交通事故で生殖器障害を受けた時の慰謝料

赤ちゃんの手

交通事故は人の体に非常に強い衝撃を加えますので、体のどこに異常が発生してもおかしくありません。

場合によっては 生殖器に異常を来すこともあり得るのです。では万が一交通事故によって生殖器に、勃起不全勃起障害(ED)性交渉不能子宮内膜症月経時疼痛などの症状が発生した場合、慰謝料などは考慮されるのでしょうか。

心因による場合、外傷(器質性)による場合について

勃起不全や勃起障害(ED)の原因は大きく分けると心因性のものと外傷性のものがあります。

【心因性】
ストレスや不安、うつなども勃起障害の原因となります。さらに、加齢や生活習慣病なども影響すると言われています。

【外傷性】
交通事故によって脳出血や脊椎損傷などの怪我を負った場合に勃起障害がおこることもあります。

外傷性の場合は、レントゲンやCTなどによる他覚的所見が見られる可能性があるためそれをもとに勃起障害との因果関係を主張すれば、交通事故との因果関係も認められる可能性があります。

心因性の場合は、さまざまなことが勃起不全の原因に考えられるため、交通事故が原因であると断定することが非常に難しくなります。

そのため、交通事故によって具体的な外傷もないのに勃起不全だけを理由に慰謝料の増額を請求するのはかなり難しいと思われます。

事故のケースごとに、変わってきますので、交通事故に強い弁護士にご相談ください。

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交通事故の生殖器障害の判例

過去の裁判例を見てみると、交通事故によって生殖器に障害が残った場合、それを加害者に主張することで裁判上慰謝料の金額に一定の配慮がされたケースがいくつかあります。

ケース1:勃起不全による性交渉不能の判例

このケースでは、被害者である原告側は事故によって勃起不全になったことで人間の三大欲望の一つの性欲を喪失し、これによって労働意欲に影響を与えたとして生殖機能障害による「逸失利益」を主張しましたが、これに対し裁判所は、これを認める根拠に乏しく的確な証拠もないとして、生殖機能障害による逸失利益の請求を退けました。

ただ、後遺障害慰謝料については、「通常の方法で子を設ける可能性がなく、婚姻の際の障害となり、通常の性生活を営む機会を奪われた」ことに考慮し730万円の慰謝料を認めました。

本案件では、被害者は併合8級に認定されていたため、裁判基準の後遺障害慰謝料の目安である830万円には届かなかったものの、裁判において生殖器機能障害が及ぼす影響を考慮した事例である。(大阪地裁平成22年5月17日)

結論:勃起不全による部分の逸失利益の請求は難しいが、慰謝料については一定の配慮がされる可能性がある。

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ケース2:精巣片方摘出の判例

20歳の男子大学生が交通事故によって左の精巣が破裂し摘出手術を受けた事例です。

被害者は後遺障害認定において第13級11号に認定されたため、それに応じた逸失利益を請求したが、裁判所は「精巣の喪失が直接的に労働能力の制限につながるものではない」との見解を示し、逸失利益を認めませんでした。

しかし、慰謝料については精巣の一部を喪失したことによっておこる「将来への不安」「将来の家族関係」等において不利益を被る可能性が「否定できない」として第13級の裁判基準の慰謝料相場である180万円にさらにプラスして90万円を増額する判断を下しました。(東京高裁平成20年9月4日)

結論:労働能力への影響は認められにくいため、逸失利益の請求は難しいが、将来への不安などを考慮し慰謝料の増額要素とはなりうる。

このように、逸失利益が認められにくい中、裁判上生殖器の障害で逸失利益が認められたケースもあります。

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ケース3:女性の月経時疼痛の判例

16歳の女子高生が交通事故に遭い、子宮内膜症そのものではないが月経時疼痛などを発症し、これに類似する症状であるとして後遺障害第11級が認定された事例です。
本件事例においては、11級の規定通り20%の労働能力喪失率が認定されています。根拠は明示されていませんが、将来就職した際に、疼痛が「仕事に具体的な支障を生じさせる可能性が高い」と判断されたと思われます。
また、慰謝料についても11級の裁判基準である420万円よりも増額され500万円が認定されました。(仙台地裁平成10年10月29日)
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以上3つの事例から導き出される見解は以下の通りです。

  • ポイント1:勃起不全や勃起障害(ED)などは、慰謝料の増額要素とはなっても、労働能力に対する影響は認められにくく、逸失利益については考慮されない可能性が高い。
  • ポイント2:生殖器に残った障害が、仕事に対して「具体的な影響を及ぼすかどうか」が、逸失利益が認められるかどうかの分かれ目である。

なお、勃起不全や勃起障害(ED)の治療費についてですが、確たる判例が見当たらないためあくまで予測ですが、基本的には難しいと思われます。

むち打ち症などと同じように、症状固定とされる可能性が高いのと、それらの治療を継続して医学的に完治すると言える可能性もそう高くはないと思われるからです。

ですので、治療費の請求というよりは、先ほどまでの判例のように慰謝料の増額などによって被害者の救済を図る形になるのではないでしょうか。

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