警察で事故証明(物損・交通事故証明書)の取り方と内容・発行方法・期限

交通事故の被害にあったときに取得しておくべきなのが「交通事故証明書」です。

交通事故証明書があれば、賠償金や保険金の請求をする際に、事故が発生したことの証明が容易になるので、必ず取得しておくべきものです。

また、下記のような疑問を持っている方もいるかもしれません。

  • 警察署や交番で事故証明書を取得するの?どこでもらえる?
  • 事故証明書は何に使うの?値段や取り方は?
  • 事故現場で警察を呼んでない場合、後日事故証明を発行できる?
  • 事故証明が出ない場合ってある?

この記事では、そもそも交通事故証明書とは何か、その内容、取得方法、取得期限などについて、わかりやすく解説します。

交通事故証明書とは

交通事故証明書(通称:事故証明)とは、自動車安全運転センター という団体が発行する、交通事故があった事実を公的に証明するための書類です。

事故が発生して警察へ連絡をすると現場確認が行われます。

警察は、事故の概要を「自動車安全運転センター」に通知します*1

自動車安全運転センターは、道路の交通に起因する障害の防止及び運転免許を受けた者等の利便の増進に資することを目的*2として設立された団体で、交通事故証明書の発行も業務の一部となっています。

自動車安全運転センターは、事故当事者などの請求に応じて、警察からの通知内容を記載した交通事故証明書を交付します*3

*1:自動車安全運転センター法第31条
*2:自動車安全運転センター法1条
*3:自動車安全運転センター法第29条1項5号

交通事故証明は何に使うか|内容と書式

交通事故証明書に記載される内容とその書式は法令*に定められています。

*自動車安全運転センター法第29条1項5号、同施行規則第10条、別記様式第五

具体的な内容・書式は、下記の通りとなります。

交通事故証明書の書式

上に挙げた書式の最後に「なお、この証明は、損害の種別とその程度、事故の原因、過失の有無とその程度を明らかにするものではありません。」と記載されていますが、交通事故証明書は加害者の過失責任の有無、過失割合、損害内容などとは一切無関係です。

交通事故証明書は、警察から通知された内容を自動車安全運転センターが書面にしたものであり、厳密に言えば、警察が認識している内容が記載されているに過ぎません。

交通事故証明書に記載された内容が必ず真実であるとは限りませんし、交通事故の事実の有無と内容を最終的に決めるのは裁判所の権限です。

ただ、警察が確認したとする以上、保険会社は交通事故証明書の内容を尊重して手続を進めます

これが交通事故証明書が必要とされる理由です。

交通事故証明書の取り方と発行方法・日数

交通事故証明書はどこでもらえるのでしょうか?

各都道府県51カ所にある「自動車安全運転センターの各都道府県方面事務所」から発行を受けることができます。

取り方には、次の3つの方法があります。

  1. 窓口申請
  2. 郵送申請
  3. オンライン申請

1. 窓口申請

まずは事務所窓口で、直接申請する方法についてです。

警察から事故の通知が既に届いていれば原則として即日交付されます。それ以外の場合は後日郵送となり、発行後、手元に届くまでの日数は、10日程度です。

また遠方の事故でも、最寄りのセンター方面事務所を通じて申請が可能です。その場合は、後日郵送となります。

発行手数料は1通600円です。具体的な申請書の内容は、下記の通りです。

東京都の交通事故証明書の申込書のサンプル
出典:自動車安全運転センターHP

2. 郵送申請

次に、ゆうちょ銀行または郵便局で申し込む方法です。

警察署で「交通事故証明書申込用紙」を受取り(書式は各都道府県によって異なるため注意)、必要事項を記入して、ゆうちょ銀行または郵便局に手数料を添えて申し込みます。

発行手数料は1通600円で、ゆうちょ銀行または郵便局の払い込み手数料は別途必要となります。

発行後手元に届くまでの日数は、10日程度でしょう。

3. ネット・オンライン申請

自動車安全運転センターのネット上からも申請が可能です。

但し、ネット・オンライン申請を利用できるのは事故の当事者本人に限られます。

交通事故証明書のオンライン申請は、以下のサイトから行うことができます。

オンライン申請先:「交通事故証明書のインターネット申請

交通事故証明書の発行後、手元に届くまでの日数は、交付手数料を振り込んでから、10日程度です。

交付を受けることができる者

交通事故証明書の交付を受けることができる方は、事故の加害者、被害者、またその他交通事故証明書の交付を受けることについて正当な利益を有する者 (死亡保険金の受取人など)に限定されています*。

*自動車安全運転センター法第29条1項5号

また、本人以外の代理人による申請も可能です。その場合は、委任状と代理人の本人確認書類(免許証など)が必要です。

交通事故証明書の内容が違う場合

交通事故証明書が手元に届いたら、必ず直ぐに内容を確認してください。

実際の内容と違いがないとは限らないからです。

万が一、内容に誤りを発見した場合は、交通事故を扱った警察署の交通事故係に間違っていることを伝え内容の確認後、交通事故証明書を発行した自動車安全運転センターに郵送または持参して訂正してもらいます。

交通事故証明書の取得タイミングと期限

交通事故証明書は、いつから収得できるのでしょうか?

事故後、1週間程度で警察から事故に関する通知が自動車安全運転センターにゆきますので、それ以降は取得することが可能です。

なお、以下期間を経過した場合については、原則として交通事故証明書の交付を受けられませんのでご注意ください。

  • 人身事故の場合:事故発生から5年
  • 物損事故の場合:事故発生から3年

事故証明が出ない場合

ただし、交通事故証明書が出ない場合があります。次のような場合です。

事故時に警察を呼んでない!後日届けても受理されない可能性

当然、事故発生時に警察を呼んでいなければ、交通事故証明書は発行されません。

また交通事故の届け出を後日警察署で行おうとしても日が経過していると、受け付けてくれないことが多いからです。

交通事故が発生したら、警察への報告が義務付けられています(道路交通法72条1項)。違反すれば、懲役刑や罰金刑などの刑事罰が科されるおそれもあります。

また、加害者が事故自体を否定してしまえば、目撃者など客観的な証拠がないと、事故があったことさえ証明できず、被害者にとって不利な状況になることは間違いありません。

こういった事態に陥らないためにも、交通事故が発生したら、速やかに警察に通報すべきです。

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公道でない場所(駐車場、私有地など)での事故

基本的に私有地には、道路交通法の適用がありません。

したがって、私有地での交通事故については、交通事故証明書の発行がありません。

ただし、ショッピングモールの駐車場など私有地であっても「不特定多数のものが自由に行き交うことができる場所」には、道路交通法の適用があるので注意です。

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私有地の事故等の場合は、代わりに「人身事故証明書入手不能理由書」を保険会社に提出することになります。なお、保険会社への申請方法については、後述します。

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交通事故証明書と「物損事故から人身事故への切り替え」

事故直後には身体に異常がなく、警察には物損事故として届け出たが、後日身体に痛みが出てきたなどというケースでは、警察に、物損事故ではなく、人身事故として取り扱ってもらう必要があります。これを俗に、物損事故から人身事故への「切り替え」と呼びます。

交通事故証明書には、政令で定められた事項以外に、人身事故か物損事故かの区別も記載されています。下記の画像でいえば、右最下部の「照合記録簿の種別:人身事故」という記載欄がそれです。

交通事故証明書の見本

現在発行されている交通事故証明書の見本
出典サイト:自動車安全運転センターHP

人身事故に切り替えて、上記のような記載のある交通事故証明書を取得しておく方が、保険会社(自賠責保険、任意保険)への賠償金の請求などにおいて余計な手間がかかりません。

なお訳あって、事故証明が出ない場合は、先述した「人身事故証明書入手不能理由書」を提出することで交通事故証明書の提出に替えることもできます。

ただ加害者側が人身事故であることを否定すると、被害者側が、医療記録等、他の証拠を集めて人身事故だと証明しなくてはならない危険はあります。

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また、事故から一定期間を経てから痛み等が生じた場合、直ちに人身事故に切り替えをしておくべきです。

人身事故としての事故証明書を入手しておかないと、事故と症状との因果関係自体を疑われてしまい、賠償金の支払いを拒否されてしまう危険もあり得るからです。

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交通事故証明書と各種保険の関係

各種保険の申請時に、事故証明が必要になる場合・必要にならない場合があります。

任意保険会社に賠償金を請求する時

任意保険会社に賠償金を申請する際、交通事故証明書の交付申請をする必要はありません。

なぜなら多くの場合は保険会社の担当者が取り付けを行ってくれるためです。

自賠責保険に被害者請求する時

自賠責保険に被害者請求する際に事故証明は必要です。

自賠責保険への提出書類のひとつとして、人身事故の交通事故証明書、もしくは人身事故証明書入手不能理由書が要求されるためです。

また、自賠責保険へ仮渡金を請求する場合も同じです。

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健康保険を利用する時

交通事故でも健康保険を利用することができます。

その場合、保険組合などに「第三者行為による傷病届」 を提出する必要がありますが、その際の添付書類として人身事故の交通事故証明書の添付、もしくは人身事故証明書入手不能理由書を求められます。

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労災保険を申請する時

労災保険を申請する時、労働者がご自身で事故証明を取得する必要があります。

なお、なんらかの理由で交通事故証明書の発行を受けられない場合は「交通事故発生届」(※)という所定の様式に記載の上、提出することで代用することも可能です。

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※ 参考サイト:「交通事故発生届」(厚生労働省サイトより)

交通事故被害者は、弁護士に相談しよう

先にも説明したとおり、交通事故証明書は、警察の認識を記載したものに過ぎませんし、加害者の過失の有無(つまり賠償責任の有無)や過失割合、損害内容にはかかわりません。

ですから、交通事故証明書を入手したからといって、交通事故をめぐるトラブルを予防できるわけではありません。

加害者及びその保険会社から適正な賠償金を受け取るためには「交通事故に強い弁護士」に法律相談をすことをお勧めいたします。

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