交通事故でも問題になる刑事裁判について詳しく解説!

裁判所

交通事故に遭ったら、相手の保険会社と示談交渉をして損害賠償をしてもらうというイメージがありますが、実は交通事故にはもう1つ、別の側面があります。

それは刑事裁判です

刑事裁判は、犯罪を犯した疑いのある人を裁く手続きですが、交通事故の加害者は刑事裁判にかけられることがあり、その刑事裁判が被害者にも影響を及ぼすことがあります。
そこで今回は、交通事故でも問題になる刑事裁判について解説します。

1. 刑事裁判とは

交通事故でも問題になることがある刑事裁判とは、どのようなものなのでしょうか?

刑事裁判とは、犯罪を犯した疑いのある人について、有罪か無罪か及び、有罪だった場合の刑罰の内容について決定する裁判のことです。典型的な刑事裁判としては、たとえば覚醒剤取締法違反や窃盗犯、殺人犯や強盗犯などの犯罪者の裁判だと考えるとわかりやすいです。

刑事裁判では、お金の問題は取り扱われないので、刑事裁判で加害者が有罪になったからと言って、被害者にお金が支払われることは基本的にありません。

刑事裁判で訴えられるのは犯罪を犯したと疑われている人のことで、その人のことを「被告人」と言います。訴える人は「検察官」です。

裁判では、検察官が提出した証拠と被告人側の反論内容を見て、裁判官が判決を下します。

刑事裁判手続きにおいて被害者が登場することはなく、交通事故の場合に刑事裁判が行われていても、特に被害者宛に通知が来ることもありません。ただ、被害者が証人として出廷する可能性はあります。
このように、刑事裁判は、あくまで「被告人の有罪無罪と刑の軽重」を決めるための手続きであり、そこには被害者は基本的に関与しないと言うことを、まずは押さえておきましょう。

2. 交通事故で刑事裁判になる場合

刑事裁判の典型的な被告人は、窃盗犯などの犯罪者ですが、交通事故が原因でも刑事裁判が行われることがあります。

ただし、交通事故の場合には、常に刑事裁判が行われるわけではなく、中でも悪質なものや重大なものについてのみとなります。

交通事故で刑事裁判の被告人になる可能性があるのは、加害者であり、罪名は、事案によりますが、自動車運転過失致死傷罪危険運転致死傷罪道路交通法違反などです。

たとえば、交通事故を起こしたとき、加害者がその場から逃げたり救護すべき人がいるのにしなかったり、警察に通報しなかったりすると、刑事裁判になる可能性が高くなります。また、飲酒運転や過度なスピード違反をしていたり、事故後の取り調べの際に反省がなかったりする場合、被害者が死亡するなどの重大な結果が発生した場合にも、起訴されて刑事裁判になりやすいです。

被告人と言えば、警察や拘置所に身柄拘束されているイメージが強いですが、交通事故で刑事裁判になる場合、被告人が必ずしも留置場や拘置所に身柄拘束されるとは限りません。逃亡や証拠隠滅のおそれなどがない場合、起訴後は在宅で手続きがすすめられることもよくあります。

しかし、交通事故裁判であっても、有罪になったら前科がつきます。前科は一回ついたら一生消えませんし、禁固刑や懲役刑などになったら、刑務所に行かなければならないので大きな不利益を受けます。
よって、交通事故を起こした場合(加害者側になってしまったとき)、刑事裁判にならないように、法律に従って適切に対応することが重要です。

ひき逃げや当て逃げをしないこと、警察には必ず通報すること、救護すべき被害者を救護すること、そもそも飲酒運転などの危険な運転をしないことなどを、常に心に留めておきましょう。

3. 民事裁判と刑事裁判の違い

次に、民事裁判と刑事裁判の違いをご説明します。
民事裁判と刑事裁判は、構造が全く異なります。

3-1.刑事裁判の構造

まず、刑事裁判の場合、訴える人は検察官で、訴えられる人は被告人です。ここでは、国家機関である検察官が一方的に民間人である被告人を追及するという構図になっています。そして、裁判官が決定するのは、被告人が有罪か無罪か及び、刑の軽重ですので、損害賠償金などのお金の問題などは取り扱いません。

被告人には、刑事裁判に出廷する権利と義務があり、被告人欠席のままで刑事裁判が進んでいくことはありません。また、被告人の多くは拘置所に身柄拘束されていて、身柄拘束を解くためには保釈手続きが必要になります。(在宅起訴の場合には保釈は不要です)

刑事裁判では、被告人は法律のプロである検察官を相手にしないといけないので、そのままではかなり不利です。そこで、同じく法律のプロである弁護人をつけることができ、弁護士に依頼して刑事裁判での弁護をしてもらいます。

交通事故の刑事裁判では、加害者が被告人となり、被害者は基本的には裁判手続きに登場しませんが、証人として出廷することもあります。

3-2.民事裁判の構造

これに対し、民事裁判の場合、訴える人は原告で、訴えられる人は被告です。原告も被告も民間人で、どちらが悪いということもありません。原告が言いがかりの裁判を起こした場合には、原告が100%敗訴することもあります。

民事裁判で取り扱うのは、当事者の権利です。たとえば損害賠償請求や貸金返還請求の可否や金額、建物明け渡し請求の可否などが審理されます。

判断をして判決をするのは裁判官ですが、民事裁判では、「被告が有罪」とか「刑務所に行く」などという刑事的な判断は行われず、あくまで当事者間の権利に関する事項のみが判断対象になります。

民事裁判の場合、当事者が裁判に出廷するかどうかは自由で、始めから終わりまで出廷せずに放置することもできますし、当事者が身柄拘束されることもありません。ただ、民事裁判で出廷しなかった場合には、相手の言い分をすべて認めた扱いになるので、全部敗訴してしまいます。

また、原告であっても被告であっても弁護士に手続を依頼することができます。

民事裁判では、被害者が原告となり、加害者が被告になりますので、当事者の双方が裁判にかかわります。

以上が、民事裁判と刑事裁判それぞれの構造と主な違いです。

4. 刑事裁判の進み方

次に、刑事裁判の進み方をご説明します。

刑事裁判が起こると、まずは第一回期日が指定されます。このとき、被告人が裁判所に出頭すると、起訴状が朗読されて、被告人がその内容を認めるかどうか聞かれます。
起訴状の内容を認めたら、その後検察官から冒頭陳述(事件についてのストーリー)が読み上げられて、証拠が提出されて審理が進みます。

被告人側も情状などについて証拠を提出することができます。そして、被告人質問や証人尋問を行って、結審します。その日には判決の言い渡しはなく、1ヶ月後くらいに判決言い渡し日が指定されて、その日に被告人は再度出廷する必要があります。

判決が言い渡されたら、その内容に従って刑が執行されます。

罰金刑なら支払をしなければなりませんし、禁固刑や懲役刑なら、執行猶予がつかない限り、収監されて刑務所に送られます。一審の内容に不服があれば、控訴を申し立てることもできます。

起訴状の内容を認めない場合にも、検察官が冒頭陳述をしますが、この場合には弁護人側からも冒頭陳述が行われたりして、争いが始まります。検察官と弁護人側が互いに証拠と主張を展開して、有罪か無罪かが争われます。証人尋問をする場合には、被害者や目撃者が証人として呼び出されることもあります。さらに被告人質問をして、審理が充分尽くされたら、判決が下されます。この場合も、結審したその日ではなく、後日判決言い渡し日が指定されます。

判決が下されたら、その内容に従って刑が執行されますし、控訴も可能です。

5. 実況見分調書は刑事裁判の証拠にもなっている

次に、刑事裁判が交通事故事件処理に影響を与える点をご説明します。

交通事故事件では、事故が起こった状況について、当事者間で争いになることがよくあります。その場合に証拠として利用されることが多いのが、実況見分調書です。

実況見分調書は、実は刑事裁判に使われる証拠です。そもそも刑事手続きの証拠にするために警察が実況見分調書を作成しているのであり、それが交通事故状況の証明に便利なので、便宜的に検察庁から取り寄せて民事的に利用しているだけなのです。

6. 加害者が示談を急いでくることがある

加害者の刑事裁判が交通事故の民事的な損害賠償手続きに影響を与える場面がもう1つあります。それは、示談交渉です。

刑事裁判では、訴えられた被告人(加害者)は、なるべく罪を軽くしたいと考えるのが常ですが、刑事裁判では、被告人が被害者との間で示談が成立していると情状が良くなって、罪が軽くなります。

罰金刑なら金額が安くなりますし、禁固刑や懲役刑なら、執行猶予がついたり刑期が短くなったりします。

このような影響があるので、刑事裁判になった加害者は、刑を軽くするため、熱心に被害者との示談をまとめようとすることがあります。

刑事裁判では、通常弁護人を依頼するので、加害者が刑事裁判にかかったら、突然加害者の弁護人(刑事弁護人)から被害者に連絡が来て、示談の話をすすめたいと言われることが多いです。

通常、交通事故の示談交渉は最低半年、長いと1年も2年もかかるものですが、加害者の刑事裁判が終結するのはそれよりかなり早いので、加害者は早く示談をまとめたいと考えています。

このように加害者から突然の示談の打診があったとき、十分な補償が受けられる内容の提案があれば示談に応じても良いですが、内容が不十分な場合には、無理に受け入れる必要はありません。

加害者がどのような刑罰を受けるかについては、基本的に被害者にとっては無関係なことです。

特に、被害が重大で後遺障害が残るようなケースでは、安易に妥協すると、必要な補償が受けられなくなって、被害者が不利益を受ける可能性があります。
ただ、相手に同情をしていて刑を軽くしてあげたい場合などには、柔軟に対応してあげても良いかも知れません。

刑事裁判中の加害者からの示談の打診に対しては、ケースバイケースで適切な対応をとる必要があります。簡単に示談してしまう前に、交通事故問題に強い弁護士に相談に行くと安心です。

まとめ

今回は、交通事故でも問題になる刑事裁判手続きについて解説しました。

刑事裁判は、被告人が有罪か無罪か及び、刑の軽重を判断するための裁判手続きなので、民間人同士の権利のやり取りである民事裁判とは根本的に異なります。
刑事裁判で被害者が当事者になることもなく、関わり合いになるのは証人になるケースくらいです。

刑事裁判が起こると、刑をなるべく軽くしたいため、被告人となった加害者から示談交渉を打診されることがありますが、これについては無理に受け入れる必要はありません。

十分な補償が受けられる好条件であったり、事案が軽微で相手を許してあげようと思ったりするケースでは受け入れても良いですが、重大な結果が発生している場合には安易に示談をすると損をしてしまうおそれがあるので注意が必要です。交通事故では、自分が加害者になる可能性もあるので、今回の記事をよく参考にして、交

通事故と刑事裁判とのかかわりやその対処方法を正しく理解しておきましょう。

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