主婦が追突事故でむち打ち症・打撲・骨折!休業損害・慰謝料相場公開

主婦

主婦が交通事故の被害者となった場合は、一般的に考えると、もともと現金収入があるわけではありませんので、一見すると休業損害は発生しないかのように感じますが、交通事故の損害賠償においては、主婦の家事労働についても、一定の労働力であるとして休業損害を認めています。

この点については、知らない被害者の方も多くいるため、加害者側の保険会社から提示される示談金には、主婦の場合、休業損害が盛り込まれていないケースも多々ありますので注意が必要です。

主婦でも休業損害が認められる。

すでに有名な話にもなりつつありますが、専業主婦で実質的な収入がなくても、いわゆる「家事労働」を労働として評価して、休業損害を請求する事が出来ます。
過去の事例では、専業主婦が追突事故でむち打ち症になった場合に、次のような問題が発生したそうです。

○ 首が満足に動かせないため、家事がまともにできない。
○ 子供と公園で遊びたくても、首が痛くて外出できない。
○ 子供を抱くことができない。
○ 洗濯機は使えるが、洗濯物を干すことが容易ではない。

特に、事故後2週間程度はまともに家事労働ができないため、大変な苦労をするケースがあります。当然家族にも負担がかかります。

この場合、専業主婦の基礎収入については、女性の賃金センサスを基準に算出されます。例えば上記事例では、平成23年当時の賃金センサスで計算がなされ、一日あたり9,750円が基礎収入として認定されました。
ただし、むち打ち症の場合は、あくまで全く家事ができなくなるわけではなく、一定の支障が生じる程度であるため、この基礎収入が100%補償されるわけではなく、上記の事例においても、症状が厳しかった事故後14日間は80%、その後の57日間は40%を認定するにとどまりました。金額にすると、331,500円が認められたという事になります。

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主婦がむち打ち症になった場合の慰謝料の相場は?

通常、慰謝料については被害者の職業によって算定基準が変わるわけではありません。そのため、職業だけをもって慰謝料の金額に特段の変化はありません。精神的苦痛は、基本的にはみな平等なのです。

ただし、裁判において加害者側と争った場合は一定の主張をする事で、こちら側の希望額に近づけることはできます。

例えば、主婦がむち打ち症になって2ヶ月間の通院を余儀なくされたケースでは、加害者側が日弁連の算定基準における「通院2ヶ月」の下限金額である31万円を主張したのに対し、裁判所は諸般の事情を考慮し、少し上げて35万円を認定した例もあります。ただし、通院2ヶ月の上限金額は57万円のため、それから考えれば相場からして高いというわけではないでしょう。

主婦の休業損害は事故当時の賃金センサス女子学歴計全年齢平均賃金を基準に算定する事になります。(高齢者の場合は、70歳以上の平均賃金を基準とします)
例えば、平成27年における賃金センサス女子学歴計全年齢平均額は、372万7100円ですので、1日あたりの主婦の休業損害は以下のようになります。

372万7100円÷365日=10,211円

これが主婦1日あたりの休業損害の基準額となります。

主婦の休業損害最大のポイントはその損害のパーセンテージ

主婦の休業損害の算定において最もポイントとなるのはパーセンテージです。すなわち、さきほど算出した1日あたりの休業損害は、あくまで主婦業が完全にできない状況のもとにおいて支給される上限額となります。

ただし、打撲、むち打ち、骨折など家事労働に与える影響が一定割合にとどまる場合については、その限度において休業損害が一定割合に制限される事となります。これが、どの程度のパーセンテージで落ち着くのかが、主婦の休業損害の請求における一つの分かれ道となります。

では、具体的にどの程度の金額が認定されるのか、過去の事例を参考にその相場を考えてみましょう。

主婦が打撲して1ヶ月未満の通院となった場合の休業損害について

主婦が交通事故によって打撲を負った場合、その休業損害はどのようになるのでしょうか。

打撲自体は比較的軽傷のため、裁定や裁判までもつれ込む事が少ないせいか、打撲のみの判例がありませんので、一般論として解説致します。

打撲の場合は、その程度によって主婦の休業損害の相場が大幅に変わってくる可能性があります。
まず、今回想定しているケースは「通院1ヶ月未満」ですから、比較的軽傷であったことが予想されます。例えば、軽い手足の打撲程度であれば、家事労働が一切不可能となることは考えにくいため、たとえ休業損害が認められたとしても、その金額は50%以下に制限される可能性が高いと考えられます。

休業損害の計算式

すなわち、
372万7100円÷365日=10,211円
この上限額に対して、
10,211円×50%=5,106円
このあたりが日額のベースになる可能性が考えられます。
さらに、通院期間すべてに対して休業損害が認められるとは考えにくいため、おそらく長くて事故後2週間程度に制限される可能性が高いと考えられます。
よって、

5106円×14日間=71,484円

この程度が認められれば御の字といった所でしょう。

また、場合によっては、さらにパーセンテージを制限して損害期間を長くとるという考え方もあります。この辺りはその時の示談交渉によって処理の仕方が異なってくるでしょう。

主婦がむち打ちになって3ヶ月通院した場合の休業損害について

主婦が交通事故によってむち打ちになった場合は、過去の事例から見ても適切に主張すれば休業損害が認められる傾向にあると言えるでしょう。

 

札幌支部平成25年8月30日裁定・札審第522号

この事例では、30歳主婦が交通事故によってむち打ち(頸椎捻挫)の傷害を受け、およそ71日間の治療期間を要しました。当時の賃金センサスに換算した1日あたりの休業損害額は9,750円であり、これがどこまでの範囲で認められるかが争点となりました。

結論としては、事故後14日間についてはむち打ちの症状がひどく、ほとんど家事ができなかった事に鑑み、被害者側が100%を主張したのに対し、80%が認められました。この際被害者の主張としては、首が上下左右にほとんど動かせず、実際ほとんどの家事ができなかったと主張しました。具体的には洗濯や掃除は夫に頼み、買い物については実家から食品をもらうことで対処していたとのことです。

 

ここまで細かく主張して、どうにか80%まで認められたという感じでしょう。

そして、その後の57日間については、首が左右に動かせるようになったものの、一定の方向を向こうとすると痛みを感じる状態が継続しており、洗濯はできても干す事ができないなど、以前程ではないにしろ、依然として家事労働に支障が出ている事が考慮され、40%が認められました。

休業損害の計算式

これを計算式にすると以下のようになります。
9750円×80%×14日間=109,200円
9750円×40%×57日間=222,300円
合計331,500円

これが休業損害として認められました。

主婦が骨折して6ヶ月通院した場合の休業損害について

骨折の場合は打撲やむち打ちよりも、家事労働に及ぼす影響が大きいと考えられるため、パーセンテージとしてはそれらよりも高めに設定される可能性があるでしょう。また、回復期間中はギブスや松葉杖などを使用することになり、自ずとできる家事が限られてくるため、その主張立証も必要になります。

ただ、6ヶ月間通院したとしても、その間賃金センサスの上限額が認められるわけではなく、通常は治療の経過とともにパーセンテージが制限されることとなります。考え方としては上記のむち打ちの場合と同じですが、受け取る事ができる休業損害の総額はむち打ちの時よりも多くなるでしょう。

過去の事例においても、松葉杖を使用していた期間について、賃金センサスの90%を休業損害として認めた事例もあります。

「保育料」を請求できる場合

実は主婦が被害者になった場合には、「保育料」を請求できる場合があります。例えば、子供がまだ小さいうちは、子供を連れたまま通院するのはかなり大変です。過去の事例では、1回の通院あたり、約3時間程度を要したという主張がされているケースもあります。

そのため、通院する前に子供を保育施設に預けた上で通院しなければならなくなります。

これについて裁判所は、家事労働に対して休業損害を認めている以上、別途保育料を認めると損害の二重算定になるとしつつも、むち打ち症のように休業損害が「100%認められていないケース」においては、実際に支出したうちの一定額を損害として認める見解を示しており、過去の事例では、保育料にかかった費用のうち50%の賠償を認める判決もでています。

金額的にはさほど大きくありませんが、むち打ち症自体がそんなに大きな賠償金にはなりにくいため、貴重な請求項目となるでしょう。

主婦の休業損害は一筋縄ではいかない

このように主婦の休業損害は、その怪我の程度によって認められる金額が大幅に変わってきますので、一概に「打撲の相場が○円」といった形で論じることは非常に難しく、個別の案件に応じて検証することになります。

大切な事は、実際に家事労働に対してどの程度の影響が出ているのかについて、できる限り事細かく主張立証することです。先ほどの事例にもありましたが、怪我の内容によって、家事労働に及ぼす影響は千差万別です。そのため、実際にどのような支障が出ているのかを裁定員や裁判官などにきちんと理解してもらう事が大切なのです。

休業損害が制限されるケース

さらに、被害者の家庭環境によっても休業損害が制限されるケースがあります。

例えば、核家族で小さな子供を抱える主婦が交通事故にあったような場合は、家事労働に与える被害は甚大ですから、判断基準は被害者よりに傾く傾向にあります。反対に、拡大家族で子供も自立しているような場合については、事実上、家事労働に与える影響は少ないととられる傾向にあるため、制限が厳しくなることが予想されます。
そのため、主婦の休業損害をできる限り増額させるためには、これらの事情を念頭に置いたうえで適切な主張ができる交通事故に強い弁護士の存在が必要不可欠なのです。

特に休業損害の日額を、自賠責基準である日額5700円で請求してくるような加害者や保険会社は要注意です。

交通事故に強い弁護士に相談

休業損害については、三庁共同提言により、交通事故に強い弁護士が適切に主張すれば、自賠責基準の日額5700円ではなく、賃金センサスを基準に算出した金額が認められるようになっています。これを知らずに示談に応じてしまうとかなりの損をしてしまいますので、主婦の休業損害は必ず交通事故に強い弁護士に相談するようにしましょう。

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