加害者の誠意がない、謝罪ない、連絡がとれない時の対処法とは?
加害者の不誠実な対応で精神的被害を受けることがあります。誠意のない加害者に対して、交通事故被害者はどのように接してい…[続きを読む]
交通事故で怪我を負い、すぐに病院へ搬送されて検査の後に緊急手術へ。翌日、目が覚めると真っ白な病室の天井。
あなたは昨日の惨劇を思い出し、仕事のことや今後の体調のこと、家族の負担や保険金のことなど、様々な不安が駆け巡るでしょう。
そんなとき、看護師から「加害者の方がお見舞いに来られるそうです」と聞かされたら、どう思いますか?
快く「ぜひお会いしたいです、承諾のお返事をお願いします」と言えるでしょうか?
相手に謝罪の意思があり安心した、と感じる一方、正直なところ、「事故を思い出したくない」、「加害者の顔も見たくない」、「今はそっとしておいて欲しい」「お詫びの品・菓子折り受け取りたくない」と思う方が多いと思います。
ここでは、加害者からの交通事故のお見舞いの断り方について説明します。
目次
加害者が誠意を見せる一つの手段として、被害者へのお見舞いは当然申し入れるべきですが、これは義務ではありません。被害者にも、加害者のお見舞いを断る権利、お詫びの品、菓子折りを受け取らない権利があります。
被害者も人それぞれですから、お見舞いに来てもらうことで加害者の誠意を受け取りたいと思う方もいるでしょうし、赤の他人に病室や自宅まで来られたくないと思う方もいるでしょう。
加害者に会うか会わないかは、被害者の自由なのです。
とはいえ、会いたくないと思ってはいても、穏便な断り方に迷う被害者の方も多いと思います。
以下では、病院へのお見舞いの上手な断り方と、自宅へのお見舞いの上手な断り方をお話します。
入院中なら、「病院側がまだ安静が必要な時期だと判断している」ことを理由に断れば良いでしょう。
お見舞いの申し入れがご自宅の家族経由で伝わってきた場合は、家族に返事をしてもらいましょう。また、病院に電話がかかってきた場合は、担当の方に返事をしてもらいましょう。
断る際にも、なるべく直接の会話は避けるべきです。
加害者と直接会話をすると、ストレスになり、言わなくてもよい言葉が口を出てしまうかもしれません。関係がこじれると、後に控えている示談交渉もまとまり難くなります。
退院後なら、「保険会社(弁護士に依頼している場合は弁護士)に一任している」ことを理由に菓子折りもお詫びの品も断れば良いでしょう。最近では、保険会社同士が連絡を取り合って、ほとんど当事者同士が顔合わせすることなく処理してしまうこともあります。
もちろん、相手側もいつまでもお見舞いに行けないままでは罪悪感に苛まれるでしょうから、「お互いの保険会社や弁護士に任せましょう」ということで合意するのが無難です。
一方、最初から保険会社に任せてお詫び状も送らず、お見舞いにも来ない加害者や、菓子折りもお詫びの品もない加害者や被害者側から何度連絡しても留守電や着信拒否する加害者もいるでしょう。受け取りたくない、顔をあわせたくない場合はこれでもいいのです。
ただ、これらは、単純に誠意がないのか、保険会社から一任するようにアドバイスされているのかは分かりません。しかし、少なくとも保険会社としては、当事者同士の接触は交渉の妨げになりかねないので、なるべく控えて欲しいというのが本音のようです。
腹立たしくなる気持ちも分かりますが、加害者側に直接的に謝罪を求めるための連絡を入れるのは、お互いの感情を逆撫でするだけです。
納得できない場合は、被害者側も保険会社の担当者に相談すべきです。
それでも保険会社が「当事者間のことは責任持てません」と言うのなら、加害者との接触を試みる前に検討すべきことがあります。
それは、交通事故に詳しい弁護士に相談をすることです。
交通事故を専門分野とする弁護士なら、保険会社の本音や加害者の心情を察知して、被害者のために適切な対処方針を提案することができます。これ以上心強い味方はありません。
加害者が悪質な場合だと、保険会社の担当者もお手上げになり交渉が難航することが考えられます。そんなときに弁護士に依頼しておくと、お金の面だけでなく、加害者との間でこじれてしまった関係を修復することも考えた上で、力を尽くしてもらうことができます。
保険会社では、個人的な接触によって交通事故に直接関係のない第三者(お互いの親族など)が介入してきて収拾がつかなくなってくると、最悪の場合、対応してもらえなくなりますので要注意です。
無関係の第三者を交渉の場面から遠ざけ、きちんと法律に基づいた対処を講じることができるのは弁護士だけです。
当サイトでは、交通事故の取扱いに強い全国の弁護士事務所を紹介していますので、ぜひご活用ください。
弁護士事務所ならどこでも同じというわけではありません。
国語の先生に数学を教わっても効果が期待できないのと同じで、交通事故専門の弁護士が在籍している事務所と、他の分野を専門としている弁護士が在籍している事務所とでは、雲泥の差の結果です。
交通事故は、治療も絡むため、実績や経験が重要になります。
また、被害者、もしくはその家族が自動車の任意保険に加入しており、「弁護士費用特約」に加入していれば、弁護士費用が最大300万円まで保険で賄うことができます。
弁護士費用特約を利用すれば、弁護士費用の負担を気にせず、遠慮なく弁護士に相談できます。折角加入しているのでしたら、ここぞという場面で使わなければ意味がありません。
交通事故の被害者になってしまったら、ご自身の保険に弁護士費用特約がついているかどうかを確認することをお勧めします。