとき、自分で弁護士を探すのではなく法テラスの支部で相談を受けてそのままその弁護士に依頼するパターンがあります。

この場合、たまたま法律相談を担当した弁護士にそのまま依頼することになるため、交通事故に強い先生に当たるとは限りません。その先生が受けられない場合には別の先生を紹介されますが、その弁護士もやはり交通事故に強いとは限りません。

法テラスで相談するときには、自分で弁護士を指定できないことが大きな問題となります。

4-2.必ずしも安くなるとは限らない

法テラスを利用すると法テラス基準が適用されると説明しましたが、必ずしも法テラス基準が一般の弁護士事務所の基準より安いとは限りません。

たとえば法テラスでは必ず着手金がかかりますが、一般の法律事務所では着手金無料のケースもあります。報酬金の設定基準にもよりますが、相手から取れた金額が少ない場合には、一般の法律事務所の方が安くなる可能性もあります。

4-3.審査に時間がかかる

法テラスで民事法律扶助を利用するためには審査を受けなければなりません。そのためには自分や配偶者の給与明細書を提出して2~3週間待たねばなりません。その間弁護士は何もしてくれません。また審査が終わっても必ず通るとは限らないことも問題です。

着手金無料の一般の法律事務所に依頼すれば、当初に一切お金を払わなくても即日対応してくれるので、それと比べると法テラスにはデメリットが大きいと言えるでしょう。

5.法テラスを利用して交通事故に強い弁護士に依頼する方法

先に「法テラスでは相談する弁護士を選べない」と言いましたが、それは法テラスの地方事務所を通じて、たまたまその日担当した弁護士に相談する場合です。

そうではなく、自分で見つけた弁護士に「法テラスを使って相談する」ことは可能です

法テラスと契約をしている弁護士であれば、その先生の法律事務所で相談を受けるときにも法テラスの援助を受けられますし、依頼するときに民事法律扶助を利用できるからです。

ネットのHPなどで交通事故に強い弁護士を探し相談を受けて、法テラスを使った受任をお願いしてみましょう。

その弁護士が了承すれば、民事法律扶助を使って弁護士費用を立て替えてもらい、自分で選んだ弁護士に動いてもらうことが可能となります。

ただし法テラスを通じて依頼できるのは法テラスと契約している弁護士のみです。

法律相談の際にはその弁護士が法テラスと契約をしているのかどうか、確認しておく必要があります。

6.法テラスか弁護士への直接依頼か迷ったときのベストな対処方法

6-1.法テラスか弁護士への直接依頼のどちらが得か?

ずばり弁護士に直接依頼するのと法テラスを使って依頼するのと、どちらが得なのでしょうか?

確かに法テラスを利用すると最初にまとまった着手金を払う必要がなく、法テラスに月々1万円ずつ支払っていけば良いので支払いが楽です。

ただし法テラスの地方事務所では交通事故に強い弁護士を選べませんし、一般の事務所に依頼に行くとしても法テラスと契約している弁護士しか対応してくれない問題があります。

一方HPなどで探した交通事故に強い弁護士に対し、法テラスとは無関係に直接依頼する場合、自分の気に入った「交通事故に強い弁護士」を選べます。

また料金体系について、着手金無料の弁護士を選べば、今現在手元にお金が0円でもすぐに動いてもらうことが可能です。

料金総額についても法テラスの方が必ずしも安いとは限りません。見積もりをもらって比較すれば一般の事務所の方が安くなる可能性もあります。

6-2.交通事故に遭ってお金がないときのベストな対処方法

以上を踏まえて交通事故で弁護士に頼みたいのにお金がないケースでは、以下のように対応するのがベストです。

  • まずはHPなどで交通事故に強く、着手金無料の弁護士を探す
  • 電話して法テラスと契約しているか、民事法律扶助を利用できるか聞いてみる
  • 実際に法律相談を受けて、法テラスを使わない事務所の報酬体系で見積もりを出してもらう
  • 法テラスと事務所の見積もりを比較して、依頼方法を決定する

事務所の報酬体系が法テラスよりも多少高くても、着手金無料であれば手元にお金がなくても依頼できます。すぐに動いてくれるメリットも大きいので、その場で依頼してしまう選択もあり得ます。

7.交通事故被害者に弁護士は必須

交通事故で示談交渉をするとき、被害者が自分で対応すると低い「任意保険基準」を適用されるので、慰謝料などの賠償金を大きく減額されます。また被害者側の過失割合を高くされて賠償金をさらに減額されるケースも多々あります。被害者が自分で示談を進めると、多大なストレスもかかります。交通事故被害者が自分の権利を守るには、弁護士に対応を依頼することが必須です。

法テラスを使っても直接依頼でもかまわないので、できるだけ早めに交通事故に強い弁護士を探し、依頼して対応してもらうべきです。大きく賠償金がアップする上ストレスもなくなるので、後にきっと「依頼して良かった!」と思えることでしょう。

交通事故に強い弁護士に無料相談できます

  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
  3. 適正な後遺障害等級認定を受けたい

弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

弁護士法人 ベリーベスト法律事務所

土日の電話受付対応、弁護士報酬は「後払い」、初回相談料と着手金は完全無料!

土日の電話受付対応、弁護士報酬は「後払い」、初回相談料と着手金は完全無料!

全国対応の「交通事故専門チーム」によるサポートが特徴の法律事務所です。まずは、交通事故専門チームによる「慰謝料無料診断」をご利用下さい。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-5267-6329
[電話受付]平日 9:30~21:00 土日 9:30~18:00
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら
都道府県から交通事故に強い弁護士を探す

あなたへおすすめの記事

この記事が役に立ったらシェアしてください!