交通事故で警察を呼ばないリスク!その場で示談をしてはいけない理由
交通事故の被害者が、加害者にいわれるがままに警察を呼ばずにその場で示談をしてしまうことがありますが、1.損害賠償金を…[続きを読む]
もらい事故に巻き込まれた場合、納得いかない様々な悩みや疑問を感じる方が多いかもしれません。
本記事では、もらい事故で泣き寝入りしないためにも保険会社・警察との適切な対応や、弁護士に相談して損をしないよう得する方法はどうすればいいのか、ラッキーではないのか、納得いかない場合どうするのか、弁護士費用を負担しない方法はないかなどを解説して参ります。
目次
「もらい事故」とは、被害者にまったく過失のない事故を言います。
たとえば、以下のような場合が挙げられます。
もらい事故について、自分だけで相手と示談を行うのは、時間的・精神的に大きな負担がかかります。
特に、相手の任意保険会社は、交通事故案件を多数取り扱っているプロフェッショナルですので、支払う保険金の額を低額に抑えられてしまいがちです。
つまり、このようなタフな交渉には、被害者一人で臨むのは得策ではありませんし、泣き寝入りになりがちなのです。
例えば、車を買い替えようとしていた際に、100対0のもらい事故をされた場合、得する、ラッキーだと言う方もいます。
車の修理費用を請求することができ、それを修理費にあてずに、新車を買うための資金とすることができるからです。修理しないで現金だけゲットという選択肢をとることはできます。
そして、買い替えようとしていた車よりも安全で走行可能な車を手に入れることができ、得することができます。
ただし、もらい事故に遭った場合でも、相手方が保険に加入していない場合がありますし、また、自分自身が廃車寸前の車を所有している場合、車両価値が低く、修理費用が低額になる可能性もあったりします。現金がもらえても、多くの場合は10万円以下でしょう。
つまり、一概に得するとは言え無いですし、ラッキーとも言えないことは覚えておく必要があるでしょう。
もちろん、ぶつけられたからと言って、相手に「壊れたから、新車にしろ」と無茶なことを言って、脅すこともできません。
もらい事故に遭った場合の得する方法がないことがわかったところで、次に注意点について解説します。
物損事故だけでなく、すべての事故に共通する話ですが、加害者が「事故現場で示談」を持ちかけてくる場合があります。
特にもらい事故の場合は、物損だけで怪我がない場合や、また軽微な事故も考えられるため、そのようなケースが多いでしょう。
しかし、これに応じてはいけません。
加害者側としては「後腐れなく事故を解決したい、損したくない」「後で巨額の損害賠償を負担するリスクを避けたい」「自分の保険の等級を下げたくない」など、その場で示談をしたい理由が山ほどあります。
しかし、被害者側としては、もし後から病院で深刻なケガが見つかった場合に、加害者と連絡がつかないなどの事態になってしまってはたいへんです。
事故現場で即示談をすることは、もらい事故の被害者側のみがリスクを背負う危険な行為です。
必ずその場での示談を「拒否」した上で、加害者の情報を確認するようにしましょう。
加害者の任意保険会社から、「被害者に過失があることを主張される」ことがあります。
このような場合に備えて、被害者としては、自分に過失がないということを証明できる「客観的な証拠」を集めておく必要があります。
たとえば、警察の実況見分調書には事故の状況が記録されており、事故当時の状況についての客観的な証拠となります。
実況見分調書については、被害者が検察庁に請求することにより開示を受けることができる運用がなされています。開示方法などの詳細は検察庁、または弁護士に確認しましょう。
また、事故当時の状況を証言してくれる目撃者がいれば、被害者に有利な証言をしてもらい泣き寝入りでは終わりません。可能な限り、目撃者を確保するようにしましょう。
また、被害者が車に乗っている状況でのもらい事故の場合、自車に設置されたドライブレコーダーの映像なども客観的証拠として利用することができます。
被害者が加入している任意保険会社は、もらい事故の場合、利害関係がないため示談交渉に関与できません。
もし任意保険会社が被害者のために示談交渉を行うと、非弁行為となり違法となります。
従って、もらい事故の場合は、被害者は自ら加害者と示談交渉しなければなりません。自分の加入してる保険会社が代わりに示談を代行してくれないのです。
しかし、相手に言いくるめられて泣き寝入りするケースもあるため、適切な対策が必要です。
*弁護士法72条1項には「非弁行為」の禁止が定められています。非弁行為とは、弁護士または弁護士法人でない者が、一般の法律事件について、報酬を得る目的で「法律事務」を取り扱うことを言います。交通事故の示談交渉は「法律事務」に該当します。
「もらい事故に強い弁護士」は、任意保険会社と同じく交通事故案件の処理に関するノウハウがあります。
そのため、依頼者が損をしないよう、被害者の権利を最大限に守り、任意保険会社と対等に交渉を進めることができます。
ただ、物損事故の場合、残念ながら依頼を受け付けていない弁護士がおおいことは念頭においておいてください。
なお、「もらい事故に遭ってしまったけど、弁護士費用が捻出できない」という場合もあるかもしれません。
しかし、ご自身が加入している任意保険にオプションとして付いている「弁護士費用特約」が使える可能性があります。
弁護士費用特約は、交通事故の際に「弁護士費用を保険会社が負担」してくれるという特約です。
これを使えば弁護士費用を払うことなく、相手に賠償金を請求することができるのです。
交通事故に遭われた場合,まず,弁護士費用特約がついているかどうか確認していただくとよいでしょう。
もらい事故は、被害者にとっては降って湧いた災難、ただ損としかいえない事故と言えます。お金をもらえる、修理しないで現金ゲットとも言えますが、多くの場合はラッキーとも言えないですし、得したとも言い難いでしょう。
事前の準備もできないため、対応にはなかなか難しいところがありますが、泣き寝入りしないためにも、タイミングを見て弁護士費用特約などを利用して、得する方法を考えつつ、弁護士のサポートを得てみましょう。
十分な補償が得られるように正しく対応するようにしましょう。