交通事故の調査会社とは?被害者が不利にならない調査への対応策

交通事故の調査会社とは
  • 「交通事故で、調査会社にどう対応すればいいの?」
  • 「調査会社の調査を拒否できるの?」
  • 「調査会社が出てきて、自分に不利になったらどうしよう…」

交通事故は、被害者にとって身体的、精神的、そして経済的な負担をもたらす可能性がある緊急事態です。

交通事故の被害に遭った後、加害者の保険会社が調査会社に依頼し、調査を始めることがあります。被害者の方は、調査会社が出てくると、不安になることが多いのではないでしょうか?

これらの調査会社は、事故の原因や責任を特定し、賠償金の支払いを調整する役割を果たします。しかし、被害者にとっては、調査会社の介入が不利に働くこともあるため、適切な対応策を知っておくことが重要です。

ここでは、交通事故の調査会社とは何か?調査会社が入った際、被害者が不利にならない調査への対応策について説明します。

調査会社とは

保険会社の依頼を受けて調査を行う調査会社の概要

交通事故に遭ったときには、加害者側の保険会社との間で、保険金の支払いについて打ち合わせすることになります。しかし、保険会社との話し合いだけで保険金の支払額が決まるものと思っていると、途中で保険会社の方から、「第三者機関の調査会社を入れたい」「調査にご協力願います」などと言われてびっくりすることがあります。

交通事故の後、事故の詳細を調査するために、調査会社が入ることがあります。すべての交通事故について調査会社の調査が行われるわけではなく、保険会社が依頼した場合にのみ調査会社が介入します。

ここでいう調査会社とは、交通事故専門の調査を行っている民間企業になります。「損害保険リサーチ」や「審調社」などの会社が有名ですが、他にも多数の調査会社があります。

なぜ保険会社が調査会社に調査を依頼するのか?

交通事故で調査会社が介入するのは、主に、次のようなケースです。

①過失割合について意見が分かれている

交通事故では、被害者側にも幾分かの過失が認められるケースが多くなっています。そのため、加害者対被害者の過失割合を定めてから損害賠償額を算定し、保険金の支払額が決まります。被害者側の過失が大きければ、その分損害賠償額が減額されることになりますから、過失割合をどうするかは非常に重要です。

過失割合は、事故当時の現場の状況などをふまえ、過去の裁判例にもとづく基準に従って定めることになります。しかし、事故当時の状況について被害者、加害者双方の意見がくい違い、過失割合が決まらないことがあります。このような場合には、保険会社は調査会社に依頼し、事故原因について詳しく調べることになります。

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②偽装事故が疑われる場合

交通事故に遭えば保険金の支払いが受けられますから、保険金をだまし取る目的で偽装事故を起こす「当たり屋」もいます。保険会社が偽装事故を疑っている場合には、調査会社が介入して調査を行うことになります。

調査の調査会社の調査の内容

調査会社が行う調査は、次のような内容になっています。

①事故現場の調査

現場の写真を撮影したり、図面を作成したりします。事故の痕跡の有無や信号サイクルの調査なども行われます。

②当事者からの聞き取り調査

加害者、被害者双方から事故の状況を聞き取りします。と言っても、事故現場で確認しながら聞き取りするのではなく、自宅や喫茶店で面談を行うこともあります。

③警察からの聞き取り調査

警察から事故当時の状況や加害者の処分について聞き取りします。

調査会社は中立的な立場ではない

調査会社は保険会社とは別の組織です。そのため、調査会社というのは、事故原因を客観的に究明するために介入する中立的な第三者機関と考えている人も多いかもしれません。しかし、調査会社は保険会社の委託を受けて調査を行い、保険会社から一方的に報酬をもらっている会社ですから、中立的な立場ではありません

調査会社の中には、保険会社が出資して設立された会社もあります。調査会社は、基本的に保険会社側、加害者の味方ということになります。調査会社は、加害者側に有利な証拠を積極的に収集することはあっても、被害者側に有利になるようには動いてくれないと考えるべきでしょう。

調査会社の調査を拒否出来るのか?

 調査会社は一民間企業

調査会社が出てきて調査の協力を要請してきた場合には、まず、従わなければならないのかという疑問が出てくると思います。調査会社は警察ではなく、一民間企業です。調査に協力しなければならない義務もなく、拒否したところで罰則を受けることもありません。調査は拒否することができますから、あまり不安にならないようにしましょう。

調査を拒否するデメリット

調査は拒否できるとはいえ、拒否することでデメリットになることもあります。過失割合について争いがある場合、調査に協力しなければ、結局双方の主張が平行線をたどり、決着がつかなくなってしまいます。

また、偽装事故の場合には保険金も支払われません。保険会社に偽装事故を疑われたまま調査を拒否すると、示談での解決は難しくなってしまいます。

調査会社への対応策

調査には協力した方がよい

交通事故で調査会社が入った場合、基本的に調査には協力した方がよいでしょう。調査を拒否すると、その段階で「何かやましいことがあるのでは?」と思われてしまいます。調査に協力する場合は、嘘をつかず正直に話すことも大事です。嘘をつくと証拠との整合性がなくなり、証言の信憑性がないと評価されるため、不利になってしまいます。

あいまいな答え方をしない

事故当時のことについては、覚えていることと覚えていないことがあると思います。覚えていないことについては、「覚えていない」とはっきり答えましょう。答え方があいまいだと、加害者側に有利なように解釈されることもあります。

事前に調査報告書の開示を確認

調査会社は、依頼者である保険会社には調査報告書を提出して報告を行いますが、被害者側には調査報告する義務はありません。何も言わなければ、調査会社は保険会社にどんな報告を行ったかを被害者に教えてくれないこともあります。調査に協力する前に、調査報告書を開示してもらえるのかを確認するようにしましょう。もし開示してくれないようであれば、調査への協力を拒否することも検討しましょう。

調査会社に対抗して弁護士に相談する

調査結果に納得ができないなら

調査会社は保険会社に依頼されて調査を行うため、保険会社に有利な証拠を収集します。保険会社は、調査会社からの報告にもとづき示談を進めようとしますから、被害者としては、当然、納得がないこともあるはずです。そうなると、示談による解決は難しくなってしまいます。

調査会社は被害者に有利になるような調査はしてくれません。被害者のために証拠を集めてくれるのは弁護士になります。調査結果に納得できない場合には、弁護士に相談しましょう。弁護士に依頼すれば、被害者にとって有利になる証拠を十分集めた上で、保険会社と交渉してもらうことができます。

弁護士費用特約が利用できることがある

弁護士に依頼するとなると、「高額の弁護士費用がかかるのでは?」と心配になる方も多いと思います。自らが加入している任意保険で弁護士費用特約を付けていれば、弁護士費用を保険金でまかなうことができます。

弁護士費用特約では、300万円までの弁護士費用(法律相談については10万円まで)がカバーされるため、大部分のケースでは弁護士費用の自己負担は発生しません。弁護士費用は保険会社から直接弁護士に払ってもらえるので、立て替えも不要です。

弁護士費用特約は、家族が加入している任意保険のものが使えるケースもあります。交通事故の被害に遭った場合には、弁護士費用特約で使えるものがないかどうか確認してみましょう。

弁護士費用特約に関して詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

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まとめ

交通事故に遭った後、保険会社の依頼した調査会社に調査に入られた場合には、基本的に協力するようにしましょう。ただし、調査会社は中立的な機関ではなく、加害者の味方です。調査結果に不満がある場合には、被害者の味方になってくれる弁護士に相談し、対処してもらいましょう。

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