主婦が追突事故でむち打ち症!慰謝料相場をわかりやすく解説

主婦

追突事故でむち打ち症(頚椎捻挫)になる人はとても多く、専業主婦やパートをしている兼業主婦等が被害者となる可能性も十分にあります。

交通事故の被害者が会社員でも学生でも、もちろん主婦でも、人身事故となった場合は、慰謝料を請求することが可能です。

今回は、ブログやYahoo!知恵袋などでも話題になることが多い、専業主婦・兼業主婦が追突事故でむち打ち症になってしまった場合の損害賠償、とりわけ慰謝料請求でいくらもらえるか、その相場金額について取り上げてみましょう。

追突事故でむち打ち症になった主婦の損害賠償

最初に、専業主婦が追突事故でむち打ち症になったときに請求することができる損害賠償全体を以下のチャートを使って把握しましょう。

事故発生から治癒・症状固定までの損害賠償

まず、事故が発生してから、むち打ち症が「治癒」「症状固定」と診断されるまでの間、即ち「治療期間中」を考えてみましょう。

ここで言う治癒とは、むち打ち症が「完全」に治った場合であり、症状固定とは残念ながら治療を継続しても「それ以上症状が改善しないと医師が診断した状態」を言います。

この間、被害者は、治療費、交通費、入院雑費(例えば入院中に必要となるタオルやティッシュペーパー、テレビカード代など)など、治療のために様々な費用の支出・負担を強いられます。

これらは、交通事故を原因として負担させられた費用ですから、支出・負担した実費額を基本として請求することが可能です。

また、この期間中に、主婦が家事をおこなえなかったときは、「休業損害」を請求することができます。主婦の家事労働にも経済的な価値が認められるからです。

主婦の休業損害について、詳しくは、次の記事をご覧下さい。

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さらに、むち打ち症で入院・通院を余儀なくされ、精神的な苦痛を受けたことに対する補償として傷害慰謝料(入通院慰謝料)を請求することができます。

症状固定後の損害賠償

むち打ち症が治癒すれば、それ以後には何らの損害も発生しません。したがって、治療期間中の各損害だけが賠償請求の対象となります。

また、医師に症状固定と診断されれば、法的には、それ以後の治療は症状改善に必要な治療とは言えず、不必要かつ無意味な治療ということになります。

治療費が発生しても、交通事故と因果関係がある損害ではないため、賠償請求することはできません。

同様に、症状固定後に、通院を継続したとしても、入通院慰謝料を算定する通院期間に含めることはできません。

また、症状固定後に家事を休んでも、交通事故との因果関係はありませんから、休業損害を請求することもできません。

このように、症状固定後は、治療期間中と同様の損害賠償請求は認められません。

しかし「後遺障害」が残ってしまった場合には、内容・程度に応じた補償を請求することが認められます。具体的には、以下の2つです。

  1. 後遺障害によって失われた働く力(労働能力)を補償する「後遺障害逸失利益
  2. 後遺障害となってしまった精神的苦痛に対する補償である「後遺障害慰謝料

主婦の後遺障害逸失利益について、詳しくは、次の記事をご覧下さい。

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いくらもらった?主婦がむち打ち症になった場合の入通院慰謝料

さて以上のとおり、主婦がむち打ち症となった場合に請求できる慰謝料には、次の2つがあります。

  1. 治療期間中の「入通院慰謝料
  2. 症状固定後の「後遺障害慰謝料

では、入通院慰謝料から説明しましょう。

入通院慰謝料の3つの基準

入通院慰謝料の算定基準には、以下の3種類があります。

  1. 自賠責基準
  2. 弁護士基準(裁判所基準)
  3. 任意保険基準

自賠責基準

自賠責基準とは、加害者側が負担するべき賠償金の総額のうち、加害者側が加入している自賠責保険から支払われる金額を計算する基準です。あくまでも賠償金額の一部を計算するものに過ぎないことに注意してください。

弁護士基準(裁判所基準)

弁護士基準(裁判所基準)は、裁判例などに基づき、裁判所や弁護士団体がまとめた基準です。

訴訟や弁護士による示談交渉では、この基準を目安として損害賠償額が決まりますので、「真の意味」での損害賠償額の基準は、この弁護士基準だけなのです。

任意保険基準

任意保険基準とは、示談交渉のときに加害者側の任意保険会社が呈示する金額であり、その会社の「内部基準」です。

保険会社の一方的な提案で、何の根拠もありませんし、弁護士基準よりも低額ですから、考慮する必要はありません。

弁護士基準での金額相場|通院3ヶ月と6ヶ月

では、入通院慰謝料の弁護士基準(裁判所基準)について説明します。

入通院慰謝料は、入院期間と通院期間の長さに応じて決まりますが、これを算定するための表が、「赤い本」(※)に掲載されている「入通院慰謝料別表Ⅰ」と「入通院慰謝料別表Ⅱ」です。

※「赤い本」:正式名は、「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編集発行)

他覚所見のないむち打ち症の入通院慰謝料の金額相場を算定するときは下表の入通院慰謝料「別表Ⅱ」を使用します。「他覚所見がない」というのは、わかりやすくいうと、医師がむち打ち症の症状をMRIなどの画像によって確認できないこと等を言います。

別表Ⅱは、他覚所見がある場合に使用する「別表Ⅰ」より金額が低く設定されています。以下で、通院3ヶ月の場合と6ヶ月の場合を確認してみましょう。

別表Ⅱ(単位:万円)

入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
通院356692116135152165176186195204211218223228
1月195283106128145160171182190199206212219224229
2月366997118138153166177186194201207213220225230
3月5383109128146159172181190196202208214221226231
4月6795119136152165176185192197203209215222227232
5月79105127142158169180187193198204210216223228233
6月89113133148162173182188194199205211217224229
7月97119139152166175183189195200206212218225
8月103125143156168176184190196201207213219
9月109129147158169177185191197202208214
10月113133149159170178186192198203209
11月117135150160171179187193199204
12月119136151161172180188194200
13月120137152162173181189195
14月121138153163174182190
15月122139154164175183

上表を確認すると、追突事故でむち打ち症となり、3ヶ月通院のみした場合は53万円、6ヶ月通院のみした場合は89万円、入院1ヶ月・通院3ヶ月の場合は83万円といった見方をします。

一方、むち打ち症で、他覚的所見のある場合の金額相場は、「別表Ⅰ」を使います。

別表Ⅰ(単位:万円)

入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
通院53101145184217244266284297306314321328334340
1月2877122162199228252274291303311318325332336342
2月5298139177210236260281297308315322329334338344
3月73115154188218244267287302312319326331336340346
4月90130165196226251273292306316323328333338342348
5月105141173204233257278296310320325330335340344350
6月116149181211239262282300314322327332337342346
7月124157188217244266286304316324329334339344
8月132164194222248270290306318326331336341
9月139170199226252274292308320328333338
10月145175203230256276294310322330335
11月150179207234258278296312324332
12月154183211236260280298314326
13月158187213238262282300316
14月162189215240264284302
15月164191217242266286

ただし、通院が長期にわたる場合には、症状、治療内容、通院頻度をふまえて他覚所見のある場合は実通院日数の3.5倍程度、他覚所見のない場合は実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもあるとされています。

具体的には、以下のケースなどがこれにあたります(※)

通院が長期化し、1年以上にわたっている場合で、

  1.  通院頻度が極めて低く1ヶ月に2~3回程度の割合にも達しないケース
  2. 通院は続けているものの、治療というよりむしろ検査や治癒経過の観察的色彩が強いケース

※「青本」:正式名「交通事故損害額算定基準」(日弁連交通事故相談センター本部)

交通事故の慰謝料自動計算機で主婦の慰謝料を計算しよう

具体的な計算表を用いて頚椎捻挫で通院3ヶ月・6ヶ月の場合の金額相場を確認しました。

もっと簡単に交通事故の慰謝料を、自動計算機を利用していくらもらえるのか確認できる方法があります。

ご自身の慰謝料が具体的にいくらになるのか気になる方は、是非以下の「交通事故の慰謝料相場自動計算機シミュレーション」をお試しください。

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シングルマザーでは入通院慰謝料が増額される可能性も!

「別表Ⅰ」「別表Ⅱ」の金額はあくまで「目安」「相場」であって絶対のものではなく、個別の被害状況に応じて増減されます。

シングルマザーの場合、家事労働をする主婦、子育てをする一人親、パート等をする職業人という3つの役割を同時にこなさなくてはならないので、無理をおして退院を早めることもあるでしょうし、退院後も静養できずに痛みをこらえながら家事・育児・仕事を続けなくてはならないこともあるでしょう。

そのような事情は、当然に、慰謝料額に反映されるべきです。示談交渉においても、訴訟においても、そのような深刻な被害状況を、保険会社や裁判官に強く訴えることが必要です。

赤い本では、下記のように記載されてもいます。

「被害者が幼児を持つ母親であったり、仕事等の都合など被害者側の事情により特に入院期間を短縮したと認められる場合には、上記金額を増額することがある」

主婦が後遺障害12級・14級になった場合の後遺障害慰謝料はいくら?

むち打ち症で後遺障害が残り、自賠責保険に後遺傷害等級の認定を受けると「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」を請求することができます。

後遺障害慰謝料の基準額は、自賠責保険の認定する「等級」によって決まります。

むち打ち症が該当する後遺傷害等級は「12級」と「14級」です。それぞれの後遺障害等級の慰謝料額の相場は下表のとおりです。

後遺障害慰謝料額

後遺障害等級弁護士基準(裁判所基準)自賠責基準
12級290万円93万円
14級110万円32万円

後遺障害慰謝料についても、いくらもらえるかはあくまでも目安であり相場です。

上記の額がそのまま個別の事案に当てはまるわけではありません。個々の事故態様や被害者の事情などを勘案して増減されることになります。

この表からわかるように、むち打ち症の後遺障害等級が12級となるか14級となるかによって、後遺障害慰謝料の金額は大きく変わります。

また、むち打ち症の症状があっても、自賠責保険によって、14級にも該当しないと判断されてしまう場合(これを「非該当」と呼びます)もあります。

したがって、満足のゆく賠償金を受け取るためには、より高い等級の認定を勝ち取ることが重要です。

むち打ち症で、より高い後遺障害等級となるための注意点の詳細については、次の記事をご覧下さい。

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弁護士基準での示談交渉は弁護士に依頼

今回は、ブログやYahoo!知恵袋などでも話題になることが多い主婦の慰謝料がいくらぐらいもらえるのかについて紹介致しました。

上記で紹介した「弁護士基準」を用いれば慰謝料は増額します。

ただ、被害者となった主婦が自分で弁護士基準(裁判所基準)で示談を進めようとしても、相手側の保険会社がそれに応じてくれるかは別問題です。

そんな時は、弁護士に依頼するのが得策です。どんなに保険会社が抵抗しても、訴訟となれば弁護士基準(裁判所基準)が適用されるので、弁護士が訴訟も辞さない態度で交渉に臨めば保険会社も応じざるを得ません。

また弁護士であれば、先にシングルマザーの慰謝料について説明したような、被害者の個別事情に応じた増額理由を保険会社や裁判所へ主張し、慰謝料額を増額させることも可能です。

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