弁護士費用特約の使い方、メリット、デメリット、注意点を解説【2023年最新】
自己負担0円で弁護士依頼できる弁護士費用特約をご存知ですか?この記事では、弁護士費用特約の使い方やメリット・デメリッ…[続きを読む]
追突事故では、被害者が「むち打ち症」になるケースが非常に多いです。交通事故によるむち打ち症状が発生した場合、被害者をサポートしてくれるのが「弁護士」と「弁護士特約」です。
交通事故の被害に遭った際、弁護士に依頼する際のメリットやデメリットを注意深く考慮したうえで、弁護士に相談することが重要です。
弁護士に相談する際には、弁護士特約を活用することがおすすめです。弁護士特約は、弁護士に依頼する際の費用を自己負担せずに済む保険の特約であり、必ず活用すべきです。
この記事では、追突事故でむち打ち症状が発生した際に、「弁護士特約」を活用して弁護士に依頼する際のメリットについて詳しくご紹介します。
目次
通常、任意保険の対人対物賠償責任保険には示談代行サービスがついています。
そのため、被害者に代わって保険会社が示談交渉をしてくれることになります。
しかし、むちうち症状を引き起こしやすい「追突事故」の場合は注意が必要です。
追突事故の場合、被害者には過失がないことが多くなく、したがって、保険会社には利害関係がないため、被害者の代理として交渉すると、非弁行為という「違法行為」となってしまいます(弁護士法72条)。
つまり、保険会社が代理をできない場合、被害者は「自分一人で相手の保険会社と話をしなければならない」というわけです。
自動車事故のプロである保険会社の担当者と被害者が示談するのでは、明らかに被害者の方が不利になってしまいます。
そこで必要となるのが「弁護士特約(弁護士費用特約)」です。
弁護士特約を利用すれば、法律相談料なら10万円まで、着手金報酬金や実費などの事件処理費用なら300万円まで保険会社が負担するので、被害者が自分で弁護士費用を支払う必要がありません。
特に、被害者の過失割合が0のときは、弁護士特約が強い味方となってくれます。
追突事故でむち打ちになった被害者が、弁護士特約を利用するメリットには、次の5つがあります。
弁護士に依頼すると「弁護士費用」がかかります。結果として、弁護士に依頼して増額された賠償金額よりも弁護士費用の方が高額になる「費用倒れ」のリスクが発生します。
しかし弁護士特約を利用すれば、弁護士費用を保険会社が負担してくれるので、被害者が自腹で払う必要がなくなります。
弁護士特約を使えば、費用倒れの心配がありません。
被害者が自分で加害者側の任意保険会社と示談金を交渉する際に、保険会社が採用するのが、それぞれの保険会社が独自に策定している「任意保険基準」です。
しかし、弁護士に示談交渉を依頼すると、「弁護士基準」という法的な基準によって慰謝料などの賠償金を交渉します。もともと「弁護士基準」は、「任意保険基準」より高額であるため、示談金がの大幅アップが期待できます。
むち打ちで後遺症が残ったときは、後遺障害慰謝料などの賠償金を請求するために「後遺障害認定」を受ける必要があります。
しかし、むち打ちは、比較的、後遺障害認定を受けにくいと言われています。MRIなどの撮影を行っても異常が見られないケースがあり、立証が困難なことが多いのです。
交通事故の前から持病のヘルニアなど既往症があると、事故と症状との因果関係が否定されてしまうケースや、事故後、医師に訴えてきた症状に変遷があると、それだけで「症状があるかどうか疑わしい」とされて後遺障害を否定されてしまうケースさえあるのです。
そこで、むち打ち症になったときに適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、交通事故に詳しい弁護士に相談しながらアドバイスや指示をもらい後遺障害の申請をすべきです。
弁護士特約を使って依頼をすれば、適切な後遺障害等級の認定を受けられる可能性が上がり、延いては、最終的な損害賠償の増額も期待できます。そのうえ、弁護士費用もかかりません。
交通事故被害者にとって、保険会社との示談交渉は大きなストレスとなります。
特に過失割合が0の場合は、自分一人で加害者側の保険会社の担当者と交渉しなければならず、多大な精神的苦痛となります。
ただでさえ、辛いむち打ちの症状があるのに、保険会社との交渉のストレスで治療効果も上がらなくなってしまう例もあります。
弁護士に示談交渉を依頼すれば、交渉はすべて弁護士が行ってくれるので、被害者は治療に集中でき、平穏な気持ちで毎日を過ごせるようになります。
交通事故の被害に遭うことは初めてのことが多く、被害者は、何かと判断に迷ったり不安に感じたりすることが少なくありません。
弁護士特約を利用して、弁護士に相談すれば、後遺障害の認定以外にも適切なアドバイスをしてもらえ、不安が解消できるので安心感が高まります。
弁護士のアドバイスにより適切な行動をとることができ、将来の不利益も効果的に避けられます。
弁護士特約にメリットが多すぎて、何かしらデメリットがあるのではないかと考える方もいるかもしれません。以下の2点のみ念頭においておくと良いでしょう。
あえてデメリットを言えば、毎月少なからず任意保険会社に弁護士特約のオプション「費用」を支払う必要があります。
金額としては大きくはありませんが、何十年と契約すると、大きな金額にはなります。
ただ、弁護士特約を利用したからといって等級が下がることも、保険料が上がることもないため、基本はメリットのほうが大きいといって差し支えないでしょう。
なお、加入している保険に「事故後」に弁護士特約を追加しようと考える方もいるかもしれません。
しかし、追加前に起きた事故には利用することはできないのでご注意ください。
自動車保険などに付加できる「弁護士費用特約」について、分かりやすく解説します。
追突事故でむち打ちになった場合、多くの方が問題に直面し、弁護士に相談します。
また「この程度の相談を弁護士にしていいのだろうか」と考える方もいらっしゃるかと思います。
基本的には、下記のようなタイミングで相談するのが一番です。
早めの法律相談が、より高額の慰謝料の請求を可能にし、弁護士特約を使えば、その分手取り金額の増加も期待できます。
被害者の中には、「保険会社の紹介する弁護士に依頼しなければならない」と誤解している方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。
弁護士特約を使う際には、事前に加入する保険会社に利用したい旨を伝え、同意を得てから弁護士に依頼する必要があります。
そこで、保険会社が、「弁護士を紹介する」と伝えてくることがあります。
保険会社が紹介する弁護士は、普段からその保険会社から仕事の依頼を受けていると考えられます。
特に、加害者と被害者の加入する保険会社が同じであった場合、その弁護士が示談で、同じ保険会社に被害者の要求に沿って強く交渉にあたることができるのか疑問が残るので注意が必要です。
追突事故でむち打ちになると、保険会社には示談を代行してもらえないことが多いです。
後遺障害認定も受けにくいなどさまざまな困難が伴います。
積極的にむちうち症状になったときには、弁護士特約を利用して弁護士に守ってもらうことをお勧めします。
事故に遭ったらまずは保険内容を確かめて、交通事故に強い弁護士を探して相談や依頼をしてみてください。