交通事故を調停で解決する!慰謝料のためのポイントなどを詳しく解説!
そこで今回は、保険会社との示談が決裂した場合などに行う民事調停について流れやメリットなどを解説します。[続きを読む]
交通事故に遭った相手がたちが悪く、まったく示談に応じてくれず、ごねにごねて事故の問題が長期化してしまうことがあります。
交通事故の示談が締結できなければ、被害者側の場合は保険料を受け取ることができません。最悪の場合、損害賠償の請求権自体が時効によって消滅してしまう可能性もあります。
この記事では、TwitterやYahoo!知恵袋、2chでも話題になりやすい、交通事故の相手が示談に応じない・相手がごねるケースを解説します。相手が示談に応じない原因を探り、対策を説明します。
まずは、事故の相手がたちが悪かったり、ごねて示談に応じない原因について考えてみましょう。
事故の相手が示談に応じない原因には、以下のようなケースがあります。
特に、被害者にしろ加害者にしろ、感情的な理由が大きいと言えます。元々お互いに、たちが悪くなくても、感情的になってもめてしまうケースも多いです。
また『損をしたくない』との思いから、示談を拒否することが少なくありません。
では、事故の相手がごねて示談に応じない場合に、どのような対策があるのでしょうか。
(1)被害者も加害者も冷静なコミュニケーションが取れない場合の対策
・簡易裁判所の民事調停の利用
・ADRの利用
(2)加害者が保険の等級を下げたくない場合の対策
・支払い能力がある場合:保険の利用は必須ではない旨を通知
・支払い能力がない場合:訴訟を提起する旨の内容証明郵便
(3)加害者が保険に加入していない場合の対策
・人身事故で自賠責保険に加入している場合:被害者請求の利用
・人身事故で自賠責保険に未加入の場合:政府保障事業の利用
・物損事故で任意保険未加入の場合:訴訟プラス仮差押えが必要な場合あり
(4)相手が過失を認めず、無過失を主張している場合の対策
・相手を被告として訴訟を提起
事故相手が感情的になっている場合は、まず、相手の感情をときほぐすことができないか考えてみましょう。
たとえば、手紙などで、失礼をお詫びして、話し合いを進めたいという気持ちを伝えることも方法の一つです。
単に相手の性格がたちが悪く問題であるなどの場合は、加害者・被害者と直接に交渉することは避け、以下2つの手続の利用を検討しましょう。
・簡易裁判所の一般民事調停
加害者が保険の等級を下げたくないという理由で示談に応じないのは、軽微な物損事故の場合に限られます。
加害者に支払能力があるのなら「保険会社を使わなくても良い」ことを伝えるケースもあります。
一方で、加害者に支払い能力がない場合は、示談に応じないままだと訴訟を起こすという通知書を内容証明で送り、かえって、保険料の増額以上に、弁護士費用などのコストがかかる可能性があることを伝えることが多いです。
人身事故で、加害者が任意保険に加入はしてはいないけど、自賠責保険には加入しているという場合であれば、加害者が示談に応じなくても、「被害者請求制度」が利用できます。
被害者側は、自賠責保険の保険会社に対して、直接に自賠責の保険金の請求を行うことができます。
人身事故で、自賠責保険すら加入していない場合もあります。
その場合、被害者を救済するための「政府保障事業」を利用することで、自賠責保険と同じ限度額(最高4,000万円)までの保障を受けることができます。
物損事故で、任意保険に加入していない場合は、加害者に「支払能力があるか」どうかが問題です。
仮に、訴訟の判決で最終的な支払義務が確定したとしても、加害者に支払能力がなければ、現実に、損害賠償金を受け取ることはできません。
この場合は「資産調査」が重要です。不動産などの資産の有無を、加害者の住居の土地建物の登記簿などから調べます。また、勤務先など収入を得ているのはどこかも調べることになります。
事案によっては、給与収入を含めて、訴訟に先行して、これら加害者の資産の仮差押え手続を行い、損害賠償に充てる資産を保全しておく必要があります。
被害者・加害者双方が、過失を認めず無過失を強く主張して損害賠償責任を否定する場合があります。
このように、ごねて話し合いに応じないという場合は、裁判所の調停やADRでの仲裁と言った、話し合いの手続では、もはや解決できずに決裂してしまう可能性が高くなります。
このような場合は、最終手段としての訴訟を選択することになります。
また、被害者・加害者双方だけではなく、加害者が契約している保険会社が示談に応じないことがあります。その原因についても考えてみましょう。
被害者は、保険会社に不当請求を疑われている可能性があります。具体的には「たちの悪い当たり屋」、「通院日数をごまかしている」と疑うケースがあります。
これらが事実であるなら、「保険金詐欺」、つまり、刑法上の詐欺罪という立派な犯罪行為であって、保険会社には、保険金の支払義務はありません。
何らかの事情で、被害者が、虚偽申請・嘘・水増しのような保険金詐欺を行なっていると保険会社に判断されてしまい、示談を拒否されているケースです。
加害者の責任が明白なケースでも、保険会社が、保険契約に基づく支払義務を負わないケースだと主張する場合があります。
その一つが「アフター・ロス契約」と言われるものです。
事故は保険の対象外であるにも関わらず、あたかも事故「前」に締結した保険契約であるかのように、事故後に偽装した保険契約のことです。
あるいは、運転者を保険契約者とその家族に限定した保険で、第三者が運転して起こした事故だから、保険の対象外であると保険会社が主張する場合もあります。
事故の態様によっては、保険会社が、加害者には過失はないとする場合があります。
加害者の損害賠償責任ひいては保険会社の責任を完全に否定し、示談に応じないという場合もあります。
示談を代行する「担当者個人」に問題があるケースがあります。
なかなか連絡がつかないなど対応が悪い場合や、仕事を棚上げして、全く進めてくれないというケースもあるようです。
被害者からすれば、示談に応じてくれないのと似たようなものでしょう。
どうしてももめてしまう、相手が示談に応じない場合にはどのような対策があるでしょうか。
不当請求であると保険会社に疑われている場合は、話し合いで問題を解決することは、ほぼ不可能です。最終手段としての訴訟によるしかありません。
この場合は、加害者だけでなく、保険会社も被告として、訴訟を提起します。
なお、保険会社が、当たり屋などの保険金詐欺であると判断している場合は、刑事告訴される危険もありますので、その点も踏まえて、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
事故後の保険契約を、事故前の保険契約であるかのように装う「アフロス」も、同じく、保険金詐欺です。保険会社が、このように認識している限り、加害者と並んで保険会社をも被告とする訴訟を提起するしかありません。
また、この場合も、同様に刑事告訴される危険がありますので、弁護士への相談が必要となります。
保険会社が、加害者の無過失を主張して、支払義務を否定し示談に応じない場合も、調停やADRといった話し合いでは、解決が困難であることが予想されます。
そこで、訴訟を選択することになります。
この場合は、加害者だけを被告とすれば足り、保険会社を被告とする必要はありません。
保険会社が主張しているのは、あくまで加害者が無過失で責任がないということであり、保険金詐欺のように、保険契約上、保険会社が責任を負わない場合であると主張しているわけではないからです。
単に保険会社の担当者の対応が悪く話し合いが進まないというだけの場合は、保険会社にその旨を伝え、担当者の交代を要請するべきです。
その担当者が事案を放置している事実経過を説明する書面を、内容証明郵便で、保険会社に郵送すると良いでしょう。
被害者が何もせずに3年経過してしまうと、損害賠償の請求権自体が時効によって消滅してしまいます。
加害者や保険会社ともめるのは誰でも避けたいものですが、消滅時効といったごね得を狙われてしまうと被害者はたまったものではありません。毅然とした態度をとるべきです。
最終的に裁判に持ち込むしかありません。そのためにも、できるだけ早めに、交通事故に強い弁護士に相談すべきです。
ここではTwitterやYahoo!知恵袋でも話題になりやすい相手がたちが悪く示談に応じてくれないケースについて解説致しました。
被害者も加害者も感情的になり、保険会社も示談に応じないこともあり、それぞれ対応を変える必要があります。
示談で解決するつもりが、思わぬところでもめている、相手がゴネているなど問題の解決に時間がかかっている場合は、まず専門家である弁護士の助言を求めてみてください。