示談に応じない交通事故の加害者や保険会社への対策法とは?

★ お気に入りに追加
示談に応じない交通事故の加害者や保険会社への対策法とは?

交通事故に遭った相手(加害者、保険会社)が示談に応じてくれず、示談が長期化してしまうことがあります。

通常、示談が締結できなければ、保険料を受け取ることができないので、被害者にとっては大問題です。最悪の場合、被害者が損害の発生と加害者を知った時から3年を経過してしまうと、損害賠償の請求権自体が時効によって消滅してしまう可能性があります。

ここでは、加害者や保険会社が示談に応じない原因を探り、交通事故被害者としての対策を説明します。

1.加害者が示談に応じない原因

まずは、加害者が示談に応じない原因について考えてみましょう。

加害者が示談に応じない原因には、以下のようなケースがあります。

・感情的になっており、冷静なコミュニケーションがとれない
・保険料の増額を嫌い、保険の等級を下げたくない
・保険に加入しておらず、賠償金の支払い能力がない
・無過失を主張し、賠償責任がないと考えている

「無保険」の場合は問題が複雑になりますが、感情的な理由や『損をしたくない』との思いから、示談を拒否することが少なくありません。

関連記事
img_noinsurance_ver1.0 (1)
無保険事故は怖い!任意保険の未加入事故被害に遭った問題と対処方法
交通事故の相手がまったく保険に加入していなければ、当然、保険会社から支払いを受けることができません。そのうえ、自身で…

2.加害者が示談に応じない場合の対策

では、加害者が示談に応じない場合に、どのような対策があるのでしょうか。

(1)加害者と冷静なコミュニケーションが取れない場合の対策
・簡易裁判所の民事調停の利用
・ADRの利用

(2)加害者が保険の等級を下げたくない場合の対策
支払い能力がある場合:保険の利用は必須ではない旨を通知
支払い能力がない場合:訴訟を提起する旨の内容証明郵便

(3)加害者が保険に加入していない場合の対策
人身事故で自賠責保険に加入している場合:被害者請求の利用
人身事故で自賠責保険に未加入の場合:政府保障事業の利用
物損事故で任意保険未加入の場合:訴訟プラス仮差押えが必要な場合あり

(4)加害者が無過失を主張している場合の対策
・加害者を被告として訴訟を提起

(1)加害者と冷静なコミュニケーションが取れない場合

加害者が感情的になっている場合は、まず、相手の感情をときほぐすことができないか考えてみましょう。

たとえば、手紙などで、失礼をお詫びして、話し合いを進めたいという気持ちを伝えることも方法の一つです。

単に相手の性格の問題であるなどの場合は、加害者と直接に交渉することは避け、以下2つの手続の利用を検討しましょう。

・簡易裁判所の一般民事調停

関連記事
調停
交通事故で利用できる民事調停について、詳しく解説!
交通事故に遭って相手の保険会社などと示談交渉を進めても、示談が成立しないことがあります。示談ができない場合、当事者が…

・ADR(裁判外紛争解決手続)による仲裁

関連記事
交通事故ADR相談
交通事故に強い「ADR」機関は何処か?選び方と活用法を解説!
交通事故に遭ったら、加害者の保険会社と示談交渉をしますが、示談をしても解決できないことがよくあります。そのようなとき…

(2)加害者が、保険の等級を下げたくない場合

加害者が保険の等級を下げたくないという理由で示談に応じないのは、軽微な物損事故の場合に限られます。

加害者に支払能力があるのなら、保険会社を使ってもらうことが必須だとは考えていないことを伝えてみましょう。

加害者に支払い能力がない場合は、示談に応じないままだと訴訟を起こすという通知書を内容証明で送り、かえって、保険料の増額以上に、弁護士費用などのコストがかかる可能性があることを伝えます。

(3)加害者が保険に加入していない場合

人身事故で自賠責保険に加入している場合

人身事故で、加害者が自賠責保険にのみ加入しているという場合であれば、加害者が示談に応じなくても、「被害者請求制度」を利用することにより自賠責保険の保険会社に対して、直接に自賠責の保険金の請求を行うことができます。

関連記事
自賠責保険に被害者請求する方法をくわしく解説
任意保険会社の支払い拒否や示談交渉の長期化で、賠償金の支払いが遅れることがあります。生活費に困ったり、治療を受けられ…

人身事故で自賠責保険に未加入の場合

人身事故で、自賠責保険すら加入していない場合であっても、被害者を救済するための「政府保障事業」を利用することで、自賠責保険と同じ限度額(最高3,000万円)までの保障を受けることができます。

関連記事
img_noinsurance_ver1.0 (1)
無保険事故は怖い!任意保険の未加入事故被害に遭った問題と対処方法
交通事故の相手がまったく保険に加入していなければ、当然、保険会社から支払いを受けることができません。そのうえ、自身で…

物損事故で任意保険に加入していない場合

物損事故で、任意保険に加入していない場合は、加害者に支払能力があるかどうかが問題です。仮に、訴訟の判決で最終的な支払義務が確定したとしても、加害者に支払能力がなければ、現実に、損害賠償金を受け取ることはできません。

この場合は、加害者の資産調査が重要です。不動産などの資産の有無を、加害者の住居の土地建物の登記簿などから調べます。また、勤務先など収入を得ているのはどこかも調べる必要があります。

事案によっては、給与収入を含めて、訴訟に先行して、これら加害者の資産の仮差押え手続を行い、損害賠償に充てる資産を保全しておく必要があります。

(4) 加害者が無過失を主張している場合

加害者が、無過失を強く主張して、損害賠償責任を否定し、話し合いに応じないという場合は、裁判所の調停や、ADRでの仲裁と言った、話し合いの手続では、もはや解決できずに決裂してしまう可能性が高くなります。

このような場合は、最終手段としての訴訟を選択することになります。

3.保険会社が示談に応じない原因

次に、加害者が契約している保険会社が示談に応じない原因について考えてみましょう。

・保険料の不当請求を疑われている
・保険会社が保険契約上の責任を否定している
・保険会社が加害者の無過失を主張している
・保険会社の担当者に問題がある

(1)保険料の不当請求を疑われている

保険会社に不当請求を疑われている可能性があります。具体的には「当たり屋」や通院日数をごまかすなどの詐術を用いた請求です。

これらは、「保険金詐欺」、つまり、刑法上の詐欺罪という立派な犯罪行為であって、保険会社には、保険金の支払義務はありません。

何らかの事情で、被害者が、このような保険金詐欺を行なっていると保険会社に判断されてしまい、示談を拒否されているケースです。

(2)保険会社が保険契約上の責任を否定している

加害者の責任が明白でも、保険会社が、保険契約に基づく支払義務を負わないケースだと主張する場合があります。

その一つが「アフロス」、「アフター・ロス契約」と言われるものです。
これは、事故の「後」に結んだ保険契約であって、事故は保険の対象外であるにも関わらず、あたかも事故「前」に締結した保険契約であるかのように偽装した保険契約のことです。

あるいは、運転者を保険契約者とその家族に限定した保険であるにも関わらず、実際には、その事故は第三者が運転して起こしたものであり、保険の対象外であると保険会社が主張する場合もあります。

(3)保険会社が加害者の無過失を主張している

事故の態様によっては、保険会社が、加害者には過失はないとして、加害者の損害賠償責任ひいては保険会社の責任を完全に否定し、示談に応じないという場合もあります。

(4)保険会社の担当者に問題がある

示談を代行する担当者個人に問題がある場合もあります。なかなか連絡がつかないなど対応が悪い場合や、仕事を棚上げして、全く進めてくれないというケースもあるようです。

被害者からすれば、示談に応じてくれないのと似たようなものでしょう。

関連記事
保険会社の態度が悪い
交通事故で保険会社から連絡がない、遅い!対応が悪い時の対処法とは
交通事故に遭ったら、保険会社と示談交渉を進めていかねばなりません。その際、相手の保険会社の対応に納得できず、悩んでし…

4.示談に応じない保険会社への対策

次に、加害者側の保険会社が示談に応じない場合にはどのような対策があるでしょうか。

(1)不当請求を疑われている場合の対策
・加害者/保険会社を被告として訴訟の提起

(2)保険契約上の責任を否定している場合の対策
・加害者/保険会社を被告として訴訟の提起

(3)加害者の無過失を主張している場合の対策
・加害者を被告として訴訟の提起

(4)保険会社の担当者に問題がある場合の対策
・担当者の交代の要請

(1) 不当請求を疑われている場合

不当請求であると保険会社に疑われている場合は、話し合いで問題を解決することは、ほぼ不可能です。最終手段としての訴訟によるしかありません。

この場合は、加害者だけでなく、保険会社も被告として、訴訟を提起します。

なお、保険会社が、当たり屋などの保険金詐欺であると判断している場合は、刑事告訴される危険もありますので、その点も踏まえて、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

(2) 保険会社が、保険契約上の責任を否定している場合

事故後の保険契約を、事故前の保険契約であるかのように装う「アフロス」も、同じく、保険金詐欺です。保険会社が、このように認識している限り、加害者と並んで保険会社をも被告とする訴訟を提起するしかありません。

また、この場合も、同様に刑事告訴される危険がありますので、弁護士への相談が必要となります。

(3)保険会社が加害者の無過失を主張する場合

保険会社が、加害者の無過失を主張して、支払義務を否定し示談に応じない場合も、調停やADRといった話し合いでは、解決が困難であることが予想されます。
そこで、訴訟を選択することになります。

この場合は、加害者だけを被告とすれば足り、保険会社を被告とする必要はありません。
保険会社が主張しているのは、あくまで加害者が無過失で責任がないということであり、保険金詐欺のように、保険契約上、保険会社が責任を負わない場合であると主張しているわけではないからです。

(4)保険会社の担当者に問題がある場合

単に保険会社の担当者の対応が悪く話し合いが進まないというだけの場合は、保険会社にその旨を伝え、担当者の交代を要請するべきです。

その担当者が事案を放置している事実経過を説明する書面を、内容証明郵便で、保険会社に郵送すると良いでしょう。

5.加害者が示談を拒否し続けた場合はどうなる?

では、こういった対応をせず、加害者や保険会社が示談を拒否し続けた場合は、どうなるのでしょうか?

冒頭にも書きましたが、被害者が何もせずに3年経過してしまうと、損害賠償の請求権自体が時効によって消滅してしまいます。請求権を消滅させないためには、いくつか方法があります。興味のある方は、以下の記事をお読みください。

加害者や保険会社ともめるのは誰でも避けたいものですが、消滅時効といったごね得を狙う質の悪い加害者に対しては、毅然とした態度をとるべきです。

また、対策を講じても示談に応じない場合は、最終的に裁判に持ち込むしかありません。
そのためにも、できるだけ早めに弁護士に相談すべきです。

関連記事
示談の遅延
損害賠償請求権の時効は3年!示談交渉が進まない時に中断させる方法
交通事故に遭ったら、相手保険会社と示談交渉をして示談金を受け取るという流れになります。 しかし、示談交渉は治療が終了…

まとめ

加害者や保険会社が示談に応じない理由も様々なものがあり、その原因によって対応も変える必要があります。

示談で解決するつもりが、思わぬところでもめている、相手がゴネているなど問題の解決に時間がかかっている場合は、まず専門家である弁護士の助言を求めてみてください。

交通事故に強い弁護士に無料相談できます

  1. 保険会社が提示した示談金・慰謝料に不満だ
  2. 事故の加害者・保険会社との示談交渉が進まない
  3. 適正な後遺障害等級認定を受けたい

弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
保険会社任せの示談で後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

都道府県から交通事故に強い弁護士を探す
弁護士法人 ベリーベスト法律事務所

土日の電話受付対応、弁護士報酬は「後払い」、初回相談料と着手金は完全無料!

土日の電話受付対応、弁護士報酬は「後払い」、初回相談料と着手金は完全無料!

全国対応の「交通事故専門チーム」によるサポートが特徴の法律事務所です。まずは、交通事故専門チームによる「慰謝料無料診断」をご利用下さい。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-5267-6329
[電話受付]平日 9:30~21:00 土日 9:30~18:00
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら

あなたへおすすめの記事

この記事が役に立ったらシェアしてください!